ミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」2021年イ・ギュヒョン主演回:観覧後記

韓国在住K-dramaライターMisa
2021年8月に観てきたミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」のイ・ギュヒョン主演回の観覧の様子を紹介します!

ミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」とは?

「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」は、元々アメリカで上映されたミュージカルであり、映画化されたため、日本でもご存知のかたも多い作品のはず…!男性から女性への性転換をしたロックシンガー・ヘドウィグが”自分の片割れ”を探して、全米をめぐる物語。

韓国では2005年からミュージカル作品として、そこからほぼ毎年開幕しているミュージカル界ではとても有名な作品。

過去にはチョ・スンウ、オ・マンソク、チョ・ジョンソクなど、今ではトップクラスの人気を誇る俳優たちが出演しており、男性俳優の登竜門的な公演でもあります。

毎年、ヘドウィグ役は5名ほどの役者の交代で演じられ、複数年にわたって出演しているチョ・スンウやオ・マンソクに加え、毎年新しいキャストもチャレンジ。

同じ役者でも、観るたびに少しずつ違うため、日本からも毎年この「ヘドウィグ」を観に韓国まで来るというミュージカルファンの方も多いでしょう。

完全にヘドウィグになりきってしまう女装と、激しいライブ・パフォーマンスが必要な役柄のため、まさにその日・その瞬間しか見られない生の演技が観られる、ミュージカルの醍醐味が味わえる作品だと思います。

今年の公演のチョ・スンウ版のSPOT映像↓

私も、ミュージカルはまだ数えるほどしか見に行ったことがない初心者ですが、「賢い医師生活」のチョ・ジョンソク(イクジュン)、ユ・ヨンソク(ジョンウォン)、チョン・ムンソン(ジェハク)たちも過去にヘドウィグを演じた名俳優!ということもあり、一度はどんな感じなのか観に行きたい…!と思っていました。

2021年版:ヘドウィグ役キャスト

2020年はコロナで公演がなかったのですが、2021年は7月30日から公演が行われることが決定…!

今年のキャストは、チョ・スンウ、オ・マンソク、イ・ギュヒョン、コ・ウンソン、レンの5名。
「チケットを取るのは至難の業だろうな…」と思っていたのですが、ある日偶然にもチケット発売開始5分前にSNSで発売日がその日であることを知り、試しに発売開始直後にアクセスしてみたら、なんとかチケットを確保することができました…!
「誰の公演の回を選ぶか?」が重要だったのですが、おそらくミュージカル界のトップスター、チョ・スンウの回は秒で売り切れるだろうなと思ったので最初から除外。
オ・マンソクとイ・ギュヒョンで悩んだのですが(二人とも好き…!)、、「賢い医師生活」でイ・ギュヒョンがカメオ出演したり、ドラマ「ボイス」で注目している時期だったので、イ・ギュヒョン回狙いでチケッティングに参戦。
コロナの状況が決して良くはなかったので、最初は迷いましたが、自分的にもイ・ギュヒョン氏が旬なタイミングで、偶然チケットを購入できる状況になったのも、何かの縁と思い思い切って申し込みました。
ちなみに、オ・マンソクのSPOT映像はこちら…!
今年、日本の番組のお仕事で直接お会いできたオ・マンソク氏。会った時の気さくな感じと全然違うのは、さすが役者さんだなと思います。初回公演から連続して演じているので、きっと来年以降も演じるはず…!次は是非、観に行きたいです。
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会場の様子

8月上旬。場所は、地下鉄6号線の新堂駅にある、忠武アートセンター大劇場。客席は1255席ほど。

座席は1つ飛ばしで「社会的距離」を守った形での配置。公演中も決してマスクを外さないように、何度もアナウンスがされました。

この日は、土曜日の夕方の回。早めに行って、フロアのキャストボードをパチリ。(直前には、この前にも写真を撮る行列が…!)

ヘドウィグといえば、やはりセットや衣装も独特の世界観でおしゃれ…!物語の中にも出てくるこのワゴン?の前にも、写真を撮る人の行列ができていました。

公演の感想

そしていよいよ、公演スタート…!ミュージカル初心者としては、まだ1階のスーパーお高い席までは手が出ず、それでも自分的には、過去最高に値段の高い2階の一番前の席で鑑賞。

周りにも意外と、一人で観に来ているミュージカルオタク的な女子がたくさん(笑)毎回、その方々が、双眼鏡を取り出す姿を観て「次回からは双眼鏡が必要か…」と思うものの、今回も忘れてしまい、肉眼で目を見開いて表情に注目(笑)

こちらが、イ・ギュヒョンのSPOT映像。

「刑務所のルールブック」のハニャン役のイメージが強いので、女装がとても似合いそうだと期待していたイ・ギュヒョン。
まずと驚いたのが、全体を通じて、ほぼヘドウィグの一人語り&ライブ歌唱で構成される舞台だということ。
いや〜、これはヘドウィグ役の俳優の演技力、歌唱力、体力、集中力が試される作品。スター俳優への登竜門と呼ばれ、歴代有名な俳優たちが挑戦しているのもわかります。
舞台の上で、ライブ中のMCのように、観客に対して語りかけつつ、自分の過去を話しながら、ストーリーが展開していくのですが、どこまでが台本で、どこがアドリブなのかがわからないほど。
物凄い早口なのですが、映画もみたことがあるので元々の内容がだいたい分かることと、イ・ギュヒョンは発声が良くてとても聞き取りやすいおかげで、十分に楽しめました。
途中、たまらなかったのが、イ・ジュヒョン自身の過去作品ネタがセリフの中に含まれていたこと…!
話の中で、「過去に2回ほど刑務所に行ってきたことがある」という「刑務所のルールブック」ネタがあったり、直近までやっていた作品「ボイス4」ネタも含まれていました。(観に行った時点では、私も視聴前でネタの詳細はわからずでしたが)
これは確かに、演じる俳優ごとに、そして同じ俳優でも演じる日ごとに、違う舞台が見られそうという感じ。
イ・ギュヒョンがこの公演の為に、かなりダイエット&体作りをしているというのは聞いていましたが、公演を見てその理由がわかりました。
あまりの迫力に完全に引き込まれてしまう、圧巻のフィナーレがあるのですが、それが終わって、最後にイ・ギュヒョンとして登場した時のギャップがすごかった…!
ヘドウィグを演じているときは、ハイトーンな声でテンションが高い”女性”なのですが、イ・ギュヒョンに戻ると一転、男性らしいクールな落ち着いた声で、役者さんて本当にすごいなと思いました。
見ているだけでも大変さがわかるほど、1回の公演で自分のすべての力を使い果たしてしまいそうなハードな公演。
1回演じたら、1週間ぐらいは何もできなくなりそうな感じですが、間に休みがあるとは言え、これを長期間に渡って演じながら、合間に他の活動もしているというのは、どれだけ体力と気力と集中力がいることでしょう。本当に引き受けるのに覚悟がいる仕事だと思います。(これを2005年から何年も連続して演じているチョ・スンウ、オ・マンソクは凄い…!)
また、全体的に美術演出が素敵…!作品の重要なメッセージが込められた歌を歌う際には、映像も一緒に流れるのですが、そこのアニメーションも独創的で、かなりレベルの高いアートディレクターさんが創っているんだろうなという感じ。
作品の深いメッセージを見事に表現していて、舞台美術、映像、音楽、衣装…どれをとっても、これだけの値段を払う価値がある芸術だなという感じがしました。
そして、何気に共演のイツァーク役の女優さんも、めちゃくちゃ歌唱力が求められる役柄。聞き惚れてしまうほどの素晴らしい歌唱力・声量で大きな拍手を贈りました…!
この日の女優さんはジェ・イミンさん
私は、会話してたと思ったら突然歌い出すような(笑)いわゆるミュージカルっぽい大人数が出演する作品は、あまり得意ではないのですが、この作品は、アーティストのライブを聞きに来たような、そして主演俳優の独演会を見に来たような感じで、すっかり虜になってしまいました…!
今回はコロナもあり、決して客席から立ち上がったり一緒に歌ったりしないように、というお達しの中、公演が行われましたが、普段なら本当にライブを見に来た客のように、一緒に歌ったりもするんでしょうね〜。
これは毎年、俳優ごとのそれぞれの公演も見てみたい…!
私の中ではいつまでも「秘密の森」のファン・シモクであるチョ・スンウや、「愛の不時着」チョ・チョルガンであるオ・マンソクが、この独特なヘドウィグという役をどう演じるかも見てみたいし、できれば、ト・ジェハク先生ことチョン・ムンソンの舞台も生で見てみたいです…!

会場販売のグッズ

なお、会場ではヘドウィグの独特な世界観を反映したかわいいグッズ達も販売されていました。

そして、一番人気だったのがこちらのTシャツ…!特に右のデザインは、普通に来てもオシャレ〜と思って、並んだのですがすでに希望のサイズが売り切れで購入できず。。

また、来年以降見に行く際には、グッズも購入してみたいと思います。

あの人達も演じた歴代”ヘドウィグ”

さて、最後にせっかくなので、歴代のヘドウィグ役の俳優の中から、気になるあの人たちのヘドウィグ役を紹介しておきたいと思います…!

まず、2011年のチョ・ジョンソク。さすがの歌唱力です…!

こちらは、2017年のユ・ヨンソク。スタイル良すぎ…!

そして、2019年のチョン・ムンソン。ト・ジェハク先生の面影はありません…!

最後に

ということで、ミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」を観に行った時の様子をご紹介しました…!

テレビで第一線で活躍している俳優さんの演技を生で、ミュージカルや舞台で見ることができるのが、韓国エンタメの醍醐味…!

しかも、その日、その時しか見られない演技で、映像にも残らないので特別感があります。こればっかりは字幕がつかないので、韓国語学習者だから楽しめるエンタメでもありますね。

特にこの舞台は圧巻で、1万円以上払ってでも観る価値があるなと感じました。ドラマの演技を見るだけでも、韓国の俳優さんのレベルの高さには感動させられますが、もうこういう舞台まで観ると、何というか…更に次元が違います…!

韓国語を勉強したお陰で、こんなにも素晴らしい芸術を楽しむことができて、本当に幸せだなあと改めて感じました。

今後も、ヘドウィグの舞台を見に行くのは、毎年の恒例イベントにしたいと思います。

そして来年は、日本から来た友人と一緒に行けますように…!

私も「賢い医師生活」のおかげで、ミュージカルの世界に初めて足を踏み入れたのですが、同じように「韓国ミュージカルって、今度行ってみたいな…!」と思う方が増えるきっかけになったら嬉しいです。

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