「スタートアップ:夢の扉」序盤視聴感想・韓国視聴率・あらすじ・みどころ

ソウル在住
ブロガーMisa
Netflixで日韓ほぼ同時放送中の、ペ・スジ、ナム・ジュヒョク主演の「スタートアップ:夢の扉」について、10話放送終了時点でのあらすじ・みどころ・韓国視聴率・感想などをご紹介します。

「スタートアップ:夢の扉」はこんな作品!

「スタートアップ:夢の扉」は、個人的に今クール最も期待していた作品の一つ。というのも、「ドリームハイ」「君の声が聞こえる」「ピノキオ」などのヒット作を手がけたベテラン、パク・ヘリョン作家の最新作だからです。

ITのスタートアップ企業が韓国版シリコンバレーで成功を目指す、若者たちのストーリーということで、「ドリームハイ」など、夢を追いかける少女を演じさせたら右に出る者がいないペ・スジと、

韓国でも「眩しくて」で注目され、私もそのフレッシュさにハマってしまったナム・ジュヒョク。

ちなみにナム・ジュニョク演じるのは、ITエンジニア。私自身、エンジニアではないものの、日本で10年以上IT業界でエンジニアたちと一緒に働いてきて、現在も韓国のエンジニアと接する機会が多いので、今回のドラマはなんだかこそばゆい気分でみているところもあります(笑)
最近の韓国ドラマは、毎回取り扱うテーマごとにその分野の専門家・実際にその職業で働く人たちを丁寧に取材したり、脚本チームに加えてディテールまでリアルに演出するのが主流です。
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エンジニアのものの考え方を踏まえたセリフや、使っているキーボードの特徴。ノートパソコンにはステッカーがたくさん張ってあったりと「細かく取材してるな~」感じる演出が多々あります。
「いつもチェックのシャツかパーカー」といった、多少ステレオタイプすぎる演出もあるのですが、ポイントは外してないと思います。
「愛の不時着」を見た脱北者や、「賢い医師生活」を見た医者の先生たちがYouTubeで「よく取材している・リアルだ」と言っていたのはこんな感じだったのか(よく取材してると思いつつ、どこかこそばゆい感じw)と思いながら見ています(笑)

「スタートアップ:夢の扉」注目のキャスト・あらすじ

「スタートアップ:夢の扉」はとにかくキャストがフレッシュで旬な俳優がたくさん出演しているのが大きな魅力。

ペ・スジは、元々missAというグループのメンバーですが、2011年の「ドリームハイ」の初主演でヒットを記録し、現在は主役級の女優として様々なドラマで活躍しています。ただ、まだ26歳なんですね!(昔から見ているので、不思議な感じ)

パク・ヘリョン作家の作品としては、「ドリームハイ」「あなたが眠っている間に」に続き、三度目の出演です。

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一方、ナム・ドサンを演じるナム・ジュヒョクは、スジと同じ年の26歳。2013年にモデルとしてデビューし、ドラマデビューは2014年。業界歴で言うとスジのほうが先輩で、主役として注目されたのも2019年の「まぶしくて」あたりからなので、まだまだ主演俳優としてはこれからという感じです。

いや~しかし、ナム・ジュヒョクのフレッシュさというか、旬な輝きから目が離せないのは私だけでしょうか…(笑)

笑顔の輝きがスゴイ(笑)

最近では、Netflix限定配信作品の「保健室のアン・ウニョン先生」でも話題になりました。

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そして、実は韓国では、ナム・ジュヒョクより人気が高いのではと思われる、三角関係となるハン・ジピョン役のキム・ソンホ。

これは、キャラクターの描かれ方によるものもあると思いますが、韓国では2009年に演劇でデビューし、主役の二人より先輩。(年齢も35歳)そして、最近ではバラエティにも出演していることで、人気が高まっている俳優さんです。

そしてダルミのおばあさんとしては、大ベテランのキム・ヘスクさん。「賢い医師生活」以来の出演。

ダルミの姉役のインジェを演じるのは、カン・ハンナさん。「知ってるワイフ」にも出てましたが、今回は髪を短く切ってイメチェン!

また、ドサンのエンジニア仲間としては、「愛の不時着」で韓流大好きジュモクを演じたユ・スビンも出演。今回もいい味出してます…!(今回はラブも見られる…!?)

あと、子役もとても豪華。ドサンの子ども時代を演じるのは、「椿の花咲く頃」のピルグ役のキム・ガンフンくん。

最近一気に背が伸びて、声変わりもしつつあるガンフンくん…!

ジピョンの子ども時代を演じるのは、パク・ヘリョン作家の「ピノキオ」「あなたが眠っている間に」両方でイ・ジョンソクの子ども時代を演じたナム・ダルムくん。最近では、チョン・へインの「半分の半分」にも出演していましたね。

韓国ドラマ歴の長い方には、おなじみの子役で「大きくなったな~」と母心で観た方も多いのではないでしょうか。

ということで、若手を中心にフレッシュで、好き嫌いの分かれる俳優があまりおらず、韓国ドラマ歴の長い方にも気になるキャストがたくさんいるのも見どころの一つではないかと思います。

「サイコだけど大丈夫」のキム・ジュホンさんまで…!

この作品は、あまりあらすじを事前に細かく言わないほうが良いと思うので、あらすじについてはこちらの予告編をご覧ください。

「スタートアップ:夢の扉」はこんな人にオススメ!

現在、10話まで見終わった時点で「スタートアップ:夢の扉」の作品のポイントをまとめてみると…

「スタートアップ:夢の扉」のポイント
大企業の人気が高い韓国では珍しく、スタートアップ企業に注目した新鮮なテーマ設定
キャストの顔ぶれがフレッシュで、助演の演技も安定感あり
若者のサクセスストーリーなので、観てて応援したくなる
ベテラン作家ならではの伏線や脚本の安定感がある
作品としては、ラブストーリーと成功物語が半々ぐらいの割合。キャストも若手で好感度の高い役者揃い・設定もイマドキということで、クセが無く幅広い層に受け入れられるタイプの作品ではないかと思います。
また、パク・ヘリョン作家「君の声が聞こえる」「あなたが眠っている間に」「ピノキオ」あたりが好きな方には、今回の非常にパク・ヘリョン作家らしい作風&キャストのカブリやカメオ出演もあるので必見。
脚本自体は安定感があり、韓国ドラマ歴が長い方にも、比較的評価される作品かと思います。

ただ、要注意なのは、韓国ドラマ歴が浅い方の中で、成功物語だからと言って「梨泰院クラス」的な感じを期待すると、ちょっと違うと思います。「梨泰院クラス」ほど成功物語に振り切っておらず、若干ラブ要素が多めです。

また、何より「梨泰院クラス」とは男性キャラクターの描かれ方が全然違います。(脚本家が男性か女性かの違いも大きいです。)
女性目線メインの成功物語+ラブストーリーなので、「ラブストーリーはあんまり見ないけど『梨泰院クラス』はハマった」という方より、「『梨泰院クラス』も好きだったけど『愛の不時着』も好き」ぐらいの方が楽しめる作品なのではないかと思います。

「スタートアップ:夢の扉」韓国での視聴率

「スタートアップ:夢の扉」の韓国での10話までの視聴率を振り返ってみます。

ケーブル局のtvNなので、10%を超えるとヒット水準。初回4.5%というのは、同時間帯の過去作「愛の不時着」6.1%、「サイコだけど大丈夫」6.1%、「秘密の森2」7.6%と比べるとやや低水準。

5話ぐらいから盛り上がったので「そのまま右から上がりで視聴率が上がるかな!?」と思ったのですが、意外と視聴率が伸び悩んでいます。

Netflix配信作品なので、Netflixで視聴している層も含めると実際の視聴率はもう少し高いと思いますが(現時点で韓国のNetflixランキングでは1位)、この視聴率の変動自体は、韓国視聴者の反応・評価をそのまま反映しているなと思います。

まず、初回の視聴率が、他の人気作品と比べて低いのは、主演の2人がまだ若手であること。

そして、1話は、日本では「感動した!」という声も多かったのですが、私も含め「スタートアップ企業」というテーマの斬新さに期待した韓国視聴者層からすると、過去の話が中心でありがちな展開だったので、期待していたイメージとはちょっと違い、賛否が分かれました。

成功物語としての展開が盛り上がった5話で、視聴率がグッと上がったのですが…

その後、再び視聴率が低迷している理由を私はこう分析しています。

韓国視聴者は、作品の斬新さを期待しているので、成功物語にフォーカスするほうが盛り上がるのですが、5話以降、成功物語よりも結局、恋愛比率が高めという点。

成功物語とラブストーリーどちらも楽しめるという意味では、ターゲットが広くて良いのですが、スタートアップという斬新な素材を使っているにもかかわらず、意外とそこに振り切れていないことで、コアにハマるファンが生まれにくく、大ヒットには至っていないのです。

斬新な素材を持ってきてるのに、そこを活かしきれず「結局、恋愛メインかよ…」というのは、今の韓国視聴者が一番嫌う展開。

また、ラブストーリー部分は、パク・ヘリョン作家あるあるの展開が多い事なども指摘されています。

ただ、これはパク・ヘリョン作家の過去作品を観たことがない方や、もともとラブストーリー作品が好きな方は、あまり気にならないかもしれません。あくまでこれまでたくさんの作品を観てきた厳しすぎる韓国視聴者の反応、ということで参考にしてもらえればと思います。

「スタートアップ:夢の扉」どっちが主役!?論争

もう一つ、韓国視聴者の間で1話からしきりに言われていることが、ナム・ジュヒョク演じるドサンより、キム・ソンホ演じるジピョンの方が主役ではないのか?!ということ。

俳優としてキム・ソンホのほうがベテランというのもありますが、私も、確かにキャラクターがストーリーに与える影響度合いや魅力度が、ドサンよりジピョンのほうが上に感じます。

どうしても、ジピョンのほうがお金も地位もあるし、ストーリーへの影響度が高いため、ただでさえ男性主人公ぽくないITエンジニアという設定のドサンの存在感が薄れてしまうんですよね…。

私も、ナム・ジュヒョクに注目して見はじめたのですが、現時点では、キャラクターとしてはジピョンの方が魅力的だなと思います。

ヒット作においては、「女性視聴者が皆、男性主人公に夢中になる」ということも大事な要素ですが、ジピョンの人気が高いのにラブラインはドサンがメインというところで、視聴者側で爆発的なファンパワーが生まれにくいのも視聴率が上がりにくい一因だと言えるでしょう。

後半盛り上がれるかどうかは、成功物語の部分にいかにフォーカスできるか?と、ドサンをどれだけ魅力的に描けるか?ということにかかっていると言えるでしょう。

10話では、ナム・ジュヒョクの演技力も評価されていたので、後半のドサンの活躍に期待…!

ちなみに、韓国の友人達によると、ナム・ジュヒョクは演技が最初から上手というよりは「最近、だいぶ上手くなったね」という感じなんだそうです。

韓国TVドラマ(2020/10/20発売)


「スタートアップ:夢の扉」個人的な感想

※ここからは、あくまで個人的な感想です。辛口も含まれますので、観たくない方は飛ばしてください。

こっから辛口だよ~と言いながら、ここまでもだいぶ辛口多めでしたが(すいません 笑)、大好きなパク・ヘリョン作家の作品ということで、めちゃくちゃ期待値が高かったのに比べると、そこまでハマれていないのが正直な感想。

ある意味、とてもパク・ヘリョン作家らしい作品なのですが、ここ1年ぐらいで、若手脚本家の斬新な作品に慣れてしまったので、ベテラン作家の脚本の展開は、あるあるだな~と感じてしまうという、私自身のドラマの見る視点が変わったのが大きいと思います。

大好きな「ピノキオ」と被るキャストや、似たような演出が随所に見受けられて嬉しい反面、せっかくこの素材なら、もっと今までの作品にはない感じに振り切ってほしかったな~という気もします。

ただ、パク・ヘリョン作家の作品は、ファンタジー要素や初恋とのつながりなど、いかにもドラマ的な要素が中心にありながらも、意外と現実的で、骨太なメッセージ性が込められたセリフや展開が魅力。その魅力は今回も端々に見受けられるので、ここから後半の展開を期待しています…!

なお、ベテラン制作陣らしく、印象的なロケ地、映像の美しさはさすがだな~という感じ。(「ピノキオ」を思い出します…)

私も行こうと思っているロケ地が多いので、このあたりは別の記事で書きたいと思います。

「スタートアップ:夢の扉」ロケ地

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ということで、色々と辛口も書きましたが、日本では思った以上に評価が高いようなので、韓国視聴者が引っ掛かっている部分は、日本の視聴者には気にならない部分も多いかもしれません。

見やすい作品なので、気になった方は、まずは1話見てみてください!

まとめ

というわけで、「スタートアップ:夢の扉」の韓国での評判・視聴率・序盤感想などをご紹介しました。
これから観る方、視聴途中の方に参考になれば嬉しいです。

「スタートアップ:夢の扉(스타트업)」
tvN 土・日ドラマ 21:00~
公式HP
*ドラマの写真はtvNのHPからお借りしました。

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