2022年韓国ドラマ:国内視聴率&Netflix&専門家ランキングから韓国現地のヒット作品を読み解く

韓国ソウル在住
ブロガーMisa
2022年、韓国現地で本当に人気があったドラマは何なのか?
韓国で放送されたドラマの視聴率・Netflixランキング・専門家によるランキングなどを紹介します!

韓国での人気の作品を知るには?

2022年に韓国で放送・配信されたドラマのうち「韓国で本当に人気があった作品は何なのか?」を振り返ってみたいと思います。

以前は、テレビ視聴率が人気の指標でしたが、現在は多くのドラマが、テレビ放送と当時に動画配信サービスでも配信されるようになり、テレビではなく配信で見る人も多くなりました。

さらに、2021年頃からはNetflixを筆頭に、「テレビ放送のない動画配信サービスのみで視聴できるオリジナル作品」も多く制作されるようになりました。
2022年は、Netflix以外の動画配信サービス(Disney+、TVING、Wavveなど)でもオリジナル作品制作が活発化。

これらを踏まえ、今年は以下の3つのランキングを紹介しながら、2022年のヒット作品を振り返ってみたいと思います。

テレビ視聴率年間ランキング
NetflixKoreaでの年間ランキング
専門誌:シネ21  今年のシリーズドラマベスト10

昨年も紹介した視聴率とNetflixランキングだけでは、Netflix以外の動画配信サービスのオリジナル作品が含まれないため、今年は映画専門誌である「씨네(シネ)21」が発表している映画評論家・記者・TV批評家のアンケートによるベスト10も紹介してみたいと思います。

また、各作品には、著書「韓国ドラマの知りたいこと、ぜんぶ」で紹介しているジャンル分けも記載しました。最近はジャンルが混じっているドラマが多いので、ジャンルをつけるのが難しいので、ジャンル分けに正解はないのですが、まだ作品を観ていない方、著書をお読みいただいた方の参考になればと思います。

読めば自分の好みのジャンル・作品がわかる!「韓国ドラマの知りたいこと、ぜんぶ」

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2022年  韓国国内:ドラマ視聴率 年間ランキング

まずはじめに、韓国国内の視聴率ランキングから。

*対象期間:2022年1月 1日 ~ 12月31日放送のドラマ
*最高視聴率基準、50作以上の平日・週末ドラマ除く

1位財閥家の末息子(JTBC/Netflix)刺激系/社会派・歴史26.9%
2位ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(ENA/Netflix)ヒューマン17.5%
3位シュルプ(tvN/Netflix)ヒューマン16.9%
4位わずか1,000ウォンの弁護士(SBS/Disney+)ヒーロー・コメディ15.2%
5位私たちのブルース(tvN/Netflix)ヒューマン14.6%
6位ビッグマウス(MBC/Disney+)アクション・ノワール13.7%
7位アゲイン・マイ・ライフ ~巨悪に挑む検事~(SBS/Hulu)アクション・ノワール12.0%
8位社内お見合い(SBS/Netflix)ラブロマンス11.6%
9位二十五、二十一(tvN/Netflix)ラブロマンス11.5%
10位シスターズ(tvN/Netflix)刺激系11.1%

*カッコ内は(韓国での放送局/日本での視聴方法)

2022年の上半期は、「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」ブームだったので、そのまま1位かと思いきや、年末に最終回を迎えた「財閥家の末息子」が、週3回(金・土・日)放送という異例の編成も功を奏し、ウ・ヨンウを大幅に上回る高視聴率で1位となりました。

「財閥家の末息子」は、韓国ではNetflixでもDisney+でも配信するという、おそらく初?の試みだったにもかかわらず、なぜか日本ではどちらでも配信されないという謎の状態に。(現在、視聴できる方法は楽天Vikiのみ)

韓国では大いに盛り上がりましたが、一方で最終話が思わぬ展開で、歴史的な大ブーイングとなり…

「名作」としてより、「最終回が☓☓だったドラマ」として韓国視聴者の記憶に残る結果となってしまいました(笑)
実は、この視聴率ランキングには、他にも後半〜最終話でかなり物議を呼んだ作品が多いんです。

後半の展開が評価が分かれた、「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」「 わずか1,000ウォンの弁護士」「シスターズ」。

最終話で目が点になった、「ビッグマウス」「二十五、二十一」(でもダントツは「財閥家の末息子」w)

そう、皆さんも感じたと思いますが、2022年の韓国ドラマの特徴がまさにこれで、「面白い!ただし●話まで」現象です。

「シュルプ」は人気があったものの、韓国国内では描写が中国風であるという議論がずっとつきまとっていたし、「私たちのブルース」は最終的には大きな感動を呼んだものの、途中、高校生の妊娠に関する描写などでは議論が巻き起こっていました。

もちろん、韓国国内ではいつも視聴者の意見が活発なので、議論が沸き起こることは毎度のことなのですが…このランキングの中では、「社内お見合い」が一番「平和に愛された作品」だったかもしれません(笑)

なお、日本と韓国の視聴者の好みの違いがはっきり分かれるのが「ヒーロー・コメディ」ジャンルの作品。
韓国では、こういう観ていてスカッとする”サイダー”を感じられるジャンルの作品が、根強い人気があります。

一方、このタイプの作品では、ラブロマンスがあまり含まれないこともあり、日本ではあまり好まれない傾向があるようです。

「わずか1,000ウォンの弁護士」が韓国ではこれだけヒットしても、日本ではそこまで話題になっていないのもまさに、この日韓の好みの違いがよく現れていると思います。

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2022年  Netflixドラマ 年間ランキング

続いて、Netflixの年間ランキング。FlixPatrolによるNetflixKoreaのTV番組ランキングのうち、ドラマ作品だけを上位10作品抽出したものです。

韓国国内ランキング

1位還魂ファンタジーロマンス
2位私たちのブルースヒューマン
3位ウ・ヨンウ弁護士は天才肌ヒューマン
4位私の解放日誌ヒューマン
5位二十五、二十一ラブロマンス
6位その年、私たちは繊細系ロマンス
7位シスターズ刺激系
8位シュルプヒューマン
9位社内お見合いラブロマンス
10位模範刑事サスペンス・ミステリー

「還魂」が1位なのはちょっと意外でした。日本など海外では話題なものの、体感的には、韓国国内では海外ほど流行ってる感じがしなかったためです。

もしかしたら、シーズン制なのがランキングにも影響しているのかな?「模範刑事」もシーズン制でしたが、こちらも思ったより高めの順位です。

他の作品たちはどれも、実際に放送中に話題になっていたものばかり。

なお、惜しくも11位だった「ナルコの神」も、2022年のNetflixオリジナルの中では評判が良かった作品です。

日本国内

比較のために、日本の年間ランキングも紹介します。

1位梨泰院クラスヒーロー/ラブロマンス
2位愛の不時着ラブロマンス
3位ウ・ヨンウ弁護士は天才肌ヒューマン
4位還魂ファンタジーロマンス
5位社内お見合いラブロマンス
6位シスターズ刺激系
7位気象庁の人々ラブロマンス
8位39歳ラブロマンス
9位その年、私たちは繊細系ロマンス
10位二十五、二十一ラブロマンス

「梨泰院クラス」がこのタイミングで1位なのは、やはり「六本木クラス」放送の影響でしょう。

そして、2020年、2021年連続で年間1位だった「愛の不時着」が2位。(すごい!)
新規で視聴する人に加えて、何度も繰り返して視聴している人も多そう。

「とにかく新しいもの好き」の韓国視聴者と比べて、日本の視聴者は、どれだけ一途なんでしょう…!
ジャンルも、やはりラブロマンスが強い。

ランキングからも、日韓の視聴者の特徴が垣間見えます。

そんな中で、「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」が3位に食い込んだのは、やはり快挙だったと言えるでしょう。

2022年  専門誌:シネ21  今年のシリーズドラマベスト10

最後に、映画専門誌である「씨네(シネ)21」が発表している映画評論家・記者・TV批評家のアンケートによるベスト10も紹介してみたいと思います。
ここで注目は、視聴率ランキングにもNetflixランキングにも含まれない「Netflix以外の動画配信サービスのオリジナル作品」です。

*29人の映画評論家と記者そしてTV批評家による回答の集計
*2021年12月20日から2022年12月4日までに最終話が放映されたシリーズ物で、単幕劇も含む

1位ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(ENA/Netflix)ヒューマン
2位シスターズ(tvN/Netflix)刺激系
3位私の解放日誌(JTBC/Netflix)ヒューマン
4位赤い袖先(MBC/U-NEXT)社会派・歴史
5位アンナ ディレクターズ版(★Coupang Play/AmazonPrime)刺激系
6位二十五、二十一(tvN/Netflix)ラブロマンス
7位ユミの細胞たち2(★TVING/AmazonPrime)ラブロマンス
8位未成年裁判(★Netflix)社会派・歴史
9位イノシシ狩り(MBC単幕/日本未定)サスペンス・ミステリー
10位弱いヒーロー Class1(★Wavve/日本未定)ノワール・アクション

★はテレビ放送がなく、動画配信サービスのみで配信したオリジナル作品。

視聴率ランキング、Netflixランキングに出ている作品以外で、話題になった作品がかなりここで網羅されている感じがします。

追加するとしたら、TVINGオリジナルの「身代金」も、斬新なロングテイクで話題になりました。

ここで「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」が1位なのは少し意外でした。

というのも、韓国内ではここまで紹介しているように、視聴率は高かったし人気だったのですが、作品の評価としては賛否両論だったからです。

特に、「序盤は良かったのに、後半が失速した」という声が少なくなく、専門家の投票でもそこは厳しめに評価されるのかな〜と思ったのですが、結果的には一番多くの票を集めたようです。

なお、このランキングは、12月4日までに最終話が放映された作品が対象なので「財閥家の末息子」は含まれていません。
5月に開催される「百想芸術大賞」では、ウ・ヨンウや財閥家がどのように評価されるのか、楽しみです…!

先日のMBC演技大賞で、俳優たちのコメントから観てみたいと思った「イノシシ狩り」がここでもランクイン。

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Wavveオリジナルの「弱いヒーロー Class1」は、若い世代を中心に話題になっていました。

「D.P.」を手掛けたハン・ジュニ監督がプロデュースした作品。

Wanna One出身パク・ジフンの演技変身は見ごたえがあり、チェ・ヒョヌクにとっては「二十五、二十一」を超える代表作になったと思います。

暴力シーンが過激なので、日本ではそこが好き嫌いの分かれ目になりそうですが、俳優たちの演技は、本当に素晴らしかったです。
(現在、Vikiで英語字幕のみ提供されているようです。日本正式配信は未定)

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まとめ

ということで、2022年の韓国国内で各種ランキングを紹介してみました。どういった作品がヒットしたのか?だいたい雰囲気が伝わったのではないかと思います。

2021年までは、視聴率ランキングの作品は、日本では放送していないものが多かったのですが、Netflixの同時配信もジャンルが多様化し、Disney+やアマゾンプライムでも同時配信が増えたので、日本でもほぼ同時に観られる作品が多くなりました。
まだ観ていない作品があれば、作品選びの参考にしてください!

ちなみに、2022年、私個人としては、世の中的ヒット作がことごとく自分にはヒットせず、マイランキングはこれらとはちょっと違う感じになっています(笑)
それはまた、次の記事で紹介したいと思います〜!

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