Amazonプライムビデオ:オススメ韓国映画①実話ベースの感動・衝撃作編

ソウル在住
ブロガーMisa
Amazonプライム・ビデオで見られる韓国映画の中から、実話ベースのオススメ作品を紹介します。

韓国映画ならAmazonプライム・ビデオ

さて、最近Netflixを通じて韓国ドラマにハマる方が増え、「映画も観てみたいんだけど、Netflixにある○○って映画は面白いですか?」と聞かれることがあります。

しかし、個人的には、韓国映画に関しては、断然NetflixよりAmazonプライム・ビデオ!! 最もラインナップが多く、韓国で話題になった作品もほとんど見ることができるからです。逆に、Netflixはまだまだラインナップが少なくて、なぜか「俳優はいいんだけど、作品としては…」という映画が多い印象。

ちなみに、Amazonプライム・ビデオの韓国映画のほとんどが、1本ごとの課金でレンタル(期間限定で視聴する)する方式。Amazonプライム会員である必要はないので、観たい作品だけ、映画館で観る料金の半額以下で見ることができます。

具体的なレンタルの方法や期間などは、こちらの記事でも紹介しているのでご確認ください。

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韓国映画が得意な「実話モノ」

今日、私がご紹介するのは、韓国映画が得意とする「実話モノ」というジャンル。
私は、これこそが韓国映画の醍醐味であり、最も名作が多いジャンルだと思っています。

最近は、韓国ドラマでも主流になってきた「メッセージ性」というのは、元々こういった映画たちから影響を受けている部分もあるでしょう。

作品ごとに、実話とフィクションの割合が異なるので、「映画で描かれていることすべてが実話」と思ってはいけないのですが、そこで取り上げられている事件は、実際のものがベースになっているので、映画を見ることで、韓国の歴史・特に現代史について興味を持つきっかけになると思います。(私もこれらの映画を通じて、韓国の近代史を学びました。)

内容としては、かなりハードなものも多いので、「もっと軽いアクションものや、サスペンスを見たい」という方は、別の記事でそういったジャンルを紹介する予定なので、お待ちください(笑)

「骨太の作品が好き」「韓国の近代史に興味がある」という方で、もし今日ここで紹介するもので見てない作品があれば、今すぐ視聴してみることをお勧めします!

では、前置きが長くなりましたが、早速紹介していきましょう!
なお、時代の流れに沿って、作品の中で扱っている時代が古い順に紹介していきます。

①「金子文子と朴烈」(1923年)

時代背景:1923年、関東大震災の頃発生した、朝鮮人虐殺事件
内容:実在した朝鮮人アナキスト朴烈と日本人妻・文子の物語
キャスト:イ・ジェフン(「シグナル」)、チェ・ヒソほか
映画公開:2017年
韓国での動員数:235万人
この映画は、関東大震災の時に発生したと言われる、朝鮮虐殺事件を中心として、東京に住む、朝鮮人アナキストの朴烈(パク・ヨル)と日本人妻・文子が日本政府に翻弄されていく様子が描かれています。
日本人には胸が痛い内容も多いのですが、この映画の凄いところは、決して「日本=悪、朝鮮=善」という視点で描かれていないところ。
パク・ヨルという人物自体が、「国は関係ない、あくまで人と人」という価値観で生きていた人物であり、それをそのまま描きたかった、という監督は、できるだけ事実に即して、その時代に生きた人々の様子を再現しようとしていることが伝わってきます。日本では、あまり詳しく語られてこなかった事件当時の様子が描かれ、改めてこの事件について知るきっかけにもなります。
また、もう一つの見どころは、韓国映画史上、最も流暢ではないかと思う、韓国人俳優たちの日本語。特に、文子役のチェ・ヒソの日本語は本当にネイティブに近くて、一瞬日本の女優さんかと思ったほど。(さらに、「日本人が話す韓国語の発音」の演技まで完璧)
詳しくは、こちらの記事でも紹介しています。
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②「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」(1980年)

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2017年韓国公開/ソン・ガンホ主演、ユ・ヘジン出演
時代背景:1980年、韓国で起こった光州事件
内容:多数の死傷者を出した光州事件を世界に伝えたドイツ人記者と、彼を事件の現場まで送り届けたタクシー運転手の実話
キャスト:ソン・ガンホ(映画「パラサイト」)、ユ・ヘジン(映画「マルモイ」)、リュ・ジュンヨル(ドラマ「応答せよ1988」)ほか
映画公開:2017年
韓国での動員数:1218万人
こちらはもう名作中の名作!日本でもヒットし、初めて社会派の韓国映画を知らしめることになった作品。(まだ見てない方は、今すぐ見ましょう!笑)
主演は「パラサイト」のソン・ガンホ。他にも名優だらけで、もう映画というよりドキュメンタリーを見ているような感覚になります。
そして、何より韓国では、まだたった40年前にこんな事件が起こっていたということ自体に大きな衝撃を受けます。韓国という国を理解するのにとても重要なポイントとなる、光州事件を知ることができる貴重な作品です。

③「1987、ある闘いの真実」(1987年)

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2017年韓国公開/ハ・ジョンウ、ユ・ヘジン出演
時代背景:1987年、民主化運動の時代
内容:全斗煥大統領による軍事政権下の韓国で実際に起こった大学生の死亡事件。真実を伝えようとする新聞記者たちの闘いを描く。
キャスト:ハ・ジョンウ(映画「神と共に」)、ユ・ヘジン(映画「マルモイ」)ほか
映画公開:2017年
韓国での動員数:723万人
これは是非、先ほどの「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」と合わせて観たい作品。タクシー運転手で描かれる光州事件があり、この映画の時代につながっていくという流れが重要だからです。(ちなみに、名優ユ・ヘジンさんは、どちらにも出演しています。)
私は、この2作品は日本の映画館で見たのですが、どちらも衝撃すぎて、エンドロールが流れてもしばらく放心状態になってしまいました。この作品のキャッチが秀逸で、”誰もが驚愕する。これは、わずか31年前の事件”というものなのですが、まさにそうで「こんなこと、ホントに実際に起こってたの…?」と信じがたいような内容が胸に迫ります。
そして同時に、韓国の人たちが、今でもとても政治に関心が強く、デモや集会などを通じて、積極的に自分たちの意思で社会を動かそうとする文化がある理由の一端を知ることができます。
詳しくは、こちらの記事でも紹介しています。
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④「国家が破産する日」(1997年)

時代背景:1997年、実際に起こった通貨危機
内容:通貨危機に陥った韓国が、国際通貨基金 (IMF) 管理体制に置かれるまでの様子を史実と調査データをもとに描いたストーリー。当時の実際のニュース映像なども登場する。
キャスト:キム・ヘス(ドラマ「ハイエナ」)、ユ・アイン(映画「バーニング」)ほか
映画公開:2018年
韓国での動員数:375万人
この映画は、韓国経済と社会の大きなターニングポイントとなった、1997年のIMF危機の様子を描いたもの。「あと数日で国家が破綻するかもしれない」という状況下で、国を動かす人たちはどう動いたのか。また、それに影響を受ける企業や一般市民たちはどうなって行ったのか。
当時実在した企業の名前が登場し、実際のニュース映像なども使われることから、物語自体は、フィクションでありながらもとてもリアルに感じます。また、同じような状況が、今後日本でも十分に起こりうると思いながら見ていると、考えさせられる部分も非常に多い映画です。
詳しくは、こちらの記事でも紹介しています。
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番外編①「マルモイ ことばあつめ」(1994年)

さて、最後に番外編として2作品を紹介します。なぜ番外編かと言うと…現時点では、Amazonプライムでは視聴ができないためです。(でも、実話作品としては、是非紹介したいので無理やり「番外編」で 笑)

まず初めに、現在、まだ日本で劇場公開中の「マルモイ ことばあつめ」。(おそらく間もなく、Amazonプライムに追加されるのではと思っています)

時代背景:1994年、朝鮮語学会事件
内容:日本統治時代に、日本軍の弾圧を恐れながら密かに朝鮮語の辞書を編纂しようとした人たちの話。
キャスト:ユ・ヘジン(映画「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」)、ユン・ゲサン(ドラマ「最高の恋」)ほか
映画公開:2019年
韓国での動員数:286万人
この作品は、先ほど紹介した「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」の脚本家さんが監督を務めた作品。
韓国で劇場に観に行った当時は、日韓関係が最悪な最中だったので、日本公開は難しいと思いましたが、無事に公開されて本当によかった…!是非、日本で多くの人に見てもらいたい作品です。
詳しくは、こちらでも紹介しています。
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番外編②「トガニ 幼き瞳の告発」(2005年)

続いてこちらは、以前はAmazonプライムで見られたのですが、現在はなぜか見られなくなっている「トガニ 幼き瞳の告発」。
*現在、HuludTVで見られるようです。

時代背景:2005年に発覚した視覚障害者学校で起きた性的虐待事件
内容:校長や教職員による生徒への性的暴行・虐待事件を追った同名の小説をもとにした映画。
キャスト:コン・ユ(ドラマ「コーヒープリンス1号店」)、チョン・ユミ(映画「82年生まれ、キム・ジヨン」)ほか
映画公開:2011年
韓国での動員数:466万人
この映画は、実話を描いた映画としては、紹介しないわけにはいかない作品。この映画がきっかけで、韓国では法改正や裁判のやり直しが起きたほど、国を動かした衝撃作です。

非常に内容が衝撃的で、目を覆いたくなる場面が続くのですが、監督によると「実際の事件は、もっとひどい内容で、映画化ではその一部分だけを描いた」というのがまた驚き。

間もなく日本で公開される予定の映画「82年生まれ、キム・ジヨン」や、2016年の「新感染~ファイナル・エクスプレス~」でも共演したコン・ユとチョン・ユミが初共演した作品でもあります。

なお、この作品は、軍隊時代に小説を読んで衝撃を受けたコン・ユが「これは、多くの人に知ってもらうべき」と、自ら映画化を呼び掛けて実現した作品だそう。
「82年生まれ、キム・ジヨン」もそうですが、コン・ユとチョン・ユミは、役者としては多少リスクがあるかもしれなくても、社会的意義のある作品に積極的に参加していることがわかります。

衝撃的な内容なので、家族や友人同士で観るのはあまりオススメしませんが、韓国映画が社会を動かすほどのパワーを持っているということを知ることのできる貴重な作品です。

ユリイカ:韓国映画特集(2020年5月)

まとめ

ということで、Amazonプライムで見られる韓国映画の中から、実話ベースのオススメ作品を紹介しました。
実話ベースの名作は、このほかにもたくさんあるのですが、今日はその中でも特に代表的なものを紹介しました。
もし、まだ観た事が無い作品があれば、是非見てみてください。

次回は、また別のジャンルの映画も紹介していきたいと思います。

*映画の写真は、NEVERからお借りしました。

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