百想芸術大賞とは?
百想(ペクサン)芸術大賞とは、年に1回行われる韓国のエンターテイメントを総合的に表彰する授賞式。韓国のゴールデングローブ賞と呼ばれることもあります。TV部門(ドラマ・芸能・教養)、映画部門、演劇部門と分かれています。
57回目を迎える2021年は5月13日(木)21:00〜開催。昨年に引き続き無観客で開催され、韓国ではJTBCという放送局で生中継があります。
「芸術大賞」というだけあり、決して興行成績や話題性だけではなく、作品としての芸術性で審査されます。
映画に関しては、私も専門ではないのですが、国内の映画作品を対象に行われる映画賞には主に
百想芸術大賞
大鐘賞
審査対象
新人賞候補の基準は、作品の中の一定量の主演・助演級で3本以下の場合で、デビュー年とは無関係。
新人監督賞の基準は、当該機関に長編映画でデビューした監督。
芸術賞は、撮影・美術・音楽・音響・衣装・扮装・視覚効果・特殊効果など技術関連スタッフが対象。
今回は、コロナ流行の長期化により、劇場公開ができない映画も多くあり、「劇場公開なしでNetflixで配信」という新しい公開方法も目立つようになってきましたが、そのような作品ももちろん審査対象となっています。(「スペース スウィーパーズ(勝利号)」「ザ・コール」など)
ちなみに、アカデミー賞でユン・ヨジョンさんの助演女優賞で話題になった「ミナリ」は、アメリカ映画なので今回の対象には含まれていません。(意外と、韓国映画だと勘違いされている方が多いようです。)
TV部門のドラマ作品については、昨年から予想してきましたが、今年は初めて映画部門の予想にもチャレンジしてみたいと思います。
作品関連の賞にノミネートされている作品は全て観たのですが、演技賞にノミネートされている作品は未視聴の作品も多いため、参考程度にしていただければと思います。
作品賞
ただ悪から救いたまえ
サムジンカンパニー1995 *
音もなく
玆山魚譜(チャサンオボ)
*は日本公開済みまたは公開予定。タイトルは邦題。
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また、「ただ悪から救いたまえ」もどちらかというと作品性というよりエンタメ性が高い印象。
一方で、「音もなく」は独立映画的な雰囲気で映画賞寄り。個人的には、次回作が楽しみだと思った才能を感じさせる新人監督だったのですが、まだ作品賞を取るには早いという感じ。
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監督賞
イ・ジョンピル(サムジンカンパニー1995)
イ・ジュンイク(玆山魚譜)
ホン・ウォンチャン(ただ悪から救いたまえ)
ホン・ウィジョン(音もなく)
新人監督賞
ユン・ダンビ(夏時間)
イ・チュンヒョン(ザ・コール)
イム・ソンエ(69歳)
ホン・ウィジョン(音もなく)
続いて、新人監督賞。「私が死んだ日」「69歳」は見ていないのですが、作品を観たときから、今年の百想の新人映画賞を受賞するだろうなと思っていた、「音もなく」のホン・ウィジョン監督を予想します。
映画自体は、好みが分かれる作品なのですが、長編映画デビュー作とは思えない印象的で、意図的な演出に、将来、大きな賞をとるような作品を作りそうな監督だなと感じました。長編デビュー作にも関わらず、ユ・アインがこの作品を選択したのも納得できます。
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ちなみに、このノミネートの中で、一人だけ「俳優か?」と勘違いしそうなほど、輝いている真ん中のイ・チュンヒョン監督。
「ザ・コール」主演のパク・シネとなんと同じ年で、アイドルのような外見も話題になりましたが、作品自体もとても面白く、こちらも今後の作品が楽しみな監督です。(コロナのため、劇場公開を断念し、Netflix限定公開。日本でも視聴可能)
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最優秀演技賞(男性)
ソル・ギョング(玆山魚譜)
ユ・アイン(音もなく)
イ・ジョンジェ(ただ悪から救いたまえ)
チョ・ジヌン(消えた時間)
と言いながら、心のなかでは「ピョン・ヨハンがとったら嬉しいんだけどなあ…」と思っています(笑)
最優秀演技賞(女性)
キム・ヘス(私が死んだ日)
ムン・ソリ(三姉妹)
イェ・スジョン(69歳)
チョン・ジョンソ(ザ・コール)
助演賞(男性)
パク・ジョンミン(ただ悪から救いたまえ)
シン・ジョングン(鋼鉄の雨2:首脳会談)
ユ・ジェミョン(音もなく)
ホ・ジュノ(潔白)
続いて、助演賞。男優部門は、「潔白」以外は全て見ました。
今回ここは、一番自信があり、迷いがありません(笑)間違いなく、「ただ悪から救いたまえ」のパク・ジョンミン!!!!
日本で公開されるまで、ネタバレしないほうが面白うので、詳しくは語りませんが、とにかく「こんなにインパクトあるキャラクターはなかなか見たこと無い!」というのと、見終わった後「パク・ジョンミンって天才だわ…」と思う映画です(笑)
遅ればせながら、映画「ただ悪から救いたまえ」視聴。ファン・ジョンミン、イ・ジョンジェの豪華共演がメインかと思ったら、ポスターにも出てないパク・ジョンミンが全部持ってく感じ。いや〜ほんと演技の天才👏✨ 豊原功補など日本の俳優も出演。日本公開は未定だそうですが今度レビューします📝 pic.twitter.com/v2rTUgqA8e
— Misa🌺韓国ソウル在住ブロガー (@misam34) April 25, 2021
ちなみに、青龍映画賞でも、パク・ジョンミンが受賞しました。ここは、ほぼ間違いなんじゃないかな〜と思います。
助演賞(女性)
ペ・ジョンオク(潔白)
イ・レ(半島)
イ・ソム(サムジンカンパニー1995)
イ・ジョンウン(私が死んだ日)
新人演技賞(男性)
リュ・スヨン(鋼鉄の雨2:首脳会談)
パク・スンジュン(夏時間)
イ・ボングン(ソリクン)
ホン・ギョン(潔白)
続いて、新人賞。「ソリクン」「潔白」以外の三作品は見たのですが、観た作品でもノミネートされた俳優はあまり記憶にない…(笑)
長い時間掛けて観るドラマと違って、数ヶ月前に、2時間だけ観た映画の新人って、記憶が薄いです…。。
が、そんな中でも唯一「演技すごいな〜」と記憶に残っているのが、実は一番真ん中の男の子、「夏時間」のパク・スンジュン。
2009年生まれの若干12歳で、映画出演はまだ二作目。実は、「愛の不時着」にも出演しています。
なんというか、ユ・アインの子ども版のような感じで、「普通の少年」を自然体で演じられる天性の才能を持っている俳優さんです。
「夏時間」のワンシーン
期待も込めて、パク・スンジュンと予想します!
新人演技賞(女性)
シン・ヘソン(潔白)
チャン・ユンジュ(三姉妹)
チョン・スジョン(エビギュファン)
チェ・ジョンウン(夏時間)
続いて、新人賞、女優編。ここも「夏時間」「ただ悪から救いたまえ」以外の三作品を観ていないので、予想が難しい部門。。
ただ、ドラマでも映画でも引っ張りだこの、パク・ソイちゃんは、「ただ悪から救いたまえ」では新人賞をもらうほどの比重はなかったので、除外。
ドラマファンとしては、シン・ヘソンやジョン・スジョン(クリスタル)も推したいところですが、シン・ヘソンは、ドラマ部門で最優秀演技賞をとるだろうということも予想して、
ここは、「夏時間」のチェ・ジョンウンと予想しておきます。
正直、ここは全然、自信がありません(笑)シン・ヘソンがドラマと映画、ダブルで受賞しても嬉しいところ。
脚本賞(シナリオ賞)
パク・ジワン(私が死んだ日)
ユン・ダンビ(夏時間)
ホン・スヨン、ソンミ(サムジンカンパニー1995)
ホン・ウィジョン(音もなく)
芸術賞
イ・ジョンヒョン、チェ・ジェチョン、チョン・ファンス(半島:VFX)
チャン・グニョン(スペース スウィーパーズ:美術)
チョン・ソンジン、チョン・ジョルミン(スペース スウィーパーズ:VFX)
ホン・ギョンピョ(ただ悪から救いたまえ:撮影)
逆に言うと、あの映画は、一言で「CGってここまで発展したのね」という作品だったと思います(笑)
ソン・ジュンギ主演で、こちらもギリギリまで劇場公開を検討し、結果Netflix限定配信となった作品です。
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映画部門大賞
さて、最後に映画部門のノミネート全体の中から選ばれる映画部門の「大賞」。
候補が多いのと、監督や俳優個人が受賞するパターンも、作品が受賞するパターンも両方あるため、予想が難しいです(笑)
参考までに過去6年間の大賞を振り返ってみると…
2019年:チョン・ウソン(「証人」)
2018年:「1987」
2017年:パク・チャヌク監督(「お嬢さん」)
2016年:イ・ジュンイク監督(「空と風と星の詩人 尹東柱(ユン・ドンジュ)の生涯」)
2015年:チェ・ミンシク監督(「バトル・オーシャン 海上決戦」)
ここでわかったのは、作品よりも個人(特に監督)の受賞が圧倒的に多いということ…!(TV部門だと、作品が選ばれる方が多い)
この6年間で唯一、作品で受賞したのが「1987」だったとすると、今年のノミネート作品の中から、作品が受賞する可能性は極めて低いなと。
実は、この過去実績を見るまでは、「玆山魚譜」のイ・ジュンイク監督かな〜と思っていたのですが、すでに2016年に一度受賞してるんですね。
そうすると次は、2019年にチョン・ウソンが受賞している結果に注目し、俳優だとすると…ということで、「ユ・アインが大賞では?」という結論になりました。
ユ・アインって、皆さん御存知の通り、「良い映画には、ユ・アインあり」という感じで、映画界を引っ張っているような存在。
しかも今回、「音もなく」では、主人公でありながら、一言もセリフがないという難しい役を演じました。
一言もセリフがないにも関わらず、気持ちが変化していく様子が、ちゃんと伝わってくるという、素晴らしい演技でした…!
映画自体は、ユ・アインがこれまで出演したどの映画よりも地味だったかもしれませんが(笑)、「いや〜さすが、ユ・アイン!!ユ・アインにしかできない演技!!」という感じで、ユ・アインのキャリアにとっても、映画界においても、革新的で称賛に値する素晴らしいものだったのではないかと思います。
青龍映画祭でも、「南山の部長たち」のあのイ・ビョンホンを抑えて最優秀演技賞を受賞した「音もなく」のユ・アインの演技。
これまでの功績と今回の作品での演技を考えたら、ユ・アインが受賞してもおかしくないのではないかなと思います。
イ・ビョンホン世代から、一つ若手のユ・アイン世代へがいよいよ中心になってくるという意味でも、受賞するのではないかな〜受賞してほしいな〜という気持ちを込めて予想します。
まとめ
ということで、ドラマに引き続き、2021年の百想芸術大賞の映画部門のノミネートと受賞予想でした!
今回、実は、公開のタイミングでは、コロナのせいで映画館に見に行けなかった作品も多くあったのですが、韓国では公開終了直後から(何なら作品によっては、公開中も)ネットやIPTV上で決済すれば、簡単に作品が視聴可能。(逆に日本のようなDVD文化が有りません)
それでも全部のノミネート作品を観きれなかったので、TV部門と比べると自信が無いものばかりですが、果たしてどれだけ当てられるのか…(笑)
何より、予想しないで見るより、何杯も授賞式を楽しめるので、今年はドラマも映画も追っかける、昨年以上に忙しい授賞式になりそうです…!
2021年TV部門ドラマ作品の予想はこちら
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結果については、Twitterでも速報予定なので、気になる方は、フォローしてみてくださいね!
明日の百想芸術大賞は、
✅レッドカーペット:19時20分〜20時30分
✅授賞式:21時〜24時
と、昨年に比べて遅い時間。そして今年はTikTokがレッドカーペットのみならず授賞式まで独占中継❗️多分字幕なしですが日本からも視聴可能。👇写真参考にアクセスしてみてください。https://t.co/naqrqfoI8G pic.twitter.com/VloA7GyJJs— Misa🌺韓国ソウル在住ブロガー (@misam34) May 12, 2021
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*写真はNEVER映画からお借りしました