「賢い医師生活2」では、細かい部分まで意味をもたせた演出、セリフや、日本語字幕では伝わりきれない小ネタなどが満載!
シーズン1に引き続き、韓国視聴者の間で話題になったことなどを参考にしながら、作品をさらに深く楽しむための私なりの解説・考察を行っていきます。
※完全ネタバレありなので、視聴済みの方が対象の記事です※
「賢い医師生活2」8話に関する記事はこちら
韓国在住K-dramaライターMisa「賢い医師生活2」8話を視聴済みの方にむけて、日本語字幕では伝わらないニュアンスの解説や演出意図を考察します!「賢い医師生活2」では、細かい部分まで意味をもたせた演出、セ[…]
「賢い医師生活2」 9話のテーマ
「賢い医師生活2」9話では、なかなか普段はスポットが当たりにくい、見えないところで患者を支えている人たちの努力と苦労と、それに対する感謝が描かれていました。
8話に続いて、今回も1時間45分という長尺で、8話に続くレジェンド回だったのではないかと思います。
豪華なカメオもたくさん出演し、物語の展開としては、いよいよ最終話に向けて、これまでの伏線が少しずつ回収され始めました。
そして、40代の手つなぎにあんなにときめくとは…!!!(笑)
なお、ここまで来ると、登場人物たちの細かな心の動きが、セリフや演出で表現されている部分が増えているのですが、その分、日本語字幕ではなかなかそれが反映されていないと感じる箇所が多くありました。
ということで、今回もより作品の理解が深まるように、そのあたりを補足しながら、考察していきたいと思います!
イクスンとジュンワン
9話では、シーズン2を通じて、切ない状況が続いていたイクスン&ジュンワンの비둘기(ハト)カップルにやっと”時”がやってきました…!
バスでの再会
8話の最後で、バスの中で再会したイクスンとジュンワン。バスの出発前に、誰も他に乗客がいないバス内で「あっ…」とお互いに気がついた二人ですが、9話冒頭の様子を見ると、お互いあまり話さず、バスが出発したようです。
8話のテーマ曲だった「今でも美しいだろうか」の99ズバージョン(チョ・ジョンソクボーカル)が流れながら、バスが出発して40分ごろの二人の様子が映し出されます。
この時、イクスンがつけているBluetoothイヤホンは、もしやシーズン1の11話でジュンワンがプレゼントしたもの!?と思いながらも、あの時はややシルバーのサムスンのイヤホンだったので、同じものかどうかは映像からは確信できませんでした。
そして、イクスンのスマホの画面からは、「今でも美しいだろうか」を聞いていることが分かります。

ちょっと痩せた 君と居た時より
彼はどう?
僕たちが一緒に過ごした日々を忘れるくらい
優しくしてくれるかな?
幸せになれよ
僕の足りないこところを 埋めてくれる
良い人に出会ったのだから
後ろの席のイクスンのもとに行くジュンワン。

イクジュン予約シーンの神演技
なお、このときの深夜バスでの再会は、やはりイクジュンのアシストによるものだったことが明かされましたね!
しかし、イクジュンのアシストはあくまで最後のひと押し。
イクジュンがイクスンから「12時の深夜バスに乗る」とメールを受けた直後に、ジュンワンから電話がかかってきたこと。
その日、KTXで帰るはずのジュンワンが、家族でお酒が盛り上がって、たまたま深夜バスに乗ることになったこと。イクジュンがその日その時間、病院ではなく家でバスを予約してあげられる状況にあったこと。
何か一つでも抜けていたら、タイミングが合わなかったら…と考えると、やはりイクスンとジュンワンは「再び会う運命だった」のではないかと思います。
ジュンワンと電話しながら、イクジュンが高速バスの予約をするシーンで、チョ・ジョンソクの細かい演技が素晴らしいなと思った部分があります。
ジュンワン「一番早いやつで」
イクジュン「一番早いの?」



イクスンの歌
少し話は変わりますが、イクスン役のクァク・ソニョンさんは、元々はミュージカル俳優。
今回、久々にイクジュンとラップの掛け合いをするシーンがありましたが、これはふたりともミュージカル経験豊富な俳優だからこその演出。
イクスンことクァク・ソニョンさんのミュージカルを探していたら、チョン・ムンソン(ジェハク先生)とイ・ギュヒョンと一緒という豪華な舞台を発見❗️
賢医の先生たちはだから皆、いきなり歌ったり、ソロ曲出せちゃうんです😆https://t.co/UjsLSrtAI5#賢い医師生活2 pic.twitter.com/xQPCamNuhk— Misa🌺韓国在住K-dramaライター (@misam34) August 19, 2021
Twitterの方では、皆、実はミュージカル俳優である、ミナ先生役、ジェハク先生、ソンファのミュージカル舞台の様子も紹介しているので、気になる方は、観てみてくださいね!
二人のメールのやりとり
そして、結局週末に改めて会うことにしたイクスンとジュンワン。約束は土曜日6時にカロスキル。
リマインドメールをするジュンワンのスマホの画面をよく見ると、いくつかのことが分かります。
ジュンワン「うん、保存しておくよ」
イクジュンの優しい嘘
いよいよ約束の土曜日になりますが、体調が思わしくないイクスン。
病院へ行かなければ行けない状況ですが、「家の前にも大きな病院が…」とイクスンは明らかにユルジェ病院に行くことを避けようとします。
イクスン「ジュンワンさんがお兄ちゃんに話したの?」
イクジュン「ああ、バスの中で会ったとね」
※9/11追記:この部分の字幕、現在は元のニュアンスに近い形に修正されていました…!(良かった><)
そして、特に親しい人に嘘をつくときにやや慌ててしまう自分の癖まで把握していると思われるイクジュンは、いくらユルジェに行くことを説得するためとは言え、自分からあの深夜バスの話を持ち出したくはなかったでしょう。

おそらく、イクジュンの頭の中のシナリオは、
のほうだったのではないでしょうか。

と、自ら「会った」と言っているので、ここでイクジュンのシナリオが崩れたわけです。

イクスン「ジュンワンさんがお兄ちゃんに、私達が会ったこと話したの?」
イクジュン「…。ああ、バスの中で会ったとね」
救急室での二人
こうして、イクスンをユルジェに連れて行くイクジュン。偶然入り口で出会ったト・ジェハク先生の一言から、今日イクスンの約束の相手がジュンワンだったということを知ることになります。
ここからの、イクジュンのスーパーアシストは凄かったですね!!!(笑)
「今日、イクスンと約束してたんだろ?」と聞くこともなく、「妹が救急室にいる。点滴が終わるまで1時間ぐらいかかる」「ただ、そういうことだ」と淡々と伝えるイクジュン。
そして、途中でイクスンのスマホに「大丈夫か?返信不要」と送ったのも、ジュンワンの家から病院まで30分程度であることを知っていて、二人が今頃会っているというタイミングまで計算し尽くした上でのアシストだったでしょう。
このメールは、イクスンのスマホの待ち受け画面を、ジュンワンに気付かせようと送ったものであることは間違いありません(「大丈夫か?」と聞いてるのに、「返信不要」とは…笑)
8話のレビューでは、「イクスンがイクジュンに見られる可能性があるのに、わざわざ待ち受け画面にするかな?」とも書いたのですが、スマホのロック画面ではなく、ホーム画面のほうであることが判明しましたね。
アプリが全然ないのはやや不自然ですが(笑)
ホーム画面ということは、ロックを解除して、自分が触っている時ぐらいにしか、表示されない背景なわけです。8話では、ホン大尉とメールをした直後でロックが掛かる前だったので、イクジュンが目にすることになったわけですね。
この9話のシーンでも、イクジュンからのメッセージを閉じた瞬間に、ジュンワンの写真が一瞬チラッと見えています。(これを見逃さなかったジュンワン!)
そして写真は、4話でジェハク先生が、ジュンワンのInstagram初投稿のために撮ったあの写真ですね…!
せっかく再会したジュンワンにも、相変わらず自分の体調をごまかし、真実を話そうとしないイクスンですが、一方で別れて1年経つ今も、ジュンワンへの愛を感じさせる写真をスマホの背景にしているとは、葛藤と愛情の深さが伺えます。
イクスンのカルテを観て、これまでイクスンが自分を遠ざけていた理由を知り、スマホの写真から、今も自分と同じ気持ちであることを確認したジュンワン。
そんなタイミングで、二人を邪魔するのは、またもやジェハクコール(笑)
カロスキルの約束をイクジュンに話したのは、GOODJOB‼だったのですが、病院前でイクジュンの車に乗っているイクスンにジュンワンが気が付きそうになった時と同じように、良いところでジェハク先生の電話が二人を邪魔します。
これはある意味、ジェハク先生とイクスンのジュンワンをめぐる三角関係!?のような演出です(笑)
ちなみに、この救急室のシーンについては、複数の医者の先生が「実際の病院では、ジュンワンのように自分の担当患者以外のカルテを勝手に見たら問題になる」ということを指摘していました。
昔は自由に見られたものの、今は、いくらその病院の医師とは言え、自分の担当患者以外のカルテを見るのには、申請や承認が必要とのことです。
★追記:別のドクターのレビューにて「シーズン1でジュンワンがイクスンの主治医だったことがあるため、経過観察ということで閲覧は問題ない」と解説されていました!
さて、とにもかくにも、この救急室で、遂にハトカップルの愛が再び動き出す兆しが出てきました。
なお、振り返ってみると、すでにシーズン1で、二人のこの日の状況を暗示しているような演出があります。
先ほど少し触れた11話のジュンワンがイクスンにBluetoothイヤホンを差し出すシーン。
ここでジュンワンがイクスンと一緒に聞いた曲の名前覚えてますか…?
そうです「ER=救急室」です。「病院関係者が1番嫌う曲」と言っていましたね。
しかもこのシーンで流れている歌詞…「もう一度、愛するように戻ってくる」なんです!!(鳥肌!!!)
この時点で、二人が一度別れること。そして、救急室で再び愛が始まることは決まっていたのでしょう。
ちなみに、「賢い医師生活」シリーズにおいて、この「救急室」は他のカップル以外でも「相手への愛を再確認する場所」として使われています。
特に、それまで気持ちを隠していた人物の気持ちが明かされる場所として、
倒れたミナに駆けつけたソッキョン
熱が出たイクスンに駆けつけたジュンワン
という形で、今回描かれたように、救急室は最も危険な状態を救う場所であると同時に、そんな危険な誰かを想う人たちの愛が見える場所でもあるのです。
チョン・ギョンホ:ソロ曲「回想」
なお、8話で冒頭でちらっと登場した、チョン・ギョンホの歌う「回想」は、9話でも使われただけではなく、9話放送の翌日、正式にチョン・ギョンホのソロ曲として配信されました。
豪華過ぎる卓球大会
さて、9話の大きな見どころといえば、卓球大会。こういうギャグを入れ込んでくるところが、「応答せよ」シリーズも手掛けた制作陣らしいですね。
そして、その「応答せよ1988」にも出演していたユ・ジェミョンさんがここでまさかのカメオ出演!(笑)
日本ではもはや「梨泰院クラス」のチャン会長のほうが有名かもしれませんが、今回のような、おとぼけキャラクターも上手なユ・ジェミョンさん。こんな贅沢な使い方は、シン監督だからできることですね。
映像医学科のシン・ヒソン教授という設定。フェローの先生との「イクジュンが卓球同好会に入ってた」という会話では、シン教授が「マジック同好会にも入ってたらしいぞ」と言うセリフがありますが、ここは少しセリフがカットされており、
と、大学時代から大学中の同好会に顔を出していたイクジュンのキャラクターが表現されています。
しかし、「勝ち残ってるのは、実力ではなく、うちらと同じ理由だ(=全て相手が呼び出されたことによる不戦勝)」ということを見抜いているシン教授。
そして、それまでまさに自分たちは、一度も戦ってなかったことを表すかのように、イクジュンたちとの対決では、二人で交代で打つという基本ルールも守らず、即失格に(笑)
失格になった意味がわからずキョトンとする教授に、流れた「メェ〜〜〜〜」という効果音は、「応答せよシリーズ」でおなじみのもの(笑)「応答せよ」ファンの方々はテンション上がったことでしょう!
ちなみに、この卓球シーンについては、医者の先生のレビューで興味深い話がありました。
それは、「医者の中で一番卓球が得意なのは精神科の先生」ということ。
理由は、精神科の隔離病棟では、患者が体を動かすためにも卓球台が設置されていることが多く、他の科の先生より卓球に慣れているから、ということ。長く勤めている先生ほど、卓球の腕が上がっていく、というぐらい卓球をよくするんだそうです。
なお、この卓球大会のシーンについては、その後メイキング映像で、実際の撮影の様子が明かされました!
この動画は「卓球王が居たんですが、居なかったんです」というタイトルで、最初に「ユルジェ卓球大会の真実」というテロップから始まるのですが、こういう裏側を惜しみ無く共有してくれるところが最高!!!
この動画でも「メェ〜〜〜」が使われています(笑)
そして、こちらが本物のデュース(듀스)の「나를 돌아봐」という曲の映像。イクジュンが真似したサビのあたりにタイミングを合わせています。
*쥐(チュィ)は「ネズミ」の意味
なので、ここで突然、「猫になれ」と言ってるセリフは実際には、「”にゃ〜”やって」と言っています(笑)
しかも、決勝戦が終わった後、また足がつったジフン先生は、「쥐쥐쥐(チュィチュィチュィ)〜〜〜!」と言いすぎて、少女時代の「Gee」になってしまってますね(Baby Baby Baby〜と乗っかるイクジュンw)
なお、この決勝戦で登場した最強のお二人は、皆さんお察しの通り、本物の卓球選手の方。
女性の方は、1988年ソウルオリンピック女子ダブルスのヒョン・ジョンファ選手、男性は、ロンドンオリンピック団体、銀メダリストのチュ・セヒョク選手。
特にヒョン・ジョンファ選手は、韓国に卓球ブームをもたらし、その活躍が映画化「コリア(邦題:ハナ 奇跡の46日間)」されたほど有名な選手です。
ポン先生と救急室の仲間たち
9話では、「裏方で頑張っている人たち」というテーマで救急室にフォーカスが当たると同時に、これまで「99ズの同級生」という設定でありながらも、あまり99ズとからみがなかったポン先生の活躍も描かれました。
99ズが一番知りたい人
7月末にYouTubeで公開された「ユルジェアワーズ」で、実はポン先生は、99ズたちから「”この人を知りたい”賞」に選ばれています。
「ドラマでは”99ズについて一番知っている人”の設定なのに、実際はあまり一緒に撮影するシーンがない」ということで99ズもポン先生とのシーンが増えることを望んでいました。
オーディション映像の時から、ひょうひょうと凄い演技をやってのける姿が印象的だったのですが、ユ・ヨンソクも「すごく独特で、NGを出すと自分で自分に腹を立てる様子がとても不思議で気になる」と話していました。
また、「99ズについて語る人」としてだけ、登場するにはあまりにももったいないぐらい、その後、人気ドラマでブレイクしたポン先生役のチェ・ヨンジュンさん。
「賢い医師生活」ポン教授を演じたチェ・ヨンジュンさんは、その後「悪の花」「ヴィンチェンツォ」そして「mine」にも出演。「アスダル年代記」が初ドラマで元々ミュージカル俳優&歌手経験ありですが賢医で一気に売れっ子助演に✨比べてみると顔つきが変わってる😲
今や出てくるだけでキーマンの風格。 pic.twitter.com/B09xD8dTEt— Misa🌺韓国在住K-dramaライター (@misam34) June 19, 2021
今回、ポン先生にやっとフォーカスがあたったのは、そんな99ズのラブコールと、視聴者人気も背景にあったかもしれません。
ヨン先生の葛藤
最も患者の生命に関わる危険な瞬間を支えている救急室の先生たち。でも、その瞬間は意識のない患者、そして周りを見ている余裕がない家族にとっては、その後手術をしてくれた先生こそが、命の恩人のように思えます。
というポン先生は、どんな状況でも淡々と今、自分がやるべきことに集中します。(カッコいい!!)
なお、医者の先生のレビューによると、今回ポン先生がしている処置の中には、患者のためにはベストだけど、そこまで救急で処置して何かあったら責任問題になるから、あまり積極的にはやりたがらないような処置も含まれていて、そういう意味でポン先生の対応は本当にカッコいいんだとか!
一方で、まだ若いレジデントのヨン・ジェミン先生は、手術をした医者だけが感謝される様子に、悔しさを隠せません。
ポン先生に対して、
というなんとも、小説のような表現で自分のもどかしさを表現します。
人魚姫のストーリーと言えば…
嵐の影響で、船から海に投げ出されてしまった王子様を人魚姫が救いますが、そこに人間の娘がやってきたため身を隠す人魚姫。
王子様は、目を覚ました時、目の前にいた娘が自分を救ってくれたと勘違いしてしまう
というところから、「本当は自分が救ったのに」という救急室のヨン先生の状況と重なるわけです。
これに対して、ポン先生も実は、ユニークな表現で返します。「早く仕事に戻れ。みんなは目の回る忙しさだ」というセリフは、実は

と言っています。「セバスチャン」は、ディズニーの「リトル・マーメイド」で人魚姫(アリエル)の面倒を見るカニですね(笑)
なので、ここでポン先生が両手でカニの手のような仕草をしているわけです。
看護師の先生たちの苦労
そして、私も今回涙してしまったのが、NICU(新生児集中治療室)の看護師の先生たちのエピソード。
赤ちゃんたちを24時間、交代で見守る先生たちは、立ちっぱなし、抱きっぱなしで、体中に大きな負担が負担かかっている様子。
一瞬やってきて「うちの子も抱いてくれなきゃ」とクレームを言うお母さんに笑顔で対応する看護師さんの首には、シップが貼られています。
他の先生達も、腕にサポーターを付けたり、自分の体を酷使して、患者と向き合っていることが描かれました。
そして、子どもが元気になり、自分に感謝する患者の母親に「僕は一日5分ぐらいしか診てないんですよ。お礼なら看護師の先生に」と言うジョンウォン(ジョンウォンのこういう、言うべきことはしっかり言うところ、素敵!)
このときの母親が、持ってきたお弁当の差し入れと、感謝の手紙のシーン。感動的な手紙の内容と、看護師役の役者さんたちが本当の看護師さんのような雰囲気だったので、すごくグッと来たシーンでした。(これはきっと、実際に大変な思いをしている看護師さんたちへの慰労になったことでしょう)
新しく生まれる愛…?
そんな中、9話では、ユルジェ病院に、新たな愛の誕生?を匂わせる演出もいくつかありました。
まず、ギョウル先生を意味深に見つめる、キム・ゴン先生!
やっぱり〜〜〜〜〜〜(笑)!!
6話のレビューで、キム・ゴン先生役がイ・ジョンウォンであることは絶対意味がある、登場からギョウルを気に入っていると思わせる演出があると予想していたので、思わずニヤッとしました(笑)
韓国在住K-dramaライターMisa「賢い医師生活2」6話を視聴済みの方にむけて、日本語字幕では伝わらないニュアンスの解説や演出意図を考察します! 「賢い医師生活2」では、細かい部分まで意味をもた[…]
なお、ここでのギョウル先生とキム・ゴン先生の会話で、ギョウル先生が「教授に聞かれたらそう答えて」と言っているのですが、こちら実際には、
と言っています。個人的にはこの言い方が、一見ぶっきらぼうに見えて後輩に優しいギョウルの性格を表していて、「これはキュンと来るな〜」と思いました。
そして、もう一組、ウケたのがユンボクの恋(笑)。ソンビンの「ユンボク、しっかりしろ〜〜〜〜!!!」のシーンは可愛かったですね。
頼りなさそうな、ソンヨン先生ではなく、それこそキム・ゴン先生とかをおすすめしたい。(いや、でもやっぱりいつものキャラの通り、悪い男かも 笑)
ユンボクは演技もうまいので、シーズン3があったら、ソンビンとドラゴンのような、ユンボクの新しい恋物語が描かれそうだなと思います。
(ホンドが、誰かかっこいいヌナを好きになる展開も良いなあ… 笑)
★「賢い医師生活1」キャストインタビューが満載!
ミナとソッキョン
8話でいよいよソッキョンのミナへの気持ちが明らかになったコンゴンカップル。ミナ役、アン・ウンジンのInstagramからは、撮影現場で実際の二人のケミも最高な様子が伝わってきます。
추추 〜チュ・ミナ先生😆곰곰커플 💕
안은진 Instagramより#賢い医師生活2 pic.twitter.com/Bfstsyr1up— Misa🌺韓国在住K-dramaライター (@misam34) August 19, 2021
中庭で、ソッキョンが珍しく考え込んでいるシーン。横には幼い頃からの友人であるジョンウォンが居ます。
シーズン1で描かれたように、今は5人組の99ズですが、元々は、ジョンウォンとソッキョンが幼馴染みで、ジュンワンとイクジュンが幼馴み。そこにソンファが加わった形です。
なので、99ズの中でも、幼馴染みペアの関係性は特に深く、逆にソッキョンとジュンワンはあまり会話が成り立たなかったりします。
はたから見ると、何を考えているかわからない”クマさん”こと、ソッキョンを一番理解できているのはやはり付き合いの長いジョンウォン。
ソッキョンがすでに自分のミナへの気持ちを確認し、この後自分がミナに気持ちを伝えたら起こるであろう色々なことについて考え中だ、と見抜いています。
やはり、感情だけでは動けないのが40代の恋愛。
ジョンウォン、イクジュン、ソッキョンが3人で中庭にいる時、ミナからソッキョンに電話がかかってきます。
おそらく「先生のためにアイスクリーム買ったんですけど、どこですか?」と尋ねたであろうミナに、いつもだったら「アイツらと一緒にいるから、俺は大丈夫だ。看護師さんにでも上げて」と言いそうなソッキョンが、断らなかったのは、やはりソッキョンがもう心を決めていることを表していますね。
これまで「新西遊記」を観ている時以外に、笑うことがあまりなかったソッキョンが、ミナに対しては満面の笑顔を見せます。
ここで、またもやイクジュンのアシスト(笑)
ジョンウォンが「キューピットは忙しいな」と言っている部分は、実際は「烏鵲橋が今度はそっちに行ったのか」と言っています。
七夕の日に、牽牛(日本で言う彦星)と織女が会うために、カラス(鳥)とカササギ(鵲)が銀河に集まって自分たちの羽で作る橋。ここから「キューピット」の意味で使われる
*ちなみに、この「烏鵲橋」の話は、「ヴィンチェンツォ」の最終話でも登場しました
みんなの烏鵲橋であるイクジュンですが、スーパー烏鵲橋らしく、相手に合わせて、アシストの方法を変えていることがわかります。
自分から恋愛の話を決してしないが、自分でしっかり考えて動けるジュンワンには、情報だけをそっと伝え、お互い奥手なウィンターガーデンカップルには、「プロポーズ受けたってよ!」という芝居まで打ってみせ、自分の気持ちすら気がついていなそうなクマさんには、

ソンファとイクジュン
前回8話で、中心的に描かれたソンファとイクジュンの関係。9話では途中まで「ソンファがあまりでてこないな…」と思ったのですが、最後の10分で一気にソンファとイクジュンの物語に引き込まれました。
偶然つないだ手
またいつものように、ロサとジョンスのシーンに続いて、ソンファとイクジュンが並んで歩くシーンが登場します。
急に雨が降ってきて、走り出しますが…(このカット好き)
水たまりを避けようとふいに手をつないだ二人。
このシーン、よく見ると「気をつけろ」と水たまりを指していたイクジュンの手を、ソンファの方からつないでいるのが分かります。
これは「手をつないだ」というより、ソファが水たまりを避けるのに、いつも頼りになるイクジュンの手を、何気なく「掴んだ」に近いかもしれません。
ちなみに、直前のロサとジョンスのシーンでも、手を繋ぐ演出がありましたね。
この時アップになった二人のつないだ手のカットで、またまたチョ・ジョンソクの細かい演技が見て取れます。
イクジュンが手をにぎることをためらう気持ちを、親指を動かすことで表現しています。
次の瞬間、ソンファの方から「あっ…」と手を離していますが、イクジュンもかなり動揺したのでしょう。
そして、手を話した瞬間、イクジュンが一瞬舌を出す細かい仕草も動揺を表現しています。
ここにもし、吹き出しをつけるとしたら、こんな感じでしょうか。
という感じかもしれません。
そしてイクジュンが「ハードル競技だと思えばいい」と話した後、最後にソンファが、それまでと違う表情でイクジュンの顔を見つめているカットがありますが、皆さんはここをどう読み取ったでしょうか?
まさか、コーヒーの蓋を傘にしているイクジュンに驚いた表情ではないでしょう(これ、アドリブなのかな?笑)
私は最初、手をつないだことの動揺かと思ったのですが、見返すうちに、ポイントはそこではなく、その後のイクジュンのセリフにあるように思えてきました。
手を話した後のイクジュンのセリフ
「ハードル競争だと思えばいい。前方にあと3つ見えるぞ。よし頑張ろう。ちゃんとゴールしろよ」
となっていますが、もうすこし韓国語のニュアンスを生かした訳にすると


8話→9話のソンファの気持ちの変化
なお、私は、このシーンで突然ソンファがイクジュンを意識したというより、ソンファが母親のことで辛い思いをしていた8話から、9話にかけて、ソンファに少しずつ感情の変化が起こったのでは?と予想します。
母親のことで頭がいっぱいだった8話の状況から、少し落ちついたところで、きっとソンファは冷静にその時のイクジュンの優しさを思い出したに違いありません。夜中に実家まで送ってくれたり、鉄板をプレゼントしてくれたり。
そしておそらく、イクジュンがソンファの部屋の前で門番をしていたことも、ユンボクあたりから耳に入ったことでしょう。
9話では、ソンファの登場シーンが多くありませんが、一緒にキャンプで夜遅くまで過ごしてもサバサバと会話していたソンファが、9話ではどうもイクジュンを意識し始めているのではないか?という表情を何度か見せます。
そして、それはまるで、大学時代に、ソンファがイクジュンを意識して目でチラチラ追っていたあの頃の表情に近いのです。
最後まで見た後に、もう一度卓球大会のシーンを見返してみて、特にそれを感じました。
手術が終わるやいなや、急いで卓球大会に駆けつけるソンファ。自分の身なりまで(汗臭くないか?)気にするのは、まるで好きな人の試合を応援しに来た大学生のよう。
そして、決勝戦の直前のシーンでは、ジュンワンに肩をもんでもらいながら、相方の先生と話しているイクジュンの横顔を見つめる、ソンファの様子が後ろに映っています。なんだか、話しかけるタイミングを見計らっている雰囲気。
ここでソンファが「温かいお茶でも飲む?」と言いますが、イクジュンに「いや、持っててくれ」と言われた瞬間のソンファの表情は、水たまりシーンの表情に近いものがあります。
イクジュンがそういったのは「勝ってから飲む」とカッコつけるためだったわけですが、このソンファの表情は、今までずっと助けてもらうばかりだったイクジュンに何かしてあげたいと思って差し伸べたものを、断られた感じがしてしゅんとした気持ちを表現しているのかもしれません。
どちらにしても、この卓球大会のソンファの様子は「急にイクジュンを意識している」ということを感じさせます。
今までのソンファとイクジュンの関係なら、「お茶が冷める前に勝って戻ってくる」とカッコつけるイクジュンに、ソンファが「も〜、オーバーね」と突っ込むところでしょう。
その後、結局負けて戻ってきたイクジュンにも、突っ込むことなく、姿勢正しく座っているソンファの様子は、あの出会いの試験会場で、イクジュンを意識していたソンファの様子を思い出させます。
入試会場で出会ったあの日、イクジュンを意識するソンファ。(イクジュンも同じく)
結局、自分でお茶を飲んで「熱っ!」と言うイクジュンに対しても、何も突っ込まないソンファ。完全にいつもと調子が違いますよね。
8話から9話にかけて、そんな心情の変化があった上での、あの水たまりシーンだったと思います。
雨のシーンと言えば…
ちなみに、雨の中を二人で走るシーンと言えば、映画「クラシック(邦題:ラブレター)」を想い出すのは私だけでしょうか?
シーズン1のOST「君にとって僕は 僕にとって君は」が主題歌だった映画でもあり、雨の設定はこの作品へのオマージュの意味もあるかもなと思ったりします。
ソン・イェジン、チョ・インソン、チョ・スンウ…と今見ると豪華過ぎるキャストが出演している、韓国映画の名作。この映像、歌も映像も懐かしくて切なくて、何度も見直してしまいます。
★CULTURA「賢い医師生活」特集:内容はこちらで紹介
9話バンドシーン「君は僕に惚れた」
そして、そんなソンファの誕生日。ソンファ自らが選んだ曲「君は僕に惚れた(넌 내게 반했어)」を熱唱します。
この曲は、2004年に発表された曲でNO BRAINという男性グループの曲。
飛び散った情熱の炎
Oh! Stand by me Stand by me Stand by me
望むなら夜空の星も取ってあげるのに
Oh! Stand by me Stand by me Stand by me
僕の頬に口づけして
大学時代回想シーン
そして久々に、大学時代の回想シーンが登場します。シーズン1でも描かれた、ソンファの誕生日のシーンをソンファ目線から描いたもの。
ソンファの誕生日=4月ということは、3月に大学に入学して2ヶ月目。毎年、11月頃の入試の時に出会った二人が、合宿での再会も経て、お互いへの想いをちょうど募らせていた頃でしょう。
ソンファのために指輪を買ったイクジュンが、ソンファに振られて落ち込むソッキョンの話を聞きながら、ソンファに「急な用事ができた」とキャンセルの連絡をし、指輪を捨ててしまったあの日。
ソンファも入試の頃から、イクジュンが好きだったことについては、こちらのシーズン1の記事でも考察していましたが、
ソウル在住ブロガーMisa「賢い医師生活」を見終わった人向けに、韓国視聴者の間で話題になった内容・ドラマ分析を紹介します。第一弾は、イクジュン&ソンファの関係性についてを掘り下げます!緻密な脚本&[…]
やはり、クールに返事を返しながらも、家では、ソンファがイクジュンを想ってドキドキしていたことが、今回ではっきり分かりましたね。
ソンファの誕生日にすれ違ってしまった二人の運命が、20年ほど経った今、もう一度交わることになるのか…!?
なお、ここまでの演出で、やはり「イクジュンからは決して、線を超えられない」ということが十分にわかったので、二人の運命を変えるのは、やはりソンファから線を超えるときでしょう。
イクソンカップルのこの後の展開については、韓国視聴者の方の分析で興味深いものがありました。
それは「イクジュンが自転車で事故にあい、心配して駆けつけたソンファが告白するのではないか」というもの。
シーズン1でソンファ自身の乳がんの疑い、シーズン2でソンファ母の病気…と、「イクジュンがソンファ側を心配する」という展開はこれまでもありました。ここから、ソンファが自分の想いを伝えるとしたら、今度は、イクジュン側になにか起きるのではないか。
私はこれを聞いて、一理あるなと思い、むしろウジュに何か起きるもあり得るかもしれまれないと思いました。
というのも、今回何気なく挟み込まれた、ウジュとイクジュンが漢江で自転車に乗って帰ってきたシーン。これは何か次の展開の伏線に思えてなりません。
よ〜くみると、玄関で鏡にイクジュンが映っていて、これまでの法則に乗っ取ると、イクジュンになにか起こる?(=ウジュに何か起こる?)
そして、今回新たに確信した「救急室の法則」を考えると、イクソンカップルも、救急室で隠していたソンファの気持ちが、イクジュンに伝わるという展開があってもおかしくなさそうです。
一方、イクソンカップルがスムーズに行かない理由は、やはり先程の大学時代の一件に大きなポイントがあるので、「雪岳山に行った時にソンファが昔の自分の気持ちを告白?」という線も捨て難いなと思っています。
いや、雪岳山はコンゴンカップル(ミナ&ソッキョン)、イクソンカップルは救急室という展開…?
少なくどちらかの展開は、シーズン2の中で描かれるはずなので、答え合わせを楽しみに待ちましょう。
「賢い医師生活2」10話予告
10話の予告では、いよいよ99ズの雪岳山旅行と、ミナ先生の最後の告白に向けて動きがありそうです。しかし、相変わらず心配な、ギョウル&ジョンウォンのウインターガーデンカップル(涙)
10話は、8月26日(木)の放送です!(その次、9月2日は放送休止で、11話は9月9日になります。)
最後に
というわけで、「賢い医師生活シーズン2」の9話について考察をしてみました…!
なお、解釈はあくまで勝手な考察(ある意味妄想)なので、もちろん、これが正解というわけではありません(笑)
みなさんそれぞれが、作品を深く理解するきっかけになったら嬉しいです!
それではまた、10話の記事でお会いしましょう〜!
10話の記事はこちら
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*画像はtvNからお借りしました