「(知っていることはあまりないけれど)家族です」とは?
2020年6月から7月まで韓国で放送された「(知っていることはあまりないけれど)家族です」。日本でも2020年12月にMnetで初放送されました。
韓国での放送時、正直「地味なタイトル、キャストだな〜(笑)」と思って完全に見逃していた作品。
しかし、2021年の百想芸術大賞の作品関連賞3部門に全てノミネートされたということで
演出賞
脚本賞
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「椿の花咲く頃」ではピルグの父親を演じていたキム・ジソク。椿の時以上に、めちゃくちゃ好きになってしまった〜〜〜!
「家族です」あらすじ・キャスト
ハン・イェリ演じるウニは、姉と弟、そして顔を合わせれば喧嘩ばかりしてしまう両親の5人家族。
いつも冷静で毒舌な長女ウンジュ(チュ・ジャヒョン)は、
夫と不妊治療に励みましたが、今は子どもを諦め、夫婦の間には微妙な溝ができています。
ウンジュの夫役を演じるのは、最近「ナビレラ」にも出演しているキム・テフンさん。
出版社に勤めるウニは、誰にでも気さくで明るい性格ですが、三姉弟の真ん中であるがゆえに、常に周りの空気を読んで行動する癖がついています。
ウニはある日、数年の間、絶縁していた学生時代からの友人であるチャニョクと再会します。
ウニの姉、弟とも交流があり、実はウニの家族の誰よりも、ウニ家に詳しいチャニョク。
ウニの会社の上司ゴンジュを演じるのはシン・ドンウク。「浪漫ドクターキム・サブ2」にも出演していた爽やかイケメン。
唯一両親と同居している末っ子の弟ジウを演じるのは、「あなたが眠っている間に」「刑務所のルールブック」などに出演したシン・ジェハ。
どこにでもいそうな、一見平凡な家族。
しかし、熟年夫婦の両親が長年心に秘めいていた、様々な疑念・誤解がついに限界に達し、様々な事件が勃発。
「実はお互いに全然知らなかった」家族の想いや考えが明らかになっていきます。
「家族です」見どころ①自分の家族を思い出すリアルさ・名セリフ
「(知っていることはあまりないけれど)家族です」を観た人が皆評価しているポイントの一つが、ドラマで描かれているウニの家族たちの様子が、どこの家族でもあるような状況をリアルに描き出していること。
特に、物語の中心となる熟年夫婦の二人のやり取りは、とてもリアル。この写真の表情だけも、熟年夫婦あるあるの関係性を表しています…。
顔を合わせれば、ちょっとした言葉尻を捕らえて喧嘩。
そもそもお互いの認識が違う何年も前の話を取り出しては、お互いを傷つけ合うような言葉を投げあってしまい、もはや「どうせ〜なんでしょ」という思い込みを取り外して向き合うこと自体が難しくなってしまった関係。
また、そんな両親の関係性を理解しながら、接する子どもたちの様子も、すごくリアリティがあります。
父親が、SNSの家族グループでみんなに写真を送ったり、呼びかけたりするシーンがあるのですが、
子どもたちが、それぞれ忙しい生活をしながらそれに反応する様子がめちゃくちゃリアルで「わかる!うちの家族のグループLINEもこう!(笑)」と思わず拍手したくなったほど。
制作発表会で、キム・ジソクも、
と話していました。まさにそのとおり…!(今、観終わってキム・ジソクにハマり中なので、キム・ジソク多めw)
そして、本質を突いた名セリフの数々には、ハッとさせられることがしばしば。
家族の問題って何か知ってる?話すべきことを話さないこと。ホコリのように払い落とせるものを歳月をかけて固くなるまで放置してしまう。そうするうちにある日突然爆発してしまうんだ。
家族は、他人が知り得ない急所をとても良く知っている。いつでも強力な一発を浴びせることができてしまう。
ある本で読んだんだけど、人は自分があまり好きでもない人であるほど、より気を使ってエネルギーを浪費してしまうものなんだって
こういった名セリフ以外にも、ちょっとした表現が秀逸で、何度か止めてセリフを味わいながら視聴していました。
人間味あふれる妹ウニと、毒舌な姉ウンジュ。
まったく性格が正反対な二人のやり取りはグザグサと急所を突き合うようでありながら、ベースに信頼と愛情があります。
そして、ウニの家族を誰よりも知っているチャニョクとウニの会話は、「理解者」という存在の温かさを感じることができて、すごく好きでした…!
この二人のやり取りずっと観ていたい…(オフショットもいい…)
これめちゃくちゃ好きなシーンのカット。ハン・イェリのオフショットが可愛いので思わず紹介。
「家族です」見どころ②気になる展開はあのドラマのよう?
「(知っていることはあまりないけれど)家族です」では、このようにじわじわくるセリフに共感させられつつも、視聴者を飽きさせないドラマ的展開もしっかり組み込まれています。
実は韓国では放送当時、このドラマは一部の視聴者の間で「家族の世界」とも呼ばれていたそう(笑)
これは当時、刺激的な展開でブームを巻き起こした「夫婦の世界」になぞらえたもの。
数話観ていくうちに、その理由がわかったのですが、「夫婦の世界」がそうであったように、「家族です」も毎回終わり方が「え?!どういうこと??」というような刺激的な内容になっています。
かなり”釣り(引っ掛け)”な部分があり、回を重ねるとだんだんわかってきて、逆にイラっともするのですが(笑)
私もこの上手い(ちょっと憎らしい)終わり方のおかげで、寝なきゃいけないのに夜ふかしして続きを見てしまい、最近見た作品の中では最も短い期間で一挙見してしまいました。
ホームドラマというと、素材が平凡であるがゆえに、ありえない展開で刺激的にしてマクチャンドラマ(昼ドラのような感じ)になってしまいがち。
でも「(知っていることはあまりないけれど)家族です」は、リアリティを保ちながらも、視聴者を飽きさせないドラマ的展開を絶妙なバランスでうまく組み入れている作品だと思います。
このようにセリフの秀逸さとメッセージ性、視聴者をひきつける展開のうまさが、百想の脚本賞にノミネートされた理由だろうなと思います。
「家族です」韓国での視聴率
「(知っていることはあまりないけれど)家族です」の韓国での視聴率も振り返っておきましょう。
tvNの月・火ドラマで、チョン・ヘインの「半分の半分」が話数短縮で終了した後の作品。
21:00〜のドラマとしては悪くない数字なのですが、かといって当時、大きく話題になった印象もあまりなく…(笑)
良い作品なのに、こんなにマイナーなのも珍しいというか、なぜ話題にならなかったんだろう?と考えてみました。
一番はやはり、初回「観てみよう」と思わせるには、ちょっとキャストが弱かったのかな〜というところ。
私も正直、観始めた頃は、キム・ジソク以外はあまり馴染みがありませんでしたが、観終わった今では家族全員が愛おしい…!
また、SFなどの斬新なテーマや刺激的なテーマが好まれるトレンドの中で、「家族」というテーマと、テーマをそのまま表したタイトル(笑)が最初の1回を見始めさせるのには、ちょっと刺激が足りなかったのだと思われます。
観終わったら、この平凡?なタイトルが、ぴったりなことがよく分かるんですけどね…><
「ミナリ」効果でハン・イェリが注目されて、このドラマも再注目されてほしい…!
韓国ドラマを観始めの方や、純粋な恋愛モノが好きな方などにはおすすめできないのですが、私のようにドラマ歴が長く、ヒューマンドラマが好きな方には、ぜひ一度観ていただきたい名作だと思います。
百想の結果も楽しみにしたいと思います…!
「家族です」日本放送に関する情報
「(知っていることはあまりないけれど)家族です」は日本ではMnetで2020年12月に初回放送され、直近でMnetで再放送が始まる予定です…!
先ほどご紹介したとおり、毎回続きが気になって仕方ないので(笑)、録画しておいて一気に見るのも良いかもしれませんね!
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まとめ
ということで、隠れた名作!「(知っていることはあまりないけれど)家族です」の魅力についてご紹介しました!
このドラマの良さについて語れる仲間がほしい…(笑)ということで、周りのヒューマンドラマ好きに全力でオススメしている最中です。
観られる環境にある方は、是非見てみてくださいね〜!
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*写真はtvNからお借りしました。