はじめに
2020年6月5日に開かれた第56回百想芸術大賞(ペクサン芸術大賞)。今年は無観客で行われたため、会場にはいけませんでしたが、韓国でテレビ生中継を見た私が、授賞式の内容を詳しくご紹介します。
この授賞式の内容を通じて、日本とは少し違う、韓国国内でのドラマや俳優の人気・評価について知ることができます。
今回特に、受賞コメントだけでなく、受賞発表直後に読み上げられる、受賞理由の部分まで翻訳を行いました。短い文章ですが、「作品や俳優の演技のどの点が評価されたのか?」を知ることができる、貴重な情報です。
実際に発表された順番に、紹介していきます。(長くなったので、記事を二つに分割しました)
なお、合わせて、事前に予想した内容が当たったのかどうかもご紹介していきます。
こちらの記事では、百想芸術大賞の基本情報や、事前予想とその理由についてまとめています。
ソウル在住ブロガーMisa2020年6月5日(金)に開催予定の、百想(ペクサン)芸術大賞のドラマ部門のノミネートと受賞を予想しながら、この1年の現地・韓国でのドラマのトレンドについて解説します!百想芸術大賞とは?[…]
では、早速行きましょう!
男性新人演技賞
まずはじめに、男性新人演技賞。候補者はこちら。
椿の花咲く頃 キム・ガンフン
梨泰院クラス アン・ボヒョン
浪漫ドクター キム・サブ2 アン・ヒョソプ
18歳の瞬間 オン・ソンウ
偶然発見したハル イ・ジェウク
そして、医療ドラマに携わった一人として、このメッセージを忘れませんでした。
最後に「どんな時でも、全力を尽くして、演技していきます」と締めくくったスピーチでした。
「浪漫ドクター キム・サブ2」からは、アン・ヒョソプしかノミネートされていなかったので、ドラマの仲間たちも会場に居なくて寂しい感じでしたが、医療陣への感謝まで忘れない、堂々としたスピーチでした。
私はアン・ヒョソプを「30だけど17です」から注目して見ていますが、キム・サブ2では、ハン・ソッキュなど大先輩に囲まれて、本当に演技が伸びたなと感じたので、これは予想通り&納得の受賞でした。
★「浪漫ドクター キム・サブ2」の魅力については、こちらで詳しく解説
こんにちは、ソウル在住ブロガーMisaです。今日は、先日韓国で放送が終わったばかりの「浪漫ドクターキム・サブ2」というドラマについて紹介します。このシリーズ何となく名前は知っていたのですが、シーズン1は見たことなかったんです[…]
女性新人演技賞
続いて、女性新人演技賞。候補者はこちら。
賢い医師生活 チョン・ミド
メロが体質 チョン・ヨビン
方法 チョン・ジソ
夫婦の世界 ハン・ソヒ
*悲劇が観客の心に怖れと憐れみの感情を呼び起こすことで精神を浄化する効果
「初めてのドラマを不安もあったし、プレッシャーもあった」と言いながら、関係者の名前をあげながら、感謝を述べ、
温かく見守る「梨泰院クラス」の仲間たち。
特に、パク・ソジュンは、とても真剣な眼差しで、セロイとして当時を思い返しているような表情でした。
ノミネートされた顔ぶれを見ると、ドラマ・キャラクターの人気としては、「夫婦の世界」のハン・ソヒ、「賢い医師生活」のチョン・ミドも強敵だったのですが、まず「賢い医師生活」は、来年のシーズン2が決まっているため、おそらく来年の百想では各賞を総なめにする(大賞もありうる)ことが予想されるので、今年はノミネートまでかなと。
「夫婦の世界」のハン・ソヒは、ドラマ終了後、大人気となりCMのオファーが殺到するほどの、今時点でもっともホットな女優。演技も評価されましたが、芸術大賞で審査員が演技という観点で賞をあげたくなるのは、キム・ダミのほうだろうなと。(昨年は映画で新人ながら、各賞を総なめにしています。)
映画もドラマもデビュー作で賞を獲りまくったキム・ダミ。次の作品にも期待したいです。
★【2020/6/19発売】韓国TVドラマガイド
バザー アイコン賞
さて、予想はしなかったんですが、ファッション誌バザーが選ぶアイコン賞というのがありました。
ファッションアイコンを選ぶ賞で、プレゼンターもバザーの関係者の方
ここで「愛の不時着」でソ・ダン役を演じた、ソ・ジヘが選ばれました!(ドラマの役柄ではなく、俳優個人に対して贈られました)
いや、本当に最近とても美しさに磨きがかかっていて、この日の衣装もまさにとても素敵だったんです…!
とても良いスタイリストさんが付いていると思われます。
予想していなかったということで、驚きながら、スタイリストチームをはじめとしたスタッフにお礼を述べていました。
びっくりして途中で言葉が出てこなかった時の、見守るヒョンビンのこの表情が最高でした…!
「愛の不時着」では、気の強い凛々しい女性を演じましたが、受賞コメントを見ていると、本人はとても気さくで、少しおっとりした感じもある可愛らしい人だなと感じました。
ソ・ジヘは、韓国では現在、主役で、ソン・スンホンと共演する新しいドラマが始まっています。その役が、ダンとは一味違う勝気ながらもカジュアルで可愛らしい感じの役で、とても似合っているんですよね。日本放送をぜひ楽しみにしてください…!
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脚本賞
続いては、脚本賞。候補はこちら。
ハイエナ(SBS→Netflix)
ストーブリーグ(SBS→KNTV)
愛の不時着(tvN→Netflix)
賢い医師生活(tvN→Netflix)
*「カブリ」は日本語訳では、ジョーカー
コン・ヒョジンが目を潤ませながら聞いていたのが印象的でした。こんな素晴らしい作品に出会えた幸せをかみしめながら、聞いていたことでしょう。
「椿の花咲く頃」をきっかけに、イム・サンチュン作家とチャ・ヨンフン監督のファンにもなってしまったので、お二人の関わる作品は今後絶対見逃しません…!!
…と、冒頭からいきなり3部門連続予想が当たり、受賞理由も予想したほとんどそのままだったので、かなりテンションがあがりました(笑)さて、この後は、どうなるでしょうか…。
男性助演賞
続いて、助演賞。プレゼンターで、昨年受賞者のイ・ジョンウンさん(パラサイト、椿のトンベク母)が登場したのも嬉しかった…!(お隣の個性派俳優、キム・ビョンチョルさんも好き)
まずは、男性助演賞。候補はこちら。名脇役だらけですねーー!
愛の不時着 ヤン・ギョンウォン
椿の花咲く頃 オ・ジョンセ
梨泰院クラス ユ・ジェミョン
ハイエナ チョン・ソクホ
こちらは惜しくも予想を外しましたが、椿ファンとしては、嬉しいハズレでした。
予想した「愛の不時着」のヤン・ギョンウォンのナチュラルな(と評価された)北朝鮮訛りと演技も素晴らしかったですが、やはりドラマ自体の人気も上だった椿で、オ・ジョンセさんの、あの簡単なようで難しいノ・ギュテというキャラクターを演じきった演技力が評価されたのでしょう。
オ・ジョンセさんの名前が呼ばれた瞬間、とても嬉しそうに手を叩いていた、コン・ヒョジン
なお、ギュテのとぼけたキャラクターとは異なり、オ・ジョンセさんは、毎回受賞コメントがしっかりしているのですが、今回は特に感動的で、今回の授賞式で最も印象的だったコメントでした。少々長くなりますが、素敵なのでぜひ、最後までお読みください。
受賞コメント:これまで100編以上、参加してきましたが、成功した作品もあり、失敗した作品もあります。その100編がすべて結果が違うというのも、不思議なことです。個人的には、100編すべて、同じ気持ちで、同じように一生懸命やってきました。
そうやって、振り返ってみると、私がうまくやったから結果が良かったわけでもなくて、私がダメだったから失敗したわけではないという考えが浮かびます。
しかし、決して失望したり、あきらめたりしないで、みなさんが何をするにしても、それを継続していただけたらと思います。
自分を責め立てないでください、あなたのせいではありません。
ただ、継続してやってみたら、いつもどおりやったのに、それまで受けることのなかった、なぐさめや良い結果が、みなさんにやって来ることでしょう。
みなさんも、きっと必ず、みなさんにとっての椿に出会うことができると信じています。
必ず、自分だけの椿に会うことができると。
みなさんの椿の花が、大きく咲くことを俳優、オ・ジョンセは応援しています。
感動。作品のメッセージを踏まえた、素敵な受賞コメントでした…!
この授賞コメントには、韓国視聴者からも、良いコメントで感動したとの書き込みが見られました。
なお、オ・ジョンセさんは、6月20日から韓国で放送が始まる、「サイコだけど、大丈夫」に重要な役どころで出演予定。このドラマについては、ブログでも紹介予定です。
★【2020年最新版】韓国ドラマで学ぶ韓国の歴史
女性助演賞
続いて、女性助演賞の候補はこちら。
愛の不時着 キム・ソニョン
愛の不時着 ソ・ジヘ
椿の花咲く頃 ソン・ダムビ
椿の花咲く頃 ヨム・ヘラン
ということで、演技力を絶賛するコメント。こちらも、嬉しいハズレでした…!
キム・ソニョンさんの場合、ノミネートは「愛の不時着」でしたが、「椿の花咲く頃」が終わってすぐに不時着にも出演したので、特にオ・ジョンセさんの後に表彰されると、一瞬「どっちのキムソニョンさん?椿?不時着?」と混乱しましたが(笑)、とにかく、どちらのソニョンさんも素晴らしかったので、とても嬉しかったです。
よく考えたら、「椿の花咲く頃」のあれだけの演技でも、KBS演技大賞で受賞を逃していたので、百想で不時着での受賞、というのは必然だったでしょう。
決まった瞬間、ヒョンビンも満面の笑みで拍手
「椿の花咲く頃」では、強烈メイク、「愛の不時着」ではほとんどすっぴんだったので、授賞式ではナチュラルなソニョンさんの美しさがみられました。
今やドラマでは、名脇役として欠かせない、引っ張りだこのソニョンさんですが、実は、演劇・映画の経験の方が長く、ドラマ出演は2014年からのこと。
なんと、ドラマでの賞が初めてなんて、意外すぎる…!
受賞した「愛の不時着」のキャストだけでなく、「椿の花咲く頃」のキャストも交互に映してくれるサブカメラ。さすが、わかってらっしゃる!!
これまでお世話になった、マネージャー、スタッフ、そして最後に、仕事が終わるのを待っててくれる愛する娘に愛してるよ、というメッセージで終わりました。
不時着の俳優も、椿の俳優もみんなが喜んだ受賞…!
さて、ここまでが前半。
人気賞以降の続きは、こちらの記事で
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