「賢い医師生活」韓国視聴者の分析:ギョウル&ジョンウォンの軌跡①

ソウル在住
ブロガーMisa
「賢い医師生活」を見終わった人向けに、韓国視聴者の間で話題になった内容・ドラマ分析を紹介します。第二弾は、ギョウル&ジョンウォンの軌跡についてを掘り下げます!(前半:1話~5話まで)
なお、第一弾、イクジュン&ソンファの関係性については、こちらの記事をご覧ください。「普段、韓国視聴者がどのようにドラマを深く分析しているか?」についても、こちらで解説しています。
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ウィンターガーデンの軌跡

「賢い医師生活」で登場したいくつものラブラインのうち、最も人気が高かったと言っても良いのではと思われる、ギョウル&ジョンウォンカップル。

2人の名前が、ギョウル(正確には”キョウル”という表記が韓国語に近い)=冬、ジョンウォン=庭ということで、「冬の庭=ウインターガーデン」カップルと韓国視聴者の間で呼ばれていたことは、以前のブログでもご紹介した通り。

撮影オフショット(スペシャル放送より)

韓国でも、このウィンターガーデンカップルの人気が最も高く、シーズン1の最後で結ばれたのには、視聴者も大満足!!!(だから、あとのネタがシーズン2に持ち越されても、我慢できた感じw)

ジョンウォンの気持ちが、後半になるまで全然明かされなかったため、もどかしく、最後のいきなりの展開に、嬉しくも驚いた方もいたのではないでしょうか。

韓国視聴者の中でも、特にドラマの分析力が半端ない視聴者YouTuberの方々は、「ジョンウォンの気持ちが、どこでどのように変化していったのか?」「制作陣がどのような演出で、それを表現しようとしたのか?」について、これまた深すぎる分析を繰り広げていました(笑)

その分析に基づいて、1話からもう一度、見返してみると、何気ないジョンウォンの行動の数々が、全く違うように見えてきます。

私自身も、振り返ることで、「なるほど、これはこういう意図だったんだ」と、新たに気が付いた部分もあり、今日はまず、1話から5話までを振り返って、「ウィンターガーデンカップルの軌跡」を振り返ってみたいしてみたいと思います。

1話:ジョンウォンの性格

2人のストーリーが始まるのは2話からですが、1話を振り返りながら、まずは前提となるジョンウォンの性格について、振り返っておきましょう。
1話は、かなりジョンウォンがメインのストーリーとなっています。

普段の診察の様子は、とても丁寧で子ども好き。クリスチャンなのに「仏のジョンウォン」と言われるほど、おだやかで、人当たりが良いことがわかります。彼氏彼女とデートする、ジュンワンやソンファと違い、いつも患者第一の生活、ということが伺えます。

また、のちに明らかになる「あしながおじさん」としての活動についても、1話から小さいネタがいろいろ仕込まれていました。

この時の、ソンファとの電話で「お前に真剣に頼みたいことがあるんだ。前からやってたことなんだけど…」と話していたジョンウォン。すでにこの時から、神父になる計画を進めていたことがわかります。

そして、実は、大病院の息子だったことが判明しますが、このお葬式のシーンでも、「あしながおじさん」に関する細かなネタが仕込まれています。

話しているとき、警報の音のような変わった着信音が鳴り、ジョンウォンが電話に出ます。この時の電話の色はシルバー。

この後、お兄さん(ソン・ドンイルさん)に呼ばれて、席を立つジョンウォンですが、

「お前なんで、ずっと電話でないんだ?」
「ああ、兄さんごめん、マナーモードにしててさ」

という2人の会話があります。

この何でもないように見えるシーンも、視聴者YouTuberは見逃しません!!

よーく見ると、この時右のポケットからジョンウォンが取り出したスマホは、白色。「マナーモードにしてた」というセリフでもわかるように、先ほどの警報音のスマホとは別のものなんですね。

つまりここでは、ジョンウォンが「あしながおじさん用の別のスマホを常に持ち歩いている」ということをさりげなく表現する演出だったのです。
(これは全然気が付きませんでした…!)

こうやってみると、ジョンウォンは、患者第一で、人々と丁寧に接する一方、「金持ちの息子」「あしながおじさん」といった、人に見せない一面も隠し持っている人物、ということが描かれています。

これらのジョンウォンの性格を踏まえて、2話以降を見ていきましょう。

2話:医者が唯一言える言葉

そして、いよいよ2人のストーリーが始まる2話。後の12話で、初めて2人が会った時のシーンも紹介されていますが、

2話は、その後しばらくして、仕事上で2人が初めて関わることになったこちらのシーン。

子どもを心配する母親に対して、「助かる見込みは、ほぼありません」「胸の圧迫をしてたら、助かったかもしれないのに…」と事実のままに話してしまうギョウルに…

「医者が患者に確信を持って言える言葉は一つ、”最善を尽くします”それだけだ」

と、「仏のジョンウォン」が珍しく、感情をあらわにした瞬間でした。

そして、同じ2話の後半で、イクジュンとの会話の中で、ギョウルの話題が出た際、こんなやり取りがあります。

ジョンウォン「何度か一緒に仕事をしたが、俺とは合わない」
イクジュン「そうか?不愛想だけど真面目だぞ」
人に対して、ある意味、好きも嫌いも特別な感情を抱かないようなジョンウォンが、この時点では、ギョウルにマイナスな感情を持っていたことがわかります。
そして、のちに2人をアシストすることになるイクジュンは、この時点からすでに、ギョウルをフォローしていたわけですね。
さらに、この直後、2人の関係のターニングポイントとなるシーンがあります。
目を覆いたくなるうじ虫にも、少しも動じることなく、淡々と対応するギョウル。
他の女性たちは、その様子をびっくりした様子で見ています。
それを見つめるジョンウォン。きっと、先ほどのイクジュンの言葉も思い出しながら、こう思っていたことでしょう。
チャン・ギョウル先生、イクジュンの言うように真面目ではあるんだな…。不愛想なだけで、悪い子ではないのかもしれない。

ジョンウォンの中で、ギョウルに対するマイナスなイメージが、”小さな関心”に変わった瞬間だったのではないでしょうか。

3話:ギョウルの想い

そして、続いて3話。最初に出会った時から、ジョンウォンに心惹かれていたギョウルは、2話でジョンウォンに怒られながらも、密かに思いを募らせていきます。

いつの間にか、すっかりギョウルと仲良くなっているイクジュン(さすがのコミュ力…!)。

イクジュンがギョウルと電話で仲良く話す姿に、「まさか、ギョウルと浮気してるわけじゃないよな…?」と、ジュンワンに仲を疑われます。

ちなみにこのシーン、よく見ると、イクジュンがギョウルの電話に出た時、「お~ギョウル!」と言いながら、ちらっとジョンウォンを見るという細かい演技が…!

そして、ジョンウォンの写真を撮ってあげるなど、イクジュンは、すでにキューピットとしていい動きをしています。

ジョンウォンの写真を見せながら、ギョウルと会話するイクジュン。

ここに偶然、ジョンウォンがやってきます。座るやいなや、「彼女はやめろ、妻がいるくせに」とイクジュンに助言するジョンウォン。

その前のシーンで、ジュンワンが冗談で、二人の仲を疑っていたのも影響しているとは思いますが、普段誰とでも仲の良いイクジュンがギョウルと仲の良い様子を見て、このように過剰に反応したのは、ジョンウォンもギョウルを少し意識し始めた証拠…という見方もできます。(ただ、自分でも気が付いていない)

そして、逆にイクジュンからの一言。

おまえ、ギョウルをどう思ってる?

ドラマでは、この質問に対するジョンウォンの答えが描かれませんでしたが、韓国視聴者の間では、このシーンを、”勘の鋭いジョンウォンが、この一言でギョウルの自分への想いに気が付き、同時にギョウルをはっきりと意識することになった瞬間”という形で分析している人が多かったです。

「ジョンウォンがギョウルをどう思っているか?」ということに対するジョンウォンの回答は、この時点では、おそらく「何言ってるんだよ」的なものだったでしょうから、そこまでをセリフで言わせるよりも、イクジュンの質問に、一瞬何かを考えているようなジョンウォンの表情のカットで終わらせたところが秀逸。

韓国視聴者がしっかりとそれを読み取ったように、このシーンで表現したかったのは、その点のジョンウォンの気持ちよりも、むしろ、「ジョンウォンがこれをきっかけにギョウルの想いを知った」という部分だったと思われます。

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4話:ジョンウォンの動揺

1回目に見たときは、ジョンウォンのギョウルへの気持ちは、後半になるまで、劇中ではあまり表現されていないと思っていたのですが、こうやって3話までの流れを理解し、先ほどのイクジュンとの会話で「ギョウルの気持ちに気が付いた」という前提で見返してみると、実は、4話は全編にわたって、「ジョンウォンの動揺」が描かれていることがわかります。
まず、視聴者YouTuberがこぞって解説していた4話冒頭のこちらのシーン。
このカットでは、二人の間の微妙な距離間はもちろん、2人の間にエレベーターの扉の縦線がありますよね。
このドラマだけではなく、こうやって構図の中で、二人の人物の心の距離、格差などを表現するのは、ドラマ・映画ではよく使われる手法だそう。(今後も、この手の構図に関する分析は、たくさん登場します…!)
これは、私個人の深読みですが、よく見ると縦線に黒い横線も加わっていて、十字架を表現しているようにも見えますよね。神父になりたいジョンウォンの夢が、2人を引き裂いているという意味!?(私も、だいぶ視聴者YouTuberに感化されてきました笑)
続いて、ある妊婦の対応について、産婦人科のソッキョンと小児外科のイクジュンの会議にギョウルが参加しているこちらのシーン。
会議終わるころに、ギョウルにさっとチョコパイを二つ差しだすジョンウォン。
1回目に見たときは、会議中もずっとチョコパイを食べているギョウル先生に、気が利いて親切なジョンウォンが「そんなに好きなら」と差し出した程度に見えたのですが、「ギョウルを意識し始めたジョンウォン」という視点でこのシーンを見ると、今まで気にしていなかった細かな演技が見えてくるから不思議…!
会議の途中から、ジョンウォンが、ソッキョンの話を聞いているように見えて、よく見ると、ちらちらとギョウルに視線を送っていることがわかります。(最初は、「会議してるのに、ずっと食べてるな、この子…」という視線だと思ってましたが…)
そして、ここからチョコパイのくだりまでを、視聴者YouTuberは細かく分析します。
ソッキョンが「会議は終わり」と言ってからの、ジョンウォンの言動に注目。チョコパイに手を伸ばす前から、ギョウルのほうのジョンウォンの左手は、よく見ると指を動かしてソワソワしていて、
ソッキョンの「今日夕方何してる?」という質問に答えながらも、立ち上がった瞬間にチョコパイをつかんでさっとギョウルに差し出しているのを見ると、「頭の中はチョコパイをいつ差し出すかでいっぱいだった」ということがわかります。
その証拠に、「イクジュンが何をしてるか?」と聞かれて、思わずソッキョンに伝えてはいけない、シム議員の話(ソッキョン父と関係あり、ジュンワンに言うなと言われた話)を口に出してしまい、「しまった…」という表情のジョンウォン。
ここは、チョコパイ…ではなく、ギョウルのことで頭がいっぱいで、いつも冷静なジョンウォンがミスしてしまった…という演出だと見ると、納得がいきます。
私もなんとなく、最初に見たとき、このシーンのジョンウォンが、他のシーンと比べると妙にテンションが高いというか、他のシーンとは少し違う感じを受けたのですが、「ギョウルを意識して終始ソワソワしていた」と思って見ると、合点がいきます。
「ジョンウォンの動揺」について、4話でもう一つ、よく語られていたシーンが、休日にジョンウォンが慌てて病院に戻ってくるこちらのシーン。
これはその後、わかりますが、ギョウルの緊急コール(呼び出し)を受けたもの。もちろん、患者への愛が人一倍強いジョンウォンなので、患者を心配して慌てている、という理解もできますが、ここで視聴者YouTuberたちは、これ以前のジョンウォンの緊急コールへの対応シーンと比較して、解説します。

他の呼び出しのシーンでは、毎回、病院の一階に車を停め、車の中に常備してあると思われるガウンを持って、病院に入ります。

2話冒頭で描かれたシーン

一方で、この時だけは、地下の駐車場で、車の駐車までイクジュンたちに頼むほど慌て、ガウンも着ずに飛び出していくジョンウォン。
これはやはり、気になっているギョウルからの呼び出しだったから、いつも以上に慌てている、という演出だったのではないかというのが視聴者YouTuberたちの見解です。
このドラマの制作陣は、何気なく描いているようなシーンにも意味を持たせる緻密さがあり、わざわざその前に、呼び出された時のジョンウォンの様子を、車の駐車部分から描いたり、このシーンだけガウンを持って行かないというのは、確かに、明らかにそこに意図があると読み取ってもオーバーではないかもしれません。

見えてくる話数ごとのテーマ

こうやって見返してみると、4話のメインテーマが、「ジョンウォンの動揺」だったのではないかと思うぐらい、散りばめられた患者たちの話の真ん中に、ウィンターガーデンカップルのストーリーが中心的に描かれていることがわかります。

「賢い医師生活」のラブラインについては、後半になって急に動き出した感がありましたが、こうやって見返してみると、実は前半のほうも、数ごとに、フォーカスするラブラインが決められていたのでは?ということが見えてきます。

各カップルの決定的な展開は、後半に描かれるものの、主にこれらの回で、二人の関係性に影響を与える重要ストーリーが描かれていることがわかります。

4話:ギョウル&ジョンウォン
5話:イクスン&ジュンワン
6話:ソンファ&イクジュン
8話:ミナ&ソッキョン

5話:虐待父親を追いかけるギョウル

さて、ストーリーに戻りまして、5話。ここでも、「結末を知った今見ると、違うように見える」シーンがあります。

双子の子どもの診察をしていたジョンウォンが、子どものあざを見て、父親の児童虐待に気が付くシーン。
「警察に連絡して」とギョウルに指示しますが、その時ちょうど、父親と目が合い、靴を脱いで必死に追いかけるギョウル。

ギョウルが追っかけ、最後はソンファの協力で、父親は警察に引き渡すことになります。
無事に問題の対処が終わった後、ジョンウォンが、優しく声を掛けたのは、ギョウルではなく、ぺ・ジュニ先生。

日本語字幕より、直訳に近い感じで訳してみます。

よくやったね。お兄ちゃんのレントゲンは、僕も考え付かなかった。ありがとう。

日本語字幕ではニュアンスが弱まっていますが、実際は「よくやったね」「ありがとう」と、かなり褒めていて、ギョウルが聞きたかったセリフを、ぺ・ジュニ先生に言うジョンウォン。

全力で追っかけてヘトヘトのギョウルは、せめて「お疲れさま」とぐらい言ってもらえると期待したことでしょう。しかし、ジョンウォンがギョウルにかけた言葉は、「早く手術の準備して」と冷たい一言。

全てを見終わってから、このシーンをもう一度見ると、この時のジョンウォンの気持ちが、見えてくる気がします。

素足で暴力的な父親を一人で追いかけて行ったギョウル。ジョンウォンは、患者の処置があるので、一緒に追いかけるわけにはいきませんでしたが、心の中ではギョウルを心配したことでしょう。ジュニ先生が「ナイフでも持ってたらどうするんだろう…」という一言に、ドキッとするジョンウォン。

心配だけど、かといって今すぐ助けに行くわけにもいかない…心配ともどかしさが募り、最終的にジョンウォンの感情は「怒り」になったのではないでしょうか。(「何でこんなに、無鉄砲で、心配かけるんだ…!」と)

ジュニ先生を大げさにに褒めたのも、むしろギョウルを意識しての行動だったと思われます。

ここまで見てくると、「仏のジョンウォン」「人の悪口を言わないジョンウォン」「99ズ以外の前では、誰にでも一定の距離で丁寧に接するジョンウォン」が、ギョウルに対しては、マイナスな感情を抱いたり、そわそわしたり、慌てたり、怒ったり…それ自体がとても特別なことであり、その他大勢とは違う、特別な感情を感じている証拠と言えると思います。

このように5話までは、一目ぼれしたギョウルと、その気持ちに気が付いて、揺れ動くジョンウォンの気持ちが描かれていました。
そして、ギョウルが倒れてしまう6話以降は…、長くなってしまったので、次の記事にて振り返っていきたいと思います。

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まとめ

ということで、ギョウル&ジョンウォン、ウィンターガーデンカップルの軌跡を5話まで振り返りました…!

何でもないと思ったシーンが、こうやって見返してみると、全く違って見えてきませんか?

すごく鋭い視聴者の皆さんは、すでに、気が付いていた部分もあったかもしれません。6話以降は、さらに深すぎる韓国視聴者の分析が飛び出しますので、お待ちください…!

*写真はtvNからお借りしました。

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