【映画レビュー】イ・ヨンエ14年ぶり復帰作「ブリング・ミー・ホーム(나를 찾아줘)」

こんにちは、Misaです。今日は先日韓国で公開スタートしたイ・ヨンエ主演映画「나를 찾아줘(私を見つけて/邦題:ブリング・ミー・ホーム)」を観てきました!

イ・ヨンエ14年ぶり復帰作

この作品何といっても、イ・ヨンエの14年ぶりの復帰作ということが話題になりました。
14年ぶりって…なんと、あの名作「親切なクムジャさん」ぶりということなんです!!

いや~、「親切なクムジャさん」は本当に衝撃的な作品でしたが、それ以降映画に出演してなかったとは!!
調べてみると、その後、結婚したり、大学に入学したり、出産したり…という感じで芸能活動はしばらくお休みされていたようです。クムジャさんのインパクトがすごすぎて、ずっと活動していると思っていたのですが、お休みされてたんですね~。
ということで、クムジャさん当時は、34歳だったイ・ヨンエも現在は48歳。
クムジャさんも、失った娘を探す役柄でしたが、今回も実は失踪した息子を探す母親役です。

ブリング・ミー・ホーム あらすじ概要

スクリーンは、イ・ヨンエ演じるジョンヨンが海辺で泥まみれになった姿でたたずむところから始まります。

息子が失踪して6年。ジョンヨンは、夫ともに息子を探し続けています。
ある日、息子の居場所に関する情報が入り、見知らぬ田舎町を一人で訪れるジョンヨン。

子どもの写真が載ったチラシを配りながら探しまわりますが、皆口をそろえて「そんな子供は知らない」というばかり。

警察官であるキョンジャン(ユ・ジェミョン)は、特に警戒した様子でジョンヨンを追い払おうとします。

しかし、母親の勘で彼らが何かを隠していることを感じたジョンヨンは、再び村に戻って子供を探し始めるのですが…。

ブリング・ミー・ホーム みどころ

全体を通じてかなり重たい空気感と、衝撃的な展開が続くこの映画。隣でカップルで見ていた女の人は、途中から「見てられない」という感じで、口を押さえたりして、緊張して見ていたほど。

重たいテーマではあるのですが、展開自体はテンポよく続きます。(衝撃的な出来事が次々と起こっていく)

そして何といっても、とにかく最後の最後まであきらめない、イ・ヨンエが表現する「母親の執念」の迫力がものすごいのと、

映画の中でもう一人のキーマンである、ユ・ジェミョンさんの演技も負けじと凄くて…

白熱の演技同士がぶつかる感じ。ユ・ジェミョンの警察役といえば、いつも「出世には興味のない敏腕刑事」が定番でしたが、今回はいつもと違った役柄です。

どうしても、「子どもの失踪・虐待」というテーマなので、子どもたちの可哀そうな様子が目を覆いたくなる部分もありますが、この2人の名俳優の演技と存在感は見ごたえがあります。

↓撮影の一コマ。全身泥まみれで、完全に役に入り込んでいるヨンエさん。

クムジャさんの時も感じたのですが、この方声がとても独特で印象的ですよね。それもあって、醸し出す存在感が半端ない。

映画の中では、「さすがに歳とったな~」と思ってしまったのですが、それはむしろ役のせいもあったみたいで、制作発表の際の写真を見てみると…

全然違う…!相変わらず、お美しい…!!

なお、映画全体としては、タイトルの通り、失踪した子供たちが「私を見つけて」と願っていることを忘れずに、あきらめずに探してほしい、というメッセージが込められています。

旅行の際に見たことがあるかもしれませんが、韓国では、地下鉄の駅などで、失踪した子供の写真が飾られているのを見かけますよね。今回の映画を通じて、改めて、韓国における「子どもの失踪」という問題について、色々と調べてみたくなりました。

ブリング・ミー・ホーム 韓国での評価

韓国での評価について、NAVERの評価を紹介しておきます。

・観客評価:8.7点/10点
・ネチズン評価:7.36点/10点
・評論家・記者評価:5.67点/10点
・動員数:35万人(公開4日間)

まだ公開から数日の評価ではありますが、評価としては決して高くありません。コメントを見ると、少し暴力的なシーンが多かったのが気になったという人や、全体的に重たい映画ということで評価が分かれました。

ちなみに、この映画ロッテルダム国際映画祭&フィレンツェ韓国映画祭に招待されたそうです。
確かに、万人受けというよりは、映画祭で好まれるタイプの映画かもしれません。

個人的な感想

※ここからは、あくまで個人的な感想です。辛口なので、観たくない方は飛ばしてください~!笑

やはり、イ・ヨンエと言えば、「親切なクムジャさん」のイメージが強いせいもあり、今回どうしても、クムジャさんほどの斬新さと完成度を期待してしまったのですが…

クムジャさんと比べると、もう一歩作りこみが欲しかったかな~という感じたのが正直なところ。

クムジャさんは、残虐なシーンが多かったものの、キャラクター設定も含めて脚本の巧みさにうならされた作品でしたが、今回はそこまでの脚本の巧みさは感じられませんでした。

メッセージがはっきりしているだけに、それ以外の部分は、結構あっさりした設定なのが残念でした。
ストーリーというよりは、ベテラン俳優の演技を楽しむ映画、という感じがりました。

ブリング・ミー・ホーム 日本公開に関して

日本では、2020年9月18日からの公開が決まりました…!新宿武蔵野館ほか全国で公開されるそうです。

劇場公開は、、どうなんでしょう。大衆ウケする感じの内容じゃないので、もしかしたら、DVDになるくらいなのかな…?と思いつつ、「親切なクムジャさん」でイ・ヨンエ自体はファンがいるでしょうからね。

映画好きな人が行くような、ミニシアターあたりで公開でしょうか。 

すでに、出ている映画関連の記事を見ると、邦題はそのまま「私を見つけて」になりそうです。

邦題は「ブリング・ミー・ホーム」と、英題に合わせた形になりました。確かに「私を探して」より、ブリング・ミー・ホームのほうが内容に合っている、とも言えるかもしれません。

予告編はこちら

まとめ

ということで、イ・ヨンエの復帰作として注目の「私を見つけて(나를 찾아줘)」。14年のブランクを考えると、それを感じさせない演技力・存在感が伝わってきて、あたらめてすごい女優さんだなと再確認した作品でした。

日本公開されましたら、観に行ってみてくださいね。

『나를 찾아줘(私を見つけて)』(邦題:ブリング・ミー・ホーム/Bring Me Home

・韓国公開日:2019年11月27日
・上映時間:108分
・日本公開:2020年9月18日

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※画像はすべてNAVERからお借りしました。