「賢い医師生活2」2話をさらに深く:字幕の狭間解説・演出意図を考察

韓国在住K-dramaライターMisa
「賢い医師生活2」2話を視聴済みの方にむけて、日本語字幕では伝わらないニュアンスや演出意図を解説・考察します!

「賢い医師生活2」では、細かい部分まで意味をもたせた演出、セリフや、日本語字幕では伝わりきれない小ネタなどが満載!

シーズン1に引き続き、韓国視聴者の間で話題になったことなどを参考にしながら、作品をさらに深く楽しむための私なりの解説・考察を行っていきます。
※完全ネタバレありなので、視聴済みの方が対象の記事です※

「賢い医師生活2」1話に関する記事はこちら

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「賢い医師生活2」2話のテーマ

「賢い医師生活2」2話では、99ズのそれぞれが医師として「患者に向き合う真摯さ」が掘り下げて描かれました。

それぞれのスタイルで、患者と真摯に向き合い、最善を尽くす99ズたち。

言葉はぶっきらぼうでも、とても細かく患者の面倒をみるジュンワン
普段はコミュ障なのに、患者の立場にたって配慮を尽くすソッキョン
コントロールの効かない子ども相手でも、一つもイライラしない仏のジョンウォン
感情に流されず誰にでも平等に対応し、仲間を大切にするソンファ
プロフェッショナルとして、患者と家族のために時には厳しい言葉も投げるイクジュン

また、99ズが向き合った、それぞれの患者たち側を見てみると、「病気と対峙する患者とその家族」という点が共通していました。

各ラブラインの様子と患者の話がバランス良くギュッと詰まった1話に比べると、ラブラインの分量が少なく、緊張感漂うシーンも多かったため、少しもの足りなく感じた方もいたかもしれませんが、「賢い医師生活」が大事にしてきた、人としての誠実さ・温かさを改めて掘り下げて描いた2話。

この肝移植患者の俳優さん、上手すぎて本当に憎たらしかった(笑)奥さんもリアル!

すでにシーズン1を通じて、作品の世界観とキャラクターの理解が視聴者側に浸透しているからこそできる、掘り下げ方だったと思います。

イクジュンのカード使用履歴

冒頭では、シーズン2から新たに登場した、病院内のカフェでのやり取りがありました。

病院のカフェと言えば、シーズン1では、病院の外観のロケ地となっている「梨大ソウル病院」に実在するカフェが定番だったのですが…(私もよく利用しますw)

シーズン2では、病院の内部を撮影しているセット上の中に、スポンサーでもあるAngel-in-us Coffeeのカフェを立てたようですね。(梨大病院カフェでやってくれないのが寂しい。。)

ここでは、ギョウルがイクジュンが貸してくれたカードを使っていますが、イクジュンが見ていたカード利用明細の内容に注目。

まず、日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、韓国ではカード&スマホ社会なので、いろいろな利用明細がSNSやショートメッセージで送られるのが普通。

カードを使用するたびにメッセージを送るように設定するかどうかは個人の選択ですが、この画面を見ると「公用カード」とあるので、仕事用のカードでこのように後輩に貸してあげたりすることが多いため、通知されるように設定してるのでしょう。

画面には、2つの使用明細が表示されています。

35,900ウォン 一括払い
12/28 22:19
チョガン洞 激辛豚足ポッ*
累積 856,200ウォン

(2020年12月29日)

14,800ウォン 一括払い
12/29 07:00
エンジェリーナス ユルジェ病*
累積 871,000ウォン

これを見ると、ギョウルが前日にイクジュンに「夜食でも食べろ」とカードを渡されて、激辛豚足ポッサム?(最後の文字が隠されてるので推測ですが)のお店で35,900ウォン分の食事をしたことがわかります…!

私は、ここからさらに、「これはもしや、ギョウルがジョンウォンと一緒に食べたのでは…?」と深読みしてしましました(笑)

というのも、価格が最低でも二人前ぐらいの価格であること。1話でギョウルに「当直に付き合えるよ」と言っていたジョンウォンのセリフ。

そしてこのカフェのシーンで、まるで当直あけかのように眠そうにジュンワンの腕により掛かるジョンウォンの様子から、「結局、ギョウルの当直にジョンウォンが付き合って、その時二人で食べたのでは…?」と考えました。

もちろん、コーヒーも2杯頼んでしまうぐらいのギョウルが、一人で二人前食べたとも考えられますが…。

なお、この明細で、もう一つ気になったのは日付。シーズン1の最終話が、クリスマスであったことを考えると、2話のこの時点が、2020年12月29日というのは、ちょっと時間が戻ってしまった印象。

というのも、シーズン1でも、全12話=1話1ヶ月という感じで、ドラマの中の時間は流れていました。

今回も、ジョンウォンが「ギョウルと付き合って1ヶ月ぐらいたった」というセリフや、部屋に飾ってあるカレンダーを見ると、2話は、1月末ぐらいの設定なはず。

このカード明細の通りだとすると、冒頭のこのカフェシーンは、ギョウルとジョンウォンが付き合い始めて4日目ぐらいのタイミングということに。

そうすると当直に付き合ってでも一緒に居たいジョンウォンの気持ちはますますわかるものの、そこから、その後のシーンで急に1ヶ月ぐらい経った設定になってしまいます。

ということで、「本当は1話に入れ込むつもりだったシーンが、編集で2話になってしまったのかしら…?」な〜んてことを思いました(笑)

追記
この日付についてですが、韓国テレビ放送時&Netflix配信初期は、紹介したように「2020年12月29日」という日付になっていたのですが、なんと現在Netflixでは2020年1月23日の日付に差し替えられているようです…!

この日付、やはり時系列的にちょっとおかしかったので差し替えたんでしょうね〜!

内容には直接影響がない部分ですが、視聴者がどれだけ細かく見ているかを制作陣もよく知っているからこその対応だったと思います。

やはり、制作陣が視聴者のフィードバックを細かくチェックしていることがわかる、貴重な事例でした!(Twitterでコメント頂き、発見しました!ありがとうございます)

ジョンウォンの告白

続いて、ジョンウォンがギョウルとのことを99ズたちに共有するため、皆を集めたシーン。

大量のラーメン

いや〜、まずここでは、猛烈にラーメン食べたくなりましたね(笑)→実際、翌日の昼、似たようなラーメンを食べました。

このラーメンのシーンはメイキングで、かなり事前にソンファが麺を持ち上げる練習を何度もしたこと。そして、最終的に顔のラーメンの汁は、スタッフさんが別で顔にふりかけたことなどが映像に収められています(笑)

季節感を表すいちご

そして、続いていちごを食べるシーン。何度も何度も食べつづけたからか、メイキングでも俳優たちが「しんどかった」と言っていました(笑)

なお、このいちごですが、とても韓国の季節感を表している演出でした。

私も日本ではいちごって高くて、特別な時やケーキの上の一粒ぐらいしか食べたことがなかったのですが
韓国では、冬の12〜1月ぐらいから春先にかけて、市場やスーパーでもいちごが並びます。
しかも、日本よりも価格が安いので、私も韓国に来てからは、いちごをたくさん食べるようになりました。
これくらい山盛りでも、4000ウォンぐらい。

おそらく実際にも、いちごが旬な12〜1月ぐらいの時期に撮影したのではないでしょうか。

ジョンウォンの告白

そして、いよいよジョンウォンが、皆にギョウルとのことを告白します。

ここでのジョンウォンとイクジュンのやり取りに注目してみます。

ジョンウォン「ギョウルといい仲だ」
イクジュン「俺もだよ 毎日会ってるし すごく仲良しだ」
ジョンウォン「いや、付き合ってるんだ」

最初に聞いた時、「わ〜これは日本語訳難しそうだな…」と思ったこのセリフ。日本語字幕を見て「なるほど、こう訳すのか〜」と思いました。

韓国語の直訳では、ジョンウォンは最初に

ギョウルと会ってる(付き合ってる)
=겨울이 만아

と言っています。私も韓国語の教科書では、付き合う=사귀다 という単語を教わったのですが、特に最近のドラマでは、付き合うことを直接的に「사귀다」という単語を使うのではなく、このように「会う=만나다 」という単語を使って、表現することのほうが圧倒的に多いんですよね。

「付き合おう」と直接的に相手に言うときも、만나다を使うことのほうが多いかも。

なので、その後、イクジュンが「俺も毎日会ってるよ」と言っているわけです。

このやり取りを韓国語がわからない人にも理解してもらうために、「いい仲だ」「俺も仲良しだ」という表現にしたのは上手いな〜と思いました。

あしながおじさんソンファ

2話では、ソンファが、VIP手術を積極的に受ける様子も描かれます。

病院長にも「そんなキャラじゃなかったはずなのに」と言われながら、ソンファがVIP手術をまさに「悪党(ピルラン)=仕事を一生懸命する人」のように、積極的にする理由については、皆さんおわかりですよね?

そうです、シーズン1で、病院をやめて神父になる予定だったジョンウォンから、「あしながおじさん」の役割を頼まれたからですね。

ユルジェ病院の後継者だったジョンウォンが、経営を他の人に任せる代わりに出した条件が、VIP病棟の収益は、すべてジョンウォンが管理することでした。

そして、そのVIP病棟の収益を使って、金銭的理由で手術や診療を受けられない患者のための「あしながおじさん」の活動をしていることは、シーズン1で描かれたとおり。

なので、ソンファがVIP手術を頑張れば頑張るほど、「あしながおじさん」の資金源になるわけですね。

なお、イクジュンが、実はこの「あしながおじさん」の活動について知っており(さすが、把握してないことはない男…)、それをソンファが引き継いだということを聞くシーンでは、ソンファとイクジュンのやり取りが可愛かったですね〜〜〜!

そして、ここでみなさんに重大なポイントをお伝えしておくと…実は韓国語で、「あしながおじさん」を表す「키다리 아저씨」は、直訳すると「のっぽおじさん」。

そう、実は韓国語では「足が長い」のではなく「背が高い」なんですよね。なので、日本語字幕ではこう訳されている、あのイクジュンの秀逸なギャグも…

ソンファ「今後は 私が あしながおじさんよ」
イクジュン「お前は 脚が短いのに」

韓国語で直訳すると

ソンファ「今後は 私が”のっぽ”よ」
イクジュン「お前は 背が低いのに」

という感じ。日本語の「あしながおじさん」という単語に合わせて、イクジュンのギャグも日本語用に変換されているんですね。
(ちなみに、ソンファが、「おじさん」まで言わず、”のっぽ”よ、と言ったのが可愛かったので、その感じは活かして欲しかった…!)

バンドシーン「秋の郵便局の前で」

そして2話のバンドシーンの曲は、「秋の郵便局の前で(가을 우체국 앞에서)」。

まさかの、ソッキョンことキム・デミョンの歌唱にジーンときましたね。個人的に99ズが一緒に歌ってる時も、デミョンさんの声がとても好きだったので、ソロ曲とは嬉しい限り!

デミョンさんの声にぴったりな、切なさたっぷりの曲。1994年に発売されたユン・ドヒョンという歌手の曲です。

その独特な声のため、映画「テロライブ」では、犯人役で声だけの出演もしたことがあるキム・デミョン。
今回は、キム・デミョンのソロ曲として、2話放送後の25日に音源が発売となり、現在音楽チャートの48位にランクインしています。シーズン1のチョ・ジョンソクの「アロハ」のように、ランキング上位に食い込んでくるか…楽しみです。

そして、「秋の郵便局の前で」歌詞の意味に着目してみると…

秋の郵便局の前で 君を待つ
黄色いイチョウの葉が 風に飛ばされて
通りすがりの人みたいに 遠くへ行くのを見るんだ

世の中に美しいものが どれだけ残るだろうか
真夏に夕立が降っても 強く耐えた花々と
過ぎた冬の吹雪にも そびえ立つ木々のように
空の下 すべてのことを 私一人で立つことができるだろうか
秋の郵便局の前で 君を待っているうち
ふとした思いに浸って 日が暮れるのも 気が付かなかったよ

(”가을 우체국 앞에서”より)

この曲には、2つの意味が込められていたと思われます。一つは、1話から描かれていたキム・スジョン産婦のストーリーと関連したメッセージ。

「良い人にも、不幸が訪れる」という言葉と、”強く耐えた花々””吹雪にもそびえ立つ木々”。

そして、「一人で立つことができるか?」という部分に、それでも支えてくれる家族や医師。そんなキム・スジョン産婦のストーリーとリンクするような歌詞の内容。

そして、もう一つは、皆が応援してやまない곰곰(コンゴン)カップルこと、チュ・ミナ先生との関係性。

韓国視聴者の間では、

ギョウル=冬
ミナ=秋
ソンファ=夏
イクスン=春

と言われています。(なんでそう言われ始めたのかは、思い出せないのですが…わかったら今度紹介したいと思います。)

「秋」はまさにチュ・ミナ先生。他人と線を引き、一人の世界を生きてきたソッキョン。風に飛ばされるイチョウの葉のように、「通りすぎていく縁」の元妻との関係。

でもふと、誠実に生きる人にも不幸が訪れることを目の当たりにし、「私一人で立っていることができるだろうか…」という考えに至った…と考えると、ミナの存在により、一人の世界から抜け出していくソッキョンを表している…ようにも読み取れます。

ソッキョンの「可能性ゼロ」

ソッキョンとミナの関係に、大きな影響を与えそうなソッキョン元妻の存在。

エレベーターシーン

すでにコーヒー4杯目というミナ先生が、エレベーターを待っています。

ミナ「カフェインが全く効きません」
→直訳)「病院のコーヒーには、カフェインが入ってないみたいです」

と、ミナらしい表現で、コーヒー三昧な生活を嘆いています。
なので、その後の「私はいつもデカフェです」という、相変わらずミナ先生とコードが合わない、ウンウォン先生の一言がイラッと来るわけですw

ここのミナの表情さすがでした(笑)

そして、エレベーターにはよりによって、ソッキョンと元妻。

ベテラン看護師が、「お食事は?」と聞きますが、これは本当に食事をしたかどうかを聞いたのではなく、とりあえず会ったら「ご飯食べた?」と聞く、韓国スタイルの挨拶。(特に、おばさま世代がよく使うのですが、私も最初は本当に食べたかどうか聞いてるのかと思ってました 笑)

そして、扉を閉めようとした時に、乗り込んできたイクジュン。

ここのイクジュンの動き、ウケましたね〜〜〜(笑)ほんとこういうの、チョ・ジョンソクでなければ出来ない動きだと思います。

おや 君は俺の大好きな トッポッキ
チューチュー・ミナか

最初は、なんかの曲のパロディかな?と思ったのですが(シーズン1では、PRODUCE101のPickMeを歌ってたので)、特に原曲があるわけではなさそう。

そしてここの日本語訳、翻訳者さん泣かせだったかなと思うのですが、、直訳すると

お?これは誰だ?
君は 僕のトッポッキ
トッポッキは 僕の愛
チューチュー(ミナ) では、ないかな?

という感じ。これは日本語訳のフレーズだけ聞くと、イクジュンがトッポッキを好きというように聞こえますが、ソッキョン&ミナカップルを応援する皆さんなら、別の意味が浮かんだのではないでしょうか??

そうです、トッポッキといえば、シーズン1でソッキョンがミナにこっそり差し入れしたもの。

シーズン1の第8話で、トッポッキやでソッキョンがテイクアウトをする様子を目撃し、ミナとも親しいイクジュンは、きっとあのトッポギがミナの元に届いたことを当然知っていたのでしょう。

頭の回転が速いイクジュンは、エレベーターの奥にソッキョンと元妻、そしてミナが不安そうな顔で乗っているのを見て、一瞬で状況を察知し、ミナを元気づけるためにこの歌を歌ったのではないでしょうか?

なので、この歌の歌詞では、実は、訳されていない「トッポッキは僕の愛」という部分が一番大事だったと思います。(手でハートマークまで作ってますしね)

元妻とは可能性”ゼロ”

そして、そんなシーンで不安になった視聴者の気持ちを払拭してくれたのも、これまたイクジュン。ソッキョンに、ストレートに「よりを戻す可能性は…?」と聞きます。

私は、エレベーターからの一連のシーンを見て、アシストしていたウィンターガーデンカップルが無事に成就し、シーズン2では、イクジュンが本格的に곰곰(コンゴン)カップルのアシストに入るんだな、という印象を受けました。

ただ、この「よりを戻す可能性は…?」のシーンでは、「可能性はゼロ(韓国語で”ヨン”)」と言いながら、二人がゼロというよりオッケーマークをしているので、一瞬不安になりました(笑)

しかし、更に念を押すように、ソッキョンと元妻の食事シーンでも、改めて可能性がないことが表現されましたね。

なお、ここでソッキョンが「ひとときの縁」と言ってるのは、実際には「通り過ぎる縁」と言っていて、先ほどの歌の歌詞とも重なる部分です。(「通りすがりの人みたいに」部分)

また、このシーンの最後のヒキのカットの構図は、「二人の関係には、続きがない=八方塞がり」ということを表してたのじゃないかな〜と思った私は、もうフカヨミ病かもしれません(笑)

CULTURA「賢い医師生活」特集:内容はこちらで紹介

イクジュンとソンファの距離感

そして、今もっとも視聴者が気になっているイクジュンとソンファの関係性。1話で、ソンファがイクジュンの告白を受け入れなかったことで「二人の間に微妙な空気が生じてしまったのではないか?」と思いながら、見た方も多かったでしょう。

2話では、友人として変わらず接しているように見えて、以前より少しだけ距離をおいてソンファに接するイクジュンの様子が描かれました。

シーズン2のHPのイクジュンの人物紹介には、こんな事が書かれています。

自分も認識していなかった心の傷を、ソンファとご飯を食べて、雨音を聞いて、日常を共有して癒やされていた事に気がついた。
そして、ソンファと少しだけ違う関係に進みたくなった。
欲張らずに、少しずつ、ゆっくりと。
まさに、「欲張らずに、少しずつ、ゆっくりと」。そんなイクジュンの様子が各所に表現されていました。

ソンファを心配するイクジュン

99ズの仲間たちには、人一倍ふざけているイクジュンですが、ソンファに対してだけは、いつも冗談を言うように見せて、気遣う言動を見せます。

特に、みんなで居るときは、

勢いよくたくさん食べてしまう”モッケビ(食べるおばけ)”ソンファに
→「ゆっくり食べろ」
首にヘルニアを抱えながらも、一生懸命働くソンファに
→「無理するな」

と、たしなめるのがおなじみだったイクジュン。今回、いちごを食べるシーンでは、相変わらず勢いよくいちごを頬張るソンファを見ながらも、何も言いません。

そして、「あしながおじさん」のシーンでは、本当は「お前、首が悪いのにそんなに無理するなよ」と言いたい気持ちを抑えて、「お前は…脚が短いのに」とギャクに変換して言ってしまったようにも見えます。

ソンファが元々、シーズン1で「束草(ソクチョ)の分院で1年間働く」と決断した一番の理由は、やはり度重なる手術により、悪化する首のヘルニアでした。

「束草の病院なら、手術数も多くない」と言って、選択したはずが、「あしながおじさん」を任されたことで、結局、大学病院本体での手術も抱えながら、束草と行き来する日々に。

ちなみに、束草というのは、ソウルからだと車で片道2時間ちょっとの距離。ソウルとは、朝鮮半島のちょうど反対側にあり、手術終わりの疲れた体で、車で行き来するのは、ちょっと大変な距離です。

自分を笑わせてくれる人

一方で、2話ではソンファの方の気持ちが、少しずつ動いていくのではないかな…?と希望がもてるシーンがいくつかありましたね。

一番はやはり、ソンファの笑いのツボが、イクジュンと合うということ。

シーズン1でも、誰も笑わないイクジュンのギャクに一人だけ、ツボにハマって笑っていたソンファでしたが、今回の「あしながおじさん」のくだりでも、イクジュンのギャグに「もう、たまらない」といった顔で、笑うソンファが微笑ましかった…!

そして、仲間を大事にしてインタビューを断ったソンファに、持っていたチラシで「銅像の代わり」とソンファの顔を作るイクジュンの様子にも、楽しく笑っていたソンファ。

その後イクジュンが、ソンファの方に腕を回して、歩いていく姿も印象的でした。(最後の最後、イクジュンが、ちょっと腕を引っ込めてたけど…!笑)

ソンファが、改めてイクジュンの存在を受け入れるとしたら、「自分を笑わせてくれる人」の存在の大切さを実感したときになるんでしょう。

また、同時に、そのような歌詞の曲がバンドで演奏されるんじゃないかな〜と思います。

コーヒーの送り主

そして、2話のラストシーン。疲れて束草に帰る、ソンファの車の上に置かれていた2種類のコーヒー。

私は実は、ソンファが自分の部屋で疲れて仮眠をとっていたあたりから、「これは、イクジュンが車で送ってあげるのではないか?」という展開を期待していました。

なぜなら、シーズン1で、イクジュンがソンファの病気を心配して、病院まで付き添ったエピソードなど、これまでを考えると、あり得る展開だったからです。

しかし、先ほど説明したように、今のイクジュンはあくまで「欲張らずに、少しずつ、ゆっくりと」。

ソンファが寝ている様子を、まるで外から誰かが覗いているようなこのカットは、イクジュンが部屋の前まで来たことを暗示していると思いますが、

部屋にも入らず、あくまでコーヒーをそっと車の上に差し入れする、というのがイクジュンが守った今の距離感なのでしょう。

なお、このコーヒーの送り主については、韓国視聴者の間でも、ほとんどの人がイクジュンだと予想していましたが、

一方で、ソンファがこれから車で帰ることを知っていた&ソンファが自分たちのためにインタビューを断ったことへの感動と感謝を表したい、ソンビンとソクミンの二人からの贈り物では?という説もありました。

ただ、コーヒーに書かれていたメモは、後輩の二人が書いたにしては距離感が近すぎるし、買ったばかりのソンファの新車を二人が知っているとも思えない。

何より、決定的だったのは、書かれていた文字が、イクジュン(チョ・ジョンソク)の筆跡と一致していた、ということ。

こちらは、多くのファンが比較していた、キャスト陣から視聴者への直筆メッセージ。特にチョ・ジョンソクは、!マークに横線をいれる癖があり、それがコーヒーの文字の方にも確認できます。

なお、よく見るとこのコーヒーは、病院内にもあり、ソンファが行って閉まっていたAngel-in-us Coffeeのものでもなく、違うコーヒーショップで買ったもの。

考えて見ると1話の冒頭でも、早朝に会ったソンファに「朝なのにコーヒー飲まないの?」と聞いていたイクジュン。

いちごのシーンで、ソンファがソウルに来るスケジュールを知っていたイクジュンは、手術が終わる頃を見計らって、ソンファの様子を見に来て、わざわざ病院の外でコーヒーを買って差し入れしたのでしょう。

もう一つのイクジュンの気遣い

…と、ここまでは私も予想したところだったんですが、ある韓国視聴者さんが、さらに「なるほど!!!」と思わず唸ってしまう素晴らしい分析をしていたので、ご紹介。

それは、2話の前半、ソンファとソンビンのエレベーターでの会話までさかのぼります。

ここでは、ソンファの手術に、急遽ソクミンもサポートで入ることになったという話が出ます。

ソンビン「先生の奥さんが明日がんの手術だから 自分が代わりに入ると言って」
ソンファ「事情を話したの?」
ソンビン「いいえ、もう知ってました」

最初に見たときは、そこまで気にしなかったこのやり取りですが…なんと、これが「ソンファの手術がうまくいくように、イクジュンがソクミンにサポートに入るように頼んだ」ということなのではないか?という分析。

な・る・ほ・ど!!!

これは、ものすごく説得力があると思いました。

イクジュンが、病院中の人たちの事情に精通していること。そして、ソクミンとも、1話の講演の話などで頻繁にやり取りする状況にあったこと。

結果的に、「ソクミンのアシストがあって、手術が無事に成功した」という部分が強調して描かれていたこと。

何より、このソンビンの「いいえ、もう知ってました」というセリフが、何かを意図していないはずがない…。

などなどを考えると、すごく有り得る話です。

シーズン2の制作発表会で、チョ・ジョンソク自身も

イクジュンのようないいヤツが、本当に存在するのか。こんな奴がいたら良いだろうな。と思うほど、イクジュンという人物を演じられて幸せです。
と話していたのを思い出すと、イクジュンという人物は、ソンファに黙って、そんな粋なアシストをしていてもおかしくないほど、カッコいいやつなのです。
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この点については、きっと、このあと伏線の回収が行われることでしょう!!
いや〜、まだまだ、韓国視聴者の分析力にはかないません(笑)
「賢い医師生活シーズン1」キャストインタビューが満載!

「賢い医師生活2」3話予告

そして、「賢い医師生活2」3話の予告。

予告からは、

ソンファがお見合いを断るために、一番中の良くて違和感のない誰かを彼氏代わりに!?
ウジュとイクジュンがキャンプの約束→キャンプといえばソンファ。3人でキャンプに??
母親に「彼女いないの?」と聞かれるソッキョンは、なんと答える?
遂にウィンターガーデンカップルは公開恋愛に…?
ソンファの可愛すぎる「アイ・ライク・ユー」は誰に言ったの…??

などなど、気になるネタが沢山…!! そして、ウジュがほんと大きくて、声まで成長してるのが、時間が流れたな〜という感じ(笑)

3話も楽しみでなりません…!

最後に

というわけで、「賢い医師生活シーズン2」の2話について解説・考察してみました…!

次は、もう少し話数が進んでからやろうかな〜と思ったのですが、1話の記事の反響が思いの外大きかったので、時間が許す限りで、できるだけ頻度高く更新していきたいと思います。

なお、解釈はあくまで勝手な考察(ある意味妄想)なので、もちろん、これが正解というわけではありません(笑)

みなさんそれぞれが、作品を深く理解するきっかけになったら嬉しいです!

3話の記事はこちら

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*画像はtvNからお借りしました