韓国ドラマ:強さの理由②韓国ドラマ進化の歴史【後編】

ソウル在住
ブロガーMisa
韓国ドラマ視聴歴16年、現在韓国在住の私が「韓国ドラマの強さの理由」について、現地でしか得られない情報を元に、シリーズ形式で解説します。今回は、その第二回目「面白い作品が生まれ続ける仕組み」の後編です。
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③Netflixと制作スタジオの時代(2018年~2020年)

次に、韓国ドラマ界に大きな変革が起きたのは、2018年頃です。しかし、2016年にその変革につながる二つの出来事があります。

韓国初の「制作スタジオ」誕生

一つ目は、韓国初の制作スタジオ「スタジオドラゴン」の誕生です。

ケーブルドラマの地位を確立したCJ E&M(現 CJ ENM)のドラマ部門が、会社として独立したものです。

スタジオドラゴンが、これまでのドラマの制作会社と異なるのは、制作だけでなくドラマの企画・制作・販売・流通まですべてを行うこと。(韓国では、制作会社と区別して「制作スタジオ」と呼ばれることが多いので、ここでもそう呼びたいと思います。)

このような、今までにない形の制作スタジオが誕生した背景には、それまでのドラマ制作会社を取り巻く厳しい環境がありました。

前編で述べたように、韓国政府は1991年に法律を改正し、コンテンツ制作の外注化を推進。これにより、2015年時点では500を超えるドラマ制作会社が乱立していました。

これは競争を促し、コンテンツ力を高めるための施策だったのですが、結局は作品を出せるプラットフォームが限られていたため、制作会社は常に苦しい経営を強いられていました。

多チャンネルの時代になり、これらが解消されるかと思われましたが、そう簡単には行きませんでした。

制作会社の多くは、元々テレビ局のPDだった人が独立して立ち上げた会社でしたが、良い作品を作るということと、海外を含めて資金を集めたり、流通させたりすることは全く別のスキルであり、この両方をバランスよく行える制作会社はほとんどなかったのです。

また、作品作りに関しても、限られた制作スタッフで「安定的にヒット作を生み出す」ということは難しく、常に経営は不安定にならざるを得ませんでした。

2014年に「ミセン」を制作したナンバースリーピクチャーズも、2015年・2016年は赤字が続いた

*『미생(ミセン)』(tvN/HPより)

この制作会社の経営難・財政難については、「出演料の未払い問題、制作会社社長の自殺」といった事件を通じて、韓国国内でも度々問題として取り上げられていました。

こうした制作会社の状況と、その当時、少しずつはじまっていた世界のOTTサービスの拡大を見据えて、CJ E&Mはこのような制作スタジオ形式の会社を設立したわけです。

これは何より、資金力のあるCJ E&Mだったから実現できたこと。
国内のチャネルも確保しつつ、海外販売も含めて収益計画を立て、中長期的な投資も可能。これはとても中小の制作会社には実現できない事です。

スタジオドラゴンは、このような制作会社や人気の脚本家などを豊富な資金力で次々と傘下に収め、年間制作本数が30本を超える国内最大の制作力を持ったスタジオとして台頭していきます。

なお、スタジオドラゴンの場合、実際の制作自体は、買収した子会社の制作会社が行っていたり共同制作という形を取っていることが多く、どちらかと言うと制作そのものというより、企画の部分や、流通の部分に強みがあると言えます。
(このあたりも、別の記事で詳しく解説したいと思います。)

その後、スタジオドラゴンの成功をモデルに、JTBCからもJTBCスタジオ、SBSからもスタジオSという制作スタジオが誕生していきます。

Netflixの登場と躍進

そして、同じく2016年のもう一つ重要な出来事が、Netflixの韓国を含む世界130カ国への進出です。

進出した当初は、韓国での加入者は6万人程度。この時点ですでに韓国では、IPTVやケーブTVなどの有料放送の普及率が90%を超えており、それらで映画なども楽しむことができたため、Netflixの普及は難しいと思われました。

映画の場合、劇場公開から早ければ2週間ほどで、IPTVで視聴可能となる

実際にNetflixがプラットフォームとして影響力を持ってきたのは、2018年頃以降です。

オリジナルコンテンツの制作に力を入れることで、既存のプラットフォームが普及していた韓国でも、人々がNetflixに興味を持ち、利用するメリットを打ち出していきます。

また、既存のプラットフォームでは、1話または作品ごとの課金で広告が含まれることも多かったのに対し、Netflixでは、月額1000円程度で新作ドラマはもちろん映画まで楽しむことができ、煩わしい広告もないということも、視聴者にとって大きなメリットとなりました。

そして、これまでの視聴スタイルの中に自然と入り込んでいくために、NetflixはIPTV事業者との連携も模索し始めます。

初めは、小さなIPTV事業者との提携から始め、オリジナルコンテンツが人気を博していく中で、大手IPTV事業者側にも交渉力を持つようになったNetflixは、ついに2018年にLGテレコムと連携し、2019年に121万人まで加入者を大幅に伸ばします。
コロナによるStayHomeも追い風となり、2020年4月には328万人まで急増。2020年8月にはついにIPTV加入者1位のKTとも連携を果たしました。

KTのIPTVに加入している自宅のテレビ。先月からメニューにNetflixへの導線が追加された。一度ログインしておけば、次からは気軽に大画面でNetflixが楽しめる。

*参照記事:[OTT빅뱅, 한국의 응전]①‘OTT 공룡’ 넷플릭스, 한국 상륙/이코노믹리뷰

Netflixと制作スタジオの提携

こうして、2016年に誕生した制作スタジオと韓国に進出したNetflixは、2019年ついにタッグを組みます。

自ら海外販売に力を入れていた制作スタジオが、Netflixに海外版権を譲渡するという大きな決断をするわけです。

国内のドラマを牽引していたtvNのほとんどの作品を提供するスタジオドラゴンと、tvNとしのぎを削るJTBCのドラマの企画・投資を行うジェイコンテンツリーがそれぞれ同じタイミングで、ほぼ同じような契約をNetflixと結びます。

ジェイコンテンツリーは、「SKYキャッスル」「梨泰院クラス」「夫婦の世界」などの企画・流通などを行っている。韓国国内では今年前半にヒット作を連発したため注目を浴びた

*『부부의세계(夫婦の世界)』(JTBC/HPより)

新規に共同制作する作品については、Netflixに大規模な制作費をもらうことで、海外での独占的な配信権を譲渡。こうして、世界的に韓国ドラマのファンを作りながら、既存のコンテンツを複数のOTTに対して販売するという形で海外輸出を加速させていきました。
*OTT=Netflixなどのインターネットのメディアサービス

例えば、最近日本のNetflixで新しく配信され始めた「私のIDはカンナム美人」(ジェイコンテンツリー)や10月から配信される「知っているワイフ」(スタジオドラゴン)。これはすでに一度、日本の別のプラットフォーム(有料放送など)で公開したことのある過去作品です。

偶然にも、どちらも2018年の作品なのは、おそらくちょうどそこでの独占契約が終了したタイミングでNetflixにも販売したという形でしょう。利益という面では、実はこの既存コンテンツの販売も重要なのです。

このような制作スタジオの新しい取り組みは、以下の観点でドラマ制作に変革をもたらしたと言えるでしょう。

OTTや放送局に対して交渉力を持ち、これまでとは規模の違う制作費を得ることに成功したこと
作り手が、制作に集中できる環境を整えたこと
制作したものが安定的に流通される仕組みを整えたこと
→良い作品を作るための環境と、作り続けられるためのビジネスモデルの確立

Netflix×テレビ放送の新たな視聴スタイル

こうした本格的なNetflixと制作スタジオとの連携は、ドラマの視聴スタイルにも新たな変化をもたらします。
それは、テレビ放送×Netflixの連動による視聴機会の最大化です。

2016年に韓国に進出した当初は、Netflixとテレビ放送は日本と同じようにまったく別々のものでした。

しかし、2018年頃から「Netflixオリジナル」というブランド名の作品が増えるにつれ、「テレビ放送後、約1時間程度でNetflixでも同時に配信する」というテレビ放送との連動スタイルが定着し、今では大半の新作ドラマがこの形で提供されています。すべてではありませんが、特にヒット作を次々と生み出しているtvNとJTBCの作品の多くはこの形です。

こちらは、日本でも大人気となった「愛の不時着」の視聴率の推移を表したものです。


*NEVER掲載の『愛の不時着』視聴率データより(ニールセンコリア提供:全国基準の視聴率)

「ストーリーが1話ずつ積みあがっていく」というドラマの特性上、「途中から視聴者が増えていく」というのは、これまでも見逃し視聴やVODなどの環境がありながらも、なかなか難しいことでした。しかし、Netflixでの同時配信により、最近のヒット作では、初回の視聴率と最高視聴率が15%以上跳ね上がるという「エビぞり現象」が起こるようになりました。

まず、新作ドラマをリアルタイム視聴するドラマファンを唸らせ、「他の人にオススメしたい」と思わせることができれば、その後途中からでも視聴者が増えていく、ということが可能になってきているのです。

視聴のタイミングと視聴のスタイルをテレビ局が決定し、それに視聴者が合わせていた時代から、「いつどこで何を見るか?」は完全に視聴者が選べるようになったことで、作品の選択基準は「面白いかどうか」というシンプルなものになりつつあります。

ヒット作を出し続ける難しさ

なお、日本では時折「スタジオドラゴンの制作なら面白い!」といった記事を見かけることがあります。
確かに「トッケビ」の頃は、そのようなイメージがありましたが、韓国ではすでに状況は変わってきています。

このように、視聴率を基準に、ここ1年ぐらいの韓国でのヒット作を見てみると、スタジオドラゴン一強というわけではなく、様々な制作会社がしのぎを削っています。

2020年上半期大ヒットした「夫婦の世界」は、JTBCスタジオ制作(企画・流通はジェイコンテンツリー)

*『부부의세계(夫婦の世界)』(JTBC/HPより)

スタジオドラゴンは、制作本数が多いがゆえに、ヒット作もある一方、同じぐらい視聴率が全く振るわなかった作品も存在するのです。そのため、韓国ではすでにヒットメーカーというより「一番多く制作している会社」「海外輸出で成功している会社」というイメージです。

また、制作そのものをどの会社がやるかというよりも作品が面白いかどうかは、

PD(=TV局または制作スタジオ所属)
脚本家(=制作会社または制作スタジオ所属)
演出家(=PDが兼務または制作会社所属)
*所属は実際の事例をもとに代表的な形を記載

にかかっている部分が大きいと私は考えます。なので「新作が面白そうかどうか?」の判断は、PD/脚本家/演出家に注目しています。

しかし一方で、最も作品の成功を左右する脚本家については、過去のヒットメーカーでも一瞬で人気を落としてしまうということが少なくありません。

スタジオドラゴンの傘下の会社に属しているキム・ウンスク作家も、「トッケビ」「ミスターサンシャイン」では大ヒットを飛ばし、「信じて観られる作家」として有名でしたが、最新作「ザ・キング~永遠の君主~」では、「時代の変化を捉えていない」「もう腕が落ちた」と韓国視聴者から大きな非難を浴びました。

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韓国では、ドラマのトレンド自体が常に移り変わり、視聴者の見る目もどんどん厳しくなるため、特定の作り手が”ヒットメーカー”として君臨し続けるのは容易ではありません。

国内でヒットしなくても大丈夫?

一方で、制作スタジオを中心としたドラマの海外販売が拡大するにつれて、ビジネスの観点で見ると必ずしも、国内でヒットする作品だけが成功というわけではないこともわかってきています。

Netflixでの配信においては「韓国でヒットしなかった作品が、海外では人気になる」というケースも多く見られるようになりました。

「ザ・キング 永遠の君主」は韓国では評価が低かったが、むしろ海外で人気に


*『더킹 영원한 군주(ザ・キング~永遠の君主~)』(SBS/HPより)

「アスダル年代記」「サンガプ屋台」なども、韓国での視聴率に比べ、海外人気のほうが高かった作品です。

最新作の場合、制作スタジオとしては、放送局とNetflixでの同時提供を通じて制作費は回収できますし、国内での視聴率が悪くても海外で人気が高ければ、作品の周辺の売上(OSTなど)や過去作品の販売価格の上昇など、ビジネス全体で見ればプラスを生むことも可能になります。

このように、今後は、視聴者も販売方法も多様化している現在では、ヒットやビジネス的な成功の定義も変わってきていると言えます。

④次なる変革の動き

ということで、Netflixの台頭と、制作スタジオの誕生によるここ2年ぐらいの変化について説明してきましたが、韓国ではすでに次なる変革の動きが始まっています。

韓国産OTTの動き

Netflixの飛躍を受けて、韓国産のOTTサービスの動きも活発です。

ここまで何度も名前が登場したtvNとJTBCも、そのドラマの多くをNetflixでも配信していますが一方で、この2社がタッグを組んだTVINGという国内OTTサービスも運営しています。

TVINGアプリのVODページ。tvNとJTBCの作品が並ぶ。(月額見放題、1話ずつなどで価格が異なる)

また、地上波3局とSKテレコム傘下oksusuが運営するWavve(ウェーブ)というOTTサービスもあります。

これまで、オリジナルコンテンツがない事でNetflixに水をあけられていました。しかし、今後は2023年までにオリジナルコンテンツに3,000億ウォンを投資すると発表しています。(現在、オリジナルドラマの「アリス」も放送中)

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視聴者の立場では、これら国内産のOTTは、まだ1話ごとの販売が多かったり、主要作品はNetflixで見られるものが多いため、あえて加入するメリットを見いだせていないのが正直なところ。

しかしNetflixの勢いが凄いだけに、最近は韓国国内でも「国内のOTTを育てなければ」「政府も国内OTTの育成をサポートすべきだ」といった論調の記事もよく目にし、今後さらなる戦略が打ち出される可能性が大いにあります。

なお、これら国産のOTTのサービスは、現在は韓国国内がメイン。しかし、国内だけでは利用者が限られているため、当然韓国コンテンツの人気が高い、アジア進出を考えるでしょう。

実際に、WATCHAという韓国のOTTサービスが、今月16日から月額課金型のサービスを日本でも開始しています。

WATCHAは2015年から映画のレビューサイトを日本で運営していましたが、そこで5年間溜めたデータをもとに、日本の映画ファンの嗜好に合わせたレコメンドサービスを行うそうです。

今後、オリジナルコンテンツに力を入れ始めているWavveも同じような動きに出てくるのではないでしょうか。

最新の韓国ドラマを配信する韓国産OTTが、直接日本でサービスを開始することになれば、日本のプラットフォームにも影響があるでしょう。

カカオTVの戦略

一方で、コンテンツ自体の新しい形も生まれつつあります。

2020年9月、韓国最大のSNSサービスとして利用者5000万人という圧倒的に人口をカバーしているKakao(カカオ)が、オリジナル制作したドラマ・芸能・映画などを配信するカカオTVチャンネルをスタートさせました。

これまでもKakaoページというウェブ小説・漫画のプラットフォームや、MelOnという音楽配信サービスも展開していましたが、ついにオリジナルの映像制作と配信にも乗り出したのです。

現時点では広告を見れば動画視聴は無料で、プロが制作するモバイルに最適化された20分前後の作品が中心という形で、YouTubeとNetflixの間のようなポジションを取っています。

カカオトークのアプリからすぐにアクセス可能。1話20分ほどのドラマも無料で視聴できる

このような形のコンテンツが本当に普及していくのか…と今の段階では思いますが、注目すべきは、カカオTVのコンテンツを制作するカカオMの代表を務める人物が、なんとあのtvNをドラマ王国に育て上げた時代にCJ E&Mの代表を務めていたキム・ソンス氏であること。

「もはやTVだけに固執する必要がない」「デジタルプラットフォームでコンテンツ事業を展開してみたい」ということで、2019年からカカオMに移籍をしています。

キム代表が移籍して、まず力を入れているのは人材集め。tvNのコンテンツを強化するために、地上波から人気PDを引き抜いたように、カカオMにも地上波からPDを迎え入れています。また、俳優マネジメント会社7社、映画会社2社、ドラマ制作会社4社などを買収しています。

10年前に、今のケーブルドラマの基礎を作った人物が仕掛ける新サービスということで、目が離せません。

なお、カカオMの戦略の一つが、芸能人(俳優・歌手・タレント)のデジタルIPを保有・活用すること。直接、芸能人のマネジメントも行い、スターたちが直接運営するデジタルチャンネルを開設・運営する計画を掲げています。

実は、この動きはカカオM以外でも見られます。芸能事務所が作家やPD/監督を迎え入れ、自らドラマや映画製作に乗り出すケースが出てきていて、チュ・ジフンやウ・ドファンなどが所属する芸能事務所、キーイーストは「ハイエナ」や「サイコパスダイアリー」などの制作に参加。今後、Netflixオリジナル作品として公開予定の「保健教師アン・ウニョン」の制作にも参加しています。

芸能人の権利を保有する会社がコンテンツ制作に乗り出すことで、今後、今までにない形のコンテンツが生まれる可能性もあるのではないでしょうか。

*参考記事:중앙일보/tvN 성공신화 김성수의 카카오TV, OTT 게임체인저

まとめ

「韓国ドラマ:強さの理由②韓国ドラマ進化の歴史」ということで、2回にわたってこれまでの歴史を振り返ってみました!(凄いボリュームにお付き合いいただき、ありがとうございます 笑)
個人的にまとめながら、こんなことを想いました。

韓国ドラマの発展の中心には、常に良いものを作ろうとする作り手の努力と、目の前の視聴者との向き合いと信頼がある

良いものを作り続けて、届けられる仕組みを実現するための、長年に渡る投資とインフラ面の整備も重要な要素
→これを推進した人々を動かしていたのは「文化を海外に届ける」という強い信念

この記事を書くために、私は今回、膨大な数の韓国の資料を見ました。こうやってまとめてみると、綺麗なストーリーのようですが、各時代で様々な葛藤と議論を巻き起こしながら、紆余曲折でここまで来たことがわかります。
そして、印象的だったのは、大きな変革のポイントには必ず、人の強い信念や情熱があったこと。

ブレない信念を持ちながら、時代の変化を柔軟に取り入れてチャレンジし続けた現場の人たちの努力が、今の魅力的な韓国ドラマを作り上げていると言えるでしょう。

次回は、続いて、作り手側の中でも俳優・脚本家にフォーカスして強さの理由を分析してみたいと思います。ご興味ありましたら、またご覧ください。
次の記事はこちら

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Misa執筆記事

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