「保健教師アン・ウニョン」:ドラマを観た後に原作を読んだ感想

ソウル在住
ブロガーMisa
Netflix限定配信のオリジナルドラマ「保健教師アン・ウニョン」の作品概要と感想を紹介します。

「保健教師アン・ウニョン」とは?

2020年9月25日からNetflixで配信が開始したドラマ「保健教師アン・ウニョン」。このドラマは「キングダム」や「人間レッスン」に続き、韓国でもテレビ放送なし=完全にNetflixだけで視聴ができるオリジナル作品です。

また、原作は日本では「フィフティ・ピープル」話題になった若手人気作家チョン・セランさんの小説「保健室のアン・ウニョン先生」のドラマ化ということで、Netflixでの制作が発表された時から注目を集めていたドラマです。


*出典:https://m.post.naver.com/viewer/postView.nhn?volumeNo=29304381

1話50分で全6話なので、週末などに一気に見ることができます。
あらすじ概要
普通の人には見えない「ゼリー」を見ることができる特殊能力を持った保健教師アン・ウニョン(チョン・ユミ)が新しく赴任した高校では、不思議な現象が次々と起こる。同僚の漢文教師ホン・インピョ(ナム・ジュヒョク)と共に、学校に潜む謎を解明すべく奮闘していくストーリー。
ドラマ化にあたっては、原作者のチョン・セランさんが直接脚本を書き、映画の脚本・監督を務めるイ・ギョンミさんが脚本を共同執筆、監督も務めています。

「保健教師アン・ウニョン」独特すぎる世界観

「保健教師アン・ウニョン」は、色んな意味で普通のドラマとは全く違います(笑)

予告編を見ていただくとわかると思いますが、まず1話から、普通のドラマでは見たことの無いような独特の世界観に圧倒されます。1話はとにかく、その独特な世界観に圧倒されているうちに、気付いたら50分過ぎていた感じでした。

「人間レッスン」もそうであったように、Netflix限定配信というのは、テレビ放送では規制上できないような表現が可能であるところが醍醐味。期待通り「これ絶対テレビじゃ無理だよな~」というような表現が満載。

ただ、その分、若干グロテスクな表現もあったりするので「気持ち悪い」と感じて離脱する人も結構いると思います。(そういう意味で、普通のドラマだと思って見るとびっくりしますw)

「保健教師アン・ウニョン」原作を読まずに観た感想

私は、原作を全く読んでいない状態でドラマを観ました。原作を読んでいない方がこのドラマを観た場合、おそらく以下3つのタイプに分かれるのではないかと思います。

1)あまりにも独特すぎて離脱する人
2)細かいところはよくわからないけど、斬新さ・キャストで満足する人
3)もやもやして原作を読み始める人

私自身もそうでしたが、正直、このドラマだけを見て、作者が伝えたかったことを理解できる人はほとんどいないはず(笑)

ただ、人気作家の原作なだけに「(細かいところは良くわかんないけど)こういうもんなんだろうな」と受け止めてしまいがちだと思うのです。(なので、ネット上には2の感想が多い印象)

私自身は、3)で、ドラマを観終わってすぐに小説を読みました。

というのも、ドラマのインパクトのある映像を見ながら斬新だなと思いながらも、一方で何となく「本来原作者がそこに込めた意図やメッセージが置き去りになってしまってる感」を感じたからです。

ドラマを観た後に原作を読んでわかったこと

あくまでドラマで描かれた部分をなぞる感じで、精読まではしていないのですが、原作を後から読んで率直に感じたことは、やはり小説を読んで初めてちゃんと理解できるドラマだということ。

そいういう意味で、ドラマで描かれていない部分まで知っている原作ファンにとっては「こんな風に映像化されたんだ!」という喜びがあるかもしれませんが、ドラマから見た人にとっては「???(よくわかんないけど、世界観は斬新ね…)」という感想にならざる得ない感じになってしまっていると思います。

映像描写にフォーカスしたドラマ版

ドラマ「保健教師アン・ウニョン」を観ていて最大の違和感だった「これは本当は深い意味がある描写なのでは?と思いつつも、わかりそうでわからないまま通り過ぎてしまう感じ」ですが、予想通り、小説を読むとその違和感はだいぶ解消されました。

小説ではもう少し、各登場人物のキャラクター設定や奇妙な事象を通じて、何を表現しようとしているのか?を紐解くヒントがト書きの部分で描かれています。

逆に巻き起こる不思議な現象そのものについては、文字での描写なので限界があり、読者の想像力にゆだねられる感じ。

ドラマでは、この強弱が逆になったような印象。文字であらわすのが難しい不思議な事象が、インパクトある映像として迫ってくるのですが、そこにフォーカスするあまり、背景の部分があまり伝わってこない。


*出典:https://m.post.naver.com/viewer/postView.nhn?volumeNo=29304381

なので、小説を読んで「そういういうことか!それはドラマの描写だけでは伝わらないわ(笑)」と思った箇所が何か所もありました。

文章と違って、ドラマではト書きがあるわけではないので、背景や意図をどのような描写で補足するか?は脚本+演出の共同作業が必要だったと思いますが、いくら原作者が脚本を手掛けても、「ドラマ的な表現」に置き換えるのは難しかったのかなと。

ドラマとしての完成度に少し影響があったのかなと思う点が、このドラマの制作陣には、普段ドラマ制作に関わっている方が少ないこと。監督も映画がメインでドラマの経験がない方。さらに制作も、最近「ハイエナ」などドラマ制作に進出しはじめている芸能事務所のキーイーストが手掛けています。

だからこそ、斬新な作品ができる可能性もあったと思いますが、結果的には「小説の中でインパクトあるシーンをつなげた感じ」になってしまい、ドラマにおいて最も重要な、全体を貫く根幹のメッセージ部分やキャラクター描写が弱かったのではないかなと感じました。

シーズン2ありき?

なお、小説はウニョン先生に助けを求める学生たちのいくつかの小さなストーリーの集まりになっているのですが、ドラマで描かれているのは、その一部だけ。

また、その中でも、小説で描かれた結末的な部分がドラマでは描かれていないこと、ドラマのラストシーンが、小説では別の物語の始まりのシーンであることがわかり、「あ、これは最初からシーズン2ありきなんだな」と思いました。

一方で、ドラマにしか出てこない要素や、キャラクター設定が小説とは違う形にアレンジされている箇所もありましたね。

*「安全な幸福」「イルグァン消毒」などは、ドラマにしか出てこない要素だったんですが、これはシーズン2ではもう少し深堀されるのかな…?

ということで、完全ではないものの、ドラマを観たあとに小説を読むと、だいぶ「そういうことだったのか…!」と補足される部分があります。

ドラマで登場した各キャラクターや出来事は、誰の人生にでも起こり得そうな悩みや葛藤、様々な問題のメタファーなんだなと感じたところもあったし、中にはとても韓国的な背景があるものもあります。

小説では、そういった部分の一部を翻訳者の斉藤真理子さんが「訳者解説」で説明していますので、ドラマを観てもう少し深く理解したい方は、是非小説を読むことをお勧めします。

まとめ

というわけで、Netflixオリジナルドラマ「保健教師アン・ウニョン」について紹介しました。

もしかしたら、「シーズン2まで見ることで完成」というのを目指したのかもしれませんが、今回のシーズン1単体で言うと、ドラマ化としてはちょっと残念だったかなという印象。

ただ、テレビ放送では決して見られない斬新な表現へのチャレンジという点では評価できるし、個人的にナム・ジュヒョクの魅力にハマり、10月からのナム・ジュヒョクが出演予定の新ドラマ「スタートアップ」に期待が高まりました(笑)

今後観る方、観終わってモヤモヤしている方の参考になれば、嬉しいです。

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*写真はNetflix公式資料からお借りしました。

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