Netflix「D.P.−脱走兵追跡官−」衝撃の名作!/(2)作品評価・キャスト情報・シーズン2は?

韓国在住KdramaライターMisa
Netflixオリジナルドラマ「D.P.−脱走兵追跡官−」の作品評価・キャスト・シーズン2に関する情報などを解説します!

「D.P.−脱走兵追跡官−」の前半の記事(韓国での反応・知っておきたい背景知識)はこちら

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*物語のネタバレも含まれるので、視聴前の方はご注意ください!

「D.P.−脱走兵追跡官−」作品に対する評価

「D.P.−脱走兵追跡官−」が、これだけ韓国で話題になったのには、そのテーマ性だけではなく、”作品としての評価”も非常に高いことが前提にあります。

韓国視聴者の声
俳優たちの演技、ストーリー、演出、主題意識まで抜けがなく完成度が高い
韓国の軍隊の闇を赤裸々に描きつつも、ストーリーとしての面白さやユーモアもあり、バランスが素晴らしい
俳優たちの臨場感あふれる演技が素晴らしい。助演まで演技の穴がない
韓国国内で評価される作品は、脚本・演技・演出・メッセージ性のすべてにおいて、完成度が高さが求められますが、「D.P.−脱走兵追跡官−」はまさにそんな完成度の高さに称賛の声が上がっており、過去のNetflixオリジナル作品の中でも韓国内で最も高い評価を得た作品と言えると思います。
特に、役者のキャスティングが大成功していて、隅々のキャラクターまで、特に演技力・キャラクター消化力が高く、個性的な俳優たちが勢揃いしているのは、ドラマ好きの方ならわかるはず。

↑左から、ク・ギョファン、キム・ソンギュン、ソン・ソッキュ、ハン・ジュニ監督、チョン・ヘイン

↑上段左から:チョ・ヒョンチョル、シン・スンホ、キム・ドンヨン
↑下段左から:イ・ジュンヨン、ヒョン・ボンシク、コ・ギョンピョ
韓国では、演技力がある=演技の幅が広いことを指すことが多いですが、「D.P.−脱走兵追跡官−」には、作品ごとに印象が変わるような”カメレオン俳優”が多く、彼らがリアルに表現したキャラクターが、作品の没入感を高めていると言えます。

例えば、重要なキャラクター、チョ一等兵を演じたチョ・ヒョンチョルは、作品ごとにまるで別人。

「D.P.−脱走兵追跡官−」キャスト関連情報

「D.P.−脱走兵追跡官−」では、俳優たちの熱演が高く評価されたこともあり、役を演じた俳優たち自身についても、大きな注目が集まりました。

階級と正反対の実年齢!?

まず、俳優たちが演じたキャラクターと、実年齢には面白い差があります。

ドラマの中で、軍の幹部だったこの3人は、

憲兵隊長 チェ・ヨンドク役
ヒョン・ボンシク(1984年生:37歳)
大尉 イム・ジソプ役
ソン・ソッキュ(1983年生:38歳)
中佐 パク・ボムグ役
キム・ソンギュン(1980年生:41歳)
*年齢は満年齢

と、実は階級と年齢が間逆であったことが話題になりました。

憲兵隊長、37歳には見えない…!(笑)

逆に、ホヨルを演じたク・ギョファンはすごく若く見えますが、1982年生まれ:39歳なので、憲兵隊長よりホヨルのほうが年上というのにも驚きです。

実は”入隊前”のあの俳優

ほとんどの主要キャストが、軍隊経験者である中で、実はある俳優だけ、1996年生まれの25歳で入隊前であることも話題になりました。

それは、物語の中でいじめの首謀者とされた、ファン・ジャンス役を演じたシン・スンホ。

これまでもNetflixオリジナル「恋するアプリ」やドラマ「18の瞬間」「A-TEEN」に出演し、モデル出身の俳優です。

監督も、「最も多くオーディションを行ったのがファン・ジャンス役」と話ながら、過去に運動をしながら垂直な上下関係の組織も経験したシン・スンホの持つ声、体型、顔つきに注目し、オーディション以外にも多くの会話を交わし、彼をキャスティングしたと言います。

結果、まさか軍隊未経験とは思えないほど、リアルな演技は高く評されたため、今後、さらに多く作品でキャスティングされる俳優になることでしょう。

大ブレイクしたク・ギョファン

そして何と言っても、「D.P.−脱走兵追跡官−」を通じて視聴者から最も大きな注目を集めたのが、ホヨル役を演じたク・ギョファン。

「キングダム」の最新作「キングダム:アシンの物語」にも出演し、韓国では、同時期に公開され大ヒット中の映画「モガディシュ」でも印象的な役を演じていることから、今や”時の人”というぐらい大注目されています。

大ヒット映画「新感染」の続編である「新感染半島」でも、その印象的な演技が注目されていたク・ギョファンは、2008年から映画を中心に出演している俳優。

独立映画を中心に出演しながら、自分で作品の演出やプロデュースも行ってきた独立映画界で有名な存在です。

原作にはないホヨルというキャラクターを追加したこと、その役にク・ギョファンをキャスティングしたことは、この作品が成功した大きなポイントの一つでしょう。

マネージャーがたまたまD.P.出身だったというク・ギョファンは、キャラクターをリアルに、そして独特のユーモアセンスを加えて魅力的に演じきりました。

実際にも「いつもユーモアを大事にする」というク・ギョファンですが、非常に人見知りで、同じく人見知りのチョン・ヘインとは最初はとても、ぎこちなかったと言います。

ただ、本来は”よく話す”ク・ギョファンが、”聞き上手”のチョン・ヘインにたくさん話しかけ、気がついたら親しくなっていたそうです。(1988年生まれ:33歳のチョン・ヘインとは、年の差6歳

繊細な演技力が光ったチョン・ヘイン

ハン・ジュニ監督がインタビューで、「すべての俳優が素晴らしい演技を見せてくれたが、あえて一人選ぶとしたら…」と言って名前を挙げていたのが、主役のチョン・ヘイン。

当初から、ジュンホ役はチョン・ヘインをイメージしていたと言い、「アン・ジュンホというキャラクターは、その内面を丁寧に表現することが大事だが、チョン・ヘインは年齢に比べて深い内面を見せてくれた」と高く評価していました。

「よく奢ってくれる綺麗なお姉さん」の年下彼氏役で大ブレイクしたこともあり、韓国でも「メロ職人」「国民の年下男」と呼ばれることが多かったチョン・ヘイン。

一方で、最近は、主演映画「ユヨルの音楽アルバム」、ドラマ「半分の半分」も低調に終わるなど、「よく奢ってくれる〜」以降、なかなか次のヒット作が生まれずに苦戦していたように思います。

私は、「よく奢ってくれる綺麗なお姉さん」の制作陣の二作目である「ある春の夜に」でチョン・ヘインにハマり、その魅力は、イケメンで柔らかい雰囲気の中に潜む”憂い・切なさ”と、繊細な表現力にあるなと思っていました。

しかし、一方で「ある春の夜に」以降の作品を観ていると、同じような「切ないラブストーリー」を演じ続けても、役者としての演技の幅が広がらず、さらなるブレイクが難しい…ということも、ファンとして心配していたところです。

「半分の半分」が半分打ち切りのような形になってしまったことを受け、チョン・ヘインの最近の作品選びが残念で書いたこちらの記事では「もっと先輩俳優と共演してほしい」と書きましたが、

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今回まさに、名俳優たちに囲まれた「切ないラブストーリー」とは全く逆の作品で、チョン・ヘインの持っている繊細な演技力が光るキャラクターを演じられたことが、本当に良かったと思います。

チョン・ヘインの瞳の奥から感じさせる内面の深さ。それを繊細に表現できる演技力。

今回のアン・ジュンホというキャラクターは、そんなチョン・ヘインだからこそ、深みのあるキャラクターとして視聴者の共感を得ることが出来たと言えます。

そう考えると、チョン・ヘインがまだ主役を演じる前、その外見から「初恋の彼」役などがとても多かった時期に、「刑務所のルールブック」で今回のアン・ジュンホのキャラクターに通じる、ユ大尉という役を与えたシン・ウォンホ監督はやはり、俳優の個性と才能を見抜く、”キャスティングの神”であることを再確認させられます。

韓国でも「D.P.−脱走兵追跡官−」をきっかけに、「刑務所のルールブック」でのチョン・ヘインの演技も再注目され、「メロ職人」「国民の年下男」から「信じられる俳優」としての地位を確立しつつあります。

今後は、これまでのようなラブストーリー以外にも、更に幅広い作品のオファーが来ることでしょう。

「D.P.−脱走兵追跡官−」シーズン2は?

「D.P.−脱走兵追跡官−」は、あまりにも好評だったため、配信直後にすぐに、シーズン2の制作を望む視聴者の熱い声が多く上がりました。

最初の記事で紹介したように、ウェブ漫画では上等兵であるアン・ジュンホ。そう考えると、当然シーズン2があってもおかしくなく、主演のチョン・ヘインは「シーズン4まで期待している」とインタビューで発言しています。

Netflixオリジナル作品では、これまでも「シーズン2がありそうな終わり方」で終わる作品がほとんど。一方で、実際にシーズン2をやるかどうかは、作品の再生数や反響の大きさから決定されていると言われています。

キム・ボトン作家もSNSで「Netflixの1位を500回記録したら、シーズン2制作決定らしい(これは私の考え)」と発言し、まずはシーズン1を沢山の人が観てくれることをお願いしながら、シーズン2を必ずやりたいという意欲を示しています。

チョン・ヘインもインタビューで「作家と監督がシーズン2の台本を書いていると聞いている」と発言するなど、まだ確定はしていませんが、シーズン2が作られる可能性は高そうです。

そんな中、韓国では今、今回配信されたシーズン1の内容について、少し心配な問題が発生しています。

5話の、コンビニで賞味期限切れの商品をそのままにするシーンについて、セブンイレブンから修正要求が来ており、法的措置を検討しているというものです。

もし、この件が大きくなれば、作品自体が一時的に観られなくなる、という可能性もなくもないので、心配なところです。
韓国のみならず、海外でも大きな反響を得ている作品なので、なんとかうまく解決して大事にならないことを祈りたいです…!

最後に

ということで、「D.P.−脱走兵追跡官−」について作品を理解するための知識、韓国での反応、キャスト情報などをご紹介しました…!

これは、来年の百想芸術大賞で、作品関連の賞を何かしら受賞するだろうし、その他の作品次第では、もしかしたら作品賞または大賞もありうるのでは?と思います。

1話あたりの尺も、話数もコンパクトなので、これまで韓国ドラマは長すぎて…と思っていた方や、男性が韓国ドラマに興味を持ってもらうきっかけになればと思います。

D.P.−脱走兵追跡官−
Netflixオリジナルドラマ(全6話)
2021年8月27日配信
監督:ハン・ジュニ

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*画像はNetflixKoreaからお借りしました