【映画レビュー】海外映画祭で話題!「ミナリ」韓国公開:あらすじ・キャスト・感想

韓国ソウル在住
ブロガーMisa
映画「ミナリ」を韓国公開初日に観てきました!これから日本で観る方向けに、あらすじ・キャスト・感想をネタバレなしで紹介します。

映画「ミナリ」とは?

2021年3月3日から韓国で劇場公開となった映画「ミナリ」。公開初日に早速、劇場で観てきました!

この作品は、韓国系米国人であるリー・アイザック・チョン監督が、自身の体験をもとに、1980年代にアメリカン・ドリームを夢見て米国に移住した韓国人一家を描いた物語。

公開前から、海外の映画祭で高い評価を得ていると話題だった作品。

まず最初に話題だったのは、ポスターにも登場しない人物であるにも関わらず、祖母役を演じたユン・ヨジョンさんの演技が、海外で絶賛されているということ。

もちろん、韓国では知らない人のいないベテラン女優のユン・ヨジョンさんですが、この作品でアメリカの映画賞ですでに22冠を獲得。

アカデミー賞の助演女優賞にもノミネートされる可能性が高いと言われています。受賞すると、64年ぶり2人目のアジア人女優の受賞になるとのことです。(1人目は、1957年、ナンシー梅木という日本人女優だったとか。)

そして、作品自体も先日、ゴールデングローブ賞で昨年の「パラサイト」に続いて外国語映画賞を受賞。

韓国での公開に続いて、日本でも2021年3月19日からの劇場公開が決定しています。

ということで、何だか昨年の「パラサイト」の快挙を彷彿とさせるような盛り上がりで、なんとなく「パラサイト」を観たときの面白さを期待してしまう人が多いと思うのですが、

実際に観てきて、まず皆さんにお伝えしたいことは…

この作品、映画としては「パラサイト」とはぜんぜん違うタイプのものです!

どちらかというと感性的で、穏やかな独立映画的作品なので、「パラサイト」のようなストーリー展開を期待するとガッカリしてしまうかも。決して大衆向けではなく、好みが分かれるタイプの作品と言えます。

今日は、これから観る方に向けて、ネタバレなしで作品の概要を紹介していきたいと思います。

「ミナリ」あらすじ・キャスト

舞台は1980年代のアメリカ。韓国からアメリカに渡り、カリフォルニア州に住んでいたジェイコブ一家は、新たな生活を求めてアーカンソー州の広い土地にやってきます。

トレーラーで生活して節約しながら、広大な土地を活用して、農業で成功する夢を抱く父親のジェイコブ。

ジェイコブ役を演じるのは、自身も韓国系アメリカ人のスティーヴン・ユァン。「ウォーキング・デッド」に出演していることで知られる俳優さんです。

ちなみに、本編は基本韓国語ですが、ご本人はアメリカの生活が長いということで韓国語の発音には苦労したそう(全然そうは見えませんでしたが!)

母親のモニカ役を演じたのは、ハン・エリ。ドラマ「家族です」「青春時代」や映画にも多数出演する女優さん。

なお、ハン・エリよりも、ユン・ヨジョンよりも、目を奪われてしまったのが、実は子役の演技!!

二人とも、韓国語に加え、ネイティブ並みの英語を話す姿に、子役まで役者の層が厚い韓国俳優の世界においても、さすがに「よくこんな子役見つけられたな」と思いました。

というか、姉役のネイル・ケイト・チョーちゃんはワシントン育ちで、弟役アラン・キムくんは、生まれ育ちは公開されていませんが、名前からしても海外育ち・海外国籍のよう。

特に演技力が際立った、アラン・キムくんは、なんと本作がデビュー作とのこと。いや〜、この子はヤバい(笑)

別バーションのポスターでもメインになるほど、この作品で際立った演技を見せたアラン・キムくん。

そして、そんな家族のもとにやってくる、モニカの母親であるおばあさん、スンジャをユン・ヨジョンさんが演じます。

ユン・ヨジョンさんとアラン・キムくんの掛け合いのシーンがこのドラマの一番の見どころとも言えるでしょう。

ということで、移民家族が、アメリカで成功を夢見て、悪戦苦闘する様子が中心に描かれる物語。

なお、タイトルの「ミナリ(미나리)」というのは、韓国語で野菜の「セリ」の意味。

どんな環境でもたくましくよく育つ「セリ」が映画の中でも実際に登場しながら、この作品の中で重要なモチーフとなっています。

監督は、この単語にこだわりがあったようで、英語タイトルもそのままMINARIとし、邦題も「ミナリ」となりました。

「ミナリ」ユン・ヨジョンさんの演技

さて、この作品で、破天荒なおばあさん役を演じて、海外で絶賛されたというユン・ヨジョンさんの演技。

ただ、実際観てみると、この点については「海外の観客と韓国の観客では、感じ方が違うのでは?」という印象を持ちました。

まず、「破天荒」と表現されているおばあさんのキャラクターは、韓国のハルモニ(おばあさん)にはあるあるな感じで「破天荒」とまでは感じませんでした。(もっとぶっ飛んでるハルモニ、たくさんいる…笑)

そして、前半は特に、演技というより半分ぐらい、素のユン・ヨジョンさんという感じも。

特に今、韓国ではユン・ヨジョンさんが出演するバラエティ番組「ユンステイ」を毎週放送しているので、そう思うのかも。

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何より、演技が特別に取り上げられて絶賛されるほど、演技の見せ場がなかったかなという印象。

もちろん、ユン・ヨジョンさんの演技や佇まいは素晴らしいのですが、なにもこの作品のこの役だけ特別に取り上げなくても、もっともっと凄いんだけどな、とファンとしては思ってしまいました。

ただ、このアメリカを舞台とした作品を通じて、韓国のハルモニの明るさ、温かさ、たくましさと、ユン・ヨジョンさんという大女優の素晴らしさが、海外の、特にアメリカの観客に伝わったのは嬉しい限り。

ちなみに、ユン・ヨジョンさんはアメリカに10年住んでいたこともあり、冗談が言えるほど英語が流暢。こちらのインタビューでも英語で笑いを取っています。(9:45ごろから)

今回の映画では、「韓国からやってきたおばあさん」という設定なので、英語と韓国語を織り交ぜながら話す孫たちに比べて、英語が下手だという役どころ。
ただ、特にユーモアあふれるシーンはアドリブも多かったといい、撮影にあたっては、ユン・ヨジョンさんの英語力とジョークの感覚がとても役に立ったのではないかと思います。
そういう意味では、ベテラン女優としての演技力はもちろん、アメリカの感覚も理解しているユン・ヨジョンさんだから演じられた役だったと言えるのかもしれません。

「ミナリ」韓国での評判

「ミナリ」の韓国での評判については、まだ今日公開されたばかりなので、あまりネット上にも情報がないのですが、一番多い感想としてはやはり「イメージしたのとは違った」というもの。

冒頭に書いたとおり、やはりどうしても「パラサイト」をイメージして観に行く人が多いようで、「イメージとは違った」としながら、結果的には「穏やかで良い映画だった」とする人と、「物足りなかった」という人に評価がわかれています。

私も、この作品は、海外で絶賛されたのに比べて、韓国人には物足りないのではないかな?というのが率直な感想。

また、公開初日の今日はレビューが多くないので、もう少し時間が経ってから、追加で韓国の観客たちの反応をまとめてみたいと思います。

なお、この映画のレビューで興味深いのが、「非常に韓国的であり、普遍的でもある」という評価。

「パラサイト」のポン・ジュノ監督もこの作品を「美しく普遍的」と表現したそうですが、これって「パラサイト」と共通する部分。
「非常にローカルで、パーソナルなものが、実は世界でウケる」というのが最近の傾向のよう。

「パラサイト」で、韓国人にしかわからないネタ(ジャパゲティや台湾カステラなど)がたくさん登場したように、「ミナリ」にも韓国人がクスッと笑ってしまうようなネタが沢山含まれています。

それでいて、家族愛や、夢と現実のギャップ、異国の地で生きていく大変さなど、海外の観客にも共感されるテーマが中心に置かれています。

そして今回は「移民」「アメリカンドリーム」という内容が、特にアメリカで好まれた要因だったのではないかと思います。
*そもそも、この映画は全編基本的には韓国語ですが、監督・スタッフともにアメリカ人であり、アメリカ映画という位置づけ

ただ、「パラサイト」との大きな違いは、やはり大衆性の部分。

そういう意味で、映画祭の評価と大衆の評価を両方を獲得した「パラサイト」と比べると、「ミナリ」は、映画祭(特にアメリカ)で評価される作品にとどまるのではないかと思いました。

ということで、個人的なオススメ度はこちらです。

オススメ度:★★★☆☆(2.5点/5点)

「ミナリ」日本公開についての情報

「ミナリ」の日本公開は、2021年3月19日から。公式HPはこちらです。
予告編も紹介しておきます。

まとめ

ということで、映画「ミナリ」について、あらすじ・キャスト・感想などをご紹介しました。
好みが分かれる作品なので、私とは違う感想をもたれる方もたくさんいると思います。

間もなく行われる2021年のアカデミー賞には、ノミネートされるのか、どのような結果になるのか、楽しみに待ちたいと思います。

미나리(セリ)(邦題:ミナリ/英題:MINARI)
・韓国公開日:2021年03月03日
・上映時間:115分
・日本公開:2021年03月19日
・監督:リー・アイザック・チョン
*写真はNAVERからお借りしました。

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