韓ドラ歴16年の私が感銘を受けた韓国ドラマ10選!

ソウル在住
ブロガーMisa
韓国ドラマ歴16年の私が、これまで観た中で感銘を受けた韓国ドラマ10作品を紹介します。また、この16年でどのように韓国ドラマが進化したのか、最新の韓国ドラマのトレンドは何か、についても解説します。

私はこれまで、人に韓国ドラマをお勧めする時には、「自分の好きな作品」より「相手の好みにあった作品」をオススメしてました。

しかし、最近は「Misaさんの好きな作品は何ですか?」と質問をいだくこともあり、今日は純粋に「私が感銘を受けたドラマ」を紹介してみたいと思います。

しかし、いきなり「これが私が好きな10作品です」と紹介しても、観る人にとって、それが合うのか合わないのか判断する基準が無いと思うので、最初に簡単に「私自身がどんな韓国ドラマを面白いと思うタイプの人なのか?」ということについて簡単にお話ししようと思います。

進化しつづける韓国ドラマ

私が人生で初めて韓国ドラマを観たのは、2004年第一次韓流ブームの時。当時テレビ制作の仕事に携わっていたため、仕事上で必要になり「天国の階段」を見たのが最初でした。

それから16年。日本では、今回の再ブームが起こるまで、韓国ドラマと言えば、「冬のソナタ」のような純愛で、すぐ交通事故や出生の秘密が絡んでくる、といった固定化されたイメージで語られることが多かったですが、実は、日本での固定化されたイメージとは全く違い、韓国ドラマはこの16年の間に大きく進化してきました。

私も、観始めてから10年ぐらいの間は、どちらかというと、ラブコメ・サスペンスなどの作品を中心に、非日常的な(ドラマ)的な展開にキュンキュンしたり、ハラハラしたり…そんな感じで韓国ドラマを楽しみ、日常のストレスを発散していたように思います。

しかし、2011年頃、韓国でケーブルTV局が誕生し、視聴者層や視聴方法が変化したことで、韓国ドラマは大きな転換期を迎えます。

韓国ドラマの内容は一気に多様化し、それまで主流だったラブストーリーや家族モノではない、新たな魅力を持った作品が多く作られるようになりました。

特に、全く恋愛要素の無い「ミセン」が韓国で大ヒットした2014年頃から、ケーブル局のドラマが一気に開花し始めます。


*出典『ミセン』tvN/HPより

しかし、逆にこの頃日本では、地上波やBSでの韓国ドラマの放送が次々と終了したタイミングだったため、韓国ドラマがさらに面白くなってきたこの辺りの変化が、日本ではあまり伝わらないままになってしまったと思われます。

韓国では、「非日常」を描いて人々に夢を見させるような作品より、現実的で「共感できる」作品、人生を考えさせられるような「メッセージ性のある作品」が人気を得るようになってきました。

私にとっても、それまでのロマンス中心で「キュンキュンを消化する感じ」だった時代より、人生を考えさせられるような多様な作品に出会ったここ5、6年のほうが、より深く韓国ドラマにハマった気がします。

私が好きな韓国ドラマ

今日ご紹介する「感銘を受けたドラマ10選」もすべて、2014年以降の作品。(もちろんそれ以前にも、名作はたくさんあるのですが…)

一言で言うと、私は「自分の生き方を考えさせられるようなメッセージ性がある作品」が好きです。

逆に、出来事中心で展開し、キャラクターの作りこみや、感情描写が弱い作品(「突然好きになる」「行動に必然性が感じられない」など)は苦手です。

ご紹介する作品は、中にはラブ要素の少ない重たい作品もあるので、例えば「愛の不時着」で韓国ドラマを見始めて「ヒョンビンロス」になっている方が、私が紹介する作品を観て、今、満足するかというと、違うかもしれません。

私も過去に、一通りキュンキュン系の作品を味わった後に、今は別のタイプの作品が好きになったので、まだ今は「キュンキュン系で癒されたい」という方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

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一方で、韓国ドラマ視聴歴に関わらず、メッセージ性があり、深く考えさせられる作品が好き、という方には、参考になる10選になるかもしれません。

1)メッセージ性があるドラマ

さて、前置きがだいぶ長くなりましたが…早速、「私が感銘を受けた韓国ドラマ10選」を紹介したいと思います。
まず始めは、そのメッセージ性に揺さぶられた3作品。

「椿の花咲く頃」(2019)


*出典:『津は気の花咲く頃』KBS/HPより
概要:2019年韓国最大のヒット作。「人は人の奇跡になりうるのか?」という強いメッセージ性が、人生ドラマとして多くの人に感動を与えた。観終わった時の感動が凄い。
主演:コン・ヒョジン、カン・ハヌル(「ミセン」)
脚本:イム・サンチュン
受賞歴:2020年百想芸術大賞 TV部門大賞/脚本賞
韓国では、自分の人生に感銘を与えるくらいのお気にいりのドラマを「私の人生ドラマ」と表現しますが、私にとってはこの作品が、現時点で一番の人生ドラマであり、今まで見た中で一番好きな韓国ドラマです。Netflixで視聴ができます。
最終回の最後の場面が終わった瞬間、メッセージ性と完成度の高さに思わずテレビの前で拍手し、「これを超える作品に、今後出会えるだろうか」と思ったほど、感銘を受けた作品。
韓国では社会現象になっただけでなく、その年1年に公開されたコンテンツの芸術性を評価する、百想芸術大賞で、納得のTV部門大賞を受賞。特に脚本の秀逸さが評価されました。
この作品は、最初ハマるまで我慢すれば、最後まで見た人は間違いなく満足するので、他の人にオススメすることも多い作品です。

こちらがNetflixの予告編。個人的には、この作品の魅力を半分も伝えられてないなと思う納得いかない予告編なので、是非ドラマの魅力は、下記ブログ記事も合わせてご覧ください。

作品の魅力は、こちらの記事を参考にしてみてください。
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「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~」(2018)


*出典:『私のおじさん』tvN/HPより

概要:人の温かいつながりと、人生を生きる苦悩を描いた感動作。最終話の完成度、メッセージ性は「椿の花咲く頃」に通じるものがある。長い映画を見ているような、とにかく上質な作品。
主演:IU、イ・ソンギュン(映画「パラサイト」)
演出:キム・ウォンソク(「ミセン」「シグナル」)、脚本:パク・ヘヨン
受賞歴:2019年百想芸術大賞 TV部門 作品賞/脚本賞
続いては、2018年の「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~」。私と韓国ドラマの趣味が合う友人達が皆「名作」と口をそろえて絶賛していた作品で、最近見たのですが、本当に素晴らしい作品でした。Netflixで視聴できます。
タイトルから、「私」と「おじさん」の年の差の二人に恋が生まれる…?と思いそうですが、そんな単純な話ではなく、恋愛やコメディといった要素はほとんどなく、まさにヒューマンドラマ。

メッセージは「椿の花咲く頃」と通じる部分がありますが、その描き方が正反対で、全体的にとにかく暗い(笑)。椿が「陽」だとしたら「陰」なドラマなのですが、見終わってみると、温かい気持ちになるヒーリングドラマ。
また、「ミセン」「シグナル」の監督による演出で、細部までリアリティがあり、映画のような上質さがあります。

韓国でも、視聴率がものすごく高かったわけではありませんが、名作としてファンが多い作品。こちらもやはり百想芸術大賞の作品賞/脚本賞を受賞しています。

恋愛がメインでもなく、ドラマチックな展開が起こるわけでもなく決して華やかさがあるわけではないこういった作品で、骨太のメッセージを伝えようとする制作陣と、作品を正しく評価できる韓国視聴者には脱帽です。単に高視聴率狙いだったら、なかなかこういった作品は作れないでしょう…。

今見ると、実はキャストはとても豪華。助演には、「愛の不時着」の耳野郎のキム・ヨンミンさんの悪役、「梨泰院クラス」のスア役クォン・ナラ、「夫婦の世界」のイ・テオ(正しくは、パク・へジュンさんw)などが出演しています。

しかし、何より、IUの演技力と表現力に圧倒されます。

本業は歌手なのに、こんな暗くて難しい役も「ホテルデルーナ」のような華やかな役もこなせるのが凄い。
韓国でも当時、このドラマで演技力が絶賛されたそうです。

特に前半は重たい空気が漂う作品で、かなり好みが分かれると思いますが、メッセージ性があるドラマが好きな方には、おすすめできる作品です。

「ピノキオ」(2014)


*出典『ピノキオ』SBS/HPより

概要:報道記者見習いの主人公2人を通じて「メディアの在り方」に一石を動じる、骨太ドラマ。日本ではラブストーリー部分が強調されて紹介されているが、メッセージ性も強い名作。
主演:パク・シネ、イ・ジョンソク
脚本:パク・ヘリョン(「あなたの声が聞こえる」ほか)
受賞歴:2014年SBS演技大賞で5冠

続いて少しさかのぼりますが、2014年の「ピノキオ」という作品。

メッセージ性といっても、万人が興味があるテーマではないのですが、私が個人的にメディアに興味があるのもあり、メディアの在り方についての強いメッセージと、ラブストーリーのバランスが絶妙で、大好きな作品。

当時日本から、韓国放送をリアルタイム視聴していて、ドはまりしました。

ハマりすぎて、韓国放送中に旅行でロケ地に行き、撮影現場で主役の2人に遭遇するという、嬉しいハプニングもあり、何度も見返し、細かいシーンまで記憶に残っている作品。映像も綺麗で、ロケ地にもだいぶ行きました。
視聴者が「見たいニュース」と「見るべきニュース」、報道はどちらを優先して伝えるべきか?といった、メディアの在り方を問うメッセージが含まれています。

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2)個性的な韓国ドラマ

続いては、「個性的な韓国ドラマ」ということで、私が「椿の花咲く頃」に出会う前まで、好きな韓国ドラマナンバーワンだったドラマがこちら。

「大丈夫、愛だ」(2014)


*出典『大丈夫、愛だ』SBS/HPより

概要:傷を抱えた大人たちのラブストーリー。モデル出身の主役の2人のスタイル、洋楽を多用したOST、映像すべてがオシャレ!!事前執筆で、独特のセンスが光るノ・ヒギョン作家の脚本も秀逸。
主演:コン・ヒョジン(「椿の花咲く頃」)、チョ・インソン
脚本:ノ・ヒギョン(「彼らが生きる世界」)
今でも、「椿の花咲く頃」の次に好きなのはこの作品。どちらもコン・ヒョジンの作品なので、彼女が好きなのもあるんですが、この作品は一言で言うと、とにかくすべてのセンスが良くて、オシャレ…!!
「韓国ドラマには、こんな個性的でオシャレな作品もあるんだ!」と、観た当時感銘を受け、日本人が持っている古い時代の韓国ドラマのイメージを覆すような斬新な作品だと思いました。(そして、今見返しても、色あせないセンス…!)

主役の2人がモデル出身なこともあり、何でもないラフな格好もオシャレだし、助演にも個性派俳優が並びます。そして洋楽を取り入れたOSTも最高。

もちろん、脚本にもセンスが光ります。

熱狂的なファンが多いノ・ヒギョン作家の秀逸な仕掛けが各所に仕込まれており、味のある独特なセリフまわし、斬新な愛の表現など、似たような作品が他にないようなユニークな世界観・表現力で、韓国でもマニア的なファンが多い作品。

日本語字幕版だと、結構カットされている部分も多いようなのですが、雰囲気のある作品が好きな方にはオススメしたい作品です。

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3)役者の演技力が光る作品

続いて、役者の演技力に圧倒された作品。これは、語りだすと他にもいっぱいあるんですが、特に象徴的な作品を一つ。

「キルミー・ヒールミー」(2015)


*出典『キルミー・ヒールミー』MBC/HPより

概要:多重人格の役のチソンが、一人で全く違う7人ものキャラクターを演じ分ける神演技が圧巻!重たい内容もありつつ、笑いもあるラブコメディ。助演のパク・ソジュンは、この作品で大ブレイク。
主演:ファン・ジョンウム、チソン(パク・ソジュンも出演!)
脚本:チン・スワン(「太陽を抱く月」)

続いては、2015年の「キルミー・ヒールミー」。この作品が放送された当時は、多重人格など精神障害を扱ったドラマが流行りましたが、その中でも、「キルミーヒールミー」は、7つの人格を持つ多重人格者をチソンが圧倒的な演技力で演じきり、人気を博しました。

私はこの作品を観て、改めて韓国の役者の演技力の高さに衝撃を受け、当時「こんな役を演じれる俳優さんが、日本には果たしているだろうか…」と思ったのを記憶しています。今でも、誰かに韓国の俳優の凄さを語る際、この作品でのチソンの演技を例に挙げることが良くあります。

Netflixでは配信されていませんが、U-NEXTやHuluなど、メジャーな配信サービスでは大体ラインナップに含まれていることが多い作品です。(追記:Netflixでも視聴可能)

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4)心温まるヒーリングドラマ

続いて、私が好きなタイプのドラマが、心温まるヒーリングドラマ。
展開がゆっくりだったり、派手ではないので、一見地味で、視聴率は上がりにくいのですが、ハマる人は深くハマるというのがこのタイプの作品ではないかと思います。

先ほど「キュンキュンする系の作品より、メッセージ性があるほうが好き」と書きましたが、最近の作品で、キュンキュンするとしたら、こういったヒーリングドラマでキュンとする場合が多いかもしれません。

ヒーリングドラマの場合、登場人物たちが何かしら傷を負っていて、派手な展開は起きませんが、キャラクターの作りこみや感情描写がとても丁寧なことが多く、感情移入しやすいからです。

ただ、ヒーリングドラマでも、雰囲気だけで脚本が弱い作品はハマりにくく、やはりこれから紹介する2作品も、静かさの中にメッセージ性がある作品です。

「30だけど17です」(2018)


*出典『30だけど、17です』SBS/HPより

概要:過ぎ去った過去を後悔する登場人物たちが、新しい幸せの扉を開いてみようと努力する物語。次世代スターの主役2人の細やかな演技力が神がかっていて、見ていて癒されるヒーリングドラマ。温かいメッセージ性が込められた繊細かつ骨太な脚本。
主演:シン・ヘソン、ヤン・セジョン
脚本:チョ・ソンヒ(「彼女は綺麗だった」)、演出:チョ・スウォン(「ピノキオ」「君の声が聞こえる」)
続いて「30だけど17です」。これまで紹介した作品の中では、主役が若手で知名度が劣るため、知らない方も多いかもしれない作品。2018年、私がソウルで住み始めた直後に放送がスタートし、ヒーリングドラマの魅力を知ったきっかけとなった作品。
このブログで、ドラマ記事を書いた、記念すべき第一号の作品でもあります。
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ヒーリングドラマながら、メッセージ性もしっかりしており、見終わったら幸せな気持ちになるドラマです。

現在、配信では、見放題の中で見られるサービスがないようで、どれも1話ずつの課金になってしまうのですが、U-NEXTのリンクを貼っておきます。
(追記:読者さんから、楽天vikiで視聴可能との情報をいただきました)
U-NEXT番組ページで詳しく見る

【ヤン・セジョン表紙】韓国TVドラマガイド


「天気が良ければ訪ねて行きます」(2020)

*出典『天気が良ければ訪ねて行きます』JTBC/HPより

概要:小説を読んでいるかのような雰囲気のある「感性ドラマ」。心に傷を負った2人が、田舎での生活の中で少しずつ心を開いていく大人のヒーリングドラマ。最初はとにかく静かだが、後半は、サスペンス要素もあり。
主演:パク・ミニョン(「キム秘書はなぜそうか」)、ソ・ガンジュン
脚本:ハン・カラム、演出:ハン・ジスン
続いては、今年前半にハマっていた「天気が良ければ訪ねて行きます」。
日本では、2020年7月から衛星劇場で放送中です。(配信ではまだ見られないのが残念。)
幸せとは何か、幸せを手に入れるにはどうしたらよいか?といったメッセージが込められており、傷を負った主人公たちが、前に進んでいく様子を通じて、見ている人の心を癒してくれます。
静かでゆっくりなんですが、ソ・ガンジュンが当たり役で、その演技力にやられてしまうし、ベテラン、パク・ミニョンの演技力がそれを引き出しています。音楽・エピローグなど、世界観の作り込みが秀逸で、ハマる人は深くハマるドラマ。
で、決して万人受けする作品ではないですが、ヒーリング系ドラマが好きな人には、おすすめしたい作品です。
作品への熱い思いはこちらで語っていますので、気になる方はどうぞ。
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5)リアリティが胸に迫るドラマ

「ある春の夜に」(2019)


*出典『ある春の夜に』MBC/HP

概要:結婚適齢期の韓国人の男女の日常と、恋愛模様がリアルに描かれている。チョン・へインの陰のある演技が光る、切ない大人のラブストーリー。
主演:ハン・ジミン、チョン・へイン
脚本:キム・ウン、演出:アン・パンソク(二人とも「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」)
続いて、2019年の「ある春の夜に」。この作品をどれに分類するか悩んだんですが(見方によっては「ヒーリングドラマ」でもある)、韓国では、リアルな描写で有名な「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」の制作陣の作品、ということで、やはりリアリティを特徴として分類してみました。Netflixで視聴できます。
日本では、「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」より暗いとか、女性主人公が気が強すぎてダメ、といった声もありましたが、私は2作品を比べるなら、断然「ある春の夜に」派。こちらもドはまりして、ロケ地をほぼ制覇しました(笑)
特定のメッセージ性というよりは、大人の恋愛模様をリアルに描き出し、チョン・へインの神がかった感情演技とハン・ジミンとのケミストリーが、視聴者を惹きつけた作品だったと思います。
こうやって振り返ってみると、たぶん私は、魅力的で完璧なキャラクターよりも、ちょっと傷を負ったキャラクターを丁寧に描いた脚本と、俳優がそれを細やかな演技力で演じている作品が、ツボなんですね。

番組についての紹介記事はこちら。(予告編は残念ながら見つかりませんでした)

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「夫婦の世界」(2020)

*出典『夫婦の世界』JTBC/HPより

概要:2020年上期、韓国最大の話題作。不倫から始まる、人生を考えさせられるドラマ。演出・演技が緻密で完成度が高い。
主演:キム・ヒエ、パク・へジュン
演出:モ・ウァンイル
受賞歴:2020年百想芸術大賞 演出賞受賞
続いて「夫婦の世界」。イギリスBBCの「ドクターフォスター」というドラマのリメイクですが、韓国では、劇的な展開と、役者の迫真の演技にハマる人が続出。2020年上半期最大の話題作となりました。日本では、KNTVで7月から放送中です。
不倫から始まるストーリーですが、実は単なる不倫ドラマではなく、人間の感情の複雑さを描いた深いテーマ性を持った作品。ドラマ的でありながら、妙に現実的。

途中は、とにかくドラマチックな展開が続くのが気になって、ハマって見ていましたが、最後はメッセージ性があり、深い余韻が残りました。

ケーブルTV局のドラマの最高視聴率を更新し、多くの人をそれだけ夢中にさせてしまう、演技・演出のレベルの高さに圧倒された作品です。

詳しくは、こちらで熱く語っています。

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6)最新の視聴スタイルを創り出したドラマ

最後に、どんどん進化する韓国ドラマのなかで、今、先頭を切って、新しい韓国ドラマのスタイルを創り出していると言えるのがこちらの作品。

「賢い医師生活」(2020)


*出典『賢い医師生活』tvN/HPより

概要:医大同期5人を中心とした、医師の日常を描いたドラマ。週1放送・シーズン制・バンド演奏・YouTube活用など、新しい取り組みで、本編以外でも視聴者を楽しませる仕掛けが満載。
主演:チョ・ジョンソク、 チョン・ギョンホ、チョン・ミド、キム・デミョン、ユ・ヨンソク
脚本:イ・ウジョン、演出:シン・ウォンホ(二人とも「応答せよ」シリーズ)
「賢い医師生活」は、これまで紹介したようなメッセージ性のある作品と、根底の想い(いかに、視聴者に共感してもらうか?)は一緒なのですが、描き方が全く違うタイプの作品。Netflixで視聴できます。
大きな出来事が起きたり、わかりやすいメッセージがセリフに込められているわけではなく、ひたすら「自分の周りにも居そう」な誰かの小さなストーリーを見せることで、視聴者が「これは自分の話かもしれない」と感情移入したり、癒されたりするのです。
私は、こういう描き方にこだわったシンPDの話を聞くたびに、ポン・ジュノ監督がアカデミー賞の授賞式のスピーチでも取り上げていた、マーティン・スコセッシ監督の「最も個人的なことは、最もクリエイティブなことだ」という言葉を思い出します。
ポン・ジュノ監督がその言葉を大事にしている、と話したように、特別な誰かの、特別な出来事を描くのではなく、どこにでも居そうな誰かの、最も個人的なことを描くというのが、まさに今の韓国ドラマの最新トレンド。

*出典『賢い医師生活』tvN/HPより

この作品を楽しめるかどうかは、観る側がどれだけ読み取れるかにかかっており、そういう意味で、かなり玄人向けのドラマと言えます。

なお、このドラマの制作陣は、過去作品すべてヒットを記録しており、韓国視聴者からは「絶対的に信頼できる制作陣」として高い支持を得ています。

そのため、人気制作陣だからこそできる、新しい取り組み(週1放送、シーズン制など)を行っていたり、YouTubeライブなどを活用して、本編以外でも積極的に視聴者と交流する機会を持つなど、今後の韓国ドラマの新しい視聴スタイルを築き上げるような、先進的な取り組みが多く見られます。
私がこの作品にハマった理由は、作品そのものの魅力はもちろん、視聴者を大事にしながらも挑戦を続ける制作陣の高い志と、それに高いパフォーマンスで応えるハイレベルな俳優陣、そんな作品に深い愛を注ぎ、積極的に反応する韓国視聴者たちの関係性に、とても感銘を受けたからです。(この作品の先進性については、別途記事にしたいと思います。)
私も視聴者の一人として、俳優や制作陣のYouTubeライブには大興奮で参加し、「こんなドラマの楽しみ方ができる時代に生きていてよかった」と思いました…!

好みが分かれる作品ですが、この作品を楽しめたら、もう韓国ドラマ通の仲間入りです(笑)

シーズン2も来年放送予定なので、本当に楽しみです。

作品の詳しい紹介はこちら(予告編は残念ながら見つかりませんでした)

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まとめ

ということで、「韓国ドラマ歴16年の私が感銘を受けた作品10選」をご紹介しました…!
ここで紹介した作品はどれも、特に深くハマった作品をセレクトしましたが、もちろん他にも好きな作品はたくさん…(「嫉妬の化身」「ミセン」「秘密の森」などなど…)
そして、きっと1年後には、この10作品を超える新たな作品がどんどん出てきて、私の中のランキングもまた変動することでしょう。(それが、韓国ドラマの凄さと魅力…!)

長文になりましたが、ドラマを観る観点が、私と似ている方の参考になれば、嬉しいです。

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