「賢い医師生活」韓国視聴者の分析:イクジュン&ソンファの関係性考察

ソウル在住
ブロガーMisa
「賢い医師生活」を見終わった人向けに、韓国視聴者の間で話題になった内容・ドラマ分析を紹介します。第一弾は、イクジュン&ソンファの関係性についてを掘り下げます!

緻密な脚本&深すぎる韓国視聴者の分析

私は普段から、このブログを通じて、ドラマに対する韓国視聴者の鋭い突っ込み・的確な意見を日本の皆さんに紹介してきました。

最近は、番組公式ページの掲示板への投稿に加えて、YouTubeでの視聴者のドラマ分析・解説がとても流行しています。

様々なタイプのYouTuberがいて、ドラマの内容を専門家がレビューするもの(賢い医師生活」では医者の先生による解説が流行しました。写真上↓)


  出典:YouTubeより

また、ドラマを観る目が特に肥えた人が、内容を分析したりその後の展開を予想するタイプのもの(写真下↑)、さらに登場人物の真似をするようなお笑い系の動画まで、どれも、素人とは思えないクオリティの動画が沢山公開されており、ドラマをさらに盛り上げるのに一役買っています。

ドラマに関するYouTubeと言えば、日本では、自分の感想をひたすら語るものや、作品の概要を紹介して他の人にオススメするような動画が多いように思いますが、韓国視聴者のYouTuberは、本当に内容が濃くて深い…!

ただ観ているだけでは、気が付かないようなポイントを解説してくれていて、私も最近はYouTubeのおかげでドラマをより深く楽しめています。(いつか、私もそのレベルで読み解けるようになるのが目標…!)

なお、こうやって視聴者が内容を分析したり、展開を予想できるのは、それだけ視聴者を夢中にさせる脚本であること、そして実際に、脚本家や監督が、細部にまでこだわって意味をもたせているからこそ。

特に、今回「賢い医師生活」のイ・ウジョン作家&シン・ウォンホ監督は、マニアファンが多く、画面に一瞬しか映らない細かい部分まで、意味を持たせる演出・作り込みで有名。

というわけで、「賢い医師生活」放送時には、「それはさすがに、深読みしすぎでは…?」というものも含め、視聴者YouTuberの分析合戦が熱く繰り広げられました。

私は、それらの分析をかなり見まくったので(沼が深かった…)その中から、特に多くの人が取り上げていて「なるほど…!」と思う部分を中心に、自分自身の解釈も付け加えながら、いくつかここで紹介していきたいと思います。

第一弾は、シーズン2に持ち越しとなった、イクジュン&ソンファの関係性の考察についてどれもあくまで、視聴者の解釈の一つであり、制作陣の真意はわかりませんが、ドラマの見方の一つとして、お楽しみいただければと思います。

学生時代:イクジュンの想い

さて、まずイクジュンのソンファへの想いについて、ドラマのシーンを振り返りながら分析してみましょう。
2人が最初に出会ったのは、6話で描かれたソウル大学の入試当日。

チョン・ギョンホも自分の「スコーピオンズ⁉」というなまりのセリフが一番難しかったと話していたこのシーン。このシーンでのイクジュンとソンファのやり取りを見ると、ここでイクジュンがソンファに一目ぼれをしたのではないかということがわかります。

初めてソンファのほうを見た後、見てないふりしてちらちらと見返すイクジュン。

この時、ソンファはどう思ったのでしょうか…(これは、後ほど解説します)

そして、入学後、2人が再会したのが1話で出てきたこちらのシーン。歓迎会を抜け出した5人が、物置き場で一緒に。

この一瞬のカットをよく見てみると、イクジュンは、ソンファ側の触れないようにかなり意識していることがわかります。

1話のシーンだったので、私も最初は、あまり深く見ていなかったのですが、視聴者YouTuberの間では、このシーンの分析が盛んにおこなわれていました。

確かによく見ていると、いつもふざけた感じのイクジュンが、ここでは横のソンファをかなり意識した行動・表情をしているように見えます。

学生時代:イクジュンの諦め

そんなイクジュンですが、結局、学生時代は、ソンファに気持ちを伝えることを諦めてしまいます。

これも引き続き6話ですが、ソッキョンがソンファに告白してフラれた後、イクジュンと二人で飲んでいるシーン。*6話は、イクジュン&ソンファの関係性を語る上で最も重要な回!

このシーンについても、日本人ではなかなか想像できないような細かい部分まで、分析が繰り広げられました。

視聴者YouTuberは、一瞬映りこむ看板やポスターなども見逃しません。

まず、左手前(青丸)にある”100년손님(100年の客)”という表示。これは、別のカットでこのお店の名前であることがわかります。

以前韓国では、同名のタイトルで、婿と義父・義母のぎこちない関係を描いた番組があったそうで、ここから、視聴者YouTuberは、このお店の名前が「婿」を示していると解説。

そして、右奥にある”바꿨다(変えた)”というフレーズのポスター。
この二つから、このシーンで「ソンファの婿は、イクジュンだったはずが変わってしまった」ということを暗示しているのではないかという解説がありました。

こんな風に、ちょっと映り込んだポスターや背景などにも、演出意図を読み取ろうとする韓国視聴者YouTuber…!でも、彼らによると、実際にこれくらい細かいところに意味を持たせるのが、この制作陣の特徴なんだそうです。(そう言われると、シーズン2では、細かいところも注目したくなりますね!)

また、「婿」という意味の店を最初に出て行ったのがソッキョンで、次に出て行ったのがイクジュンであるという点から「2人がその後、離婚した順番を表している」という解説もありました。

現在のイクジュンの気持ち

そんな学生時代を経て、一度は別の人と結婚したイクジュン。
そして、現在のイクジュンとソンファのシーンについても、こんな分析がありました。

ドラマ前半のほうで、ソンファとイクジュンが二人で会話していた場所は、なぜかいつも地下の駐車場。

実は、地下のシーンは、登場人物ごとに、階が違ったようで、ソンファとイクジュンが話していたのはいつも地下5階(これも、よーく目を凝らしてみない限り、何階なのかはわかりません…)だったとのこと。

一方で、6話でイクジュンが、元カノのコ・アラと電話をしながら地下駐車場に行くこちらのシーンで、

イクジュンが通り過ぎた後、数秒ですが、壁のポスターだけが意味深に映るカットがあります。

確かに、一瞬なんですが、意図的に見せているようにも感じられる意味深なカット視聴者YouTuberにとっては、こういうのは、分析心をくすぐってたまらないようで(笑)ここでも、想像力豊かな分析が飛び出しました。

ポスターは、左から「頭の中」を表すようなイメージ、FASTという文字、ハートが並びますが、注目されたのは一番左のポスター。

この頭の中を示すようなイメージが「無意識の世界(潜在意識)」を表している、ということで、無意識の世界の中では、お互いを想いあう2人」を表現したのではないかという深読み(笑)

さらに、地下5階である、ということと掛け合わせて「無意識の中でもかなり深い層にある2人の気持ち」を表現している、との解説がありました。

なお、イクジュン&ソファと対比するように描かれている、と多くの人が指摘していたのがジョンス&ロサカップル。

幼いころから知り合いで、一度はお互いに惹かれあった時期がありながらも、それぞれ別の人と結婚した2人。

イクジュン&ソンファも、この二人のように友人としての関係を維持するのか、それとも…?!という部分が、シーズン2にも引き継がれた、視聴者最大の気になりポイントだと思います。

ちなみに、ジョンス&ロサの二人の地下でのシーンは、地下4階だったということで、結局結ばれなかったこの二人よりも、より無意識の深いところで惹かれあうソンファとイクジュン、という解説がありました。

イクジュンの動揺

6話では、そんな、現在のイクジュンとソンファの関係に大きな変化を与える出来事が起こります。それは、ソンファの身体にがんの可能性が見つかった時の話。

中華料理やで、ソンファがみんなにが打ち明けるシーンでは、実は、イクジュンの動揺が見られます。

ソンファが話している間は、何でもなさそうに答えているイクジュンですが…その後、電話がかかってくるシーンに注目。

電話が鳴っている音がしますが、ソッキョン、ジュンワンが「俺じゃない」と言った後、

ようやく気が付いたかのように、イクジュンが自分の電話を取り出します。

何でもないような流れですが、いつもはすぐに電話に気付くイクジュンが、実はソンファの話に動揺している、という細かい演出だと視聴者YouTuberは解説します。これは納得…!

脚本家はおそらく、このシーンでの各キャラクターのセリフや行動を描く前に、まず、ソンファの話を聞いたときの4人の気持ちを細かく設定したのではないかと思います。

昔はソンファを好きだったソッキョン、友人を思いやる優しいジョンウォン、常に愛のあるツッコミをするジュンワン。そして、実は誰よりもソンファを想っているイクジュンは、表面上は何でもないふりをしながら、人一倍心配している…。

そこまでを設定してから、各キャラクターのセリフや行動を設定したとしたら、「イクジュンの動揺を何で表現するか?」を作家さんは当然考えたでしょうし、そう考えると、この電話のくだりはイクジュンの心理状態を表す意図的なものだったと考えてもおかしくありません。

病院に付き添うイクジュン

そして、明け方までの手術を終えた後、ソンファの病院に向かうイクジュン。
イクジュンが、何気なくタクシーを捕まえて乗るこのシーン。

普段から自転車で通勤したり、車を運転する姿がほとんどなかったので、「この日、単に車で出勤してなかった」と考えることもできるのですが、「万が一、ソンファの結果が悪かった時、ソンファの車を代わりに運転してくることまで計算してタクシーを使ったのでは?」という分析もありました。

そして、病院でソンファと一緒に結果を待つこちらのシーン。このシーンも本当に分析する人が多かったシーンの一つ。

ソンファは今回、乳がんではないかという疑いで検査結果を聞きに来ていますが、2話のうどんやさんのシーンで、イクジュンがソッキョンの母と電話した内容から、イクジュンも前立腺に問題を抱えているという話がありました。

ここで、ある視聴者YouTuberの方は、2人の着ている洋服の色、ブルーとピンクに注目。

韓国では、ピンクリボンは乳がん、ブルーリボンが前立腺がんの意識向上キャンペーンのシンボル、ということでそういう意味を持たせたのでは、との分析をしていました。

そして、ジョンス&ロサカップルのシーンを振り返ってみると、6話でロサが病院に健康診断に来た際、「保護者が一緒に居ないと内視鏡の検査を受けられない」ということにいら立っていたシーンがありました。

このソンファのシーンでは、誰か付き添いが必要なわけではありませんが、ここでイクジュンは、別のシーンで患者の家族が自分にくれたのと同じコーヒーを看護師に渡し、

一緒に部屋に入って結果を聞くなど、「友人」としてではなく「保護者(=家族)」のような存在としてソンファに付き添ったということが表現されている、という解説が多く見られました。

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結果を聞きに来る仲間たち

そして、病院に戻ったソンファの部屋に、結果が気になって次々に訪れる99ズの仲間たち。ここでも、登場する順番や行動が、ソンファとの関係性を表現していたのではと思います。

一番最初にやって来たのは、やはりソンファに昔恋心があったソッキョン。

そして、ジョンウォン、ジュンワンの順で部屋にやってきますが、最後にやってきた(でも実は一番最初に聞いている)イクジュンだけが、扉からのぞくだけではなく、ソンファの部屋に入ってコーヒーを渡します。

ソンファの部屋の扉が、ソンファの心の入り口を表現しているとしたら、一人だけ扉を開けて中に入ってくるイクジュンは、やはりソンファと一番近い存在と言えるでしょう。

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学生時代:ソンファの気持ち

さて、ここからは一方のソンファの気持ちを分析してみます。

シーズン1の最後で、イクジュンの告白に対するソンファの返事がシーズン2への持ち越しとなってしまったため、「ソンファの気持ちはどうなの!?」と気になった人が多かったのではないでしょうか。

まず、学生時代のソンファの気持ちについては、各所で小出しに描かれていますが、6話で出てきたのは、1話で登場した歓迎会を抜け出すシーンのソンファ目線のストーリー。

最初に、イクジュンとジュンワンが抜け出したタイミングで、2人に気が付いたソンファ。

それを見て、自分もこの場所を抜け出すことを考えます。

これはもちろん、単に自分も抜け出したかったからではなく、入試会場で会った時から気になっていた、イクジュンに近づくチャンス、と考えたからでしょう。

ソンファが後をついて行ったあと、ソッキョンとジョンウォンが抜け出しますが、倉庫に到着したのは、ソンファが一番最後でした。

おそらく、イクジュンの居場所を探していて、時間がかかったのではないでしょうか。

1話でこのシーンを見た時には、単に自分も抜け出したくて出てきたソンファが、偶然に倉庫にいたイクジュンとジュンワンを発見した、というように見えましたが、6話のカットを観た後で、もう一度1話のシーンを見てみると、ソンファが明らかに偶然ではなく、意図的にこの場所に来たというのがわかります。

そして、めちゃくちゃ細かいですが、ソンファが扉を開けたときのこの表情(上の写真)から、次のカットでイクジュンの隣に座るまでの間に、ソンファがちらっと視線をイクジュンのいるほうに向け、イクジュンの横に座ろうと決意したことがわかる、視線の演技が挟まれています。(1話、是非見返してみてください…!)

最初に説明したイクジュンの緊張、そして実はソンファが意図的にここにやってきた、ということを踏まえてこのシーンのラストカットの写真を見てみてください。

まず、明らかにゆるゆるの顔をしている左の3人と、どこか緊張しているイクジュンとソンファの表情がとても対照的ですよね。
そして、イクジュンの左手がいつの間にか、ソンファの肩に…!ソンファも緊張しながらも、どこか嬉しそうな表情です。

いや~このシーン、かなり作りこまれた脚本と、役者の細やかな演技が垣間見られるシーンだと思います。

本当にこの場所が初対面だったら、もしくは試験会場で会ったことを覚えていても、お互いに何の感情もなかったら、この表情・行動にはならなかったでしょう。

こんな時は、チョン・ミドさんの歌うOST「愛するようになると思った」の歌詞が想い出されます。

ソンファが出す答えは!?

このシーンを始めとして、ソンファは、音痴なのにそれを隠してバンドに参加しようとしたり、学生時代はイクジュンに気持ちがあったことを表現するシーンがいくつかあります。

一方で、イクジュンが先に結婚したことで、ソンファは一度、自分の中で気持ちの整理をつけたんでしょう。
それが、イクジュンが離婚し、6話の病院付き添いのシーンあたりで、再び揺らぎ始めたんだと思われます。

しかし、一度整理をつけてしまった気持ちを、再び自分の中で認めて、イクジュンに表現するのは簡単ではありません。

皆の前で「ソンファを異性として意識したことがある」と発言するイクジュンにも動揺していたソンファ

学生時代はお互いに想い合っていた二人が、様々な理由でタイミングがすれ違ってしまい、友達関係となりましたが、イクジュンの告白により、シーズン2では、ソンファがどのような答えを出すのか…?

今から、楽しみでなりません。

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まとめ

というわけで、「賢い医師生活」のイクジュン&ソンファの関係性を、韓国の視聴者YouTuberの考察を紹介しながら振り返ってみました。

ここで紹介したのは、ある程度、納得感のある分析の一部だけですが、実際はもっと細かくて、深読みしすぎでは?と笑ってしまうような興味深い分析もたくさんありました。

韓国の視聴者でも、ここまで掘り下げいているのは、本当にドラマが好きで、解説をYouTubeで展開しているような一部の人だけですが、そのような動画が1本あたり何十万回も再生されており、私のようにその解説を楽しんでいる一般の視聴者が多くいるようです。

また、シンPDもインタビューで「作品は一度出したら、その解釈は視聴者の皆さんにゆだねるもの。我々がこれはこうだ、と解説しないほうがよい」と話しており、制作陣もこれらの視聴者の深すぎる分析をチェックしてるんじゃないかなと思います。

次回は、これも分析が多かった、キョウル&ジョンウォンのウィンターガーデンカップルの関係性の変化についても同じように考察してみようと思います。

*写真はtvNからお借りしました。

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