「賢い医師生活2」を楽しむ背景知識:医師のキャリア・99ズ登場人物紹介

韓国在住K-dramaライターMisa
「賢い医師生活2」を深く楽しむための背景知識となる「医師のキャリア」について解説!また韓国のシーズン2の番組HPに記載の99ズの人物紹介も!
レジデントとフェローの違いは??若手の先生がいろんな科で登場するのはなぜ??

「賢い医師生活2」で、99ズや患者のストーリー以外に、先生たちの何気ない会話に「どういう意味だろう?」と思ったことはありませんか?

ドラマの内容をより深く理解するための背景知識について調べてみました。
(医者のキャリアについては、韓国国内の事例です。)

※「賢い医師生活2」を視聴中の方向け(シーズン1を見終わった方向け)です。一部本編の内容に関する情報も含まれます。

「賢い医師生活」を理解するための”医者のキャリア”

①医師になるまでの勉強

医師になるためには、

医科大学で6年勉強する(予科2年/本科4年)
または
医学専門大学院で4年勉強する
必要があります。
医学専門大学院というのは、大学で他の分野を専攻して、途中で医師を目指す人向けに設立された專門の大学院。様々な学問背景と、社会人経験を持つ人材を医師に登用するという目的で2005年に作られたものです。

「賢い医師生活」では、ジュンワンの相棒、ト・ジェハク先生が、実はこの「医学専門大学院」の出身。

司法試験に6回挑戦したあと、医学専門大学へ入学した、医師としては遅咲きのジェハク先生。そのため、准教授であるジュンワンと実は一つしか歳が変わらないわけです。

また、エピソードとしては登場していませんが、神経外科のソンビンも医学専門大学卒という設定になっています。

②本科実習生

6年間の医大の在学中に、病院で実習を行う。通常は医大本科3年生(医大5年目)から。その後、医師免許の国家試験に合格して正式に医者になることができる。

「賢い医師生活」では、双子のユンボクとホンドがこの「本科実習生」です。

当然、まだ医師としてどの科を專門にするのか?が決まっていないため、ドラマの中でも各科を回って実習します。そのため、教授たちは、将来的に自分の科に来てもらうように、アピールしたりもします。

ジュンワンも胸部外科の魅力をアピールして、それがボンドが感動して胸部外科を志す、というシーンがありましたね。

また、まだ医大5年目で、勉強中のことも多いため、シーズン2では、ボンドがジュンワンに毎回聞かれる質問に悪戦苦闘しているわけです(笑)

なお、シーズン2の1話、ジェハク先生がジュンワンに「ホンドが、冬休みなのにサブインターンを志願してきたんですよ」と紹介しています。
「サブインターン」というのは、大学の休みを利用して、短い期間で病院実習を行うこと。

本科実習とはあえて別の病院で、サブインターンで経験する学生もいますが、ホンドはわざわざ冬休み中もユルジェ病院で実習することを選択したわけです。
(そして、1話でユンボクが登場しなかったのは、まだ冬休み中だったから、ということになりますね…!)

こうして、病院実習を経て、医大を卒業し、医師の国家試験に合格してようやく正式な「医師」となります。

③インターン(1年)

国家試験に合格したあと、約1年間、病院で様々な科を経験し、専門科目を決める期間。インターンを終えると、レジデント(専攻医)の試験がある。
国家試験合格がゴールなのかと思いきや、実際は医師はここからが始まり。
医師免許を取得しただけでは、まだどの科を專門にするか?は決まっていない状態。約1年間、インターンとして様々な科を経験して、自分の進む道を見定めることになります。
「賢い医師生活」では、この二人がインターン。
特に右のチェ・ソンヨン先生は、シーズン1で足の毛を剃るのと間違えて、髪の毛を剃ってしまったあの彼(笑)
なんだか、学生のユンボクのほうがよっぽど落ち着いて見えるような…。

こちらもやはり、実習生と同じく、專門が定まっていないので、いろんな科で登場するわけです

シーズン1では、ソンファの神経外科で髪の毛を剃ってしまったあと、胸部外科も経験し、シーズン2では産婦人科で働いていましたね。

また、シーズン1で、初めて病院にやってきたアン・チホン先生が、エレベーターに乗り合わせたソンファを同期と間違えてしまったのも、インターンの初日の出来事。
そのあと、教授として改めて再会したソンファが、インターン二人に「また1年後会えると良いわね」と言っているのは、「ぜひ神経外科を選択してね」ということなわけです。

④レジデント:専攻医(4年)

特定の専門科目を決め、病院で4年間、専攻医として経験を積む期間。そして、次の専門医になるためには試験に合格する必要がある。
インターンの1年で様々な科を経験したあとは、いよいよ自分の專門とする科を決めて試験に合格すると、レジデント(専攻医)として4年間働きます。
「賢い医師生活」では、99ズを取り巻く先生たちのほとんどが、このレジデント。
まず、ソンファの神経外科では、レジデント4年目でチーフレジデントのソクミン。そしてレジデント3年目のソンビン。
神経外科では、シーズン1で、アン・チホン先生も「チーフ」と呼ばれていましたが、通常レジデント4年目がチーフとして後輩を指導する立場になるそうです。
そして、ソッキョンの産婦人科では、どちらもレジデント2年目のミナ、ウンウォン先生。
同じポジションでありながら、性格も仕事のスタイルも正反対の二人。だから、何かと気になったり腹が立ったりするわけですね(笑)
続いて、ジュンワンの胸部外科では、先ほども紹介したト・ジェハク先生。ソクミンと同じ4年目のチーフレジデントです。
そして、イクジュンの肝胆膵外科、ジョンウォンの小児外科をサポートしているのが、レジデント3年目のチャン・ギョウル先生。
ギョウル先生の場合は、「外科」というくくりのレジデントであり「ユルジェ病院唯一の外科のレジデント」ということで、外科の教授たちから大事にされているため、プロフィールには「外科の唯一無二のレジデント。医局最高権力者」とあります(笑)
特に手術も多く、大変な外科では、レジデントが「王」なんだそうです。
また、そんなギョウル先生も、もう3年目。ここからさらに「どの外科を選ぶか?」という決断タイミングが迫っているため、余計に教授たちは自分の科に来てもらおうと必死なわけです。
さて、ここでシーズン2の内容を理解するために、重要なポイント。
それは、「レジデント4年目は、次の”専門医”に進むための試験がある」ということ。
レジデント4年目のチーフと言えば、この二人。ソクミンとジェハク。

ちなみに、同じレジデントですが、先ほど紹介したとおり、途中で方向転換したジェハクは40歳、ソクミンは34歳です。

シーズン1までは、それぞれソンファ、ジュンワンの右腕として頻繁に登場したのに、シーズン2では今のところ、出番が少ないとは思いませんか…?

ソンファ、ジュンワンが二人と交わす会話をよ〜く思い出してみるとわかるのですが、「ちゃんと勉強してるのか?」「こんなとこに居てもいいの?」と言われています。これはまさに、二人が今、専門医になるための試験準備中であることを表しています。

しかも、シーズン2の開始時点で、ドラマの設定は12月ですが、専門医になるための試験は、1月末〜2月頭に行われるということで、「もう試験直前」という状況なわけです。(ちなみに、実際にも、この試験の日程は1月末〜2月頭で詳細までリアルな設定になっています。これも韓国視聴者の方が調べ上げていました 笑)

なお、そうなると、1話=1ヶ月で時間が過ぎていくドラマの世界では、3話ぐらいで、この試験も終わった設定になっているかもしれませんね!(要チェック!)

ちなみに、ソクミンに関しては、シーズン2になったタイミングで「ユルジェ病院を出た」というような話が出てきましたね。

「あれ?シーズン1の最後でそんな話あったっけ?」と思った方も多かったのではないでしょうか。

レジデントの4年間を終えて試験に合格すると、次のフェロー(専門医)は、それまで居た病院に残ることも、そのタイミングで別の病院に移ることもできます。個人で開業するパターンもあるそう。

そんな選択肢の中で、ソクミンは、別の病院でフェロー生活を送ることを決断したわけです。

ソクミンは、シーズン1のときから「毎日充血した目でヘトヘトになり、大学病院に疲れている」という描写が多々あったため、シーズン2のタイミングで別の病院に出る設定は予め決まっていたのでしょう。

⑤フェロー:専門医(1〜3年)

専門医の試験に合格して資格を取得し、さらにその專門科目について追加の勉強をするために、大学病院で1〜3年の経験を積む
「賢い医師生活」では、フェローの先生は実はあまり多く登場しません。

登場人物紹介でも確認できるのは、イクジュンの肝胆膵外科に所属するこちらのジョン・セヒョク先生ぐらい。

シーズン1だけの登場だった、救急のペ·ジュンヒ先生(右)も、実はフェローでした。

そして、シーズン2の1話で初めて登場した、こちらの女性。(ジョンウォンにコーヒーをねだったあいつ女性)

1話(=12月)の時点で、こちらのカン・ソイェ先生を、救急医療センターのポン教授が、ソッキョンに

外の病院にいて、来年フェローとしてうちに来る予定なんだけど、はやく来て勉強したって

と、紹介していました。ということで、この先生もフェロー。ペ·ジュンヒ先生が居なくなった後任、みたいな感じでしょうか。

ということは、ギョウル先生よりも先輩にあたるわけで、色んな意味でやりにくい相手にならなければよいですね…(ギョウル親衛隊としては、そっちが心配にw)

⑥助教授

フェローを2〜3年経験すると、助教授に。助教授を5年以上経験して、次の准教授となる。
さて、ここからはいよいよ”教授”と呼ばれる人たちです。
大学同期の99ズの5人も、実はこの「助教授」と次の「准教授」に分かれています。
助教授からは、いよいよ病院内に「個人研究室」が与えられます。
助教授なのは、イクジュン、ジョンウォン、ソッキョンの3人。
昇進の速さは、各科の状況によっても、多少影響されるのかもしれませんが、後ほど紹介する登場人物紹介によると、ジュンワンとソンファは、明らかに「出世のために努力をした」ということが記載されています。
また、99ズの同期のポン先生も同じく「助教授」です。

⑦准教授

助教授を5年以上経験し、治療だけでなく研究や講義の実力もすぐれていなければならない。准教授を5年以上経験して、教授となる。

99ズの中でも、ソンファとジュンワンは「准教授」です。(モッケビ二人組…!笑)

「賢い医師生活」キャストインタビューが満載!

⑧教授

准教授を5年以上経験し、教授となる。
「賢い医師生活」では、教授といえばこの方々。あまり嫌な人がいない賢医ですが、なぜか教授は嫌がられてるキャラが多いですね(笑)

ということで、医者のキャリアについてご紹介しました。
医者のキャリアを、まとめると…

①医大入学
②本科実習生
〜医師免許取得〜
③インターン(1年)
〜試験〜
④レジデント:専攻医(4年)
〜試験〜
⑤フェロー:専門医
⑥助教授
⑦准教授
⑧教授

となるわけです。

ここまで理解してから見ると、先生同士の何気ない会話の意味まで、理解できるようになると思います!

よく登場する用語集

「賢い医師生活」によく登場する用語についても、こちらにまとめておきます。

CS:胸部外科(ジュンワン所属)
GS:一般外科(ギョウル所属)
NS:神経外科(ソンファ所属)
PICU:小児集中治療室

「賢い医師生活2」公式グッズ

99ズの登場人物紹介

続いては、「賢い医師生活2」を放送しているtvNのホームページに掲載されている登場人物紹介の中から、99ズ5人の内容を紹介。

日本でNetflixでみている皆さんは、なかなか見る機会がないと思うのですが、ここにいろいろなヒントが隠されていて、読むとより深くキャラクターを理解することが出来ます。

なお、この制作陣の作品は、ストーリーが進むにつれて人物紹介がアップデートされていくのも特徴の一つ。

今回も、まず現時点で、それぞれシーズン1の人物紹介から追加になった部分があります。全員、最後の部分なのですが、太字にしてありますのでご確認ください。

チェ・ソンファ
(女性/医大99年入学、神経外科准教授/41歳)

小さな体から出るカリスマ!後輩たちの尊敬を一身に受ける教授。病院に入り浸りで、いつ食べて、寝るのかが疑問な、別名”化け物”

未知の世界であり、我々の体の小さな宇宙と呼ばれる「脳」!その神秘的な魅力にひかれて、病院、家、病院、家だけを行き来して10年余り。

ソンファは、病院の”主”でもあり、”化け物”でもあり、脳神経外科唯一の女性教授となった。
ソンファがここで諦めてしまうと、それはまた「女は仕方ないよね」になってしまうはず。

私の後輩たちの名前の前には、"唯一の女教授"という、うんざりするタイトルをつけたくない。
圧力、いじめ、差別にも負けずに踏ん張った。

小柄で少女のような外見とは正反対に、中身はとても肝が座っていてしっかりしている。

「目立つ医学部99年度の4人組」を一発で制圧できるリーダーシップの持ち主であり、患者には親切な医師、後輩には信じてついていける教授だ。

忙しいスケジュールの中でも、几帳面に後輩たちの論文を読んであげて、応急手術に真っ先に出る。
手術台の前、メスより鋭い表情をしたソンファは、後輩には尊敬を越えて「患者を救える」という希望の象徴だ。

どんな恋愛も、生きたいと願う患者たちほど、ソンファを一生懸命にさせることはなかった。
もちろん初恋はあった。 20歳、その一年の青春を、ソンファは愛で燃やした。
その後の恋愛は、特に思い出すことも、名残惜しい別れのようなものもなかった。

ソンファの人生は病院、患者、論文!この3つがあれば完璧だ。

病院'の”神”として生きながら得たものは、首椎間板ヘルニアと食い意地だけ。

それでもソンファの唯一の楽しみは、一人でふらりと旅立つ静かな自然の中で楽しめるキャンプだ。
いつかは、素敵なキャンピングカーを買って、全国を回ることがソンファの小さな夢だ。

鉄人のようだったソンファにとっても、患者の悲しみは心に傷を残し、その痛みを顧みる暇もなく、傷は重なっていった。
心も体も疲れていく自分のために、ソンファは束草分院行きを決心した。

そして、予想していなかったイクジュンの訪問···。 そして、彼の告白。
今回もソンファらしく、賢明な答えを出せるだろうか。

イ・イクジュン
(男性/医大99年入学、肝胆膵外科助教授/41歳)

天才たちが認める天才の中で天才!勉強も、手術も、ましてギターまでも!出来ないことのない万能マン。

イクジュンを見ていると、本当に… 世の不公平である。

遊び場には絶対に欠かせないやつだし、いつも全校1位! 生まれつきの頭も良く、集中力も素晴らしい。
医大に首席で入学、首席で卒業して同期の中で最も早い昇進で、うなぎのぼりの勢いに乗っている。

失敗を知らなかった人生。そのため、イクジュンには人生が楽しく愉快だ。
ムードメーカーで、生まれつきのセンスと愉快さは、彼の人気の秘訣であり、魅力ポイントだ。

しかし、イクジュンの最大の魅力は、軽くないことだ。
患者を一緒に救った手術室の仲間たちの苦労に、感謝できる医師だ。

イクジュンの診療には、3分どころか、30分の診療もない。
ドナーのありがたさと、移植患者の切実さを知ることができるため、患者の話を何度も聞き続ける。

そうするうちに、決められた診療時間をはるかに過ぎて、看護師たちを当惑させるのはいつものこと。

もちろん、このおしゃべりは患者たちだけに限らない。知っていることがどれほど具体的で、多様なことか。
質問一つの答えが、毎回演説になってしまうので、友人たちからいじられたりもする。

病院の仕事に、息子のウジュにまで気を配り、慌ただしく生活しながらも、一度も妻のヘジョンを恨んだことはない。
人々の「大〜した野心家の奥さん」という皮肉にも、イクジュンはヘジョンを応援した。
自分より、自分が愛する人々が幸せになる選択!それが、イクジュンの愛し方だったから。

人生の最初の不意打ちを、こんな風には受けたくなかったのに。
ヘジョンの離婚宣言に、イクジュンは気がついた。
自分の愛し方が、間違っていたことを...

後悔してるかって? 悔しいかって?
いや!イクジュンの考えはただ一つだ。
もう、イクジュンが抱きしめなければならないのは自分自身。そして、ウジュだけだということを。

自分も気づかなかった心の傷を、ソンファご飯を食べて、雨の音を聞いて、日常を共有しながら癒やされていたことに気がついた。
そして、ソンファと少しだけ違う関係に進みたくなった。欲張らず、少しずつ、ゆっくりと。

アン・ジョンウォン
(男性/医大99年入学、小児外科助教授/41歳)

シュバイツァー、いや、孔子、孟子も勝つ天使のような、性格の持ち主。

カトリック信者であるにも関わらず、ニックネームは「仏」。
親の懐よりも病院のベッドに慣れた、子どもたちの泣き声。
どこに向かうかわからない、やるせない親たちの怒りで、小児外科の涙は心を引き裂く。

体より心が大変な小児外科で、ジョンウォンの温かさは慰めであり、希望だ。

疲れても当然の20年目の医師だが、患者や保護者、ましてや同僚の医療陣にも腹を立てたことはない。
それでニックネームは「仏」!カトリック信者であるにもかかわらずだ。

もちろん、彼の「仏」という評判は、医学部同期の5人組には全然通用しない。
怒りはしないけど、頑固さと神経質なのは基本として、いつまでも引きずりまくる。

小さなミスにも夜も眠れず、一度心に決めたことは、けりがつくまでご飯ひとさじも口にしない。

ジョンウォンは、大学時代から同年代とは、少し違う特別さがにじみ出ていた。
当然、人々は、ジョンウォンに関心を向け、色々知りたがり、何度も聞いてみたりした。
そして、皮肉にも、ジョンウォンに関心が全くなかった唯一の4人だけが、20年来の友だちとして残った。

写真を撮るのが趣味だったジョンウォンが、カメラをしまってしまったのは、写真の中の笑いだけを残して去ってしまった、子供たちのせいだ。
子供たちの名前を見て、まだ胸が痛いのを考えると、医者は自分の道ではないだろうと考えた。ずいぶんと長い時間。

神父になりたかった。 兄や姉より先に···。
医者という夢に揺れたのであって、神父の夢をあきらめたことは、一度もなかった。

20代に訪れた愛も、30代に迎えた名誉も、神父の夢ほど輝くものはなかった。
人々は、金持ちの財閥一家、金持ちの息子のたわごとと、あざ笑うかもしれないが、ジョンウォンはジョンウォンらしく、黙々とそのいばらの道を目指す。

もう···。時間があまりない。

その時間の振り子を止めたのは、子供たちだった。
病気の子供たちの元を離れるのは、ジョンウォンが放棄できることではなかった。

自分より、他人の幸せがもっと尊いジョンウォン。
これからは、私と愛する人が、一緒に幸せになる所へ進もうとしている。

ヤン・ソッキョン
(男性/医大99年入学、産婦人科助教授/41歳)

何を考えているかわからない引きこもり。自発的なアウトサイダーで、息をして生きるのが不思議な、”めんどくさい”の代名詞。

病院内で唯一、誰かの涙を嬉しく迎えてくれる場所。誕生の神秘と生の驚異が輝く場所。産婦人科だ。

そして...そこで一番うれしくない表情をした人が...ソッキョンだ。

心の内がわからないツンとした表情、質問にもやっと返事するのかという、外見も性格も変わり者だが、好感度の低さを実力でカバー!
診療室はいつも患者で溢れている。

職業が「医者」ということを除いて、まともに見えるのはほとんどない。
40歳にして、「お母さん、お母さん」を口癖にして生きているママボーイで、
他の人と通話するのがぎこちなく、電話がかかってきてもカカオトークで答える。
がらんとした家に置いてある一人用の椅子に座って、TVを見るのが趣味であり特技なのだ···。

ソッキョンが追求する人生観は、最小限の人間関係の中で最小限のコミュニケーションをすること。

幸運にも、大学時代の「あの日」の選択が、人生唯一の友達をプレゼントした。
2人きりで会うにはぎこちないジュンワン、嫉妬心を刺激するジョンウォン、ソッキョンを珍しがってうるさいイクジュン。
そして人生の最後の女友達のソンファまで。
自分だけの勘違いかもしれないけど、彼らと、青春の全部、そして人間'ヤン・ソッキョン'を共有して生きてきた。

すべてが面倒で、だるかった人生に、面白みなど爪の垢ほどもなかったのに、40歳のソッキョンの人生に大きな変化が訪れた。

「みんな!僕たちもう一度バンドしよう! バンドがやりたい!」

初めてだ。ソッキョンがこんなに大きな声を出したのは!

いつも、すまない気持ちのソッキョンだった。余計な告白で気を使わせた初恋のソンファにも。
父のすすめで夫婦になったが、傷ついただけで、立ち去った前妻にも。

そして... 死ぬまで切なかった妹ジウンにも。
父の汚いお金がソッキョンの人生を満たし、人々が卑劣だと指差しても「それでも父親だから」と自分に言い聞かせて目をつぶった。
しかし、ソッキョンの心に父の居場所はない。

もう、翼が折れて壊れて、泣くしかできない母のために
笑って、話して、温かく抱きしめて、母のために生きなければならない。

人生の紆余曲折を経験しながら、ソッキョンは自ら幸せになる方法を見つけた。
やりたいことをやること。 自分の幸せのための選択をすること。
そしてその大切な時間を、共にしてくれる友達がいるんだ。
もう、寂しくはない。

気楽にクリスマスを迎えるのかと思っていたが、
相次ぐミナと前妻シネの連絡に、ソッキョンの表情が再び複雑になる。

キム・ジュンワン
(男性/医大99年入学、胸部外科准教授/41歳)

「医大の変人だけが志願する」という胸部外科の伝説的変人。

レジデントには悪魔として、患者にはもっと悪い悪魔として知られている'サタン'の医者。

心臓はハートで、ハートは愛なのに···。
病院の胸部外科はここ数年、人員不足状態だ。まさに病院のレアアイテム!

そのような胸部外科を黙々と守っている人物が、まさにジュンワンだ。もちろん中身は、軽いやつである。
先輩とネットカフェで、「サドンアタック」ゲームをしただけなのに...
ゲームに夢中になって「胸部外科どう?」という先輩からの質問も、自分の答えも思い出せなかった。

気が付いたら…胸部外科という銃声のない戦場、その中に立っていただけ。
それで決心した! こんなに大変なくらいなら。出世でも思い切りやろう!!

思い通りにならない手術の結果、お別れをするしかない患者たちを目の当たりにし、気難しくて冷たかった性格は、さらに冷たくなっていく。
そのため、レジデントや患者には「冷血漢」と言われている。

それでもジュンワンを笑わせる唯一のもの。
それは、手術後、再び力強く鼓動する赤々とした美しい心臓だ。

万事面白くなく、ブツブツ言う40才のジュンワンにも、20歳に劣らない情熱が一つあるのだ!
それは、女だ。しかし問題は、恋愛が長くないということ。

もはや、恋愛をしても、新しい誰かと付き合っても寂しい。猛烈に。
夢といえば、平凡な家庭を築くことだけなのに、浮気者の罰をこのように受けるのかと思う。

ツンデレのように見えるジュンワンの弱点は、ソンファだ。
気難しいジュンワンも、不思議なほど、ソンファの前ではおとなしい羊のようだ。
友達だけど尊敬し、同い年だけど大人のようなソンファを、最も信じて従う。

すべてが面倒で、面白くなくなった瞬間、
ジュンワンの心の中に、”イクスン”という鳩が一羽飛び込んできた。

考えただけでも笑いが漏れ、声を聞いただけでも、口の端がぴくぴくする。
遠くから歩いてくる姿を見ても、感覚的には心拍数300は記録するぐらいに、心臓がドキドキする。
やっぱり…心臓を震わせる、嵐が来たみたいだ!

この病気を治せる名医は、世の中にイクスンただ一人だけのようだ。

ジュンワンが、イクスンと望むことは、
心の傷まで癒して、二度とか弱い心が傷つかないように。

ただ良い彼氏として、イクスンのそばに長くいること、
その一つだけだったんだけど… それすら容易ではない。

CULTURA「賢い医師生活」特集:内容はこちらで紹介

最後に

というわけで、「賢い医師生活2」をより楽しむための医者のキャリア、登場人物紹介についてご紹介してみました!

みなさんが、作品を深く理解する助けになったら嬉しいです!

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*画像はtvNからお借りしました