「二十五、二十一」結末に関する考察(14話:放送終了時点)

韓国在住KdramaライターMisa
「二十五、二十一」の14話放送終了時点で、結末に関する考察を紹介します。(完全ネタバレありなので、14話まで視聴済みの方向けの記事です)

結末考察にあたっての前提

「二十五、二十一」については、途中から深くハマって観ていたのですが、なかなかブログを書く時間が取れず、全て放送が終わってからレビューをする予定でした。

しかし!!!先日、14話の放送が終わってから、とにかく結末が気になりすぎて、もやもや…していたのは、私だけではないはず!

そこで、自分の頭の整理も兼ねて、結末の予想…というか、正確には「みんなが望むハッピーエンドになるための考察」をしてみたいと思います。

いつものように、しっかり時間をかけて整理してはいないので、簡易バージョンの記事である点、ご了承ください。

また、「あまり前情報なしに結末を楽しみたい方」は、放送後に見て、「あ〜こんな予想してたのね」という楽しみ方をしていただいても構いません。

視聴前に読むか読まないかの選択は各自のご判断で!!!

なお、ここで紹介する考察について、一つ一つのネタは、私が自分で考えたというよりは、韓国で様々な視聴者が考察しまくっているものを参考に、私なりに、最も納得がいく形に整理したものです。(韓国では今、多くの視聴者がものすごい勢いで考察しまくっていて、ここで紹介する以外にも、かなり想像力豊かな考察がたくさんあります!)

また、あくまでハッピーエンドを望む、いち視聴者の妄想として、お楽しみください!
では早速!

事前整理①解決すべき謎たち

まず、前提として、この考察のゴールは

イジンとヒドが結婚すること
ミンチェがイジンとヒドの子どもであること

というみんなが望むハッピーエンドにたどり着くためのものです。

そのためには、以下の謎を解明しなければなりません

14話:「結婚おめでとうございます」の意味
ミンチェの名字がキムである理由
4話現在のヒド母「最近ペク・イジンに会ってきたわ」に対する41歳ヒドの悲しい表情の理由
4話:ミンチェがイジンの顔を覚えていない理由
10話:エンディング 41歳ヒドが海に行ったことを覚えていない理由

事前整理②時系列の整理

1998年 イジン22歳 ヒド18歳 出会い IMF危機(1997年直後)
1999年 イジン23歳 ヒド19歳
アジア大会(実際は1998年開催):ヒド金メダル
2000年 イジン24歳 ヒド20歳
初キス ユリム帰化→ロシアへ
2001年 イジン25歳 ヒド21歳 
マドリードオリンピック(実際はシドニー2000年):ヒド金メダル/9.11 アメリカ同時多発テロ
2005年 イジン29歳 ヒド25歳
プラハオリンピック(実際はアテネ2004年):ヒド金メダル
2007年 イジン31歳 ヒド27歳
ミンチェ出産
2009年 イジン33歳 ヒド29歳 
サンフランシスコオリンピック(実際は北京:2008年) ミンチェ3歳 :ヒド金メダル
「遅くなりましたが、結婚おめでとうございます」
〜〜
2021年 イジン45歳 ヒド41歳 ミンチェ15歳
*このドラマでは、オリンピック・大会は実際より1年遅い設定、IMFなどの社会的事件は実際の年代で登場します。また年齢は韓国での年齢です。

それぞれの謎についての考察

14話:「結婚おめでとうございます」の意味

まず前提として2021年のミンチェの年齢から逆算すると、ミンチェは2007年に生まれており、この2009年のインタビューよりも2年も前にヒドは出産していること。2回金メダルを採ってから、出産、3回目の金メダル、だったことがわかります。

その前提で、ここは「ヒドとイジンは数年前に結婚していたが、有名選手とキャスターということで結婚を秘密にしている」ということだと予想します。

これには、ヒド母のアドバイスがあったでしょう。ヒドがあれだけ有名になっても、自分の娘だとは明かさなかったヒド母。たとえ友人でも、取材対象として接したヒド母のプロフェッショナリズムが、イジンにも受け継がれたのでしょう。

しかも、2回も金メダルをとって、まだ20代で現役選手のヒドが、イジン以外の男性とこのタイミングで結婚して出産する、というのがあまり考えられません。

さらに、「イジンがミンチェ父だ」ということを信じる視聴者の考察として、韓国で話題になっているのが、このインタビューシーンに隠された演出です。

14話の冒頭に出てくるインタビューシーンで、ヒドが「お元気でしたか?」と言った後、イジンの「あ、はい(아, 네)」と答えるタイミングで、「あ」と「はい」の間ぐらいに、子供の声で「아빠!(アッパ!:お父さん)」と聞こえるんですね。

これが、この時3歳のミンチェが、ヒドと同じ会場に居て、モニターに写ったイジンを観て「お父さん!」と言った声だというのです。

これまでも細かい神演出が光った制作陣なので、意図的にこういう声を入れたとしても、おかしくはありません。

ミンチェの名字がキムである理由

しかしながら、物語冒頭から、視聴者が「ミンチェがイジンの娘でないんだ…」とがっかりした理由が、ミンチェの名前がキム・ミンチェであることでした。
(ちなみに、韓国では、夫婦別姓で子どもは父方の姓を名乗ります。)

ただ、これについては、私は早い段階で「イジンが名字を変える」という伏線を発見していました。それは10話のイジンとイジン父との会話。

ここでの会話からは、「イジンが、10年前に今の家族のもとに養子として迎えられた」という匂いがプンプンしました。

日本語字幕では、この重要なポイントが訳されていないのですが、わざわざ父が「10年前」と言っていること。日本語字幕では、父が「息子」と言ったことになっているのですが、実際は「息子」ではなく「愛情深い子」という言い方をしていること。

さらに、その後にイジンが「今までが他の人よりも幸せだったから」というセリフは、これまでの他のドラマの例で考えると、いかにも養子に出された子が言うセリフだと感じました。(普通のこどもは、なかなかこんな言い方しない…)

そのため、イジンは、本来はキム姓だったのであり、途中で何かしらの理由で、「もとの名前に戻す」のではないかと思われます。

なお、14話の冒頭でミンチェが「ナ・ヒド ペク・イジン」とインターネットで検索したシーンの検索結果をみると、そのタイミングが2009年だったのではと思われます。

というのが、検索結果で、ヒドに関しては最近の記事もあるのですが、イジンに関しての記事は2009年までのものしかないのです。

ということは、このインタビューの後に、イジンが名前を変えた可能性が高い。

イジンのお父さんが、借金を抱えて倒産したという事情が、イジン本人の人生に影響することを避けるため。もしくは、イジンがキャスターを引退して、別の人生を生きるため…などの理由が考えられます。

4話 41歳ヒドの悲しい表情の理由

…と、ここまでは、14話終わった時点でだいたい想像ができたのですが、ここからがずっと引っかかっていたポイント。

まず、4話で、現在のヒド母が「最近ペク・イジンに会ってきたわ」と言ったときの41歳ヒドの悲しい表情の理由です。

これのせいで、当時、韓国視聴者の間では「イジン死亡説」が話題になりました(笑)「会ってきた」というのは、お墓参りに行ってきたということだという説です。

しかし、このときの41歳のヒドの表情が、それにしてはなんだか不釣り合いな感じがして、ずーっと引っかかっていました。

「悲しい」というにはオーバーで、どちらかというと「驚き・ショック」に近い感じ…

なお、41歳のヒド役の俳優さんは、ミュージカル界では有名な方(キム・ソヒョンさん)なのですが、本ドラマでは、発声にとても違和感があり、このドラマの唯一の不満点として批判されることも少なくありませんでした。

そのため、私もここは、「演技がオーバーだからかな…」と考えたりもしました(笑)

ただ、このもやもやを解決してくれる有力な説を発見!!!!

それは…

ヒド母が認知症の症状がある

というものです!

いや〜、私はこれで全て合点が行きました。

ここで、41歳のヒドが悲しい表情をしたのは、現在海外にいて会えるはずのないイジンに、「会ってきた」と母が話したことにショックを受けた(認知症の症状が進行していると感じた)と考えると、この表情に納得がいくのです。(キム・ソヒョンさん、演技疑ってごめんなさい…><)

まず、イジンがヒドの夫であり、ミンチェ父である前提で考えると、7話にミンチェ父からバレエの衣装の贈り物が届いたときの会話で、父親は海外にいることがわかります。

なので、すぐに会うことができない状況なのに、「先日会ってきたわ」と話す母に、41歳のヒドはショックを受けたわけです。

4話:ミンチェがイジンの顔を覚えていない理由

そして、もう一つ引っかかっていたのが、同じく4話で、ミンチェとヒド母が、昔の写真を見ながら話すシーン。

ヒド母「ペク・イジンがまだ子供ね」
ミンチェ「おばあちゃん 誰がペク・イジンなの?」
ヒド母「ペク・イジンを知ってるの?」
ミンチェ「ううん 知らない」
ここで、ずっと引っかかっていたのは、ミンチェがイジンの顔を知らなかったことです。もし、イジンが父なら、わかるはずですよね。
しかし、このシーンを「ミンチェもヒド母の認知症を心配している」という目線で見返すと、だいぶ印象が変わります
ヒド母は、会社の後輩のペク・イジンは覚えているが、ミンチェの父親だということを忘れている
ミンチェは、ペク・イジンが父親であることも顔も知っているが、ヒド母がそれを忘れていることを知っている
と思ってみると、「ペク・イジンが父親であることを忘れているおばあちゃんに話を合わせている」という風にも、見えるんですよね。

ただ、ミンチェが「この人がペク・イジンなの?」と言うときの表情は、本当に驚いているようにも見えます。

もしかしたら、自分の父親の元の名前が「ペク・イジン」なことを知らず、この写真で日記の登場人物ペク・イジンが自分の父親のことであることを知った、という可能性もあるかもしれません。

しかし、ここで、この写真の人が自分の父親であることについてミンチェも触れずに、話をそらそうとするのは、やはりヒド母がその部分について、忘れてしまっている、という前提があるからではないでしょうか。

最初に観たときは、「イジンを知ってるの?」と聞かれたミンチェが目をキョロキョロさせたのは、
「母の日記をこっそり観たことを言えないから」だと思っていたのですが、ヒド母が認知症であるという前提で見ると、だいぶ印象が変わるのです。

10話:41歳ヒドが海に行ったことを覚えていない理由

最後に、10話のエンディングで、41歳ヒドが海に行ったことを覚えていない理由について。

「永遠なんてない 全ては一瞬で終わって 消えていくものよ でもね それも悪くないわ」

ここで、41歳のヒドがあんなに楽しかった海での旅行を覚えていないのは、イジンや仲間たちとの関係が、「懐かしい思い出」だけではなく、現在進行系であるから自然に忘れてしまったと考えるのが、一番納得がいきます。

もし、イジンや仲間たちとの関係が、今はもう過去のものであったとしたら、その瞬間が美しい思い出として残ったでしょうが、今も続いていて、どんどん新しい思い出が積み重なっているとしたら、それは単に過去の1ページに過ぎない、ということを表現したのではないかと思います。

また、「永遠なんてない 消えていくものよ」というセリフには、ヒド母が昔の記憶をどんどん忘れていっていっている…という現在の状況を、重ねているようにも思えます。

11話の最後で、41歳のヒドとヒド母が、病院で検査を受けるシーンの会話からも、やはりヒド母の体になにか問題があることを感じさせるのです。

15話の展開

なお、15話の展開については、HPのあらすじにこのように書かれています。

忙しい中、愛を実らせたイジンとヒド。一緒に二十五歳、二十一歳を迎える。しかし、二人に想定していなかった大きなヤマ場が訪れる。
一方、ヒドとユリムは、誤解を抱いたまま、もう一度ファイナルステージで会うことになる
また、予告編で、イジンがヒド母に「ヒドに対して、恥ずかしくない人になりたいんです」という台詞があります。
ここから、「大きなヤマ場」というのは、イジンが仕事のためにヒドの元を離れて外国に行く、という展開があるのではと予想します。
ずっとついてまわる”高卒”の肩書を挽回するために、アメリカの大学に行くとか、記者として出世コースである海外赴任を選択するとか。

また、ここで、2001年の大事件、9.11の同時多発テロについても、何かしら登場・影響するのではと予想します。

このドラマは、この時代の歴史的できことを単に背景の一つとするのではなく、それによって登場人物たちの人生が変わっていくこと、その時代の”痛み”をリアルに描いている点が特長の一つだからです。

韓国では放送当初から「9.11テロでイジンが死ぬのではないか?」という説が話題にもなっていたのですが、イジンが生きているという前提にたった今は、上記のような形で何かしら登場すると思われます。
主題にもなっている、二人が、二十五歳、二十一歳になる年が、2001年の設定になっており、そこで9.11の同時多発テロが登場しないというのは、これまでの流れから言うとやはり不自然な気がするのです。

このドラマが伝えたいこと

ということで、謎についての考察はこんな感じなのですが、最も大事なのは、このドラマの主題が何であるか?ということ。(ここからは、私個人のこの作品に対する解釈です。)

私は、14話のインタビューシーンでイジンが「結婚おめでとうございます」と言う直前の、ヒドのナレーション部分が最もそれを表しているのではと感じました。

あなたがどこに居ても、私の応援を届けてあげる

実はこのセリフは、このドラマのメインポスターにも、書かれているフレーズです。(あなたがどこに居ても、私が届けるよ)

ポスターは何種類もあるのですが、特にイジンとヒド二人のポスターには、どちらもこのフレーズが書かれています。

14話では、その後のイジンの「結婚おめでとうございます」があまりに衝撃だったので、そちらに気を取られたのですが、見返してみるとこのシーンはむしろ、このヒドのナレーション部分が、表のやり取りからは見えない二人の関係性を表すとても重要なポイントだと感じました。

このドラマでは、二人の”愛”が、単に異性として「好き」ということだけではなく、あなたの存在が私を奮い立たせ、私を前に向かせるということ。一緒にいる、いないが重要ではないこと。などを丁寧に表現している点が魅力であり、重要なポイントの一つです。

そういう意味では、あのインタビューシーンは、まさに、離れていても互いの世界で全力を尽くし、お互いを応援するイジンとヒドの愛のかたちを象徴したシーンではないでしょうか。

また、もう一つは、「青春の思い出」ということについてのメッセージです。

企画意図にはこう書かれています。

このドラマは「青春もの」を描くときのまさに「青春」。
私たちの記憶の中のどこかに フィルターで補正して、おぼろげに残っている美化された青春。
私たちが見たい、愉快でひりひりする「青春」を描く。
殺伐として、燃えてなくなる話ではなく、ゆっくり染み込んで感動的に刻まれる話になるだろう。
まさに、ここまで私たちが癒やされてきた、どこか懐かしくて”美しいあの頃”の話。そこには、イジンやユリムの家族のストーリーのように、ヒリヒリする痛みや悲しい記憶もある。
そして、さらにそんな記憶をわすれていく、現在のヒド母や、母の昔の話に勇気づけられるミンチェなど。
20年前の青春の痛みと美しさを描き、それが20年後の今にどのようにつながっているのか。それもまたこのドラマの重要なテーマの一つです。
そう考えるとやはり、ヒドの母が認知症であるという設定は、主題を深く描くためにも重要な要素の一つになるのではと思うのです。

最後に

というわけで、ざっと考察をまとめてみました!スピード重視でまとめたので、多少説明不足とのところはご了承ください(笑)

さらに、放送を見たら、全く違う展開になっている可能性も大いにありますが、あくまでハッピーエンドを望むこのドラマのファンの妄想の一つとして、楽しんでいただけたらと思います。

なお、完全にネタバレになるので、まだ観ていない方を配慮して、SNS上でコメントを頂く際には、考察の具体的な中身にはできるだけ触れないようにご配慮くださいませ〜!(もし、この内容があたっていたとしたら、視聴途中の人が見ると、楽しみが半減してしまうため)

最終話まで放送された後は、かなりのロスになると思うので、その頃また、全体の細かいなレビューを書きたいと思います!

*画像はtvNからお借りました