2021年百想芸術大賞:TV部門ドラマ受賞予想!:韓国国内で本当に評価されたドラマとは?

韓国ソウル在住
ブロガーMisa
2021年5月13日(木)に開催予定の、百想(ペクサン)芸術大賞のTV部門・ドラマ作品のノミネートと受賞を予想しながら、この1年の韓国国内でのドラマの人気について解説します!

百想芸術大賞とは?

百想(ペクサン)芸術大賞とは、年に1回行われる韓国のエンターテイメントを総合的に表彰する授賞式。韓国のゴールデングローブ賞と呼ばれることもあります。TV部門(ドラマ・芸能・教養)、映画部門、演劇部門と分かれています。

57回目を迎える2021年は5月13日(木)21:00〜開催。昨年に引き続き無観客で開催され、韓国ではJTBCという放送局で生中継があります。

年末には各放送局ごとの「演技大賞」も行われますが、この百想芸術大賞では、すべての放送局の作品+最近ではNetflix限定作品など配信サービスの作品まですべてが表彰対象。

「その年、韓国で評価されたドラマは何か?」ということやドラマのトレンドを知ることができます。

「芸術大賞」というだけあり、決して視聴率や話題性だけではなく、作品としての芸術性で審査されるため、ノミネートされるだけでもハードルが高く、価値のあること。

審査対象

2020年5月1日から2021年4月11日までに、
地上波・総合編成・ケーブルチャンネル・OTTプラットフォームで提供されたコンテンツ(最低4部作、連作の場合1/3以上進行された作品)
新人賞候補の基準は、作品の中の一定量の主演・助演級で3編以下の場合、デビュー年とは無関係

OTTプラットフォームも含まれるということは、韓国でテレビ放送がなかったNetflixオリジナル作品(「人間レッスン」「Sweet Home -俺と世界の絶望-」など)も審査対象となります。

ドラマのプラットフォームが多様化している昨今、いち早く昨年から「放送作品だけでなく、OTT作品も審査対象にする」と決定したのはさすが。

歴史と伝統がある賞でありながらも、しっかり時代の変化を捉えていると言えます。

ノミネートから見えるもの

この百想芸術大賞のノミネートと受賞結果を通じて見えてくるのは、韓国国内でのドラマの評価。また、「韓国国内では、作品がどのような観点で評価されているのか?」ということも知ることができます。

先ほどもお伝えしたとおり、百想芸術大賞では、視聴率や話題性だけではなく、「作品性」が重視されます。具体的には賞が設けられている「脚本」「演出」「演技」といったような要素です。

むしろ「いくら視聴率が高くても、作品性の観点で評価基準に満たない作品はノミネートされない」ということは、視聴率が最高29.2%を記録した「ペントハウス2」が、作品関連の賞には一つもノミネートされていないことを見ても明らかです。

なお、私は普段から、作品そのものだけではなく、「作品を韓国視聴者がどのような観点で見ているのか?評価しているのか?」に関心を持っていて、ドラマごとの韓国視聴者の反応をくまなくチェックしています。

一般視聴者の目線でも、「俳優や作家が有名か?」よりも、作品の軸となる「脚本」を最も重視しながら、演出、演技それぞれの観点で細かく評価をし、専門家のような鋭い視点で、ツッコミをする視聴者が少なくありません。

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その意味で、百想芸術大賞というのは、大衆感覚とかけ離れた一部の専門家たちによる芸術賞というより、視聴率やランキングだけでは測れない、専門家なみに厳しい韓国視聴者の真の評価ととほぼ一致すると言えます。

予想にあたって

今回この記事では、TV部門のうち、ノミネート対象がすべてドラマ作品であり、審査員の評価によって選ばれる作品関連3部門、演技関連6部門を中心に予想したいと思います。

作品関連
作品賞/脚本賞/演出賞
演技関連
最優秀演技賞(男性)
最優秀演技賞(女性)
助演賞(男性)
助演賞(女性)
新人演技賞(男性)
新人演技賞(女性)

昨年はこの9部門を予想し、結果5部門的中(的中率55%)させることができました。

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一部未視聴の作品があった昨年と比べると、今年は作品関連部門の作品は全作品・全話視聴したのに加え、演技部門に関連する作品も1作品をのぞきすべて観ているため、今年は的中率7割を目指したいと思います…!

*芸能なども含まれるTV部門大賞、一般投票で選ばれる人気賞は、的中率には含めませんが予想します。

予想にあたっては、もちろん、私自身の評価もベースになりますが、普段、韓国視聴者の反応をリサーチしている観点から、できるだけ「韓国ではこの作品がどのように評価されたか?」という観点で考えてみたいと思います。

なお、日本での作品の評価とは異なる場合が多いため、「私の大好きな作品のマイナス評価は観たくない」という方は、そっとページを閉じて頂いたほうが良いかもしれません。。。

韓国での作品の評価に関心がある方は、ぜひご覧ください…!

作品賞

写真左から記載。カッコ内は、韓国→日本放送・配信

怪物(JTBC→KNTV)
サイコだけど大丈夫(tvN→Netflix)
悪の花(tvN→Mnet)
人間レッスン(Netflixオリジナル)
(知っていることはあまりないけど)家族です(tvN→Mnet)
今年も昨年に引き続き、予想のしさすさのため作品賞から紹介していきます。
ノミネート5作品の放送局を見てみると、遂に作品賞から地上波のドラマが消えました(笑)
視聴率では、先ほど触れた高視聴率ドラマ「ペントハウス2」が地上波SBSだったのですが、あまりにもマクチャンドラマ(ありえない展開の連続)なのもあり、やはり予想どおりノミネートされませんでした。
「サイコだけど大丈夫」以外は、個人的にもすごく評価の高いオススメ作品として、このブログでも紹介しています。
「人間レッスン」は、日本だと苦手な人も多く好みが分かれる作品ですが、Netflixオリジナルだからこそできる斬新な作品として韓国国内では高く評価されたため、OTT作品として唯一ノミネートされたのも納得です。
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このノミネートの中で、韓国のドラマ好きの中でも突出して評価が高いのが、「怪物」と「悪の花」の2作品。(私も同意)
作品関連の賞は主にこの2作品が中心に受賞すると思いますが、その年を代表するドラマを表す「作品賞」は、やはり「怪物」が受賞すると予想。
視聴率は深夜ドラマなのもあり、最高6%と決して高くはないのですが、緻密な演出、演技で視聴者を熱狂させ、「『秘密の森シーズン1』を超えて、サスペンスで歴代最高の作品」と絶賛する人も少なくありません。
昨年の「椿の花咲く頃」や「ストーブリーグ」と比べ、ややマニア受けの作品で大衆性に欠けるのですが、それでも今年のラインナップの中で見ると、「作品賞は怪物」というのは、ドラマレビュアーの人たちの中でほとんど異論がないところだと思います。
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もし違うとしたら、「怪物」が更にその上の大賞を獲って、「悪の花」が代わりに作品賞、という展開ですが、昨年の大賞が「椿の花咲く頃」だったことを考えると、その展開は無いかな〜という感じがします。

演出賞

クォン・ヨンイル((知っていることはあまりないけど)家族です)
キム・チョルギュ(悪の花)
キム・ヒウォン(ヴィンチェンツォ)
パク・シヌ(サイコだけど大丈夫)
シム・ナヨン(怪物)
続いて演出賞。演出をした監督個人に贈られます。今回特徴的なのは、女性監督が2名もノミネートされているということ…!
映画界で女性監督の活躍が目覚ましいように、ドラマでも女性の監督の活躍が目立ちます。
ちなみに、「ヴィンチェンツォ」は、監督が女性で、脚本家が男性なんですね。(普通はその逆が多い)
ここからは、各作品が「どの観点で優れていたのか?」を正確に見極める必要があります。

「他の要素と比べても演出が最も優れている」という観点で見ると、この中では「ヴィンチェンツォ」か「怪物」。

しかし、昨年の演出賞が「夫婦の世界」であったように、「演出」が視聴者をハマらせる重要な要素の一つであるほど、突出しているという観点では、ここでも迷わずに「怪物」を選択。

「怪物」は、役者の演技もすごかったのですが、それ以上に、その名演技を不気味に生々しく印象づける演出が、本当に鳥肌が立つほど緻密で秀逸でした。あれを、まだ若手の女性監督が撮ったというのが、すごすぎる…。。

逆に「ヴィンチェンツォ」は映画のようなスケールの大きさが、特に海外ファンには刺さりましたが、韓国国内では評価が分かれる部分がありました。

この「演出賞が怪物」というのも、韓国国内ではあまり意見が分かれないところかなと思います。

脚本賞

キム・スジン(怪物)
キム・ウンジョン((知っていることはあまりないけど)家族です)
ユ・ジョンヒ(悪の花)
ジョ・ヨン(サイコだけど大丈夫)
ハ・ミョンヒ(青春の記録)

続いて、脚本賞は、作家個人の名前でノミネートされます。

個人的にはここで「青春の記録」がノミネートされたのだけは不思議だったのですが、、、だったら「カイロス」とか入っても良かったのでは…?まあそれはおいておいて…(完全に好みの問題ですw)

この中で、「脚本の完成度が高い」と放送当時から視聴者の間で評価されていたのが、「怪物」「(知っていることはあまりないけど)家族です」「悪の花」。
「サイコだけど大丈夫」は、愛や家族の新しい形を描こうという意図は感じられたのですが、全体の完成度がいまひとつと言う声が多かった作品。
作品賞、演出賞と比べると悩むところですが…ここでは、「悪の花」が受賞すると予想します。
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個人的には、「(知っていることはあまりないけど)家族です」のメッセージ性あるセリフもすごく好きだし、
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「怪物」は視聴者を最後まで飽きさせない展開が素晴らしく、先日購入した台本集を見ても、作家さんの緻密さに感動したばかりですが、

サスペンスでありながも愛についてもしっかり描いた「悪の花」が受賞するのではと思います。

昨年、脚本賞を受賞した「椿の花咲く頃」の受賞理由を見てみると、

トンベクとヨンシクの不器用な愛と、オンサンの住民たちの温かさの中に、カブリスリラーを絶妙に織り交ぜ、毎回視聴者を大きく没入させ、完成度の高い作品を作り出しました。

とあり、ヒューマン・恋愛・スリラーという「異なるジャンルをうまく組み合わせた斬新さ」が評価されました。

この「斬新さ」という点は、すべての賞でとても重要なポイント。

世界一の映画好きと言われ、ドラマや演劇など日常的に数多くの作品に触れている韓国の視聴者たちは、「過去に見た作品と比べても、新しく秀逸であるかどうか?」という点を常に見ています。

その観点で、改めて観てみると、「(知っていることはあまりないけど)家族です」は、良い脚本だけど斬新とまでは行かず、キャラクターや展開が緻密に練られていた「怪物」も悩ましいのですが、「脚本の斬新さ」という意味では、「悪の花」が最も当てはまるのではと思います。

ヒューマンドラマにスリラーを入れた「椿の花咲く頃」に対し、本格的なサスペンスの中に、愛という要素を入れ、それでいてサスペンスの緊張感を損なわなかった「悪の花」の脚本は、これまでのサスペンス作品の中でも斬新なものだったと言えるでしょう。

新人演技賞(女性)

キム・ヒョンス(ペントハウス)
パク・ギュヨン(スウィートホーム)
パク・ジュヒョン(人間レッスン)
イ・ジュヨン(タイムズ)
チェ・ソンウン(怪物)

さて、ここからは演技賞の予想になります。まず、一番最初に発表される、女性新人演技賞から。

昨年は「梨泰院クラス」のキム・ダミが受賞。今年はなかなか接戦で難しいのですが、私は「人間レッスン」のパク・ジュヒョンと予想。(写真真ん中)

チェ・ソンウンも「怪物」で大人気だったし、「Sweet Home -俺と世界の絶望-」のほか「サイコだけど大丈夫」にも出演したパク・ギュヨンは個人的に好きなのですが、演技面で印象的だったという観点では、パク・ジュヒョンかなと思います。

実は、現在出演中の「マウス」では、キャラクターが良くないのか、演技もキャラクターも大不評なのが残念なのですが、少なくとも「人間レッスン」という作品の中では、主役のキム・ドンヒ以上に存在感を見せた白熱の演技で高い評価を得ていました。

新人演技賞(男性)

キム・ヨンデ(ペントハウス)
ナ・イヌ(月が浮かぶ川)
ナム・ユンス(人間レッスン)
ソン・ガン(スウィートホーム)
イ・ドヒョン(18アゲイン)

次は、男性新人演技賞。昨年は、「浪漫ドクター キム・サブ2」のアン・ヒョソプが受賞しました。

ナ・イヌとイ・ドヒョンについては、自身が主演した作品がノミネートされていますが、実際に人気があったり、活躍したのは別の作品という印象。ナ・イヌは「哲仁王后」でブレイクし、イ・ドヒョンは「Sweet Home -俺と世界の絶望-」「怪物」でも印象的だったかなと思います。

ここでもやはり、「演技が印象的だった」と言われれれば、実は「怪物」でシン・ハギュンの青年時代を演じたイ・ドヒョンの演技が一番鳥肌モノだったのですが…「18アゲイン」は今回のノミネートの中で唯一ちらっとしか観てない作品なので、なんとも判断が難しい。。

最優秀演技賞が、あくまで俳優✕その作品での演技で判断されるのに対し、同時期に複数作品に出演することも多い新人の、一度しかノミネートされない新人賞の場合は、ノミネート作品だけではなく、その時期の俳優の活躍全体もある程度考慮されるのではないかと思います。

そういう観点で見てみると、今勢いがあるのは、間違いなくイ・ドヒョンとソン・ガンの二人。
演技力という意味では、ソン・ガンはまだまだ成長途中という感じがあるものの(むしろそこが良いw)、「Sweet Home -俺と世界の絶望-」が世界的にヒットしたということもあり、「ナビレラ」でも初挑戦のバレリーナ役を見事にこなしていたので、幅広い役柄に挑戦して作品を牽引した、という観点で希望も込めてソン・ガンと予想します。(でも、イ・ドヒョン受賞でもそれはそれで納得。)

助演賞(女性)

パク・ハソン(産後養生院)
シン・ウンギョン(ペントハウス)
ヨム・ヘラン(悪霊狩猟団カウンターズ)
チャン・ヨンナム(サイコだけど大丈夫)
チャ・チョンファ(哲仁王后)
続いて助演賞。昨年は、「愛の不時着」のキム・ソニョンが受賞。
助演賞は昨年も両方外したのですが、本当に皆さん演技派揃いで、予想が困難を極めます(笑)
この中でいうと、写真の左三人、特に「悪霊狩猟団カウンターズ」のヨム・ヘラン、「哲仁王后」のチャ・チョンファは、視聴者人気が非常に高かった印象。
しかし、ここでもやはり「鳥肌の演技」という観点で考えると、「サイコだけど大丈夫」のチャン・ヨンナムが受賞するのではないかと予想します。
外すとしたら、「哲仁王后」のチャ・チョンファかなあ…。個人的にもとても大好きなキャラクターでした。

助演賞(男性)

キム・ソンホ(スタートアップ:夢の扉)
キム・ジフン(悪の花)
オ・ジョンセ(サイコだけど大丈夫)
イ・ヒジュン(マウス)
チェ・テフン(怪物)
そして、助演賞男優編。今回、ここが一番難しいと思います…!
特に、キム・ジフンから右の4人は、とにかく演技が「怪演」レベルでした…(笑)
一番右の、チェ・テフンは、「愛の不時着」のセリの兄役でもおなじみですが、「怪物」の演技には本当に鳥肌が立ちました。

また、イ・ヒジュンは「マウス」をほぼ一人で引っ張っているといってもいいぐらいの素晴らしい演技。(むしろ主演じゃないのか!?と思ったぐらい…)「マウス」は苦戦していますが、イ・ヒジュンのために観ているという視聴者は少なくないはず。

「悪の花」のキム・ジフンは、昔「となりのイケメン」などで見せた爽やかなイメージから一転、本当に「怪演」レベルの名演技でした。

そして、「スタートアップ:夢の扉」のキム・ソンホは、演技が絶賛されたというよりは、キャラクターと本人が圧倒的な支持を得たという印象。(もちろん、演技も上手だったけど)イ・ヒジュンと同じく「主役を食う助演」だったことは間違いありません。

ただ、ここは、「サイコだけど大丈夫」のオ・ジョンセが昨年に引き続き、受賞するのではないかと予想。

「サイコだけど大丈夫」が、ほぼ1年前なので印象がやや薄れてしまっているのですが、それでもあのサンテ役は、何度も鳥肌が立ったし、他に代わりをできる俳優が浮かばないほど。

昨年受賞した「椿の花咲く頃」のノ・ギュテ役を超えるぐらい、オ・ジョンセの代表作になったのではないでしょうか。

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去年受賞しているので、連続があるかな〜?というところが悩みますが、でもやはりこの中で純粋に比較すると、オ・ジョンセが抜きん出ているのではと思います。

最優秀演技賞(女性)

キム・ソヨン(ペントハウス)
キム・ソヒョン(月が浮かぶ川)
ソ・イェジ(サイコだけど大丈夫)
シン・ヘソン(哲仁王后)
オム・ジウォン(産後養生院)
続いていよいよ、最優秀演技賞。女優編は、昨年は「夫婦の世界」のキム・ヒエが受賞しました。
今年のノミネートで補足しておくと、まず「サイコだけど大丈夫」のソ・イェジが今、過去の行動が問題で、韓国で相当叩かれているのはご存知のかたも多いはず。出演予定だったドラマも白紙になり、百想芸術大賞の授賞式当日も参加するのかが心配なほどです。
また、シン・ヘソンは本人には問題がないのですが、「哲仁王后」の脚本家が次の作品「朝鮮駆魔師」で大バッシングを受け早々にドラマが打ち切りとなった問題の影響で「哲仁王后」や主演を努めた俳優たちにまで余波が及びました。
シン・ヘソンは、「哲仁王后」が終わった時点で、「今年の百想の最優秀演技賞は間違いない」と思うほどの、素晴らしい演技だったのですが、この事件の影響で、「もしかして、ノミネートも危ないかも…」と心配していました。
しかし、そこはしっかり切り離して判断してくれたようです。
…と、今回はノミネート者に、多少事情があるのですが、純粋に「鳥肌の演技」という観点で見たら、シン・ヘソンとキム・ソヨンのどちらかを予想している人が多いよう。
「ペントハウス」で唯一受賞するとしたら確かに、作品全体を牽引したキム・ソヨンの功績は大きいのですが、本人の演技力というより、作品自体が目指していたのが、作品性より刺激的であることだったので、とにかく全員がオーバー演技で、百想で評価されるのはちょっと難しいんじゃないかなというところ。

何より、やはりそれ以上に「哲仁王后」のシン・ヘソンの演技が、本当に凄かった!!
一人で、男性と女性のキャラクターを見事に演じ分けて、さらに細かく分けると4つぐらいキャラクターが存在した、と言われたぐらい、ディテールまでこだわった鳥肌演技でした!!
この役もまた、他に演じられる役者が本当に思いつかないほど、はまり役で難易度の高い役でした。
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ということで、ここはシン・ヘソンが受賞すると予想します!

最優秀演技賞(男性)

キム・スヒョン(サイコだけど大丈夫)
ソン・ジュンギ(ヴィンチェンツォ)
シン・ハギュン(怪物)
オム・ギジュン(ペントハウス)
イ・ジュンギ(悪の花)
最後は、最優秀演技賞、男優部門。ここは去年もかなりの激戦でしたが、「椿の花咲く頃」のカン・ハヌルが受賞。
今見てもすごすぎる昨年のノミネート
この主演レベルになると、基本的に全員演技派なので、その俳優の演技力というより「その俳優のその作品の演技」での判断。
俳優自体の人気や、キャラクターの魅力度だけでなく、「鳥肌モノの”演技で作品を牽引”した」という部分がポイントになります。
そういう意味では、昨年、この顔ぶれの中で、「椿の花咲く頃」のヨンシク役のカン・ハヌルが受賞したことは、俳優たちも視聴者も納得の結果だったでしょう。
その観点で、今年のノミネートを見てみると、やはり突出しているのは、「怪物」のシン・ハギュンと、「悪の花」のイ・ジュンギ。
この二人に関しては、見ていて「はあ〜凄すぎる。。どうしてこんな演技ができるんだろう」と、ため息の出るような名演技でした…!!!

「悪の花」が終わった時点では、イ・ジュンギの神演技が今年No.1だと確信していたのですが、まさかそれを超えるシン・ハギュン神が登場するとは…!さすが、層の厚い韓国俳優界!!

ということで、ここはシン・ハギュンが受賞すると予想します。

一瞬、シン・ハギュンが個人で大賞を受賞し、ここはイ・ジュンギが受賞するパターンも想定したのですが、大賞は芸能が取る気がするので、やはりシン・ハギュンはここで受賞ではないかと思います。

なお、個人的には「怪物」のヨ・ジングも、本人最高の演技だったのではないかと思うので、ノミネートされてないのが不思議でならない。。

また、「哲仁王后」の男性主人公を演じたキム・ジョンヒョンも、「愛の不時着」のク・スンジュンを超える代表作になったので、ノミネートを期待したのですが、作品の問題と本人へのバッシング問題が影響してしまったのではと見ています。

ただ、これらの人たちがノミネートされていたとしても、シン・ハギュンの受賞はほぼ間違いないかなと予想します。

TV部門大賞

さて、ここからは、的中率にカウントしないいくつか賞も予想をしておきます。

まず、一番予想が難しい「TV部門大賞」。

TV部門に含まれるドラマ・芸能・教養すべてが対象
各賞のノミネートの中から選ばれ、作品が受賞もするし、俳優・制作陣が個人で受賞することもある

参考までに過去6年間の大賞を振り返ってみると…

2020年:「椿の花咲く頃」
2019年:キム・ヘジャ(「まぶしくて」)
2018年:「秘密の森」
2017年:キム・ウンスク作家(「トッケビ」
2016年:「太陽の末裔」
2015年:ナ・ヨンソクPD(芸能)
「秘密の森」が受賞したことを考えると、「怪物」が受賞しても良いような気もしますが、ただ去年が「椿の花咲く頃」だったのを考えると「怪物」が受賞するのはちょっと弱い感じ。ドラマ部門で受賞がありえるとしたら、シン・ハギュンが個人で受賞するケースですが…
私は、何となく芸能番組が受賞するのではないかなと思っています。
芸能番組は全て見ているわけではないのですが、芸能の作品賞にノミネートされている「놀면뭐하니?(遊ぶなら何する?)」と「유 퀴즈 온 더 블럭(ユークイズ・オン・ザ・ブロック)」が何かと話題になっていた印象。

どちらもユ・ジェソクの番組というのが凄いですが今回このどちらかが受賞する、もしくはユ・ジェソクが受賞する可能性が高いのではと思っています。

「유 퀴즈 온 더 블럭」では、コン・ユやBTSがゲストに出た回などはとても話題になり、私もたまに見ているので、ここでは「유 퀴즈 온 더 블럭」のほうが受賞すると予想しておきます。

TikTok人気賞

さて続いては、唯一、一般投票で決定するTikTok人気賞。

男性と女性に分かれ、TV部門と映画部門の俳優やタレントが合同で投票を受け付けます。予め投票できる対象は決まっているので、選ばれている基準はわかりませんが、ここでは主演、助演関係なく純粋に投票で結果が決まります。

視聴者はTikTokを通じて、一人一日3票まで投票ができます。

昨年は、「愛の不時着」のヒョンビン、ソン・イェジンが受賞。主に海外ファンの投票が大きく影響したと言われました。

投票数は、リアルタイムで数が表示されるため、各俳優のファンたちが状況を見ながら、自分の推しを1位にしようと必死に頑張っているようです。

現時点での男性部門(締切 約24時間前)*一部分のキャプチャ。実際には、もっと多くの俳優が投票対象です。

ということで、人気賞は、最近では特にグローバル人気を反映しているんじゃないかなと思います。

現時点(5月9日22:30/締切24時間前)での投票数を観てみると…

男性部門
1位 キム・ソンホ(112万票)
2位 ソン・ジュンギ(85.5万票)
3位 キム・スヒョン(31.6万票)

もともとアジア圏で絶大な人気を誇る、キム・スヒョンやソン・ジュンギを抑えて、キム・ソンホがダントツで1位というのは、「スタートアップ:夢の扉」のジピョン役がどれだけ愛されたかがわかりますね。

女性部門
1位 ソ・イェジ(66.4万票)
2位 シン・ヘソン(57.5万票)
3位 キム・ソヒョン(19.3万票)

個人的には、演技派のシン・ヘソンが2位なのがとても嬉しい。

一方で、あれだけ騒ぎになっているソ・イェジが人気投票1位というのが、韓国国内でも話題に。

これは騒動を心配した海外の「サイコだけど大丈夫」ファンの応援の投票結果なのか、はたまた授賞式に参加させるための韓国国内のアンチの集団操作なのか…。。

ともかく、当初から1位はこの二人が独走状態だったので、最終的にもキム・ソンホとソ・イェジが選ばれることになると思います。

なお、もう一つ、ファッション雑誌バザーが選ぶ「アイコン賞」という、ファッションアイコンに送られる賞があります。

昨年は、「愛の不時着」のソ・ジヘが受賞。こちらも問題がなければ、ソ・イェジが取ることが確実だったと思いますが、、、どうなるでしょうか。

あの作品はなぜ入らない?

さて、予想は以上なのですが、最後にノミネートに入らなかった作品についても、少し触れておきたいと思います。

実は、純粋に「該当期間のドラマの人気・評価」を振り返ってみると、作品として「怪物」が高い評価であったことは揺るぎないものの、放送中の話題性や視聴率まで考えると、やはり、最高視聴率17.4%で、2020年のtvNドラマの中でトップを記録した「哲仁王后」の盛り上がりが忘れられません。(これは、同じ時間帯で次に始まった「ヴィンチェンツォ」も抜けなかった数字)

放送中は、誰に聞いても「哲仁王后が面白い」と話題に上がっていて、幅広い層に支持された作品であり、今回の対象期間中で見ると、一番人気だったのではないかなという感覚があります。

もし、作家の問題がなければ、脚本賞や作品賞にノミネートされてもおかしくなかったはず。

歴史上に実在する人物の名前を使用してしまったため、放送当初から物議を呼んでいた事は確かなのですが、とにかく本当に面白いので、日本でも是非多くの方に見ていただきたい作品です。(2021年6月から衛星劇場で放送)

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そして、同じく期間中に、特に韓国で、幅広い層に熱く支持されたという観点では「賢い医師生活」。

昨年の百想の時点では、まだ放送途中だったので、脚本賞とチョン・ミドがノミネートされたのにとどまり、「来年こそは、賢医が総ナメなはずだ…!」と思っていました。

しかし、3月頃スタートかと思われたシーズン2も6月にずれ込み、去年と今年でシーズン1の数話分ずつしか対象にならないという、不利な状況に。

これは完全に対象期間の問題で、6月にスタートするシーズン2で来年こそは、「99ズが最優秀演技賞を寡占状態!?」みたいなことになっちゃうことを期待します(笑)

あとは、国内でヒットした「悪霊狩猟団 カウンターズ」や、日本で最近ハマっている人が多い「ナビレラ」がノミネートされていないことも不思議に思われるのではないでしょうか。

個人的にはどちらも好きだったのですが、やはりWeb漫画原作ということは多少影響しているでしょう。芸術的観点から作品性を問う百想芸術大賞の基準とは、少し異なるのかもしれません。

「悪霊狩猟団 カウンターズ」では、主役のチョ・ビョンギュが過去の校内暴力疑惑に巻き込まれなかったら、演技賞にノミネートされたかもしれないと残念でなりません。

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また、「ナビレラ」については、先ほどの「賢い医師生活」と同じように、期間中に全12話のうち6話までしか放送されておらず、そこが不利に働いた可能性もあるのと、逆に来年も対象になるので、そこで評価される可能性もあります。

ただ、実は視聴率は2〜3%ほどしかなく、韓国国内では日本ほど話題ではなかったのも事実。もちろん観た人の満足度は高かったのですが、口コミで人気が高まるには話数が短く、思ったほど盛り上がりきらなかった感じがあります。とはいえ、是非、来年リベンジしてほしい良作です。

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なお、こうして振り返ってみると、日本の視聴者の方、特にNetflixメインの方にとっては、「日本でもたくさん新作が観られた気がするのに、意外と知らない作品が多いな…」と思われるかもしれません。

数字で見てみると、韓国で放送されている作品のうち、ミニシリーズと言われる16〜20話程度の作品のうち、Netflixで日本同時公開されているのは、だいたい3〜4割程度。(時期によって変動)

韓国での放送終了後に始まる作品をいれても、まだ5割には満たないことがほとんどです。(それでも昔に比べたらありがたいことですが)

それに加え、特に2020年については、残念ながら、韓国でのヒット作に限ってNetflix同時配信ではない=Netflixの同時配信作は韓国ではヒットしていないことが多かったように思います。

「怪物」がNetflix配信でなかったのは、とても残念…。。

私も友人に「今、何が人気なの?」と聞かれて、「〜だけど、Netflixじゃないんだよね。。」と答えることが多く、何度ももどかしい思いをした記憶があります。

というのも、Netflixの同時配信の対象決定の軸は、おそらく「作品性」よりは「俳優の海外での人気」。
2020年については、これに加え、日本向けには特に「とにかく恋愛モノ」という方針もあったのではと感じました。

これはあくまで、韓国国内とは異なる海外視聴者の視点を意識しているため、当然といえば当然かもしれません。

2021年に入り、俳優の軸はありながらも、多様なジャンルを実験的に同時配信の対象にしはじめた(「ナビレラ」「mine」など)ような印象を受けます。

ジャンルの多様化は、とても嬉しいことで、ぜひこのまま「賢い医師生活シーズン2」など、韓国で絶大な人気を誇る作品も、同時配信の対象になれば良いなと思います。

なお、そういう意味で、日本で見かけるNetflixの最新作を主に取り上げて、韓国でも大ヒット!と紹介しているような記事は、「実際は違うんだけどな〜」と感じることも少なくありません。。

特に「Netflixランキング○位!」というのは、瞬間風速的なものが多く、それだけで人気かどうかは判断ができないもの。また、視聴率=高評価とも言い切れないので、やはり本当の人気や評価は、その時の人々の間での盛り上がり、視聴者のレビューなどから総合評価する必要があります。

私がこの、百想芸術大賞に毎年注目している理由は、毎年そのような「韓国国内での視聴者の真の評価」が最もよく現れていると思うからです。

そういう意味で、日本のメディアでは知ることのできない、現地だから感じられる、本当の韓国国内の作品評価を、今後もこのブログを通じて発信していけたらと思います。

「椿の花咲く頃」「賢い医師生活」キャストインタビューが満載!

まとめ

ということで、年に一度の一大イベントで私も気合が入りすぎて、すごく長くなってしまいましたが、ここまでお付き合いいただいた方、ありがとうございます(笑)2021年の百想芸術大賞のTV部門 ドラマ作品の予想をご紹介しました!

今年は、本当に「18アゲイン」のチラ見以外は、全部見たので、的中させたい…!(笑)

当日は、日本からもTikTok中継で観ることができます(おそらく字幕はなし)。Twitterでも速報予定なので、気になる方は、フォローしてみてくださいね!

みなさんも、それぞれ予想してみると面白いと思います。当日が楽しみです…!

受賞結果はこちら…!

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