2022年百想芸術大賞:受賞結果・理由・コメント一挙紹介!/ドラマ作品②

韓国在住KdramaライターMisa
2022年百想芸術大賞のTV部門のドラマ作品の演出賞・最優秀演技賞・作品賞・大賞の受賞結果・理由・コメントを翻訳して一挙にご紹介します!
新人賞〜助演賞まで紹介した前回の記事はこちら
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特別ステージ

助演賞の発表後、第一部の第二部の間には、毎年恒例の特別ステージがありました。

今年は、「熱いシンガーズ」による「This is me」が披露されました。

毎年感動する、各ドラマの名セリフ、名シーンを切り抜いた映像に加え、今年は、ドラマでよく見かけるベテラン俳優たちや、名脇役たちによるまさに「熱い」歌唱が感動的でした。
実はこのメンバーは、百想芸術大賞を中継しているJTBCの番組「뜨거운 싱어즈(熱いシンガーズ)」という番組の出演者たち。
「熱いシンガーズ」は、“残りの人生の中で今日が一番若い日”であると叫ぶ情熱溢れるシニアスターたちが集まり、情熱的に歌う合唱団を結成する番組。決して歌が本業ではない、俳優、タレントたちで構成されています。
そして、この番組で合唱団の最終ミッションが、この百想芸術大賞のステージだったのです。
ちなみに、番組の方でも素敵な舞台がいくつもあるので、こちらに紹介しておきます。

しかし、特にコロナ以降、この舞台への「感動」の期待値が上がりすぎてて、企画する側も歌う側も本当に大変そう。。。しかも、毎回、プロの歌手でもこの広いステージでテンポとキー合わせるのがかなり難しいんだろうなと思います。

ほんとうの意味でコロナ後となる来年からは、感動だけでなく、笑いを加えたり、また違う方向性になっていくのではないでしょうか。

演出賞

続いては、演出賞。プレゼンターとして、キム・ウビンとイ・グァンスが登場。実際に親友な二人だけに、ここのやり取りも微笑ましかった〜〜〜!!!

キム・ウビン:僕と一緒にマートでアルバイトした後に、また別のマートで一人でアルバイトしてると聞きましたが!?

これは、現在放送中の「見習い社長の営業日誌2」というバラエティ番組で、二人が共演した後、

イ・グァンスが、現在、スーパーを舞台とした新ドラマ「殺人者の買い物リスト」で主演を努めていることに言及したものです。

そして、イ・グァンスはもちろんしっかりドラマを宣伝した後に、今度はキム・ウビンに対して、

イ・グァンス:ウビンさんは、最近、宇宙人とブルースに通ってるんだって…?

と、キム・ウビン出演中のドラマ「私たちのブルース」と、先ほどキム・テリも紹介した、この夏公開予定の話題映画「宇宙+人」を雑に紹介(笑)。

せっかくなので、映画「宇宙+人」の予告編を紹介しておきましょう。韓国で今年夏に公開予定です!

プレゼンター二人のコメント動画はこちら

さて、話を演出賞を戻して…候補はこちら!

ユン・ソンホ(こうなった以上、青瓦台に行く)
イ・ナジョン(Mine)
チョン・ジイン(赤い袖先)
ハン・ジュニ(D.P.−脱走兵追跡官−)
ファン・ドンヒョク(イカゲーム)
結果は…
「イカゲーム」のファン・ドンヒョク監督が受賞(予想ハズレ!)
授賞理由:456億の賞金を掛け、極限のサバイバルゲームを繰り広げる人々の話を、緻密な演出力を通じて感覚的に描き出し、視聴者に圧倒的な没入感を与えました。

イ・ジョンジェとチョン・ホヨンも立ち上がってお祝い…!

審査過程:大賞と同じようにスムーズに決定した。”演出者が生み出した世界が、国内を超えて世界的に認められた”と審査員がコメント。
いや〜、このコメントだけを読むと、私もまさに同じ意見なんです(笑)
ファン・ドンヒョク監督のインタビューを一つ残らず読んで、監督の狙いの秀逸さや、その貢献が単なる演出にとどまらない(脚本、構成、企画、プロデュースすべて)と思ったからこそ「大賞なのではないか?」と予想したんですけどね…。
どの賞で評価するか?という最後のさじ加減レベルになると、もう読みきれません(笑)
意外にも、「予想してなかった…!」という表情のファン・ドンヒョク監督。
受賞コメント:私が、受賞するとは思わなくて、全然コメントを用意していませんでした。でも、韓国の授賞式は、アメリカと違って、私達の言葉(韓国語)で話せば良いのでそれでも気持ちが楽です。(さすが、グローバルで賞をたくさんもらってる余裕…!笑)
よく見ると監督もジャージを着て、演出をしている様子が映し出されていますね!
そして、ここで非常に興味深い話も飛び出しました…!
制作するまで時間がかかった作品なんですが…この難しい作品を、快く信じて投資してくれたNetflixKoreaのみなさんに心から感謝を申し上げたい。それから十数年前に書いたこの台本を読んで「これは国内向けではなく、グローバル向けのようだ」と励ましてくれたキム・ジヨン代表(*)に感謝したいです。
*キム・ジヨン氏は「イカゲーム」の制作会社、サイロンピクチャーズの代表。小さな映画会社ですが、こういった人たちの作品を見抜く目があったからこそ、「イカゲーム」が誕生したんですね…!
また、奇妙で難解な作品を選択してくれたイ・ジョンジェさん、オ・ヨンス先輩、パク・ヘスさん、チョン・ホヨンさん、ホ・ソンテさん…すべての俳優たちに感謝します。
少し前から、シーズン2を書き始めたんですが…一生懸命作って、数年以内にできるだけ早い時期に、良い作品で皆さんにお会いしたいと思います。本当にありがとうございます。
「イカゲーム」はもともと映画監督であるファン・ドンヒョクの作品なので、作品の企画・脚本・演出まで、担うのはすべて監督。
あの終わり方で、シーズン2を作るとなると、「問題提起」をしたシーズン1と比べて、何かしらの「解」を提示しなければならず、かなり深堀りしたメッセージとストーリー展開が必要になるはず。
シーズン1を作るのに、ストレスから何本も歯が抜けたという監督ですが、どうか…無理しすぎないで…でも、すんごく期待しています!(笑)

受賞コメント動画はこちら

最優秀演技賞(男性)

いよいよ、最優秀演技賞。プレゼンターには、昨年受賞者のシン・ハギュンと、キム・ソヨンが登場!(シン・ハギュンのまさかのロン毛に動揺 笑)

最優秀演技賞、受賞者らしく(?)「演技をしながら、カタルシス(快感・浄化)を感じるのはいつか…?」という高尚な質問を投げかけあった二人(笑)

ちなみに、キム・ソヨンは「自分を忘れてキャラクターに没頭するとき」、シン・ハギュンは「視聴者のみなさんにストーリーが伝わり、キャラクターに共感してくださったとき」だそうです。

候補はこちら…!

キム・ナムギル(悪の心を読む者たち)
イ・ジョンジェ(イカゲーム)
イ・ジュノ(赤い袖先)
イム・シワン(トレイサー)
チョン・ヘイン(D.P.−脱走兵追跡官−)
最後の最後まで悩んだ、ここの予想…。
結果は…
「赤い袖先」のイ・ジュノが受賞…!(予想ハズレ)
受賞の瞬間のジュノ…!
授賞理由:歴史的人物、正祖イ・サン役を演じ、正祖の人生を深みのある演技力で表現し、視聴者たちに爆発的な愛を受けたとともに、「人生キャラクターを作った」という好評を受けました。
わあ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!ハズれて嬉しい!!!!!凄い〜〜〜〜〜〜!!!ここは本当に一人で家で叫びました(笑)

審査過程:イ・ジュノ、イ・ジョンジェ、キム・ナムギルが4対2対1だった。「イカゲーム」でらしくない演技で、今までの姿とは違う雰囲気を見せたイ・ジョンジェ、直接的な感情表現をしないながらも、絶妙なバランスの熱演を見せたキム・ナムギルも素晴らしかったが、最後はイ・ジュノが4票を獲得した。

審査員コメント「王道ジャンルで期待以上の演技力を見せた。以前までは、”アイドル出身の俳優”ぐらいにしか思っていなかったが、今回は作品を最後まで引っ張れる力のある俳優であることを証明した。自分の限界を超えて、演技をしているということが感じられた」
その通り…!!!!!私が知る限り、アイドル出身(しかも現役)で最優秀演技賞獲ったのはジュノが初めてではないでしょうか…!
アイドル出身俳優の代表とも言えるイム・シワンや、「イカゲーム」のイ・ジョンジェと一緒にノミネートされた中での受賞は、本当に快挙!!!
さらに、イ・サン役というのは、過去にも数々の俳優たちが演じてきた役。それを俳優としては後輩にあたるジュノが、過去の先輩たちを上回る演技で表現し、視聴者を感動させたというのは並大抵のことではありません。
そしてジュノは、まずは、お母さん(チャン・ヘジン)に、バシバシ叩かれて…
各所に頭を下げながら、壇上に上がりました。深くお辞儀をしたあと…
受賞コメント:はあ…正直、、この賞をすごく欲しかったんですが…でも「受賞コメントを用意すべきかどうか?」については、凄く悩みました。なぜなら、私が考える夢と現実は違うかもしれないから…。

「39歳」でノミネートされたマルグムさんも、クットンチームにいるのが嬉しい…!(ジュノのお母さんの役でした)

でも、昨日寝る前に、「最優秀演技賞を獲りたい!!」という考えが、強く頭をよぎったんです。
そして、ドラマの関係者、視聴者、選んでくれた方々にお礼を言って…
またまた、お母さんのようなまなざしのチャン・ヘジン(笑)
私は、さっき申し上げたように、自分がやりたいこと、達成したいことを夢に見る(=具体的にイメージする)人です。これからも、もっと良い人間になって、みなさん、そして自分自身が満足できて感動を与えることのできる作品で、また皆さんとお会いできることを夢見ます。

見守るお母さん2人(笑)右が現場のムードメーカーでもあった、チョン・ジイン監督。(賞あげたかった…涙)

見守るイ・セヨン。あなたがいたから、ジュノがこの賞を獲れたんだよ…!!!!(感謝)
今日、この賞を頂いたことを感謝します。これから一層、頑張りたいと思います。
はあ〜〜〜、この受賞は本当に嬉しかった!!!!!
ちなみに、「なりたい姿を具体的にイメージする」というのは、何かを成し遂げた人がよく口にする習慣ですよね。
私も不思議と、韓国に来てこういう活動をするようになってからは、「こうなったらいいなあ」とイメージした通りになってきているので、ジュノのこのコメントには非常に共感&改めて刺激を受けました。
受賞コメント動画はこちら

最優秀演技賞(女性)

続いて、最優秀演技賞(女性)。ノミネートはこちら。

キム・テリ(二十五、二十一)
キム・ヘス(未成年裁判)
パク・ウンビン(恋慕)
イ・セヨン(赤い袖先)
ハン・ソヒ(マイネーム:偽りと復讐)
ハン・ソヒは主演でノミネートされたの初なのに、会場に来ないんかい!(強気?!)と驚きつつ…(笑)
結果は…
「二十五、二十一」のキム・テリが受賞!(予想ハズレ!)
授賞理由:情熱と覇気で武装した10代の少女、ナ・ヒド役を演じて、あどけない姿と夢に向かう真剣な姿を完璧に消化し、視聴者たちに笑顔と感動を与えました。

名前を呼ばれた瞬間のキム・テリ…!

これがまた可愛い…!

審査過程:キム・テリ、キム・ヘス、ハン・ソヒで5対1対1で別れた。キム・ヘスは「うまく力を抜いた演技で没入度を高めた」、ハン・ソヒは「本人が構築してきたキャラクターの枠組みを果敢に脱ぎ捨て、ガールクラッシュで武装した”ハン・ソヒの再発見”という点は高く評価できる」と評されましたが、圧倒的に支持されたキム・テリに決定。

審査員コメント:「アナザーレベル」の俳優だった。俳優たちは、自分のイメージがもたらす存在感で演技する場合が多いが、ナ・ヒドというキャラクターの後ろで、自分の演技を見せたのが卓越していた。他のキャラクターを率いていく、ワントップの主人公の役割を果たした。

ジウンことチェ・ヒョンウクが、マネージャーっぽくマスクを受け取り…

キム・ソヨンに何か声をかけて、二人で大はしゃぎした後(ふたりとも可愛らしい…笑)

いや〜、これは正直、今回イチ驚いた、予想外の結果でした(笑)韓国視聴者の間でも、キム・ヘスと予想する人が圧倒的だったし、これは本人も相当驚いたと思います。

というのも、私は「二十五、二十一」に関するキム・テリのインタビューをひと通り見たんですが、本人は決して、今回の演技に満足していないからです。むしろ、「演技的に素晴らしかったはジュヒョクのほう。学びが多かった」とコメントしていたぐらい。

受賞コメントには、そんなキム・テリの思いが端々に現れています。

受賞コメント:いや…どうして…私が、決して決して、受賞しなくても良いと、受賞するとは考えもしなかったんですが…さっき、先輩方がたくさん出られた映像を見ながら、考えたのは「あ、私がさっき人気賞の時に、あの言葉を伝え忘れたなあ…。」と。
作品を一緒にした方々、ジュヒョク、一緒だった俳優たち、監督さん、作家さん、スタッフの方々。スタッフの方々…!言い忘れちゃったんです。
だから、もしかしてもしかして、もう一度舞台に上がれたら、必ず!「本当にお疲れ様でした、ありがとうございます、本当に本当に心から感謝している」と伝えたいと思ったんです。
なぜか見守るタン・ジュンサン(←絶対ファンwその1)
あぁ…本当にすいません。。(会場拍手)どうしよう…(小声:可愛い)
私が最近、昔、自分で20代前半に書いた文章を読んだんですが、「学びとは、誰かが与えてくれるものではなく、自分で盗みとるものだ」と書いてたんです。すっかり忘れてたんですが、よく書いたなと。
ここで大きく頷くキム・へジュンのカット(←絶対ファンwその2)
ヒドから、本当に沢山のことを盗みました。本当に多くのことを学んだんです。
ここで優しく頷くオ・ナラ先輩
私が、ヒドという子と出会えたこと。そんな魅力的な子を演じることができて、本当に感謝しています。
ここで祈る手で見つめるチョン・ホヨン(←絶対ファンwその3)
正直、「幸せだった」とは言えないんです(笑)ありがとうと言いたい。
このコメントと表情に、本人の想いが凝縮されていた気がしました。本人的には「最高の演技をした!幸せだった!」ではないわけです。
むしろ「私はまだまだだったけど、周りのおかげでこれだけ愛された。ありがとう」という気持ちなんですよね。
でも、こうやって沢山の応援を受けて、こうして最優秀賞をいただいて、このドラマのために尽力した全ての方が、一緒にお祝いされた気がして、気分が本当にめ〜ちゃくちゃ良いです!今、この瞬間は本当に幸せです!!本当に全ての方に、感謝を申し上げたいです。
キム・ヘス姐さんも拍手!!
え…これからも引き続き、一生懸命、良い俳優になるように努力します。
はい…>< なんか、もっとカッコいいこと言いたいんですが…ほんと、こうなるとは思ってなくて…とても、しどろもどろですね。本当に本当に、ありがとうございます。

この賞は、「二十五、二十一」という作品自体で、受け取りますね!本当にありがとうございます…!

再びタン・ジュンサン&チェ・ヒョンウク=ラケット少年団ではなく、もはや「キム・テリ応援団」になってる!!!(笑)

受賞コメント動画はこちら

作品賞

そしていよいよ、今年の最高の作品を決める作品賞。プレゼンターには、ヨム・ジョンアが登場。

「SKYキャッスル」以降、4年ぶりに今年6月にJTBCドラマ「クリーニングアップ」でドラマ復帰します。(楽しみ!)

ノミネートはこちら…!

「D.P.−脱走兵追跡官−」
「二十五、二十一」
「イカゲーム」
「赤い袖先」
「こうなった以上、青瓦台に行く」
結果は…
「D.P.−脱走兵追跡官−」が受賞!(予想的中!)
授賞理由:脱走兵とそれを追いかける軍人たちの話を、現実的で鋭い視点を込めて描き、社会が目を背けていた問題をもう一度、明らかにしたという好評を得ました。
男だらけのチーム「D.P.」(笑)みんなで円陣を組んでお祝い!

審査過程:全会一致でスムーズに決まった。2、3次審査でも一様に支持された。ジャンル的面白さとメッセージ、演技、作品の質感もすべて良かった。

そうそう、まさに「D.P.−脱走兵追跡官−」は、すべてのバランスが素晴らしく、完成度が高かった…!

審査員コメント:業界の人たちの間でも、「どうしたらあんなに原作をよく脚色できるのか?」「どうしてあんなに演技が素晴らしいのか?」という反応だった。原作者が脚本を書いた。それ自体も凄いが、完成度の面でとても素晴らしかった作品。
作品性という観点では、「D.P.−脱走兵追跡官−」が韓国国内では圧倒的な評価を受けたということが、こういったコメントからも伝わるのではないでしょうか。

そして、脚本について。そうなんです、「D.P.−脱走兵追跡官−」は、ウェブトゥーン原作でありながら原作者が脚本を書いたので、キム・ホドン作家は、脚本賞にノミネートされても良かったのでは?とも思います。

壇上に上がったのは、制作会社の関係者と監督。

まずは、クライマックススタジオのビョン代表。「地獄が呼んでいる」も制作し、Netflixオリジナル作品では最近注目の会社。

受賞コメント:まずこの作品に参加してくださった俳優の方々、スタッフの方々。それからこの作品に投資してくださったNetflix関係者の方々。いつも応援してくれる会社の社員たち。家族たち。感謝を申し上げたいと思います。

子供の頃から、この賞をすごく獲りたかったんです。でも「なぜ、作品賞を制作者がもらうのか?」がいつも不思議でした。私の考えでは、作品の始まりと終わりに責任を持たなければならないのが制作者なので、もっと頑張れ、次またやってみろ、という激励の意味で賞をいただくのだと思います。

しかし、今日の朝、その考えが少し変わったんです。最後まで作品に残っている人は、制作者ではなく俳優ではないかと。作品の中のキャラクターとして生きながら、観客の皆さんとも向き合う。俳優はそんな存在ではないかと思ったんです。なので、この場を借りて、2人の俳優の感謝を申し上げたいのです。

ソン・ソックも会場に居たらよかったなあ…(多分、海外ロケ中…)

まず、多くの俳優の方がいらっしゃいますが、「D.P.−脱走兵追跡官−」という作品の”顔”になってくださった、チョン・ヘインさん。

手を合わせて深くお辞儀をする、チョン・ヘイン…!

どれだけ多くの悩みと、深い情熱があったか…すべてのことを想像することはできませんが、作品の顔になってくださって本当にありがとうございます。

いや〜、そうだよね〜。。結果うまく良かったから良かったけど、チョン・ヘインという俳優が、この作品の主演を選択するのは、簡単な決断ではなかったはず!

そして、2人目としては、この授賞式の前日に脳出血で自宅で倒れて、意識不明状態にあったカン・スヨンさんについてコメントしました。

先日、一緒に撮影を終えたところだったんです。今、深くて暗いところに一人でいらっしゃるようです。多分、私が重たい雰囲気で申し上げることをご本人は望まないでしょう。ここにいらっしゃるすべての方、放送をご覧になっているすべての方が、少しでも拍手しながら応援してほしいです。

今年のテーマが、「再び会う」ですよね。来年の春には、先輩と一緒にこの場に居られたらと思います。

ちなみに、残念ながら授賞式翌日の7日に、カン・スヨンさんは帰らぬ人となってしまいました。

続いて、ハン・ジュニ監督がコメント。
受賞コメント:「俳優やスタッフのみなさんがいらっしゃらなければ、演出者というのは何の意味もない」と教わりました。しかしながら、そんな演出者がこんな場に立てていることを感謝します。(俳優や関係者にお礼を言った後…)そして、特にキム・ホドン作家には、お礼を申し上げます。
「D.P.−脱走兵追跡官−」シーズン2が、今月から撮影を開始します。元気に、誰も怪我すること無く、良い作品を作ろうと思います。ありがとうございます。

受賞コメント動画はこちら

大賞

そしていよいよ、TV部門大賞の発表…!

改めておさらいしておくと…

「TV部門大賞」というのは、TV部門に含まれるドラマ、芸能、教養番組すべての中での大賞を選ぶものであり、必ずしもドラマが選ばれるとは限りません。

また「大賞ノミネート」というのがあるわけではなく、各賞でノミネートされている作品の中から、作品だけではなく、俳優、監督、脚本家個人が選ばれることもあるため、非常に予測が難しい賞でもあります。

結果は…

「イカゲーム」が受賞!(予想ハズレ!)

私は、「イカゲーム」のファン・ドンヒョク監督個人が受賞すると予想したのですが、作品全体での授賞となりました。

授賞理由:熾烈な競争に陥った現代社会の問題を、命をかけたサバイバルゲームに参加した多様なキャラクターたちのストーリーを通じてリアルに描き、グローバル視聴者たちを魅了させました。
審査過程:2次審査時点でいち早く決定した。大賞として候補に上がったのは「イカゲーム」だけで全会一致で決定。百想芸術大賞で動画配信サービスの作品が大賞を受賞するのは今回が初めて。
審査員コメント:「イカゲーム」はそれ自体で象徴性のある作品だ。審査基準を超えた成功を成し遂げ、私たちの時代であることを示した驚くべき作品だ。大賞を与えるしかない。外すわけにはいかない作品だと思う。監督の演出が素晴らしかっただけでなく、美術も音楽も、全体的なテーマやストーリーも卓越していた。大賞にふさわしい作品。

確かに…こう言われてみると、監督だけに賞を与えるだけでは不十分ですね。

私はどちらかというと、「イカゲーム」に「作品」として賞を与えるのに違和感があり、監督個人と予想したのですが、「イカゲーム」チームに賞を与えるという意味で考えると、納得がいきます。

壇上に上がったとき、イ・ジョンジェがまず、ユ・ジェソクに駆け寄って抱き合っていたのが印象的でした(「ユークイズ」でも仲良さそうだった二人!)

そして、こちらが先ほど監督が演出賞でも言及した、「イカゲーム」の制作会社、サイロンピクチャーズの代表、キム・ジヨン氏のようです。(若い!)

受賞コメント:賞をくださった百想の関係者の方に、感謝申し上げます。9月に「イカゲーム」が公開された後に、韓国語で作られたコンテンツが全世界を駆け巡りながら、たくさんの反応が湧き上がるのを見ること自体が、とても光栄だったし、楽しい経験でした。

私たち誰でも、そしてすべてのものが、「世界に出ていけるんだ」という自信を得ました。「イカゲーム」を観て、すべてのコンテンツ関係者の方々、文化芸術の関係者の方々が、多くの希望と勇気を得てほしいと思います。

イ・ユミは、「イカゲーム」ではノミネートされていないからか、一緒に壇上には上がらず客席から見守り

Netflix関係者の方々、そしてすべての俳優、スタッフの皆さんに心から感謝申し上げます。特に、001番オ・ヨンス先輩から、456番イ・ジョンジェ先輩まで、一丸となってくださって、今日のような良い結果が出たのだと思います。

こういう作品愛に溢れたコメント最高〜!(会社の代表となると、日本だと畏まったコメントになりがちな気がする…)

今日のチョン・ホヨンは、今までのイメージと違って、ずっとラブリーなんだけど(笑)こちらが素なのかな?

続いてコメントしたのは、Netflix韓国コンテンツ総括のカン・ドンハン氏。

全世界の大衆文化の中心に、韓国をそびえ立たせてくれた「イカゲーム」というとんでもない作品を作ってくださった、ファン・ドンヒョク監督。キム・ジヨン代表、すべての俳優たち。裏方の見えないところで働いているスタッフの方々、本当にありがとうございます。

全世界に、誇らしい韓国映画、韓国コンテンツ、TV、芸能を届けるために、後ろで孤軍奮闘するNetflixKoreaの職員のみなさん、ありがとうございます。

そして、この方も最後に、カン・スヨンさんの回復を祈ってコメントを締めくくりました。

受賞コメント動画はこちら

受賞結果一覧

ということで、2022年の百想芸術大賞のTV部門、ドラマ関連の賞の結果と受賞理由・コメントを紹介しました!
◎は予想が的中した賞。

○TV部門大賞「イカゲーム」
◎作品賞「D.P.−脱走兵追跡官−」
◎脚本賞「未成年裁判」
○演出賞ファン・ドンヒョク
「イカゲーム」
○芸術賞チョン・ジェイル
「イカゲーム」音楽
○最優秀演技賞(男性)イ・ジュノ
「赤い袖先」
○最優秀演技賞(女性)キム・テリ
「二十五、二十一」
○助演賞(男性)チョ・ヒョンチョル
「D.P.−脱走兵追跡官−」
◎助演賞(女性)キム・シンロク
「地獄が呼んでいる」
◎新人賞(男性)ク・ギョファン
「D.P.−脱走兵追跡官−」
○新人賞(女性)キム・へジュン
「調査官ク・ギョンイ」
TikTok人気賞イ・ジュノ、キム・テリ

今年は11部門予想して、4部門的中。的中率は36%と下がってしまいましたが…(悔しい!)最後の2択までは大体合ってたので、結果については大きな違和感はありません。

やはり、作品としては「D.P.−脱走兵追跡官−」が強かったこと。その上で、「イカゲーム」の歴史的快挙はしっかりと評価。そして、それらを含めて、本当にOTT(動画配信サービス)特にNetflixオリジナル作品が圧倒的だったということがよく現れていたと思います。

今年の結果から感じたこと

最後に、今年の結果から感じたこと2点をまとめてみたいと思います。

①審査基準のポイントと新しい変化

1つ目は、審査基準について。

まず私が、毎年、受賞理由を翻訳しながら感じていることは、百想芸術大賞は「芸術大賞」と言いながらも、視聴者の反応(*)もとても重視しているということです。

*ただしそれは、イコール視聴率の高さではなく、視聴者の感動の深さや話題性など、様々な指標で視聴者の反応を分析。

専門家たちが選ぶ「芸術大賞」と言われると、なんだか素人にはわからない基準で選んでそうですよね。(世界の映画祭の受賞作品が、理解できないことも多い、あの感じ…笑)

でも、やはり視聴者の反響や、評価ポイントをしっかり踏まえた結果になっているというのが、視聴者の批評文化の中で成長してきた韓国コンテンツの授賞式らしい部分だなと思います。

きっと、この部分は、これから評価基準自体が変わっても、変わらない部分でしょう。

一方で、冒頭に「時代の流れに合わせて、審査基準を見直している」ということをお伝えしましたが、今回の結果を見て、まさに基準が少しずつ変わってきていることを感じました。

特にそれを感じたのは、最優秀演技賞の結果。なかでも、最優秀演技賞(女性)については、韓国でも多くの視聴者がキム・ヘスが受賞すると予想していました。

ここで私は「良い演技とは何か?」という基準自体も少しずつ変わってきているのかもしれないと思いました。

前提として、私はキム・テリという俳優が大好きだし、今回でなくても、最優秀演技賞を受賞できるほどの演技の才能を持っている俳優だと思っています。

ただ、「二十五、二十一」のヒドという役柄がここまで愛されたのは、キム・テリの「演技」だけではなく、本人自身の魅力とキャラクターのシンクロ率が高かったことも大きかったと感じています。

そういう意味では、このキャラクターを描いた脚本家や、この役をキム・テリに任せたプロデューサーも評価されるべきかもしれません。

実は、最近、視聴者が深くハマるドラマでは、この「本人の魅力を生かしたキャスティング」が功を奏しているケースが少なくありません。

「海街チャチャチャ」や「その年、私たちは」などがその例で、テーマとキャスティングを聞いた時点で、「これはハマりそう」と予想ができ、実際にも、演技でありながらも本人自身の魅力が溢れ出ているようなキャラクターに、私達は深くハマってしまうのです。

なので、最近は百想芸術大賞に「企画賞」または「プロデューサー賞」が新設されるべきではないか?と思うばかり…。

しかし、いくら俳優本人に合った役柄だったとしても、俳優が脚本家が設定したキャラクターを深く理解し、さらに自分なりのカラーで設定以上に魅力的に表現しなければ、視聴者に感動を与えることはできません。

キム・テリの場合、このキャラクターに対する深い理解度と、それを「他の人ではこんな魅力的に演じられない」という、自分のカラーで表現したことが評価されたのでしょう。

それを作り上げたのが、100%「演技」ではなく、キム・テリ本人の人としての魅力による部分も大きいとしても、それも含めて俳優の魅力であり、演技力であると評価したのだと思います。

だからこそ、他人の評価よりも自己評価がとても厳しく、今回の演技についても「まだまだ足りなかった」と感じているキム・テリ本人にとっても、嬉しい「想定外」の結果になったのでしょう。

この点が、「演技の凄み」に重点が置かれていたこれまでとは、基準が少し変わってきているのかもしれないと感じました。

キム・ヘスの迫力の演技も本当に凄かったけど…!

なお、審査にあたっては、キム・テリが人気賞を受賞したこと=グローバルレベルで視聴者に支持されたことも、少なからず影響したと思われます。

「視聴者の反応も重視する」というこれまでの流れに加え、今後はやはり「世界の視聴者にどれだけ支持されたか?」という点についても、審査基準において重要性が増していくことでしょう。

②新しい才能がどんどん活躍できる環境

授賞式では、俳優や監督はもちろん、普段なかなか表に出ることのない制作会社の代表や、スタッフの方々、今回はNetflixの統括まで舞台に上がりました。

その顔ぶれを見ながら、私が思ったのは、やはり女性が多いことと、比較的若い(若そうな)人がとても多いということ…!

もちろん、実年齢はわかりませんが、制作会社の代表といっても、いわゆる「おじさん」みたいな人が、ほとんど居なかった(笑)

これって、「日本の制作現場とは、結構違うんじゃないかな?」と思うのです。

演技初挑戦の俳優がノミネートされたり、デビュー作で脚本賞を獲る脚本家がいたり。

それだけではなく、監督をはじめとする現場のスタッフたちも、とにかく若手が多いし、もはや「女性監督が〜」と敢えて言わなくても良いぐらい、どんなポジションでも性別に関係なく活躍できる環境があることがわかります。

韓国ドラマがこれだけ成功している理由は、国策だから〜とか、ビジネス戦略がすごい〜とか、そういうことではない。

まさにこういった「新しい才能がどんどん生まれて活躍できる環境」にあるということを、書籍でも熱く語っているので、ぜひお読みいただけると嬉しいです…!

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今年の百想芸術大賞は、動画配信サービスのオリジナル作品や、ウェブトゥーン原作の台頭。そして、よりグローバルも意識した評価基準へのアップデートなど、ここ数年の中でも最も「変化」を感じた授賞式でした。

しかし毎年、こうやって勝手に予想して、勝手に分析して盛り上がるだけでも、本当に楽しいですね…!(笑)

来年、2023年の授賞式も、めいいっぱい楽しめるように、ここから1年、また全力で韓国ドラマをディープに掘り下げていたいと思います。

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