Netflix映画「ザ・コール」が面白い!若きイケメン監督の才能と結末の解説

韓国ソウル在住
ブロガーMisa
Netflixオリジナル映画として配信中の「ザ・コール」の概要・キャスト・監督情報をネタバレなしで、後半はネタバレありで話題になった結末について解説します!

「ザ・コール」はこんな作品!

劇場公開なしでNetflix上だけで見ることのできるオリジナル映画「ザ・コール」は、2020年11月27日から配信が開始されました。私は、主演が大好きなパク・シネということで、それ以外のキャストやあらすじ情報は何も観ずに観たのですが、面白かった…!!

ちなみに、この「ザ・コール」は元々は劇場公開予定だったのが、コロナで公開を延期し、結局Netflixのみでの配信となったとのこと。この作品だったら、劇場公開でも十分にヒットしたのではないかと思いますが、逆に海外では早く観られるので良かったかもしれませんね。

そして、観た後にSNS上や、知人たちにオススメしたのですが、ほぼ全員に効かれた質問がこれ(笑)

これ、怖くないの?ホラーかと思ってスルーしてたんだけど…

いえ、この作品決してホラーではなく、サスペンスです!!!
(もちろん、ゾンビは出てきたりしません 笑)
これでも怖かったという方もいらっしゃいましたが…。。基本的には、残忍なシーンは少なく、ちょっとハラハラするぐらいです。

予告やポスターのイメージだけで、「怖そう」と倦厭している方がいたらもったいないなと!

しかし、それ以上に気になったのが、予告やNetflixの番組ページのあらすじが、半分ネタバレしてる!!(怒)

この作品は、「時空を超える電話(過去と未来の電話)」というドラマ「シグナル」的要素がある、ということ以外は、何も情報なしに見たほうが良いと思います!!

じゃあこのブログでは、何をご紹介するかと言うと…あらすじには触れずに、まずネタバレなしに、簡単にキャストや見るときの注意点だけをお伝えし、後半は、観終わった方向けに結末について解説したいと思います。

*ネタバレありゾーンは、表示をしますので、観る前の方はその前で閉じてくださいね(笑)

「ザ・コール」キャスト

「ザ・コール」は、キャストがめちゃくちゃ豪華。それを少しだけ、あらすじには全く触れずにキャスト紹介してみたいと思います(笑)

とにかく、主演から助演まで、ドラマで名キャラクターを演じる方々がたくさん出演していて、ドラマ好きにはたまりません(笑)

まずは、主演のパク・シネと、「サイコだけど大丈夫」「椿の花咲く頃」のオ・ジョンセさん!!!(もうこれだけで見るw)

そして、ポスターに映っていたもう一人の女性ヨンスクを演じるのは、チョン・ジョンソ。

彼女は、ユ・アインと共演した映画「バーニング」でデビューしたまだ新人なのですが、もの凄い存在感と演技力!!今回、韓国のレビューサイトでも、彼女の演技を称賛する声が圧倒的でした。私も、ベテラン、パク・シネの演技を圧倒する演技だったと感じました。いや、この子、ヤバい(笑)次回作が楽しみです。

そして、個人的に好きな個性派女優、イエルさん。「トッケビ」の赤い服の女性を演じた方です。

間もなく日本でもNetflix配信される「最高の離婚」韓国版で、真木よう子が演じた役も演じました。

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その他、「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~」「梨泰院クラス」「応答せよ1988」のあのキャストも登場しますので、お見逃しなく!!(「梨泰院クラス」のあの人は、全く「梨泰院クラス」とは真逆の役で登場しますw)

大人気:「梨泰院クラス」日本版OST

「ザ・コール」を観るときの注意点

Netflixの予告編、あらすじは何も見ないですぐに再生ボタンON!!
エンドロールが表示されても、最後の最後のカットまで見ること!!
「ザ・コール」は、最後の最後に重要なポイントが潜んでいるので、是非最後のカットまで見逃さずにご覧ください(笑)
最後まで見ると、観た人と一緒に話したくなると思います(笑)最後の部分については、この記事の後半で解説します!

「ザ・コール」の監督はアイドル並みのイケメン!?

さて、「ザ・コール」でもう一つ注目すべきは…この映画を撮ったイ・チュンヒョン監督について。
制作発表会の写真を見て、まず「ん?こんなイケメンで出てたっけ??」と思ったら、なんとこの真ん中のイケメンがイ・チュンヒョン監督!!

ツイートにもありますが、なんと若干30歳!!パク・シネと同じ年です。これは…いつか出演女優が恋に落ちてしまいそうなほど、さわやかなイケメン!!

監督のインタビューによると、この作品はマシュー・パクヒル監督の「THE CALLER」(邦題は「恐怖ノ黒電話」)という映画を原作にした作品とのこと。

2011年の作品で、あらすじを見てみると「時空を超えた電話」という要素はなさそうな感じ。ということで、原作の「電話でつながる2人の関係」という部分だけをベースにして、後はオリジナルで作り上げられた作品のようです。

さらに監督のインタビューには、

劇場公開できなかったが、サウンドに特に気を使ったので、Netflixで観るときには、是非イヤホンをはめて聞いてほしい

というメッセージもありましたので、これから観る方は、是非イヤホンで観てみてください!

韓国映画関連雑誌

「ザ・コール」監督以外にも凄いスタッフ陣

「ザ・コール」は、イ・チュンヒョン監督の若き才能に期待してか、スタッフにも豪華な方々が集結しています。

まず、編集監督はあの「パラサイト」を担当したヤン・ジンモ氏。臨場感を持たせるために、これまでのスリラー作品に無いような編集手法を使ったと言います。

また、音楽監督も数々の映画祭で音楽賞を受賞しているダル・パラン氏、「国家が破産する日」で1997年の韓国をリアルに表現した美術監督ベ・チュンユン氏なども本作に参加しています。

長編映画デビュー作・若干30歳の監督にして、これだけのベテランスタッフが集まるとは、どれだけイ・チュンヒョン監督が注目されているかわかりますね…!

イ・チュンヒョン監督は、現場で事前に細かく考えたメモを観ながら撮影していたそうで、なんだか未来のポン・ジュノ監督になりそうな雰囲気です…!(ポン・ジュノ監督も、かなりディテールまで事前にイメージ&ビジュアル化することで有名)

なお、今年10月には、オンライン上でイ・ソンギョン主演の短編映画「ハートアタック」も公開されていて、こちらも見てみようと思いました。

しかもこれ、ギャラクシーのスマホフォンだけでだけで撮影した作品だそうです!!
いや~若手監督ならではの取り組みで面白いですね。

スマホでの映画撮影の様子を公開したこの動画も面白かったです。

今後も、イ・チュンヒョン監督から目が離せません…!
ということで、是非「ザ・コール」をまだ見てない方は、Netflixで観てみてくださいね。**以降は、ネタバレありの記事になります**

(ネタバレあり)「ザ・コール」結末に関する考察

さて、ここからは「ザ・コール」を観終わった方向けに、あの結末に関する考察をしてみたいと思います。

SNSでの反応を見ていると、「最後何??どういうこと??」「ついて行けなかった…」という声を結構見かけました。
解釈は人ぞれぞれだと思いますが、ここで、私なりの結末の解釈を紹介してみたいと思います。

まず簡単に最後の流れを振り返ってみると…

現在:スヨンとスヨン母が二人で歩いていくシーン
↓ 字幕が出て終わりかと思いきや…
電話が鳴る「もしもし、ヨンスク?」「よく聞いて 下手すればあなたは死ぬ」「電話は絶対に手放さないで」

ヨンスクと誰かが会話していますが、声がスヨンではないので、これは「過去のヨンスクと現在のヨンスクが電話している」わけですよね。ここまでは大体みなさん、分かったと思います。

ただ、ポイントは「これは、いつの時点の電話なのか?」ということ。

これは、ソヨンが母と歩いていた現在よりも少し前、過去で「ソヨン母たちが家を訪ねてくる前」のことです。

というのも、ソヨンが冷蔵庫に囲まれた家の中で、家の様子をうかがっているシーンの中に、残り22:39ぐらいのカットで、タバコを吸いながら誰かと電話をしているヨンスクの後ろ姿が映っています。この時、先ほどの過去のヨンスクとの電話をしていたわけです。

その後の、過去のヨンスクのシーンを見ても、ソヨン母が「電話を貸してください」というところで、ヨンスクが電話を自分のすぐ横に置いており、未来のヨンスクからの指示通りに従っていたことが伺えます。

つまり、この時のヨンスクはすでに、未来のヨンスクと電話をした後だったわけです。

ちなみに、未来のヨンスクが電話をしたのは、自分の家に大人ソヨンが現れる前のことだったので、その後ソヨンが過去のソヨン母に電話をすることまでは、予想できなかったでしょう。

そして、最後のシーンに戻ると、その後、こんなシーンが続きます。

過去のヨンスクが2階から落ちて倒れているが…目を覚ます。
そして、現在のソヨンと一緒に歩くソヨン母が消える…
ここで皆さん、「ええ~~~どういうこと?」となったのではないでしょうか(笑)

さらに、

白い布をかぶされた誰か…それは、大人のソヨン。
ここでタイトルが出て終了。

ここの解釈はななか複雑なのですが、私はこう理解しました。

過去①ソヨン母は2階から落ちるが助かる
↓過去は未来に影響
現在①ソヨンが母親と墓地で再会

↓↓↓時間の流れ

過去②しかし、実はヨンスクも生きていて、結局ソヨン母を殺害
↓過去は未来に影響
現在②ソヨンと歩いていた母が消える

↓↓↓時間の流れ

過去③ヨンスクは、幼いソヨンを監禁??
↓過去は未来に影響
現在③大人ソヨンがヨンスクに監禁されている
大人ソヨンから、過去のソヨン母の電話により、母は「ヨンスクに殺される」という流れは回避でき、二階から落ちても助かったので、一時的に過去①では未来に存在していたわけです。

ただ、同じく二階から落ちたヨンスクも生きていたので、結局は、ソヨン母はヨンスクに殺されてしまったんですね。

残り11:25ぐらいのシーンで、大人ソヨンが、ヨンスクに殺されそうになったのに、突然ヨンスクが消えて助かるシーンがあります。

ここで、過去のヨンスクと母が二階から落ちたカットが挟み込まれたため、私たちは「過去で二階から落ちたヨンスクが死んだので、未来でもヨンスクが消えた」と思いこまされたわけですが、そうではなかったわけです。

大人ヨンスクがソヨンの目の前から消えたのは、過去で死んだからではなく、ソヨンが過去に電話したことで、「ヨンスクとソヨン母が二階から落ちる」という新しい出来事が起こったので、未来に起こる出来事が少し変わっただけだと思います。

なお、最後の大人ソヨンが監禁されているカットに関しては、なかなか解釈が難しいですね。

解釈①子供ソヨンは、ヨンスクに監禁されて、大人になるまでヨンスクの家で過ごした
解釈②母が未来で消えた後、家に戻った大人ソヨンが、大人ヨンスクにつかまり監禁される

どちらの解釈もできるのですが…おそらく、①なんじゃないかなと思います。

何十年も監禁されていた、というのは、少し違和感があるものの、過去のヨンスクが大人ヨンスクと電話できることを考えると、過去でソヨン母を殺した後、家の中にいた子どもソヨンの扱いをどうしたかな?ということを考えてみたんです。

その時点で、子どもソヨンを殺してしまうと、その後、自分が殺人犯として捕まるのを回避できる情報を提供する大人ソヨンがいなくなってしまうので、ソヨンには生きていてもらわなければいけない。

しかも、この家にいてもらう必要もあるわけです。そうすると、やはり子どもソヨンを家に監禁したのではないかなと。

ちなみに、韓国では「ザ・キング」「アリス」と立て続けに「並行世界」を扱った作品が続いたため、韓国視聴者の中には、この「ザ・コール」の解釈についても「並行世界」を前提に語る人も多かったようです。

「並行世界」では全く別の世界が同時に存在し、その世界同士の出来事は互いに影響を与えないので、別の世界同士の同じ人物が対面したり、どちらかが死んでももう一人の自分は死なないという設定なわけなんですよね。

しかし、この「ザ・コール」は観ている限り、このような前提に成り立っていると考えられます。

過去の出来事が、未来の世界に影響を与える(過去が変わると未来も変わる)
ただし、過去と未来はそれぞれで時の流れがあり、過去と未来が影響し合うポイントは一定

⇒例えば、未来③から電話できるのは、同時に流れている過去③のタイミングであり、過ぎてしまった過去②には電話できないし、影響を与えられない

この前提に立って考えると、先ほどの解釈になるのかなと思いました。
みなさんは、どのように解釈されたでしょうか…?これが正解かわかりませんが、一つの解釈として、参考になると嬉しいです。

ちなみに、私はこの終わりを観て、「もしかして、シーズン2アリ…?」ともちょっと思ったりもしました。

同じくNetflixオリジナルでの「人間レッスン」でも、開かれた結末というか、続きがありそうな終わり方になっていたのを思い出したのです。

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考えてみると、Netflixオリジナルは、「キングダム」も「保健教師アン・ウニョン」も続きがありそうな終わり方でした(笑)(実際、「キングダム」はシーズン3まで制作)

この作品は、元々は劇場公開予定だったということなので、企画段階からNetflixが関わっていたかどうかはわかりませんが、結果的には、Netflix制作の作品ぽい感じの仕上がりになっていたなと。

シーズン2があるのかどうかはわかりませんが…イ・チュンヒョンの次回作には期待したいと思います!

ということで、Netflixオリジナル映画「ザ・コール」についてご紹介しました!!
パク・シネの映画「#生きている」は、劇場で観てイマイチだったのですが、今回のはホント面白かった!!

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そして、チョン・ジョンソや、イ・チュンヒョン監督など、今後が楽しみな若手を発見できたのも良かったです。
是非、観てみてくださいね~!

『콜』(邦題:ザ・コール)
Netflix限定で配信中 2020年11月27日~
*写真はNAVER映画からお借りしました。
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