「愛の不時着」を脱北者が観た評価は?ドラマを倍楽しめる!北朝鮮事情を解説②

こんにちは、ソウル在住ブロガーMisaです。ヒョンビンとソン・イェジンのドラマ「愛の不時着」、そろそろ日本でも全部見終わったという方が増えてきたのではないでしょうか。

今日は、前回に引き続き、ドラマを観た方なら誰もが気になる「愛の不時着で出てくる北朝鮮の描写ってどこまでリアルなの?」という部分について解説していきたいと思います。

今回は最終話まで見た方向けに、脱北者YouTuberの方々の「愛の不時着」解説動画の内容をご紹介していきます。完全ネタバレありなので、まだ見終わっていない方は、見終わった後にご覧いただくことをお勧めします。

なお、前回の記事をまだ見終わっていない方は、こちらからご覧くださいね。

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「愛の不時着」に出演したソルミさん

今回はまず最初に、こちらのユン・ソルミさんというYouTuberの方のお話からご紹介していきます。

3.5万人ほどチャンネル登録者がいる北朝鮮出身の方なのですが、キャプチャにもある通り、この方「愛の不時着」に出演もされた方なのです。

画像だけで、どのシーンなのかピンと来た方、いますか?

そう、これは「愛の不時着」第5話の列車の中のシーンです。
アコーディオンを弾きながら、歌を歌う北朝鮮の音楽団の役で出演されました。

より、北朝鮮らしさを表現するために、実際に北朝鮮出身の演奏者を制作陣が探したそうで、出演のオファーが来たんだとか。(ちょっとしたシーンでも、リアリティを出すためにこだわって出演者を選んでいたんですね~)

ソルミさんによる撮影裏話に加えて、この列車のシーンについては、他にもいろんな方が解説していて、とても興味深かったので、そちらも一緒に紹介していきたいと思います。

列車のシーンの撮影場所

まず、このシーンがいつどこで撮影されたのか。

ソルミさんによると、撮影は、2019年9月16日から19日まで3日間をかけて行われたそうです。

そして、驚くのが、撮影場所。実は、撮影場所はモンゴル…!
実際に、山が少なく広大な土地が広がっている感じが、とても北朝鮮の田舎と雰囲気が似ているんだとか。

放送時間にして、数分のシーンのために、飛行機に乗ってモンゴルまで行き、3日間ほどかけて撮影されたそうです。

そのため、実はセリフの無い他の乗客たち(北朝鮮の人の設定)は、実は現地モンゴルの方々なんだとか。

そう言われて確かによ~く見てみると、モンゴル人ぽい…!

列車シーン:撮影秘話

ちなみに、ソルミさんは北朝鮮に居た頃から、大のヒョンビンファンだったそう。北朝鮮でも「私の名前はキム・サムスン」が有名になり、当時「韓国にはこんな男性が居るんだったら脱北したいわ」と思ったほどだったとか(笑)

38度線を超えるヒョンビン人気!

ということで、出演オファーが来た時の興奮は凄かったそうです。そして、実際に現場で見たヒョンビンは…「彫刻のようだった」と表現していました(笑)この一瞬の出演で、ドラマの打ち上げパーティーにも招待されたそうですよ。羨ましい…!

実際の撮影はかなり大変だったそうで、15kgほどもあるアコーディオンを弾きながら歌って歩くというのを、5時間ぐらい繰り返したんだとか。

撮影の前は、ドラマのメイクアップ担当の方が、実際の年齢よりもさらに上に、そして北朝鮮の人っぽく見えるように念入りにメイクをしてくれたそうです。

そして、当時は9月にもかかわらず、昼間でもかなり寒かったそうで、そう考えるとこの夜のシーンは、さらに寒かったのではと思います。

ほんとに列車は止まる?

さて、このシーンと言えば、上の写真にもあるように、

列車が停電のため途中で止まる
列車から降りたとたん、物売りの人たちがやって来る

というのが、とても不思議というか「え、ホントにこんなことあるの?!」という感じでしたよね。

これに関しても、多くの脱北者の方が「実際によくあること」として解説していました。ドラマの中のヒョンビンのセリフでもあったように「数時間で済めば良いほう。数日かかる場合もある」というは本当のようです。

細かいことを言うと、「トウモロコシを焼いていたが、ほとんどはあらかじめ焼けたものを売っている」など、ちょっとした違いはあるようですが(笑)そこはさすがに、ドラマの場面映えするようにアレンジしたんでしょう〜。

ということで、ソルミさんの解説のおかげで、このシーンの裏話が聞けたと同時に、やはりかなり細かい部分まで、制作陣がこだわって作ったんだなということがわかりました。

ヒョンビン&ソン・イェジン初共演の映画

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2018年/ヒョンビン&ソン・イェジン出演作

脱北者が韓国に来たら?

さて、続いては一気に、ドラマの後半に進みまして「北朝鮮のF4」(韓国ではこう呼ばれていました)ことヒョンビンの部下たち4人と、盗聴役だったマンボクの5名が、ジョンヒョク父の命令により韓国に来るという10話以降の展開について。

いや~、前半の北朝鮮でのストーリーも面白かったんですが、後半は一気にこれで目が離せなくなりましたよね。

この部分については、ハン・ソンイさんというYouTuberの方の解説が参考になりました。
話が上手でリアクションが良くて、個人的に一番好きだった方

まず、ジョンヒョクやチョ・チョルガンも含め、北朝鮮の人が韓国にやってきたこと自体については、「いくらなんでもそんなにあっさり来ることはできない」としながらも、

北朝鮮の人が初めて韓国に来た時のリアクション
脱北者を管理する国家情報院での様子

などは、「自分の経験とも重なる部分がある」ということで、解説されていました。

例えば、このサウナでのシーン。お金がすべてキーで管理されてるとは知らず「タダでもらえるんだ」と勘違いして、帰る際に大慌てした5人。

これはソンイさんも、まったく同じ経験をしたことがあるそう。

そして、こちらのボロボロのジーンズを見て、「何でこんなボロボロを売ってるんだ」「ちゃんとしたズボンが無いからなのか」と勘違いするシーン。

これについても、「自分が最初に韓国でダメージジーンズを見たとき同じことを思った」と話していました。

つまり、ドラマでは、オーバーに描かれてると思うぐらい面白かったこの5人組の初・韓国珍道中については、意外とオーバーではないんだなということがわかりました。私たちにとっては当たり前でも、北朝鮮では一度も見た事が無いものを見ると、確かにこういう反応になるんでしょう。

おそらく、これらもすべて脱北者に「韓国に来てみて驚いたことは?」といったインタビューなどを丁寧に重ねながら、作りあげられたシーンなのではないかと思います。

脱北者が韓国で拘束されたら?

そして、さらに後半になるとこの5人組が、ついに韓国の国家情報院の人たちに拘束されてしまいますよね。

この「脱北者が韓国で捕まったらどうなるのか?」という部分、日本人にとってはほとんど初めて知る話なので、「あれってどこまでホントなの?」と気になった方も多いのではないでしょうか。

まず、拘束された当初から、5人が「韓国で捕まったら、酷い拷問に合わされる」「いっそ、毒を飲んで死んだほうがましだ」という話をしていましたよね。

ウソ発見器を、拷問の機械と勘違いするピョ・チス。

これはソンイさんによると、「自分も実際同じように思っていた」ということで、やはり北朝鮮では脱北を防ぐ意味でも、「脱北して韓国に行ってもひどい目にあうぞ」という意識がかなり植え付けられているようです。

ただ実際は、ドラマであったように、まずは健康診断を受けて病気を持っていないか、を確認された後、普通に北朝鮮でどう暮らしていて、どうして脱北しようと思ったのか、などを普通に調査官にヒアリングされるとのこと。

ドラマの中で、ウンドンがパソコンの画面で自分の実家の様子を見せらせて、うるうるするシーンがありましたよね。

これは実際に、ソンイさんも全く同じような経験をしたそうです。

また、いつも5人が、大きな食堂のようなところで食事をしながら、それぞれ受けた調査について話しているシーンがありましたが、食事についても「実際、大きな食堂のようなところで、食べたければ好きなだけ食べさせてくれた」とのこと。

脱北の経緯や直後の様子については、ドラマ以前からこういったYouTuberの方々がたくさん解説をしているので、制作陣もそれをかなり参考に作ったと思われます。

境界線を越えたとき

そして、いよいよクライマックス間近のこちらのシーン。

韓国の国家情報院での調査が終わり、いよいよ北朝鮮に送還するという、これまた私たちにとっては、一度も見たことも想像したこともない場面。

緊迫したドラマの状況もそうですが「こうやって線で分断されていて、こうやってお互いに人を送還することがあるんだ」ということ自体に、驚きましたよね。

ここについても、ソンイさんが解説してくれていました。

一度線を越えて北朝鮮に戻ると、ドラマにあったように、手錠を掛けられ、実際は100メートルぐらい離れると、暴行されるケースも多いんだとか。その後は、保衛部からそれこそ、拷問に近い調査を受けるんだそうです。

なお、途中でセリがやってきて、一度線を越えたジョンヒョクが、再び線を越えて、セリと抱き合うというシーンがありましたよね。

ドラマでも、両国が一気に銃を向けあい、緊迫した雰囲気になりました。

これについては、ソンイさんも「さすがに、これはドラマ的(笑)実際は、一度線を越えたら、絶対に戻れない」と解説していました。

なお、その後、北朝鮮に戻った6人が、銃で撃たれそうになり、ジョンヒョク父の登場で、敵が射殺されるというシーンがありましたよね。あそこについても「残念ながら、一気に現実感が落ちた」と話していました。

「北朝鮮で銃を使うのは、訓練か死刑の時だけ」ということで、どこかで銃声が鳴ることがあれば、一気にその地域は非常招集が行われ、細かく検閲されるなど大変なことになるんだとか。

ということで、さすがにドラマ的な部分も多少ありつつも、我々外国人にとっては、とても興味深いシーンであったことは間違いありません。南北が分断していることは頭では理解していても、なかなか普段は知ることができない実際の様子の一部を垣間見ることができたと思います。

北朝鮮についてもっと詳しく知りたい方にオススメの雑誌

企画段階で協力した脱北者

そして、最後に、第一弾の記事でも少し紹介した、北朝鮮時代に富裕層として暮らしていたキム・ジュニョクさんという方。先ほどの、アコーディオン奏者のソルミさんのチャンネルにも出演しています。

この方、実はドラマの企画段階で、脚本家・監督から呼ばれて協力をしたということで、その話を色んな脱北者YouTuberのチャンネルに出演し、話していました。

というのも、脱北者というと、やはり生活が苦しい田舎の出身の方が大半だそうで、ジュニョクさんのような富裕層は、多くないんですよね。

ソルミさんも「ドラマの内容を知れば知るほど、ヒョンビンの役に一番近いのがジュニョクさんではないかと思った」と話していました。

実は企画当初は〇〇の設定だった!?

ジュニョクさんによると、初めて作家と監督からインタビューを受けたのは、2018年7月だったとのこと。それから、2〜3回ほどインタビューを受けたそうです。放送が始まったのが、2019年12月なので、放送の約1年半ほど前。

「北朝鮮のエリートが、韓国の女性に出会い、考え方が変化していく様子を描きたい」というのが企画意図だったようですが、実は、相談を受けた当初では、「主役の2人は留学生で、海外留学中に出会う」という設定だったそうです…!

それが実際には、どこかで「北朝鮮の現役の将校」という設定が加わったんだとか。ドラマの中に「実は2人は、ジョンヒョクの留学時代にスイスで出会っていた」という設定がありますが、当初はセリも留学生の設定だったなんて…!う~ん、興味深い!

もし、当初の企画通り「外国で出会った留学生の二人」という設定のままだったら、まったく重みというか深さが違ったと思いませんか?

ここで突然ヒョンビンの撮影オフショット(笑)将校役だったからこそ、魅力が爆発しました。

「韓国の女性が北朝鮮に偶然降り立ってしまう」「北朝鮮の将校が韓国に行く」という両方の描写があったからこそ、興味深く見ることができたし、これだけ視聴者が熱狂したんだと思います。

その分、ドラマ的展開とリアリティのバランスをとるのがものすごく難しかったと思いますが、敢えてその難しいほうの挑戦を選んだ脚本家と監督に拍手を送りたいです…!

韓国ドラマ雑誌「愛の不時着」特集

まとめ

ということで、まだまだ細かい部分でお伝えしたいことはたくさんあるのですが…、どこまでも止まらなくなりそうなので(笑)一旦、北朝鮮事情の解説はこれで終了したいと思います。ドラマを観た方が、少しでも楽しんで頂く材料になれば嬉しいです。

「愛の不時着」については、どこまで掘り下げるの!?という感じですが、最後に次回、

全話を振り返っての感想
キャストインタビュー&撮影秘話紹介

についても、記事を書きたいなと思っています。ご興味ある方は、是非次回もお付き合いください。
それでは、次回また!

次の記事はこちら

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*画像はtvNからお借りしました

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