「愛の不時着」を脱北者が観た評価は?ドラマを倍楽しめる!北朝鮮事情を解説①

ソウル在住
ブロガーMisa
「愛の不時着」の韓国テレビ放送が終わり、日本でもNetflixで公開されました。このドラマを観た方、誰もが「ドラマで出てくる北朝鮮の描写ってどこまでリアルなの?」ということが気になったのではないでしょうか。

今回から2回に分けて、「愛の不時着で描かれた北朝鮮の様子がどこまでリアルだったのか?」「脱北者の間ではドラマはどのように評価されていたのか?」ということを解説してきたいと思います。

第一弾の今回は、「愛の不時着」の5話までで出てきた描写を中心に解説をしていきます。(本編の核心に触れるところではないので、まだ見てない方が見ても大きなネタバレにはなりませんが、見るタイミングは皆さまの判断にお任せします。)

ここでご紹介する情報は、実は、脱北者のYouTubeから得た情報。私もびっくりしたんですが、脱北者の方で、YouTubeやってる方って結構いるんですよね。その方々の「愛の不時着」の解説動画がめちゃくちゃ面白くて、7・8人の方の動画を見まくりました。

どの方の解説も面白くて、ドラマをより楽しめる情報だったので、今日はその動画で見た内容をベースに「愛の不時着」の北朝鮮事情を解説していきます!

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脱北者から見た「愛の不時着」の評価は?

細かな解説に入る前に、まず、脱北者からみて「愛の不時着」の全体的な評価はどうだったのか?からお話ししていきます。今回、私が見た脱北者のYouTuberの方々には、様々なタイプがいて、

平壌から離れた田舎出身の方
平壌に住んでいた元・特権階級の方
など、北朝鮮に住んでいた時代の生活レベルも様々な方がいました。北朝鮮では、かなり貧富の差が激しいので、平壌とそれ以外の地方、また、特権階級なのか一般市民かによって、生活のレベルや自由度が異なります。
しかし、おおむねどの方も「よく考証を重ねて作られている」と評価しており、「6〜7割は実際に近い」との評価でした。
さらに興味深かったのは、その中に「実際に、愛の不時着の制作陣からインタビューを受けた」という方や「北朝鮮人役で、エキストラでドラマに出演した」という方もいました。中には「2018年の企画段階で、監督・脚本家に呼ばれて相談を受けた」という方もいました。
つまり、制作にあたっては、細かい部分まで、実際の北朝鮮に近づけようと、脱北者の方々を中心にかなりリサーチをしたうえで作り上げたようです。
一方で、ヒョンビンが北朝鮮の将校を演じたこと、特権階級という設定で、普段私たちが思っている北朝鮮のイメージからはかけ離れたような豪華さや、自由な行動が描かれたことで、韓国の視聴者の間では「北朝鮮を美化しすぎている」と、非難の声も上がりました。

確かにこんなイケメンな軍人は、韓国にもなかなかいません…(笑)

ある保守政党が「韓国の主敵である北朝鮮はいかなる理由でも美化することはできない」と、国家保安法違反で警察に告発する騒動もあったほど(全然、話題にはなりませんでしたが…)
しかし、逆にそんな声を受けてYouTuberの方々は皆「いやいや、結構リアルですよ」と説明していたのが、印象的でした。みなさん、北朝鮮時代を思い出しながら、ドラマを楽しんで視聴していたようです。
ただ、ドラマの中で「描かれていたもの」はリアルだったものの、だからと言って、それがすべてはないようです。
実際には、もっと貧困が深刻な人たちもいるし、政治的な要素はあえて描かれませんでした。
そこはやはり、あくまでドラマであり、人々の絆や恋愛をメインとした作品であったから。
そういった前提で、見ていただければと思います…!

ヒョンビン父の北朝鮮での地位は?

ということで、早速、脱北者の方々が解説していた「愛の不時着」の主なシーンをご紹介してきます。
まず初めに、ドラマの中心であるヒョンビン演じるリ・ジョンヒョクに関すること。

ドラマを観る限り、かなりの特権階級の息子なのはわかりますよね。ドラマ中でも説明がある通り、ジョンヒョクは朝鮮人民軍の総政治局長の息子という設定です。

この北朝鮮の総政治局長という地位についても、多くの脱北者の方が解説していたのですが、なんと、北朝鮮のトップ3に入る地位ということで、中には「金正恩に次ぐ、ナンバー2と言っても過言ではない」と解説されていた方もいました。

高い地位だとは思っていたけど、そこまでとは…!実在する地位で、そこまで高い地位の設定にするとは、作家さんも大胆です。

特権階級の車が道を走るシーン

さて、特権階級と言えば、「愛の不時着」第2話でジョンヒョクが、ダンの叔父さんの車を借りて、自宅まで車を飛ばすシーンがありましたよね。

車のナンバーを見て、特権階級の車だとわかるや否や、

慌てて、他の車を制御し、最優先でジョンヒョクの車が通れるようにする交通整備の人たち。

これ、実際の「北朝鮮あるある」ということで、脱北者の方々が評価していたシーンの一つ。

まず、そもそも、道の真ん中で人が交通整備しているのに驚きませんでしたか??

ドラマ中でも度々出てきましたが、北朝鮮では電気が限られた時間しか使えないので、こういう大きい道では、人が立って交通整理をしているそうです。

そして、特権階級であれば、このように優先的に通すようなルールになっており、誰にも邪魔されずに道を通れるため、長い距離でも短時間で到着できるということ。

ちなみに、このような特権階級の車はもちろん高級車のことも多く、実際平壌では、ベンツなどの外国産の高級車も多くみられるんだとか。(ちょっと意外でした…!)

セリが隠れていたあの場所

さて、先ほどのジョンヒョクが車を飛ばすシーンに関連して、ジョンヒョクの不在中に突然チョ・チョルガンが訪ねてきて、セリが隠れるシーンがありましたね。その時に隠れた場所が、こちら…!

庭の一角にあった、地下倉庫のようなところ。

これ、単なる地下倉庫というより、これが北朝鮮で一般的にキムチなどの食料を保管しておく場所なんだそうです。

よく見ると、確かにセリの周りには食料がたくさん。

というのも、先ほども出てきた通り、北朝鮮では電気が使える時間が限られているので、冷蔵庫が使えないんだそうです…!代わりに、この地下の保管庫が冷蔵庫のようなもので、こうやって地下に保管しておくと食べ物の傷みが遅いとのこと。

確か、ダンの実家には冷蔵庫があったのですが、お金持ちで冷蔵庫を持っている場合でも、氷を入れて使ったり、結局、あまり冷蔵庫としては意味をなさないので、食べ物以外のものを入れて棚のように使うんだとか。

ドラマで出てきた通り、北朝鮮では定期的に、突然、村の監査役的な人たちが家を訪ねてきたりするので、セリのように地下の冷蔵庫に人が隠れる、ということが実際にもあるそうで、脱北者の人たちも、このシーンはとてもリアルだと評価していました。

また、電気がないので、家の中で自転車をこいでドラマを観る、というシーンもありましたね。これも、実際によくあることだそうです。

韓国ドラマは見る?

ドラマを観ると言えば、冒頭から驚いたのが、ジョンヒョクの部下ジュモクが勤務中に韓国ドラマを観ていたこのシーン。

まさかの「天国の階段」…!私も初めて見た韓国ドラマがこれでした。

これもかなりリアルで、実際に北朝鮮でも韓国ドラマは人気のようです。こうやって勤務中に隠れて見ている人も多いんだとか。

ということは、この「愛の不時着」も北朝鮮の人が観ている可能性大…!?このドラマを北朝鮮の人が観たら、かなり熱中すると思う」とあるYouTuberの方は話してました。

女性のファッションについて

「愛の不時着」の冒頭のほうに、こんなシーンも出てきましたね。ジョンヒョクがセリの髪をハンカチで縛ってあげるシーン。

ジュンヒョクのセリフに「北朝鮮で髪をおろしているのは、外国人かおかしい女性だけだ」というのがありましたが、これも実際そうなんだそうです。北朝鮮で髪を降ろしているのはご法度。

なお、ドラマの中で出てくるプッベンジャーズの方々のファッションや髪形はかなりシンクロ率が高かったようです。

特に「北朝鮮のアジュンマそのまま!」と言われていたのが、キム・ソニョンさん。

髪型や服装はもちろん、演技も上手なのもあり、よりリアルだったのではと思います。

また、劇中にもあったように、北朝鮮の女性たちは、基本的には市場のようなところで、洋服を買うそうです。

ジョンヒョクもシャンプーを買いに来たこの市場。これもかなりリアルだと絶賛されていました。

しかし一方で、セリが北朝鮮で来ていた服は、実はかなりのブランドものだったようで、「できるだけ田舎っぽいものをスタイリストが選んだろうけど、実際はあんな高級な服は買えません…」と、そこはさすがに現実とは違うようです。

このコートもかなり高級なブランドものだそう。ちなみに韓国では、セリが来ていたファッションが話題になりました。

また、もう一つ「これは非現実的…」と指摘されていたのが、主にダンのファッション。

ロシアからの留学帰り、という設定なのですが、ダンのファッションには、北朝鮮ではありえないポイントがいくつかありました。

まず、髪を常に下ろしていることは先ほどの通りで、加えて、ブーツを履いているシーンがあったのですが、北朝鮮ではブーツは決して履けないとのこと。

ジーンズの下に履いて、靴のようにつま先だけ見えるのはギリギリ大丈夫だそうですが、スカートと合わせるなどしてブーツとして履くことはNGで、履いていたら補導されるようです。

また、ダンがサングラスをかけているシーンもあったのですが、これもNGで「北朝鮮でサングラスをしている人を見たことがない」と皆さん話していました。

ということで、ドラマの中であえて演出として登場するシーン(キムチ保管庫、自転車こぎなど)については、あえて表現しているだけあり、おそらく脱北者からのリサーチをもとにしているので、どのシーンもシンクロ率が高いのですが、逆にちょっとした登場人物のファッションなど細かなところでは現実と多少ズレがあるようです。

なぜ外国に留学ができた?

ドラマの中では、少しずつ、ジョンヒョクとダン、セリがスイスで出会った頃の話が出てきます。

「あれ〜?北朝鮮の人でも自由に外国に留学できるの??」と思いませんでしたか?

こちらについては、元・特権階級の暮らしをしていたYouTuberの方の話が参考になりました。実際に、特権階級の人たちになると、こうやって自由に外国に留学をすることが可能で、その方も実は、留学で外国に出た後に、そのまま脱北したんだとか…!

あとは、平壌にある有名な音楽大学を卒業すると、自由に外国での演奏会などにも参加できるそう。しかし、一方で庶民には決してそのような自由はなく、やはり一部の人に限られた話だそうです。

脱北した方は、どちらかというとより生活が貧しい地方出身の方が多いようなのですが、制作陣はちゃんと自由があった階級の人たちの話も聞いて、ドラマの設定を決めたようです。

韓国ドラマ雑誌:「愛の不時着」特集

北朝鮮なまりシンクロ率No.1は?

「愛の不時着」では、北朝鮮の人たちの独特ななまり(北朝鮮の方言)も話題になりました。ドラマを観ている間は、私も、韓国人の友人たちとよく、ヒョンビンやピョチスの言い方をまねしていたほど(笑)

この北朝鮮なまり、脱北者の方々から見て、一番忠実に再現していたのは誰なんでしょう?

皆さんが口をそろえて評価していたのが、ピョ・チス役だったヤン・ギョンウォンさん。


「こういう北朝鮮の軍人いる!」ということで、方言がとても自然だったそうです。放送後の記事や、インタビュー動画を見ても、実は主役の2人の次にスポットライトが当たっていたのがこの方で、韓国視聴者の間ではピョ・チスが大ブレイク…!

ファンからは、冗談で「ソウルの言葉も意外とよく知ってるんですね」と言われるそうで、「僕、ソウル出身なんですよ…!」とインタビューで話していました。

その他にも、基本的にヒョンビンの部下たち4人組は皆、方言が上手だったようです。

どうやって方言を習得したか?

なお、ピョ・チス役だったヤン・ギョンウォンさんのインタビューで、「どうやってあんなに自然な方言を習得できたのか?」という質問があり、俳優たちが方言を習得したやり方についても話されていました。

話によると、現場には北朝鮮の方言に詳しい専門家の先生が常駐してくれており、

台本が出ると、専門家の先生が録音をしてくれた
方言はもちろん、キャラクターごとの言い方の癖まで理解して、細かく指導してくれた
すべてをマスターしたというよりは、基本的にはセリフを基準にして覚えていった
普段から出来るだけ使うように、と言われ、特にヒョンビン含めた5人組で話すときは、極力方言で話すように心がけた
ということだったようです。撮影に入る1か月前くらいから準備したそうですが、現地の人に違和感ない、と絶賛されるまでになったのは、この専門家の先生の力も大きいようです。キャラクターの癖まで理解しての指導、ってすごいですね。

最近、面白いドラマには、独特な方言が登場することが多くて、「椿の花咲く頃」のカン・ハヌルの方言も絶賛されていましたが、演技が上手な俳優さんにとっては、セリフを覚えるのと同じ感覚で、方言もマスターできちゃうんでしょうね~。いや~、凄い。

北朝鮮についてもっと詳しく知りたい方にオススメの雑誌

まとめ

ということで、「愛の不時着」をさらに楽しむための北朝鮮事情について、紹介しました…!実は、まだまだ面白い話がたくさんあるのですが、今日はまずまだ視聴中の方向けに5話までの内容で基本的なところをお伝えしました。

次回は、全話見終わった方向けに、主にドラマの後半で出てくる描写ついての解説、出演者たちの事後インタビューなどの情報をお伝えしようと思います!

まだ、視聴中の方、最後まで是非楽しんで、見終わったらまたこのブログに遊びに来てくださいね♪

第2弾はこちら

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*画像はtvNからお借りしました

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