「カイロス」視聴終了レビュー:専門家も評価したウェルメイドドラマ!

韓国ソウル在住
ブロガーMisa
2021年3月から日本放送予定の「カイロス」について、作品の見どころをネタバレなしで解説します!

「カイロス」専門家も評価したウェルメイドドラマ

「カイロス」は韓国のMBCで2020年10月から12月にかけて放送されたドラマ。シン・ソンロク、イ・セヨンが主演で、「梨泰院クラス」で人気となったアン・ボヒョンも出演しています。

地上波のMBCが力を入れて製作した作品でしたが、残念ながら同時間帯のSBS「ペントハウス」の大ヒットの影響も受け、視聴率的には3%台という低視聴率で終わってしまいました。

しかし、私的には、ドロドロすぎる「ペントハウス」より、断然この作品の方が面白かった!!

昨年末、韓国のネット記事で「専門家25人が選んだ惜しかったドラマ」というのがあったのですが、そこでも複数の専門家が「優れたストーリーと演出力なのに比べて視聴率が惜しかった」ということで評価していました。

韓国内のドラマ好きの方のブログでも、同じように「ウェルメイドドラマ」と評価している人が多いこの作品。

そして、アン・ボヒョンが「梨泰院クラス」を超える演技力を見せて、MBC演技大賞では新人賞も受賞しました。

日本でも、2021年3月18日からKNTVで「カイロス〜運命を変える1分〜」という邦題で放送がスタートします。

前回、4話まで視聴時点で、こちらの記事で「カイロス」についての基本情報を紹介したのですが、今回はこれから日本で観る方に向けて、全て見終わってみての感想・見どころをネタバレ無しで紹介したいと思います。

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「カイロス」見どころ①広がりのあるストーリー展開

「カイロス」は、あるタイミングだけ過去の人間と未来の人間が通話できるという、「シグナル」的なストーリーが中心となったドラマ。

最初は、シン・ソンロク演じるキム・ソジンの身に起こる誘拐事件から始まるのですが、回を重ねるごとに「ええ、そうなの?!」という新しい事実が発覚し、ストーリーはどんどん広がりを見せます。

特に10話を超えるあたりからは、予想もしなかったところと話がつながってきて、続きが気になって一気に見てしまいました。

脚本家さんは新人だったようなのですが、この構成力は凄い…!

逆に「視聴率が低かったのは、途中流入が難しい構成だったからではないか?」とも言われたほど、1話毎に着実に話が積み上がっていく広がりのあるストーリー展開でした。

「カイロス」見どころ②演技派俳優たちの熱演

「カイロス」のキャストは、演技派の俳優さん揃い。いわゆるスター的な俳優さんではないので、少々地味とも言えるのですが、安定感のある演技でストーリーに集中できます。

主役のシン・ソンロクは、「ペントハウス」のオファーを断って「カイロス」を選択したんだとか。(役者としては、それで正解だったと思います!!)

同一人物でありながら、現在と未来で表情や話し方まで異なる細かい演技はさすが。

放送終了後のインタビューでも、「台本を読んだ瞬間、これは絶対にやらなければならない作品だと思った。一人二役のようだった。私の人生の作品として残る様な作品になったと思う」と話していました。

また、個人的にはアン・ボヒョンの演技がすごく良かった…!登場した時点で「これは、絶対にキーマンだな…」と思ったのですが、やはりこのドラマの重要人物であり、非常に複雑なキャラクターを見事に演じました。

「梨泰院クラス」のグニョン役よりも、演じるのが難しい役だったと思いますが、この作品で演技の幅の広さを見せてくれました。

「梨泰院クラス」で人気となったので、おそらく自身が主役の作品のオファーも来たのではないかと思いますが、演技派の先輩たちに囲まれたこういう作品を選んだのが好感を持てます…!

共演者からも「自己管理が徹底していて、情熱的な姿が印象的だった。いつの熱心に準備して現場に臨んでいた」と言われていて、この作品を通じて、私も「深みがある俳優さんだな〜」とすっかりファンになりました。

ちなみに、シン・ソンロクもアン・ボヒョンも身長がめちゃくちゃ高くて(188cm、187cm)、カン・スンユンも180cmなため、イ・セヨンが163cmなのが特別小さく感じられたほど

そして、シン・ソンロクの妻役を演じたナム・ギュリさんの演技も話題になりました…!MBC演技大賞ではこの作品のキャラクターで優秀演技賞を受賞。

元々、歌手出身の女優さんで、演技に対しては葛藤があり、今回のこのキャラクターは女優としても大きなチャレンジだったそう。たしかに非常に難しいキャラクターだったのですが、熱演が視聴者の間では話題になりました。

なお、バイオリニストの設定だったのですが、なんと撮影前から個人レッスンを受け、全撮影シーンを代役なしにこなしたそうです…!凄い!

そして、「カイロス」ではストーリーの中心となるキャラクターだけではなく、助演の皆さんの演技も光りました。

まず、この方…!「愛の不時着」に出演していた方ですが、わかりますか??

そうです、ソン・イェジンが演じたユン・セリの秘書役だったゴ・キュピルさん。「カイロス」では、重要な役柄で出演しており、迫真の演技を見せてくれました。

また、WINNERのリーダー、カン・スンユンの演技もすごく良かった!今後、ますますドラマに出演する機会が増えるのではないでしょうか。

一方で、視聴者の間でも賛否があったのが、女性主人公のエリを演じたイ・セヨンの演技。

キャラクターのせいなのか、演技のせいなのか、途中「ちょっとオーバーかな。。」と思うような感じがあり、もしかしたら中盤、彼女の演技が気になって離脱しそうになる人はいるかも知れません。
(でも、中盤を超えると、それ以上にストーリー展開が面白くなりますので、離脱しないで〜 笑)

年末の演技大賞でも、主要キャストで彼女だけ受賞せず、出席していなかったので、視聴者の声は本人にも届いたのかも…。

なお、視聴率が振るわなかった割には、どの俳優も「完成度が高いものを作るために、みんなで議論しながら撮影していた。非常に良い現場だった」と話しており、出演者たちにとっても印象深い作品だったようです。

「カイロス」見どころ③こだわりの演出

「カイロス」では、細かい部分までこだわりの演出が見られました。まず、ドラマの中で「10時33分」というのが重要な意味を持つのですが、初回のテレビ放送はなんと10時33分に終了。ネット上では気がついた視聴者たちの間で話題となりました。

そして、最終話はなんと「10時34分」に放送が終了。これも内容を知っていると鳥肌が立つ演出…!(是非、本編で意味を確認してみてください)

また、全体的に映像は映画のような質感。

現在のシーンと、未来のシーンで映像の色のトーンを変えるなどの細かい演出もほどこされています。是非、細かいところまで注目して観てみてください…!

まとめ

ということで、「カイロス」見どころについて、ご紹介しました。万人受けするような派手な作品ではないのですが、サスペンス系が好きな方やストーリー重視の方には、是非見て頂きたい作品です。

時空を超える系のストーリーはどうしても、設定は派手なのですが、細かな描写や設定が不足して、難解になりすぎたり、中心のストーリーが物足りなかったりしがち。
「カイロス」は「タイムクロッシング」という素材を使いながらも、ベースのストーリー構成がしっかりしているので、最後まで楽しめる作品に仕上がっていると思います。

日本公開されましたら、是非観てみてください〜!

카이로스(カイロス)
韓国放送:2020年10月26日~
MBC 月・火ドラマ 21:20
公式HP

*ドラマの写真はMBCのHPからお借りしました。

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