「賢い医師生活2」では、細かい部分まで意味をもたせた演出、セリフや、日本語字幕では伝わりきれない小ネタなどが満載!
シーズン1に引き続き、韓国視聴者の間で話題になったことなどを参考にしながら、作品をさらに深く楽しむための私なりの解説・考察を行っていきます。
※完全ネタバレありなので、視聴済みの方が対象の記事です※
「賢い医師生活2」9話に関する記事はこちら
韓国在住K-dramaライターMisa「賢い医師生活2」9話を視聴済みの方にむけて、日本語字幕では伝わらないニュアンスの解説や演出意図を考察します!「賢い医師生活2」では、細かい部分まで意味をもたせた演出[…]
「賢い医師生活2」 10話のテーマ
「賢い医師生活2」10話では、家族以外からの臓器提供、ジェハク先生夫婦の妊娠と乳がん発覚が描かれながら、いつも以上に99ズのワチャワチャシーンも描かれ、「友情」「信頼」などが中心に描かれていたと思います。
9話に引き続き、伏線が回収された部分も多く、テンションの上がるカメオも沢山登場しましたね!そしてまさかの、ロックバンド登場まで!
そんなお腹いっぱいの状態で、突然飛び出した、ソッキョンのアメリカ話。そして、「救急患者が40代の医師って〜〜〜〜!?」という状態で終わり、「これで2週間待てだなんてぇぇええ〜〜〜〜!」と、終わった後放心状態だったのは私だけではないでしょう(笑)
ということで、気になることがたくさんあるので、今回も深〜〜〜く、考察していきたいと思います!
イクスンとジュンワン
賢医カップルの登竜門である”救急室”で、未だにお互いの気持ちが残っていることを確認したイクスンとジュンワン。
ミナ先生のクリスマスの切ない想い出が残る「病院前のステーキハウス」にて、ようやくあの時、イクスンがどんな気持ちで別れようと言ったのか?が明かされました。
これまで散々、自分の勝手でジュンワンを傷つけたことを謝り、「今も気持ちが残っている」というイクスン。
それに対し、「偶然会っても平気でいられるのか?俺は無理だ」という少々遠回しなジュンワンの答えで終わってしまい、「え、結局どっちなのよ???」と思った方も多かったのではないでしょうか(笑)
私は、その直後のシーンを見て、「あ、これはうまく行ったんだな」と感じました。
バンドのスティックを回しながら、病院の部屋でジョンウォンとジュンワンが話しているシーン。
ジュンワンは、横になって、ジョンウォンに話しかけられる前から何か思い出し笑いをしているように見えます。
そして、どことなく、イクスンのことで頭を痛める前のジュンワンの雰囲気が少し戻ってきたよう…?
イクジュンがホテルを予約するシーンでは、ジュンワンが、イクスンとバスで再会できたのは、イクジュンの仕業だったことに気がついている事がわかる演出がありましたね〜!!(「最近はスマホで宿も予約できるんだ」「バスの予約と同じで?」のくだり。チョ・ジョンソクの表情演技がうますぎて爆笑!)
やっぱり、ジュンワンは、他人のことには鈍感(というか、興味がない)ですが、自分のことに関しては相当勘が鋭いタイプと思われます(イクジュンはその逆)
今回は、ジュンワンのニヤッとした笑顔も久々にたくさん見られたので良かった…!
親友からの臓器移植
臓器移植の話が多く登場する賢医ですが、今回は初めて「家族以外からの臓器提供」についてのストーリーが描かれました。
韓国の臓器移植がどのような組織で管理されているのか?臓器売買を防ぐための対策がどうなっているのか?ということだけでも非常に興味深く、さらに、親友同士の二人を演じた俳優さんの演技も素晴らしかったですね。
「毎日ケンカばかりしている」「あいつだけ痛くしてください」と言いながらも、面倒な手続きや周りの反対でも決して揺るがない二人の確かな友情は、「水と油」と言いながらも、結局は、お互いを信頼しているジュンワンとソッキョンコンビとリンクさせながら描かれていたと思います。
ここ、韓国語では
と言っているのですが、この言葉、韓国の視聴者の間でも「何?どういう意味?」とザワザワしていました。
これは実は、英語の”Obssesive(=強迫観念)”から来ている言葉で、「勉強や仕事に、過度に敏感に、細かく、没頭する」というような意味合いで医者の先生たちの間ではよく使う言葉なんだそうです。
医師の先生のレビューによると、今回10話で登場した、ジョンウォンやジュンワンが患者のために自分なりのこだわりを持って、丁寧に細かく対応する様子も、まさに옵세(オプセ)である様子を描いている、とのこと。
イクスンとの重要な約束があっても、手術に最善を尽くすジュンワン。
”オプセ”なジョンウォンの姿に、小児外科に心が動いた…?と思われるホンド
また、ハン先生のセリフでもう一つ注目したのは、気になっていた結婚式の謎が解けた!というイクジュンへのメールの最初の一言「見つけた!」は、韓国語では
と言っていて、これは日本語だと「ユリイカ」にあたるもの。「ユリイカ」は元々「見つけた!」という意味のギリシャ語なんですね。勉強になりました〜!
ちなみに、先日韓国では、「賢い医師生活のおかげで、臓器提供ドナー提供者が大幅に増えた」という嬉しいニュースが報道されていました。
特に、臓器提供の手続きが詳しく扱われた7話放送後には、1週間で7402人と、昨年比11倍に急増した。
登録時に「賢い医師生活を観て、登録を決意した」というコメントも多く、ドラマの良い影響が明らかに。
ドラマの中で、臓器の登録方法や、実際に手術をするまでの過程を丁寧に描いているのには、少しでも医療現場や困っている患者さんの為に良い影響を与えられれば、という制作陣の想いが感じられます。
ギョウルとジョンウォン
ギョウル弟はカウル
10話では、ついにギョウルの両親の問題の全貌が明らかに。シーズン1で、ジョンウォンにギョウルに対する自分の気持ちを確認するきっかけとなった、イケメンで車のディーラーの弟くんが再登場。
ジョンウォンとギョウルがカフェで「弟の結婚祝いに何を贈ったら良いかな?」と話しているシーンの最後、ジョンウォンがギョウルの弟のことを初めて「カウル」と呼んでいて、名前が明らかになりました。(字幕ではここはまだ”弟”となっていましたが)
ちなみに、ギョウル=韓国語で「冬」を意味することは皆さんご存知かと思いますが、カウルは「秋」を意味します。
つまり、姉が「冬」、弟が「秋」なんですね〜〜〜!
ということで、またまた細かいところまで素敵に作り込むイ・ウジョン作家のセンスに脱帽!!
なお、今回始めてしっかり話すシーンがでてきたことで、改めてイケメンであることが確認されたカウル役を演じたのは、パク・チョンウ。
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2017年にウェブドラマでデビューした25歳の俳優で、まだまだ本格的な長編ドラマ経験はこれから。チョン・ヘイン主演のNetflixオリジナルドラマ「D.P.-脱走兵追跡官-」にも1話で登場していました。
ギョウルの痛み
ギョウルとカウルの会話シーンでは、ギョウルがジョンウォンにも言えないほどこの件で心を痛めていた理由が明らかになりました。
それは、これまで実家の状況を分かっていながらも、見て見ぬ振りをしてしまった自分を責める気持ちと後悔。
こうなってしまったのは自分のせいであり、今は苦しくてもこの状況を一人で乗り越えることで、少しでも埋め合わせをしたい気持ちがあったのでしょう。
母親と階段で電話するシーンでは、「お母さんが光州に帰るなら、私も辞表を出す」と言うなど、精神的に追い詰められたギョウルの様子が描かれました。
そして、遂に、ジョンウォンに打ち明けるギョウル。
ギョウルの会話の内容から、母親の状況はもちろん、ギョウルが自分自身を責める気持ちに苦しめられていることを、しっかりキャッチしたジョンウォンは、さすがでした。
これでようやく、ジョンウォンもギョウルの状況がわかり、問題は解決…と思えますが、ギョウルがしきりに「今は”母親のことだけ”を考えたい」というセリフには、やや不安が残ります。
字幕では、母親を”優先”とか”一番に”となっていますが、実際はギョウルは「母親のこと”だけ”考えたい」という表現を繰り返しているので、ジョンウォンと別れるという選択をする可能性も無くはなく、心配です。。
打ち明けても、ギョウルの心は檻の中…というような窓枠の演出も不安。。。
キム・ゴン先生の理想のタイプ
9話で、ギョウルに好意をもっている様子が描かれた、キム・ゴン先生。10話ではついに病院の人達の前で「ギョウル先生が理想のタイプ」と話していたことまで明らかになりました。
しかも、バラされたのが、本人と彼氏・ジョンウォンも居る前とは…キム・ゴン先生は知る由もないでしょう(可哀そうw)
なお、今回ギョウルが、ゴン先生から「会食一緒に行きましょう。待ってますよ」と言われたのを断って、階段で母親と電話をするシーン。
このシーンのラストカット、そんなギョウルの様子を、後ろから誰かが見ていると感じさせるカメラワークで終わっています。
その後、部屋に戻ったギョウルを待っていたのはジョンウォン。
ということで、「ジョンウォンが階段で話を聞いていたのかな?」と思わせますが、私はこれ、ゴン先生が階段で話を聞いていたのではないかと思いました。
やはり私は、このキム・ゴン先生が単なるチョイ役で終わらないと思っているのも、大きいかもしれません(笑)
11話の予告では、こんなナレーションがありますが、
ギョウル「朝、IUCにも来なかったし、スマホも電源切ってます」
韓国在住K-dramaライターMisa「賢い医師生活2」6話を視聴済みの方にむけて、日本語字幕では伝わらないニュアンスの解説や演出意図を考察します! 「賢い医師生活2」では、細かい部分まで意味をもた[…]
ロサとジョンス
今回、ほとんど登場シーンがなかったのですが、ロサ&ジョンスコンビについて一つだけ。
遂に、ロサの家で、料理の腕前まで振る舞い始めたジョンス理事長(ほんと、いつ仕事してんのか 笑)
いつも一緒な二人に、ソッキョン母が、思わずジョンスのことを「ジョンス義兄(にい)さん」と呼んでしまうシーンがありました。
ここで言っている、「형부(ヒョンブ)」は、元々、自分のお姉さんの旦那さんを呼ぶ時の名称。
ソッキョン母とロサは、友人ですが、ロサのほうが年上で「お姉さん(オンニ)」なので、その「オンニの旦那さん」という意味で「형부(ヒョンブ)」と呼んでしまったわけです。
すぐに「いや、理事長」と言い直していますが、これはやはり、ロサとジョンスもこの後夫婦になる、という伏線…!?
演技?リアル?な設定・豪華カメオ
10話では、99ズがわちゃわちゃするシーンも、沢山みられましたね。
車に乗るのにも、座席の取り合いで喧嘩したり、ハンバーガーのテイクアウトに喜ぶ姿はまるで中2(笑)
あまりにも、5人が美味しそうにマクドナルドを食べるので、私はまんまと次の日に99ズが食べたのと同じ「1955バーガー」を食べてしまいました(笑)
“マクドナルドが初めてできた1955年の味を盛り込んだ、永遠のオリジナル1955バーガー”ということで、具材はベーシックなハンバーガーなんですが、パテがやや懐かし感じの味がしました🍔レタスがたっぷりすぎて溢れそうなのでこんな梱包に👇そして奥にはジョンウォンを真似てぶちまけたポテトたち🍟 pic.twitter.com/anI6dGmXVN
— Misa🌺韓国在住K-dramaライター (@misam34) August 27, 2021
なお、イ・ウジョン作家とシン監督は、元々キャラクターに合った俳優をキャスティングした上で、作品を作る過程でも、演じる俳優の個性をキャラクターに反映させていくスタイル。
今回、気持ち悪いぐらい完璧な旅行日程を組んだジョンウォンのキャラクターは、99ズ5人でキャンプに行ったYouTubeでの「賢いキャンピング生活」の企画の際、一人であらゆる準備と計画を立てていたしっかり過ぎる99ズの末っ子、ユ・ヨンソクの実際の性格そのものだし、
イクジュンが、会食後の後輩のタクシー代まで考えて現金を用意しておくジョンウォンに「色々 考えすぎて頭が爆発しない?」と聞き、ジョンウォンが「考えは部門別に整理されてるからね」と答える会話は、実際にチョ・ジョンソクとユ・ヨンソクが交わしていそうな会話です(笑)
メイキング映像では、ナ・ヨンソクPDが、実は演劇部出身(でも演技はできなかった)という話や、
ミナとソッキョン
お昼ごはんは誰と?
髪をせっけんで洗ってしまって、髪の毛が爆発しているミナと、ギョウルが中庭で話していると、ミナが今日だけは会いたくなかったソッキョンとイクジュンがやってきます。
「ご飯食べたか?」と聞くイクジュンに、
ミナ「後輩たちと食べました」
イクジュン「チュチュと食べろよ」
ソッキョン「お前が昼飯に誘ったんだろ」
という会話があります。
何気ない会話ですが、私も含め、韓国ではここのソッキョンのセリフに「きゃ〜」とトキメキました(笑)
というのも、ここでソッキョンの台詞は、韓国語の直訳だと
ミナの両親
そして、コンゴンカップルにとって、大きな転機になると思われた、雪岳山旅行!
以前のレビューで、「そもそも99ズが一緒に休みを取れるの…?」と心配していたことが現実に(笑)
まさかの、99ズの中でも、もっとも反りが合わない!?ソッキョンとジュンワンの二人で泊まることになったペンションは…これも予想通り、ミナの両親のペンションでした!
ちなみに、予約をするのに使用されたのは、もちろんチョ・ジョンソクがCMモデルのHotelsCombined。具体的な操作方法まで、まるでCMの一幕のようw
予約サイトのレビューには、よく見ると、こんな事も書かれていて、もう、予約段階からバレバレ(笑)
そして、ミナの両親として登場したのは、「パラサイト」「愛の不時着」でもおなじみのチャン・ヘジンさんと、最近「ヴィンチェンツォ」のクリーニング屋役が印象的だったチェ・ドクムンさん。
特に、チャン・ヘジンさんは、そのキャラクターがミナとそっくりで、ナイスキャスティングでしたね!!!
アイメイクは、母親譲りだったことが判明…!!(演出細かい!)
こちらのメイキング映像に出てくるお二人のインタビューによると、
チャン・ヘジンさん:「シーズン1の時から、”あなたとよく似ている子が出てる”と周りからもよく言われていたが、まさか母親役をすることになるとは思わなかった」
と話していました。
そして、ペンションのあちこちに、おそらくアン・ウンジンのリアル過去写真を加工したと思われる、ミナの写真が置きまくってあるのには大爆笑(でも、田舎なら、ありえなくもない 笑)。
ミナ先生、制服姿かわいい…!
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クマさんはどっち?
ミナが電話で、母親に「私が一番尊敬している教授」「クマみたいな人」と伝えますが、クマみたいな人=ジュンワンだと勘違いしてしまったミナママ。
ちなみに、ミナママが、ミナの担当教授だと思ってジュンワンの車に積んだのが「ジュースと唐揚げ」という日本語訳になっていて、驚きました(笑)
これは実際には、「タッカンジョン4箱入れといたわ」と言っています。(タッカンジョンは、甘辛ソースがかかった唐揚げ)
なぜジュース?になったのかはわかりませんが、元々のセリフとしては、「とにかくすごい量の”貢物”をトランクに入れた」ことを意味しています。
ここで、ミナママが「クマみたいな人=ジュンワン」と思ったのは、おっちょこちょいそうなママの単なる勘違いでしょうか?(間違えたとわかったときのミナママ、チャン・ヘジンさんの電話口での「オットッケ〜〜〜〜><!」は何度聞いても笑えるw)
これは、単なる勘違いではなく、ペンションでのソッキョンのミナの両親に対する様子と、ミナママの人を見る目を表現した演出だと思われます。
ペンションでは、率先してチェックインをし、ミナの両親の説明を聞いて挨拶をした後、「チョルは見えませんね?」と気さくに話しかけるソッキョン。一方で、ジュンワンは、気難しそうな顔でずっと家族写真を眺めています。
その後、ミナの両親と知ったこともあり、もらったお刺身を肴に「一緒に飲みませんか?」と提案するソッキョン。
ミナの両親には、ソッキョンがとても気さくで、気遣いのできる人物であることが伝わったに違いありません。
なお、ミナと母が電話で話しているシーンのセリフで「胃薬を買ってきてくれた方がクマみたい」というセリフがありますが、ここでは少しカットされている部分があり、実際はこう言っています。
一方、メガネをかけて少々無愛想なジュンワンのほうが、”教授”という感じがしたことでしょう。(最初に、ジュンワンが「もともと優秀な子なので」とミナについて上司の口調で話したこともあり)
ミナが言う「クマ」を「ホッキョクグマ」とミナママが解釈したのは、ジュンワンの様子を見て「クールな熊さん(=無愛想で近寄りがたい人)」をイメージしたからではないでしょうか。
雪岳山旅行の意味
なお、「ソッキョンとミナがペンションで鉢合わせて…!?」「ソンファとイクジュンが昔を思い出して…!?」と、散々妄想を膨らませた雪岳山旅行ですが、
結局、ソッキョンとジュンワンしか旅行に行けない形で、意外とあっさり終わってしまったことに、拍子抜けした方も多かったのではないでしょうか?
私も「え?雪岳山旅行って、これで終わり??」と思いましたが、一方で、この旅行には、今回描かれなかったエビソードが後から出てくる気もしています。
ソッキョンがミナに対する自分の気持ちを認識し、ミナが最後の告白を目前にしているこのタイミングで、ソッキョンがミナの両親に会った、ということにはやはり大きな意味があったと思います。
例えば、まだ美味しそうな刺身が沢山残っているのに、「もう寝る」とジュンワンに部屋の電気を消されてしまったソッキョンが、台所で一人で刺身を食べている時に、実はミナ父がやってきて、結局二人でお酒をのんだとか…?
結局、ミナから電話で聞くまで、両親はソッキョンがクマさんだと知らない様子だったので、その点だけは少し引っかかりますが、例えば、ソッキョンが、ひたすらミナ父からミナの子供の頃の話を聞くなど、何か交流があったのでは?と期待してしまいます。
そして、そのことが「頭を整理中」だったソッキョンが、何かを決断するきっかけになったのではないでしょうか…?
ソッキョンとアメリカ研修①二つの説
そして、あとはミナの5回目の告白を待つだけだと思われたコンゴンカップルに、予想もしなかったソッキョンのアメリカ行きの話が飛び出してきましたね!まさに青天の霹靂!(笑)
その後、ソッキョンが初めてミナを週末の食事に誘うシーンでは、嬉しい反面、「もしや、アメリカに行く前のお別れの食事…?」と心配になった方も多かったのではないでしょうか。
この点については、最後に整理する「救急患者は一体誰?」というネタと共に、韓国視聴者の間でも様々な面白い分析・予想が繰り広げられています。
その代表的な説をいくつか紹介しつつ、私の意見を整理してみようと思います。
まず、このソッキョンのアメリカ行きについては、大きく二つの意見があります。
一つ目は、「ソッキョンがすでにアメリカ行きを決意していて、週末にミナにそれを伝える」というもの。
そして、さらに、ミナへの伝え方について「一緒に行こう」説と、「居なくなるから忘れてくれ」説で分かれます。
これまでのソッキョンの行動や発言から、ミナを好きな気持ちがあることは間違いないのですが、それがイコール「相手の気持ちを受け入れる」にならないのが、大人の恋愛の難しいところ。
ミナを大事に思うからこそ、元妻のシネのように、自分の母親との関係で苦労させたくない=ミナを遠ざけようという選択肢もあり得るでしょう。
さらに二つ目は、さすが韓国視聴者だなと思うような、それとは全く違う説。
それは、「アメリカ行きの話自体が、ソッキョンが母にミナを認めさせるための作り話」という説です。
ミナへの自分の気持ちを確認したソッキョンが、一番悩んだポイントは、元妻も苦しめた母親の存在。
ソッキョンがもし、ミナを遠ざけるのではなく、受け入れることを決意したならば、「母親問題をどう解決するか?」に一番頭を悩ませたことでしょう。
そんな時、思い出したのが、ジョンウォン・ギョウルカップルの成功事例。
シーズン1では、ソッキョンママと同じく「息子命」だったジョンウォン母・ロサが、「息子が韓国に残ってくれるためなら、何でもする」と言って、ジョンウォンが韓国に残る理由=ギョウルに「ジョンウォンを引き止めてちょうだい」と頼んだのは覚えていますよね。
確かに今回、ソッキョンママが、ロサたちにソッキョンのアメリカ行きの話をするシーンで、ソッキョンママが「アメリカ行きを止める方法はないかしら」とロサに聞く場面があります。
これは、確かに、この後ロサから「ソッキョンが韓国に残る理由=好きな人からまず探すのよ!」というアドバイスを受ける流れを予想させます。
ソッキョンが、一番先に話すはずの99ズたちに、アメリカ行きの話をしていないのも、確かにそれなら納得がいきます。
いつもドラマを深〜く分析しているドラマレビュアーの方々は、この二つ目の説を唱える方が多いようです。
ソッキョンとアメリカ研修②私の分析
さて、二つの説どちらも一理あるのですが、私自身は、実はどちらもなんだかしっくり来なくて、放送が終わってから数日間、ず〜っと考えていました。
考えるにあたって、一つずつ、ポイントを整理してみます。
まず私は、このソッキョンのアメリカ行きの話を聞いた時、二つの点で違和感がありました。
一つは、「このタイミングでソッキョンが韓国を離れるという選択をするはずがない」と思ったこと。
ソッキョンがママボーイ(マザコン)なのは、もちろん母親が大好きだからではありますが、実は元々は「母親とは口も聞かない無愛想な息子」だったのであり、ママボーイになったのには、きっかけがありました。
そうです、父親の浮気と妹の死。ボロボロになってしまった母親のために、「母親のために生きなければならない」と決意したことは、登場人物紹介でも紹介されていて、シーズン1の4話でも描かれましたね。
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そんなソッキョンが、母親をひとり置いて、アメリカ行きを選択をするのは、違和感があります。
また、99ズたちとのバンド活動を再開しようと言い出したのもソッキョン。アメリカに行くということは、大好きなバンド活動もできなくなってしまいます。
そして、二つ目は「ソッキョンはすでに、アメリカで働いたことがある」点。
シーズン1の3話のカフェでの後輩たちの会話で、ソッキョンは「アメリカでフェローを終えた」というセリフがあり、妹の訃報を聞いて駆けつける際も、飛行機に乗っていたのは、アメリカからの帰国を意味していました。
そんなソッキョンが、今さら、アメリカに研修に行くというのも、やはり違和感があります。
このことから私は、まず「ソッキョンのアメリカ行き」については、「ソッキョンが韓国を何年も離れてアメリカに研修に行く」のではなく、以下いずれかのパターンではないかと思っています。
2)ソッキョンはアメリカに行かない
ソンファ「それは努力じゃなく回避ね。あんたは何もしてない。悩んでるだけじゃ解決しないでしょ」
そうすると、シーズン2の最後の時点では、
ぐらいまでが妥当な気がしています。
ただ、やはり、ここで「アメリカ行きの話はソッキョンの作り話である」という説も、無視できない理由があります。
9話でわざわざソッキョンが「考えを整理している」と、「長いこと考え込んでいる様子」を見せたこと
11話予告でも、ジョンウォンの「行くなら俺たちに話してるだろ」というセリフがあること
これらの演出は、やはり
ソッキョンママの態度に何かしら変化を与えるきっかけになること
一方、アメリカ研修の話は実際に存在し、ソッキョンはミナの成長のためミナをアメリカに送る
ソッキョンは、次のデートでミナへの気持ちを伝えた上で、アメリカ研修に行ってくることを提案する
二人は恋人同士になるが、ミナがアメリカへ立ち、遠距離恋愛になるところでシーズン2が終了する(シーズン1のハトカップルパターン)
これって、ミナの論文をアメリカ時代の知り合いに送り、ミナを推薦した…という伏線…??
やはり、
→実際は「週末デートが、ミナにとって嬉しいだけのものではないこと」
落ち込んでいる?考え込んでいる?様子のミナ
→実際は仕事が原因ではなく、ソッキョンとのことで悩む状況になること
このシーンにもよく見たら”アメリカ”が…!(白黒なのは、やっぱりダミーって意味???)
「信頼のクマ」ソッキョン
今回、ジェハク先生の奥さんの妊娠・乳がんが発覚。
医師の先生の解説によると、乳がんは、その形質によっていくつかのタイプに分類され、それにより治療法や転移・再発の可能性が違うそう。(心配)
今回、ジェハク先生の奥さんは、台詞にあった通り「トリプルネガティブ」という、他のタイプと比べて治療法が限られ、有効な薬剤が確定してないタイプとのこと。
乳がんの診断を受けるシーンでは、後ろに大きく「がん検診」のポスターが貼られており、ここでも制作陣の視聴者へのメッセージを感じます。
そして、奥さんが「出産してから、抗癌剤治療をうけたい」とソッキョンに話すシーンでは、役者さんたちの名演技にしびれ、涙しました〜〜〜><
特に、ソッキョンを演じるキム・デミョンさんは、シーズン2では、もう本当の名医のようなカリスマ感というかオーラを醸し出していて、セリフ一つ一つが本当に心に刺さります。
「一人でお寺で祈るでしょう」という台詞のあと、「どうか よく考えてください」という字幕になっているのですが、ここは実は、
と言っていて、私はこのセリフにシビれました(涙)
そして、いつもはおちゃらけてばかりのジェハク先生の、顔をしわくちゃにしたような泣き顔(涙)ジェハク役のチョン・ムンソンさんも、ミュージカル界の名俳優なので、やはり素晴らしい演技でもらい泣き。。
ジュンワンには、「おせっかいがパシフィックだ(太平洋並み)」と言われていたジェハク先生ですが…
また、ペンションではソッキョンを煙たがってばかりいたジュンワンも、ソッキョンを全面的に信頼していることも伝わってきて嬉しくなりました。
ちなみに、「やっぱり頼りになるクマだ」というセリフは、実際の韓国語のニュアンスとしては、
10話バンドシーン「It's my life」
10話のバンドシーンの曲は、イクジュンが誕生日に自ら選曲した初の洋楽!
皆さんご存知、ボン・ジョヴィの2000年発売の「It's my life」。以前、スペシャル放送で「ワールドワイドな曲が登場」と言っていたのは、これだったわけですね!!
ブラック&チェーンのコンセプトで、ロッカーに変身した99ズ。いや〜、少しでも違う演出で、最後の最後まで視聴者に新しい感動を与えようとする制作陣と俳優たちの意気込みが伝わってきました。
こちらのメイキングでは、99ズがロッカーに変身する過程も紹介されています。
それにしても、チョ・ジョンソクのボーカルが凄すぎでした!
歌の巧さ+表現力が素晴らしくて…本物の歌手でも、なかなかここまでは表現できないのではないかと思います。もう、俳優バンドのレベルをすっかり超えていますね。
しかし、そんな中でも、ブレずに音痴の演技をしっかりやり切るミドさんによる、ソンファの「不協和音」が面白かったですね(笑)
なお、興味深いのがOSTとしては、この曲をOSTの女神、ユン・ミレがカバーしていること。
ユン・ミレと言えば、「愛の不時着」の「Flower」を聞いたことがある方が多いかと思いますが、元々はヒップホップ女王と呼ばれた歌手。
ソンファとイクジュン
雨の日とコーヒー
相変わらずソンファの部屋に入り浸っているイクジュン。雨が降ってきて、イクジュンがソンファにコーヒーを入れてあげます。
久々にここで「アロハ」が流れて、小さな窓枠から、雨を眺める二人。
シーズン1の最後に、クリスマスにキスをしたジョンウォンとギョウルの様子を映し出していたのと同じ構図で、仲良く並んで雨を眺めているいる二人が、同じように幸せになることを暗示しているような演出。
そして、その後、ソンファは、イクジュンに「誕生日になにか欲しい物がある?」と尋ねます。
救急患者は誰か?
さて、色々な豪華なカメオ出演や、かっこよすぎるロックンロールにしびれるなど、見どころが沢山だった10話の内容を、一瞬で忘れさせてしまうぐらいの衝撃の展開が最後に起こりましたね。
深夜23:40。救急室に鳴り響いた一本の電話。
誰かに後頭部を殴られ、路に倒れていたとの通報。
その後、さらに、予告編の映像も合わせて考えると「この救急患者がイクジュンではないか?」と思わせる点がいくつもあります。
ストレッチャーで運ばれていたのはグレーのスーツを来た男性
イクジュンだけ、大学生時代の顔が登場(=現在の姿が出なかった)
誰かを心配する様子がしっかり映っているソッキョンとジョンウォンを除くと、可能性として考えられるのは、ジュンワンかイクジュン。
ジュンワンはこの日、黒のスーツを着て「梨泰院に飲みに行く」と話しています。
一方、イクジュンもこの日、江南で病院長との会食があり「服装はどうしたら良いですか?」と質問するギョウルに「皆は楽な格好で良い。俺だけちゃんとしてれば」と答えていることから、スーツを着ていったことが想像できます。
そして、この予告編のカットの患者が来ているスーツは、
シーズン1でイクジュンがソンファに告白したときのあのグレーのスーツのようにも見えます。(ただし、このカットの患者=40代の外傷患者である場合の話ですが…)
*もしくは、シーズン1で、ジュンワンがジェハク先生から借りたあのタチウオみたいな銀色のスーツ?(笑)
この点については、別の説を唱える人はほとんどおらず、多くの視聴者が「この患者がイクジュンであり、ソンファがこれをきっかけに自分の気持ちをイクジュンに伝えることになる」と予想しています。
中には、「頭を怪我した=ソンファが手術をすることになる」と予想している人もいました。
私も、ここはやはりイクジュン以外は考えられないのですが、一点気になるのは、予告があまりにもわかりやすく、イクジュンであることを匂わせすぎであること。
先程説明したように、予告は”釣り”であることがとても多いので、こんなにわかりやすく予告で「イクジュンですよ〜」と言われると、逆に「怪しい…」と思ってしまうのです(笑)
さらに、予告編でソンファが心配そうに患者を見つめる様子や、廊下で不安そうに上を見つめる様子が映し出されましたが、これは少なくとも、救急患者が運びこばれた直後ではなく、別の日の映像のような気がします。
というのも、この救急患者が運び込まれた日=イクジュンの誕生日は、ソンファがイクジュンに「プレゼントを机の上に置いておくね」と電話をしてすでに退勤する様子が描かれていました。
もし、患者がイクジュンであって、ソンファが夜中に駆けつけたとしても、手術が必要であれば当直の先生が対応しただろうし、ソンファは私服のままでイクジュンの元に駆けつけたはずです。(なので逆に、帽子をかぶっているソッキョンの様子はその時の映像と思われます)
ということで、予告編の映像は色々と怪しい点があるものの、前回のレビューで考察したように、ソンファとイクジュンカップルだけ「救急室」の展開がまだないので、ここはやはり「イクジュンが救急室に運ばれ、ソンファが心配する」という展開自体は、皆の予想どおりなのではと思っています。
ただ、決して様態は、深刻ではないでしょう。
それは、「深刻そうに見せて、視聴者が悲しむほど深刻な展開にはならない」というのが賢医の暗黙のルールなのと、予告編でジョンウォンやソッキョンが普通に過ごしている様子からも予想できます。
イクジュンが深刻な状況なら、ソッキョンは週末のミナとのデートも延期したでしょうし、ジョンウォンも笑顔でロサと実家で話したりしてはいないでしょう。
この状態で、2週間待たせるなんて〜〜もう〜〜〜〜(笑)
気が気でなりませんが、きっとこれもソンファの言葉通り「悪いことでも、良い転機になることがあるね」という出来事だと信じて待ちたいと思います。
★CULTURA「賢い医師生活」特集:内容はこちらで紹介
鏡の演出…やっぱり…
なお、今回10話で、ソッキョンとイクジュンに想定しない出来事が起こったことで、以前に8話で考察していた「鏡の演出」が、やはり意図的で、この10話で二人に起こる展開を暗示していたことを確信しました。
〜〜〜8話のレビューより引用↓〜〜〜〜〜
トッポッキを食べ終わって、「午後の外来が始まる」「ジョンウォンのおごりなら絶対(焼肉食べに)行く」と言ってソッキョンが立ち上がったところで、ソッキョンの姿が鏡に映っています。そして、うがいから顔を上げるイクジュンも鏡ごしに映ります。
これももしかして、ソッキョンとイクジュンに、その後なにか”反転”が起こるということ…?
〜〜〜ここまで〜〜〜〜〜
やはりこれは、「次はこの人に、(今は予想していないような)何か起こりますよ〜」というシン監督のサインということでしょう。
ちなみに、今回10話でも、マクドナルドのドライブスルーに到着したところで、99ズ全員が乗った車がミラーに写っているカットがでますが、
これも、「その後の雪岳山旅行では、全員では行けない=車から何人も脱落者が出る」ということを意味していたのかもしれません。
「賢い医師生活2」11話予告
もう、終わってから穴が空くぐらい見返した、11話の予告(笑)。皆さん、絶対”釣り”もたくさん含まれますからね…。
11話は、1週放送休止のあと、9月9日の放送です!
最後に
というわけで、「賢い医師生活シーズン2」の10話について考察をしてみました…!
なお、解釈はあくまで勝手な考察(ある意味妄想)なので、もちろん、これが正解というわけではありません(笑)
みなさんそれぞれが、作品を深く理解するきっかけになったら嬉しいです!
それではまた、11話の記事でお会いしましょう〜!
11話の記事はこちら
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*画像はtvNからお借りしました